コニカⅢのカメラ修理

今日はまたネタにできるような
記念日のない日ですね…
それなら…と過去の6月23日に起きた出来事を調べてみると
1973(昭和48)年6月23日に
「自衛隊機乗り逃げ事件」なんてことが起きていますね。
飲酒した陸上自衛官が航空機に乗って飛び去り
機と一緒に行方不明になった事件だそうです。
これまた現在ではセキュリティ的にも考えられない事件ですね…
過去に火事が起きたときに格納庫に鍵がかかっていたため
機体が焼失してしまったこともあり
緊急時に着たいがすぐ出せるように
閂のみで鍵をかけないことが通例になっていたらしく
それが完全に裏目に出た感じです。
しかしこの事件、その後、機体のひとかけらも
もちろん行栄不明の隊員も現在に至るまで何も発見されていないのです。
燃料は1300km飛べるほどは積んでいたそうで
南に向かって飛んで行ったことは目撃されているものの
低空飛行だったせいかレーダーにも捕捉されていないそうです。
おそらく洋上で墜落かと思われますが
それにしても何も出てこないのも不思議ですよね…
酔った勢いでどこかに飛んでいきたくなったのでしょうか…
程度にもよりますが酔っぱらっているときって
素面の時には考えられないような行動に出ることがありますものねぇ
私もお酒は大好きですが
いまやそこまで深酒することはないとはいえ
泥酔しないように気を付けたいと思います…
今となっては笑い話程度ですが
過去に酔って何度かやらかした黒歴史もありますので…(苦笑)

さてさて

今日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカブランドとして初の35mm判カメラである
コニカⅠ(スタンダード)、Ⅱ、Ⅲと続いてきた
レンズ固定式レンジファインダー機シリーズの一員です。
Ⅲ自体は1956年の発売ですが
Ⅲの中でもいくつか種類があって
無印のⅢ、L1、L2、ⅢA、ⅢMが存在します。
今回はシャッターにセイコーシャMXLを搭載し
露出設定がこの当時に流行っていたライトバリュー方式に
変更された「L1」です。
今となってはライトバリュー方式の露出計等でも持っていない限り
通常の露出合わせのほうが使いやすいかとは思いますが
使い方に慣れてくると一定のLVを保持したまま
SSリングのみで絞りまで連動して露出設定を変更できることも
便利に感じる場面があるかとは思います。
ただ少し慣れは必要かもしれません。
もちろん普通にSSリングを動作して
絞り設定は別で変更もできるので普通の使い方も可能です。
レンズはヘキサノン48mmF2を搭載します。
なんといってもこのⅢからセルフコッキングが搭載され
鏡胴から生えた大きなレバーをダブルストロークすることで
フィルムの巻上と同時にシャッターもチャージできるようになりました。
その後の時代では当たり前のことなのですが
Ⅱまではシャッターチャージとフィルム巻上は別動作で
多重露光防止機能はついていても
操作上のミスも起こりやすい機構でしたから
やはりセルフコッキング搭載は
一気に操作を簡単に行える大きな進化だと思います。

お預かりしている「Ⅲ」はいくつか問題を抱えた状態です。
まず巻上ができてレリーズは押せるものの
シャッター羽根は全く動きません。
レリーズすればまた次の巻上も可能ではありますが
これでは全く撮影できません。
レンズシャッターでは定番のシャッター羽根の固着だと思われます。
加えて巻き戻しクランクの手持ちクランク部分が欠落していて
さらに絞り設定レバーも基部から先が欠落していて操作できません。
欠落部品は部品取り個体から移植するしかないですね
ファインダー・レンズにもかなりカビが生えていて
全体的に曇ってしまっています。
多少のカビ跡は残りそうなレベルですが
できる限りの清掃で対処していきます。

がそうはまだ取り掛かり始めの段階ですが
レンズ・ファインダーに関しては全く問題ないほどに
クリアに清掃することができました。
これであれば実際の撮影にも問題なく
快適に使っていただけるレベルです。
シャッター羽根の固着は羽根洗浄で
こちらも快調に動作するようになりました。
シャッター羽根がこれだけ固着しているほどなので
当然、絞り羽根にも油滲みがあり
若干の粘りが出ている状態だったのですが
Ⅲの場合はこの絞り羽根の粘りがかなり要注意です。
他のカメラで搭載されているセイコーシャMX系では
それほど意識することはないのですが
このコニカⅢの場合は比較的軽微な粘りで
絞り羽根が外れてしまう場合が多いのです。
場合によっては絞り羽根を止めているピンが破損するので
取り扱いには細心の注意が必要です。
今回も入念に清掃を行った上で
絞りの動きを何度も確認し
スムーズに動作する状態に整備しています。
あとは細かな調整を行いつつ再組立てして
最終的に完成に仕上げていきます。

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