今日は7月1日ということもあって
いろんな記念日が制定されています。
海開き・山開きも今日ですね。
そんな中に「ウォークマンの日」なんてのがあります。
1979(昭和54)年のこの日に
ソニーが携帯式ヘッドホンステレオ「ウォークマン」の
第1号機「TPS-L2」を発売しています。
それまでにも小さめのラジカセ自体は少ないですがあったものの
ヘッドフォン専用とすることによって
そのボディの小ささを実現し
「いつでもどこでも好きな音楽が聴ける」という画期的なスタイルを
提案し世界的な大ヒットとなりました。
リアルタイムで当時を体験していますが
むちゃくちゃ憧れましたしCMから何からカッコ良かったですねぇ
私が少し後に実際に手に入れたのは
ソニーではなく真っ赤な東芝の「Walky」でした。
めちゃくちゃ気に入って使い倒しました。
それでも当時はカセットだから
せいぜい数本持ち歩くのが限界でしたが
今やそれから考えると比べ物にならないほど便利ですよね。
ストリーミング+サブスクをうまく使えば
聴ける音楽なんて無限です。
私はいろいろ考えもあってメディアで持ち歩きますが
それでもSDカードに1万曲以上入っていて
それなりに膨大なレコード+CDコレクションの全てを持ち歩けます。
ウォークマン登場から44年…時代は変わりますねぇ…
さてさて
本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指して開発された
35mm判レンズシャッターカメラです。
光量の少ない場面でも撮影できるように
安定したスローシャッターが切れる電子制御シャッターを採用し
組み合わせるレンズも光量の少ない場面で威力を発揮する
F1.7の大口径レンズです。
露出制御は絞り優先オート専用とし
もちろんレンジファインダーも装備します。
生命線ともいえる安定した電源を確保するため
このカメラのために作られたとも言われている
HM-4N積層型水銀電池を使用します。
(現在ではLR(SR)44×4+電池アダプタで対応)
最初のエレクトロ35は1966年の発売で
1968年には基板の電気接点をそれまでのロジウムメッキに替え
金メッキを採用し耐久性を向上させた「エレクトロ35G」に
マイナーチェンジされ、その外装ブラックバージョンが
今回の「GT」となります。
エレクトロだけに限らずこのころのヤシカのカメラは
やたらとギラギラしたシルバーが特徴的で
それが魅力だったりもするのですが
ブラックはブラックでやはり精悍な印象でいいですね。
お預かりしている「GT」は外装の状態もなかななかよく
締まったブラック塗装が維持されています。
ただかなり長い間使われていないまま
仕舞い込まれていたものと思われます。
電池室を開けると一部が真っ黒に変色した
当時のHM-4N電池がゴロンと出てきました。
ずっと水銀電池が入っていたのであれば
ガスの影響で電池室及び配線基板に
かなりダメージがあるものと思われましたが
以外にも電池室はキレイです。不思議ですねぇ…
さすがに電源は入るものの不安定で
このままでは動きも不安定な状況ですし
オートの精度も全く出ていません。
電池室以外の接点やハンダ等で接触不良が
おそらくあちこちにあるものと思われます。
ファインダー・レンズにカビも見受けられますが
これも思ったほど酷くはないのです。
保管環境が良かったのでしょうね。
大切にしまわれていたものと思われます。
それでも「思ったほど酷くはない」というレベルで
さすがに撮影には影響のあるレベルなので
この機会に隅々までできる限りの清掃整備を行っていきます。
初期の電子制御機ということもあって
配線は非常に多いですし
基板内の部品に問題がある場合だと修理不能になることもあります。
それでもエレクトロは比較的電気的トラブルは少ないほうだと思います。
接触不良や配線腐食は確かに多いのですが…
整備性も「良い」とまではいいにくいですが
この類のカメラとしてはかなり良いほうだと思います。
画像はまだ取り掛かり始めですが
これからさらに分解を進めてまずはシャッターユニット周りから
整備を行っていきます。
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