ペンタックスKMのカメラ修理

今日は「西の日」ですね!
「に(2)し(4)」(西)と読む語呂合わせからです。
西に行くと幸運に巡り会える日。
また、西から来た人と仲良くなれる日とされています。
ここ数年、毎年この日に「西に行けば何かあるかも?」と思い
毎晩行っているウォーキングのコースを
この日だけひたすら西に向かうコースに変えて歩くのですが…
…何も変わったことはないですね…(笑
いやそれでも今夜あたり何かあるかも…?
ということで今夜もひたすらに西に向かってみます(笑

さてさて

今日は「ペンタックスKM」のカメラ修理を行っています。
「Kシリーズ」はペンタックスKマウントを搭載した
初の一眼レフのシリーズで1975年に
「K2」「KX」「KM」の3機種が発売されています。
トップモデルの「K2」は電子制御シャッター機で
「ESⅡ」の後継機的ポジションのカメラです。
そして「KX」「KM」はM42マウントの名機「SP」直系の後継機で
横橋りシャッター機構や巻上・ミラー駆動部等は
「SP」や「SPF」の構造がほぼそのまま使われています。
普及機的ポジションの「KM」は特にその傾向が明らかで
マウントを「Kマウント」に変更した「SPF」と言えるくらい
前モデルの「SPF」と共通項が多いカメラです。
「SPF」ならではの「フォトスイッチ」まで搭載しています。
あれだけ大ヒットしたロングセラ-機「SP/SPF」で
熟成された構造なので安定性や信頼性はやはり高いと思います。

ただ弱点も「SP系」からそのまま受け継いでいる部分もあり
今回お預かりの「KM」もそうですが
プリズム周りにぐるりと巻かれた遮光材の劣化・加水分解により
定番トラブルである「プリズム腐食」が発生しています。
ファインダーを覗くと中心より少し下、横方向に
黒い帯がくっきりと見える状態です。
プリズムは腐食のないものと交換で対処していきます。
おそらくかなり長い間、
使われずにしまい込まれていたものかと思われます。
それでも保管環境は悪くなかったようで
装着されているSMC55mmF1.8は変質による薄曇りこそあるものの
カビもなくかなりキレイな状態です。
ただボディ側はいろいろ問題を抱えていて
先述したプリズム腐食に加え電池室に電池が入ったままになっており
中の電池は緑青だらけでひどい状態で
配線を含む電池室周辺を腐食させてしまっています。
もちろん露出計は動きません。
確認するとボディ上部の基盤にまで緑青が広がっています。
電池室の蓋は強烈に固着しており
ここまで半日以上かかっていますがいまだに蓋が外れません(苦笑)
底板ごと外すと電池は取り出せますし
他の作業は進められるので電池室蓋は
底板ごと溶剤漬けにしておいて後で処置を行います。

シャッターや巻上、ミラー駆動部にもそれぞれ
汚れや油切れが原因とみられる動作不良が見受けられ
スローは粘り気味で高速SSではシャッターが開ききりません。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
確かにマウント部を見なければほぼ「SPF」ですね。

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