オリンパスOMー1のカメラ修理

今日は「パンの記念日」だそうですよ。
1842(天保13)年のこの日に
伊豆国(現:静岡県)の韮山代官(江戸幕府の直轄領を
支配するために設置された役所)において
西洋流兵学者の江川太郎左衛門英龍が軍用携帯食糧として
「兵糧パン」と呼ばれる「乾パン」を作ったのだそうです。
これが日本で初めて焼かれた「パン」と言われていて
これを記念した日なのだそうです。
乾パンと通常イメージする現代のパンでは
だいぶ印象が異なってきますね。
乾パンはビスケットに近いですものです。
そういえば私が子供の頃には冷蔵庫の上とかに
乾パンの入った缶が必ず常備されていて
たまにおやつ代わりに良く食べていたものですが
最近は乾パンも見ることが少なくなりましたね
乾パンはさておき現代の食生活で
パンはなくてはならないものですよね
私はじじいなので比較的米食が多いほうだと思いますが
それでもパンを口運ぶ機会は多いです。
コンビやスーパーで手軽に買う菓子パンや総菜パンもいいですが
たまにトーストやフランスパンをカリッカリに焼いて
たっぷりのマーガリン塗ってほおばりたくなります。
パンの焼ける匂いってなぜあんなに食欲をそそるのでしょうねぇ

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
以前に比べると少し整備の頻度が少なったような気もしますが
相変わらず機種別でみると当店では圧倒的に修理整備依頼の
多いカメラかと思います。
いつも書きますが「軽量コンパクトな一眼レフ」というジャンルの
パイオニアでもあり「機械制御シャッター機の」という括りを入れると
他に対抗機種のほとんどないカメラでもあります。
ただ小さくて軽いだけではなく作動音も静かな上に非常に上質で
独特の「シャリッ」とした軽快な巻上フィールも加えて
非常に使い心地の良いカメラでもあります。
巻上げてシャッターを切る一連の動作が楽しくなるカメラです。
ただこの同時代の他メーカー機では見られない
コンパクトさを実現するために隅々までいろいろな工夫と
独創的な造りで溢れており
現行モデルだった当時では問題なかったものの
発売から50年以上経過する現代となっては
若干華奢な部分でトラブルも起こりやすいかとも思います。
そのあたりをOM-1より一回り以上大きくて重い余裕あるサイズの
それも堅牢性が売りのカメラと比べること自体が
ナンセンスだとは思いますが…
…とはいえ基本的な構造はしっかりしているカメラなので
大抵の場合は致命的な破損等が起こる前に
しっかり手を入れておけばまだまだ使い続けられるカメラだと思います。

今回のOM-1もおそらくこれといったメンテナンス歴もなく
長らく使われずに眠っていた個体かと思われます。
シャッターは動作しているものの
各部の動きも動作フィールも悪く
シャッターの精度も全く出ていません。
先幕後幕の幕速バランスも大きく崩れていて
高速シャッターではシャッターが開ききらず
1/1000に至っては全く開いていないようです。
もちろんこの状態で写真を撮れば真っ暗です。
低速シャッターだとしっかり開ききりますが
今度はスローガバナーの粘りで低速シャッターも不安定です。
電池室に電池は入っていませんでしたが
やはり水銀電池を長く入れっぱなしにしていた時期があったらしく
電池室からの配線は腐食して断線しています。
そして定番のプリズム腐食も派手に出ています。
上カバーを開けてみると加水分解でボロボロになった
モルトがプリズムに貼り付いていました。

露出計本体は無事そうなので配線の交換や
SW部の清掃等で露出計は問題なく生き返りそうです。
製造番号やフィルム室の4本スタッドでわかっていはいましたが
最初期のOM-1かと思われます。
「M-1」から改名されてすぐの時期のモノと思われます。
プリズム抑えの4本バネや巻上レバーの形状も
初期モデル独特のモノです。
露出計の配線周りも若干その後のモデルとは異なります。
MDモデルあたりでよくトラブルの話題になる
電池室端子止めのネジはこの時期では普通に金属ネジで
絶縁ワッシャを挟んで留める構造になっています。
部品そのものもそうですが
調整等にもデリケートな部分の多いカメラでもあるので
慣れているとはいえ慎重に作業を行っていきます。

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