リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「アンネの日記の日」だそうですよ。
1942(昭和17)年のこの日に
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクによって
「アンネの日記」が書き始められたことが由来となっています。
「アンネの日記」の内容や詳細はここでは割愛します…
「日記」…自分の記録として非常に有意義なことはわかっていますが
10代の頃、何度か挑戦しましたが
すぐに続かなくなってしまいましたねぇ
でも自分の手で文章に残すという日記はなかなかハードルが高いと思いますが
今の世の中、気軽にその日の出来事を写真に撮っておくことだけでも
充分な「日記」と言えるような気もします。
私も過去の写真(幼少期のモノ以外はほぼデジタル化)を
何気に見返すことが多々ありますが
「20年前の今頃はこんなことしてたのかー」と記憶の引き出しを開ける
よいきっかけになっています。
さらに近年ではSNS等で写真に簡単な文章をつけてアップするのも
誰かに発信する目的ではなくても
日記代わりの良いアイテムになるのではないかと思います。
そういう面でも便利になりましたよねぇ…

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
オートハーフシリーズはオリンパスペンと並んで
ハーフカメラの代名詞的存在のカメラです。
上の話に関連しますがオートハーフこそ
1960年代なりに日記代わりに気軽に写真をパシャパシャ撮るための
カメラだったと思います。
写真に詳しくない方でも気軽に撮れるように
極力自動化を推し進め
どこに行くにも持ち歩きできるようにコンパクトに出っ張りも少なく
まとめたボディデザイン
そして枚数をあまり気にすることなく撮れるハーフ判カメラ
現在のスマホで気楽に撮りまくることと比べれば
さすがに制約は多いですが
それでもこの時代では相当に先進的なカメラだったと思います。
電池を使わずに自動巻上、オート露出、自動ピント合わせ(固定焦点ですが)が
できるわけですから素晴らしいですね。
この時代は普通に写真を撮るだけでも露出やピント・被写界深度の
知識がある程度ないと思うような写真が撮れなかったことを考えると
同じ時代のマニュアルカメラで撮影することを考えたら
相当に気軽に使えるカメラだったと思います。

今回修理の「オートハーフ」は
1972年発売の「SE」です。
「オートハーフE」をベースにセルフタイマーが追加されたモデルです。
お預かりしている個体はシャッターは一応は動作しているのですが
やはりしゃったーに粘りがありオートが不良なことと
セレンは起電はしているのですが劣化が進んでいて
起電力が弱くこれもオート不良の一因になっています。
外装も一部採光窓にひび割れが発生していたりしています。
今回はご依頼者様から外装やセレンを移植するための
部品取り個体を一緒にお預かりしているので
外装やセレン、露出計に関しては程度の良いほうを
必要に応じて載せ替えて良好な1台に仕上げます。

画像は一通りの修理整備が完了した状態でのモノです。
セレンや外装部品の一部は提供された部品取り個体から移植しました。
その上で整備調整を行いシャッターの動きも
オート露出の精度も非常に良好な状態になりました。
ファインダーやレンズは元々の個体のモノを
できる限りの清掃で充分なクリアさを確保しています。
少し動きの重かったゼンマイ自動巻上も
清掃注油の効果もあり非常に快調に動作しています。
裏ブタにたっぷりと盛られモルトももちろん交換し
フィルム室も非常にキレイに清掃済みです。
これで安心して気軽に使える状態に仕上がったと思います。
気軽に枚数を撮るカメラなのでしっかり整備して
状態や故障を気にせず使い込んでいただければと思います。

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