キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「夏の土用の丑の日」ですね。
土用の期間のうちで十二支が丑の日。
この日には鰻を食べて夏バテを防ぐ習慣があります。
「夏の」って付くくらいなので
本当は「土用」は春夏秋冬にあり
立秋の直前が「夏の土用」なのですね。
そのため「冬の土用の丑の日」にも鰻を食べる食文化を築こうと
「寒の土用丑の日」も制定されているそうです。
土用の期間は各季節18日間あるので
「丑の日」は1回または2回あり
1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」というのですね。
去年は土用の丑の日は1回しかなかったのですが
今年は丑の日は2回あって8月5日が「二の丑」となります。
この時期になると毎日立ち寄るスーパーで
「うーなぎ♪うなぎ♪うーなぎ♪うなぎ♪
どーようのうし♪かーばやきー♪」と
毎年恒例の「うなぎの歌」が生鮮売り場でかかっていて
「あぁ今年もこの季節かーと実感します(笑
私はそこまで「鰻大好き!たまらん!」というほどでもないので
もうここ何年も口にしていないですねぇ…
もともとは丑の日に「う」の付くものを食べるという習慣があり
そこからきているそうなので
「う」のつくものでこの季節に良さそうなモノ…
「うめぼし」でも食べておけばいいんじゃないかと…(笑

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
つい先日も「FTb」の修理がありましたね。
今回も先日と同じくマイナーチェンジ後で
SS表示がファインダー内に追加になった
「FTbーN」です。
FTbの発売は1971年、FTbーNは1973年の発売です。
F-1の開発からフィードバックされた部分もありますが
デザイン的にも差別化を図った「F-1」に比べると
FTbはあくまでも「FT系」のデザインです。
初期キヤノン一眼レフのイメージが色濃いこのデザインも
個人的には非常に好みです。
なんともいえない当時のレトロ感があるのですよねぇ…
それでいて機能的には開放測光に対応し
マニュアル露出の一眼レフとしては一通りの機能を備えているので
現在でも根強い人気があるのがわかるような気がします。

お預かりしている「FTb」は人気のブラックモデルで
外観のコンディションはなかなか良好です。
使い込んで地金が見えるようなヤレたブラックボディも
カッコいいですがやはりキレイなものは単純にいいですね。
ただしやはり長年未整備で放置されていた個体らしく
動きはいろいろと問題有りです。
シャッター音も少し高域のノイズを含んでいますし
巻上時にも少々異音が混じっています。
測定機で測ってみるとやはりシャッターの動きは悪く
1/1000では1/3ほど開いてないようです。
写真を撮れば1/3が真っ黒になってしまいます。
1/500からは開きますがやはり両端の露光差はかなりあり
白い壁や空を移すと両端の露光差がよくわかると思います。
バランスが取れていてシャッタスピードが狂っていても
画面内で露光差がなければネガならラチチュードの広さにカバーされて
あまり気にならないかもしれませんが
同じ写真内の両端で露光差があるとさすがに目立つと思います。
露出計もおそらくSW周りに接触不良があるらしく
一定の光をあてていても全く指針が落ち着きません。
やはり全体的に整備調整が必要な状態です。

まだ現状確認から取り掛かり始めの段階の画像です。
シャッタスピードダイヤルから露出計への連動は
糸を使うメーカーも多く
キヤノンもAE-1では糸連動でFXでは薄い銅の帯で連動しますが
FTやFTbではしっかりした金属板で連動します。
それに歯が付いていて露出計の歯車と連動します。
再組立て時の位置決めもやりやすくて整備性も良好です。
ちなみに追加されたファインダー内SS表示は糸連動で
分解時はこの機構がかなり邪魔になります(苦笑)
その点では前期型のほうが整備性は良いですね。
これから本格的に分解を進めて各部の整備を行っていきます。

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