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ミノルタXD-sのカメラ修理

今日は「さくらの日」だそうですよ。
「3×9(さくら)=27」の語呂合わせと
七十二候の一つ「桜始開」(さくらはじめてひらく)が
重なる時期であることからだそうです。
ここでいう「さくら」はおそらくソメイヨシノのことを
主に指すのだと思いますが
昨年や一昨年であれば既に満開だったのですが
今年は3月半ばから気温の低い日が多く
ずいぶん遅れていてまだ都内では開花宣言も出ていない状況です。
予想では本日当たり開花宣言が出そうなのですが…
さてどうでしょうね???
週末あたりからぐんぐん気温も上がりそうなので
開花し始めると一気に万回へと進みそうです。
今のところの都内の万回予想は4/5となっていますね。
ここ数年、4月には散ってしまっていることが多いのですが
今年は新年度に桜が楽しめそうですね!

さてさて

本日は「ミノルタXD-s」のカメラ修理を行っております。
「XD」は1977年に発売された
世界初の両優先オート(絞り優先、SS優先)搭載のカメラです。
それまでは絞り優先オート搭載機、SS優先オート搭載機が
それぞれ存在し、どちらがより良いのか?が論争になったりしたのですが
XDの登場以降、両方を搭載するマルチモード機が
より一般化していくようになっていきます。
現在のデジタルだともちろん当たり前の機能ではあるのですが…
ボディも小型化され非常に凝縮感があり質感も高いデザインで
ミノルタ機らしく非常に使い心地の良いカメラです。
今回の「XD-s」はその「XD」に視度補正機能が追加されたモデルです。
視度補正機能搭載がカメラ本体に搭載されるのも
この「XD-s」が世界初なのだそうです。
ファインダーの見えやキレにこだわるミノルタらしい機能追加ですね。
視度があってないとマニュアルフォーカスが合わせにくいのも大問題ですし
ファインダー内表示も見えにくくなってしまいます。
とはいえ眼鏡をかけるとファインダー内全体が見渡しにくくなってしまいます。
それを解消するために視度補正レンズを接眼レンズに追加するのが
この頃は定番でしたがその機能をダイヤルで調整式にして
接眼レンズ部に内蔵したのがこのカメラです。
それ以外の部分は基本的にはほぼ通常の「XD」と変わりません。

お預かりしている「XD-s」は露出計の動きが不安定です。
特にSS優先時にファインダー表示が一番上の▲に振り切ってしまい
全く制御ができなることが常にではないのですが多々あります。
おそらくブラシ接点で接触する摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
XD…というよりXシリーズには比較的多いトラブルです。
XDやXD-sは現行モデルだった当時から
比較的電気回路のトラブルが多いカメラで
電子基板内でトラブルが出ると現在では修理不可能な場合も多いカメラです。
シャッター制御がままならないような状態のモノは
当店でも残念ながら修理不可能です。
ただ今回のように接点や摺動抵抗のトラブルも多く
その場合には通常の清掃整備の上での調整で
修理可能な場合もございます。
ケースバイケースなので一概に言えませんが
手も足も出ないパターンは現存している個体では
比較的少ないのではないかとも思います。
電気的な問題もそうですがやはりシャッター羽根等にも汚れがあり
機械的動作にも問題がありそうです。
メカニカルで動作する「B」や「O」でも
動きが少々不安定なのでそのあたりの整備も合わせて行っていきます。

この時代の電子制御機なので
当然ながら分解整備には手間も神経も使います。
静電気の対処もしっかり行いつつ
慎重にこれから分解整備に取り掛かっていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「電気記念日」だそうですよ。
明治11(1878)年3月25日に
東京虎ノ門の工部大学校(現東京大学工学部)のホールにおいて
東京電信中央局の開業祝賀会が開催され
この席上、伊藤博文工部卿の発案により
工部大学校エアトン教授の指導で
日本国内で初めて電灯(アーク灯)の点灯に成功したそうです。
昭和2年から、この日を記念して3月25日を
「電気記念日」とし、先駆者の偉業をたたえるとともに
今後の新たな発展を誓う日としているそうです。
今日もあいにくの天気で朝から薄暗いですが
こんな日にもし電灯がなかったら
日当たりのない当店なんて全く何もできません…
今や電気や電灯があるのは当たり前になってしまっていますが
現在の日常の便利さに本当に感謝ですね。

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
ニコン初のエントリークラスのカメラとして
発売された「ニコンEM」をベースに
プログラムオート、絞り優先オート、
マニュアル露出モードを追加搭載し
マルチモード機へと仕立て上げたカメラです。
ニコン機のプログラムオートは
通常レンズ側の絞りを最少絞りにセットして行いますが
それを故意に絞り値を変化させても
「プログラムシフト」と称してオート露出が行えるようになっています
これを利用してSS優先オート的に使用することもできます。
このプログラムシフトに対応するために
レンズ側の自動絞り連動レバーの動きを
絞り段数にほぼ比例するよう改善したAi-Sニッコールレンズへと
レンズ側もモデルチェンジしました。
それでも旧来のAiニッコ-ルでも
プログラシフトを可能にするため
ミラーアップ直前に絞り込み測光を行う瞬間絞り込み測光を搭載しています
本当にこのあたりは過保護というかユーザーを信用していないというか
この時代のニコンらしい部分だと思います。
シンプルなEMが国内市場で今一つの販売状況だったため
急遽開発されたフルスペック機とも言われています。
これだけ高機能満載となったせいで
上のクラスでもある「FE」を機能的には超えている部分もありますが
あくまでもベースは「EM」なので
機能以外の部分ではやはりエントリークラスの造りな部分もあり
華奢な部分も散見されます。
瞬間絞り込み測光を搭載した関係もあり
シャッター音(正確にはミラー駆動音)が他のモデルに比べると
少々独特でこれが何とも良いと言われることも多いようです。
(私も個人的にFGのシャッター音には何とも惹かれます)

電子制御満載なマルチモード機ということもあり
制御関連にトラブルがあると
修理不可能な場合もあるカメラです。
今回、お預かりしている「FG」は
ファインダー内LEDが明るさに関わらず「60」と「125」で点滅して
オート制御されない…という症状でお預かりしています。
「FG」では「EM」と同様にフィルムカウンターが「1」になるまでは
シャッタースピードが1/90固定となります。
これは露出モードがオートになっていて
レンズキャップをしている際にフィルムカウンターが「1」になるまでの
「空写し」の際にオートが効いて
無駄なスローシャッター制御になってしまうこと等を防ぐためです。
「EM」ではその際に露出計はオフとなっていますが
「FG」では1/90固定で切れていることを知らせるために
「125」「60」の同時点滅となります。
その制御が上手くいっておらずカウンターが「1」になっても
通常のオート制御に移行しないものと思われます。
フィルムカウンター連想のSW部の単純な接触不良かと思われましたが
それ以外にも接点の接触不良が何ヶ所かあるようで
SWの接触自体は悪くないのですが電圧不足に陥ってしまっているようです。
接触不良を起こしやすい接点はある程度把握しているので
そのあたりを中心に整備修理を行っていきます。

80年代の電子制御カメラなので
さすがに整備性は良くはなくかなり手間がかかります。
その上、静電気等の対策も行った上で
非常に慎重な作業が求められます。
電気的な不具合も対処していくのですが
機械的にもかなりシャッター羽根の動きが不安定なようです。
とりあえずメカニカルの1/90は切れていますが
シャッタースピードの精度がかなり不安定で
特に後幕の動きが悪いことが原因のようです。
おそらく劣化したモルトが入り込んでいるか
羽根に付着した油脂類等が原因かと思われます。
そのあたりの整備も並行してこれから行っていきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「焼肉開きの日」らしいですよ。
焼肉のたれでお馴染みの
エバラ食品工業株式会社が制定しています。
春休みの最初の土曜日となることが多い
3月の第4土曜日に制定されています。
卒園・卒業・入学・新学期・新生活のスタートなど
お祝いの機会が多い春休みに
焼き肉を囲んで新たな門出を祝って欲しいとの
思いが込められているのだそうです。
気の置けない友人や仲間で集まると
焼肉屋さんに行くことが多いですよねぇ
私は年末年始やGW、お盆に
生まれ故郷に帰省することが多いのですが
ここ数年、必ず滞在最後の夜は親友と
焼肉屋に行くことが通例となっています。
しかしながら年々、量が食べられなくなってきているのですが…(苦笑)
焼肉屋と言えば「カルビ」が定番ですが
私も親友もカルビをほとんど頼まなくなっています。
それよりはひれはロースですね!
脂が重いからカルビを避けるのですが
でも不思議なことにいまだにホルモンは大好きで
量は食べられませんが毎回必ず頼みます。
私は全体的にかなり少食になりましたが
親友は昔と変わらず
ガツガツ量も食べるのですよねぇ…すごいなぁ
同い年でもかなり個人差があるのでしょうねぇ…
なんか悔しいですが(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
60年代を代表する一眼レフを何か選べと言われたら
このカメラが選ばれる可能性はかなり高いと思います。
SPよりも高級で高性能な一眼レフも存在しますが
コストパフォーマンスや機能性に優れて
大ヒットしたカメラとなるとやはり「SP」ではないかと思います。
TTL露出計も内蔵し
絞り込み測光で後に主流となる開放測光に比べると
少し使い勝手は悪いですがレンズからの絞り情報伝達が不要なため
ユニバーサルマウントであるM42マウントで対応できています。
ペンタックスのM42レンズ群も十分以上に魅力ですが
それ以外にも世界中のメーカ-から出ている
M42レンズを使用可能というのも大きな魅力です。
シャッターや巻上等の機械的な基本構造は
アサヒペンタックスから少しずつ熟成されてきた技術であり
非常に信頼性の高い造りになっています。
さすがに生産から60年近く経過することもあり
当時から未整備では本来の動きはできませんが
しっかり整備を行えばまだまだ現在でもストレスなく
使用できるカメラでもあります。

お預かりしているSPはやはり長らく使用されずに
しまい込まれていた個体のようです。
シャッターはとりあえず切れますが
シャッター幕の動きは本来の状態ではなく
特に先幕の動きが悪いようです。
そのため最高速1/1000では写真の1/3ほどが
シャッターが閉じてしまって黒く写ってしまう状態のようです。
1/1000以外も高速シャッターも先幕後幕の
バランスが崩れているので精度は出ていません。
低速側もシャッター幕の動きが悪いせいで
ミラーダウンレバーをしっかり作動させることができず
頻繁にミラーアップしたままになってしまう状態です。
セールスポイントのひとつでもある
露出計の状態は…と思って電池室の蓋を開けようとすると
蓋ががっちり固着していて少々のことでは開きません。
力任せに無理すると蓋を破損してしまうので
潤滑油や溶剤を用いて時間をかけて少しずつ緩めていくと
中から当時の水銀電池がゴロンと出てきました。
幸い液漏れはなく電池室の中は比較的キレイなのですが
水銀電池からのガスの影響で電池室からの配線は腐食していて
その腐食がボディ上部の基盤の一部にまで広がっている状態です。
それでも致命的な程のダメージではないので
配線交換と基板接点の磨きを行っていきます。

このカメラも心配されるのはプリズム腐食ですが
今回はそこに関しては何の問題もなさそうです。
露出計回路もありますが構造的にシンプルな
絞り込み測光機ということあり
整備性は非常に良好です。
機械的にはとにかくスムーズに各部が動くように
洗浄清掃注油を行い
露出計回路等の電気的な部分は
充分に電流が導通できるように必要に応じて配線を交換し
劣化したハンダや接点をやり直していきます。
しっかり手を入れれば安心して
撮影に使える状態に復活するカメラです。

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コニカⅠのカメラ修理

今日は「放送記念日」だそうですよ。
1925(大正14)年のこの日に
社団法人・東京放送局(現:NHK東京放送局)が
日本初のラジオ仮放送を開始したことが由来となっています。
同年の3月1日に試験放送が開始され
3月22日に仮放送が開始され
7月12日から本放送となったそうです。
おおよそ100年前なのですね。
すごく昔のような気もしますし
意外と近年なような気もしないでもないですね。
AM放送は段階的に中止・廃止の方向に動いていますが
やはり少し寂しいものがありますね。
いまだに自宅でたまにAMラジオを流していることもあり
あのなんともノイジーな部分も含めて好きなのですが…
これも時代の流れでしかたがないのでしょうね。

さてさて

本日は「コニカⅠ」のカメラ修理を行っています。
一般向けに発売されたカメラでは
コニカブランドとして最初のカメラです。
1948年発売のカメラです。
小西六や六桜社としてはもっと昔のカメラもありますが
「コニカ」としてはこれが最初になるのですね。
これ以前に対米輸出および米軍PXでのみ発売された
「コニカスタンダード」とほぼ同一のモデルです。
最初のモデルはヘキサー50mmF3.5が搭載され
1950年にヘキサノン50mmF2.8搭載モデルが追加されています。
レンズはいずれにしても沈胴式です。
シャッターユニットはコニラピッドSでB・1s~1/500をカバーします。
シャッターチャージもレリーズもシャッタユニットから
直接出ているレバーで操作し、フィルム巻上はノブで行います。

お預かりしている「コニカⅠ」は
50mmF2.8搭載モデルです。
おそらくかなり長い間使われずに
しまい込まれていたものと思われます。
保管環境はそれほど悪くなかったのだと思われますが
さすがに動かしていない時間が長すぎることと
積年の経年劣化や汚れの影響で
ありとあらゆる部分が固着してしまっていて
全く使えない状態でした。
まずシャッターチャージレバーが
がっちり固着していてチャージすらできません。
何とかそこは応急処置でいったんは動くようにしたところ
今度はシャッター羽根が固着で動きません。
もちろん絞り羽根も粘っています。
いつも書きますが無理に動かすことは厳禁です。
さらにスローガバナーもかなり粘っています。
全ての駆動部分を徹底的に洗浄清掃して
動きを良くする必要がありました。
その上の調整が必要です。

画像は一通りの整備が終わった状態でのモノです。
シャッターチャージからレリーズまで
現在は非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズ・ファインダーもできる限りの清掃を行い
撮影に影響がないレベルで非常にクリアになっています。
ヘリコイドのグリスアップも行って
沈胴動作もそうですがピント合わせも非常にスムーズに行えます。
これで快適に撮影に使っていただけると思います。
古い油脂類を一旦徹底的に除去して新しく
注油。グリスアップを行っているので
動きが馴染むまで少し様子見をしていましたが
問題ないようなのでこれから最終テスト行って
問題なければ完成となります。

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ミノルタハイマチック7sのカメラ修理

今日は「アジフライの日」らしいですよ。
アジは漢字で「鯵」(魚へんに参)と書くので3月を表し
21を「フ(2)ライ(1)」と読む語呂合わせから
21日として3月21日を記念日と制定したそうです。
アジフライ…食卓の定番で身近な存在ですが
本当に「飽きの来ない美味しさ」がたまらないですよねぇ
ご飯との相性も抜群です!
明治以降に西洋料理をベースに日本独自に
発達したいわゆる「洋食」ですが
もはや「和食」と呼んでも違和感ないほど
家庭の味となっているメニューだと思います。
酒の肴としてもいけますよねぇ…
自分でいろいろ工夫しながら調理するのが
楽しくて美味しいのは間違いないですが
スーパーとかでの出来合いの総菜でも
めちゃくちゃ美味しいのですよねぇ…
今夜、帰りにスーパーで見かけたら買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7S」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックの「7s」までの流れを簡単にまとめてみると
初代の「ハイマチック」はセレン光電池を使用した
露出計と連動するプログラムオート専用機でした。
(搭載レンズは45mmF2)
それが2代目の「7」で内部機構も大きく変更され
マニュアル露出も可能となり
露出計もCdS使用となりレンズも45mmF1.8へと
さらに大口径となりました。
初代とは大きく異なりますが
初期の「ハイマチック」といえば
この「7」をイメージすることが多いかとも思います。
そして「7」をベースにフラッシュマチックやフィルムインジケーターが
追加されたのが「9」で
「9」からフラッシュマチックを省略したものが
今回の「7s」となります。
発売は1963年です。
初期のハイマチックと言うことでこの時代らしい
少し大柄なボディにさらに大口径なレンズを搭載する
レンジファインダー機です。
プログラムオートの便利さも備えながら
マニュアル露出でオートでは難しいシチュエーションでも対応できる
一通り何でもできるカメラに仕立て上げられています。

お預かりしている「7s」はシャッターが開いたまま固着しています。
シャッター羽根は少しだけ端が覗いているような状態で
閉まろうとはしているのですが汚れ等の粘りに負けて
固着してしまっているような状態です。
絞りはマニュアル絞りには何とか対応して動作しますが
こちらも粘っているのでより小さな力で絞り羽根を動かす
オート時にはまともに動かないと予想されます。
レンズは比較的キレイですがそれでもカビがそれなりにあり
ファインダーはかなり曇ってしまっています。
電池は抜いて保管されていたようで電池室は
それなりにキレイで電池を入れると精度はともかくも
露出計は何とか動作します。
シャッターユニットを中心に一通りの整備が必要な状態です。

キヤノネットあたりの修理の時にも書きましたが
60年代のレンズ固定レンジファインダー機は
まだ小型化の波が押し寄せる前で
「大きくて重いほうが高級感がある」とも思われていた時代なので
このハイマチックもボディサイズに余裕があり
整備性は非常に良好です。
いわゆる指針挟み込み式のオート制御ですが
連動部も非常にしっかり造りこまれており
連動する動きを確認していても惚れ惚れしてしまいますね。
それでもさすがにシャッター羽根以外にも古い油脂や
積年の汚れで動きの悪い部分があちこちにみられるので
しっかり整備を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「春の睡眠の日」だそうです。
世界睡眠デーが3月の第三金曜日(今年は3/15)なのですが
日本独自の睡眠の日として3月18日を「春の睡眠の日」に
「ぐっ(9)すり(three=3)」と読む語呂合わせから
9月3日を「秋の睡眠の日」に制定しているのだそうです。
睡眠は大事ですねぇ~
若い頃は少々の寝不足だろうと徹夜明けだろうと
気合で乗り切れましたがもうそんなことはできません。
少し睡眠が足りないだけで昼間は異様に眠いですし
集中力が全く続かなくなります。
逆に十分に質の良い睡眠を取っている翌日は
気持ちよく頭の中がすっきりして何にでも集中して取り組めます。
その差が近年より顕著になってきたような気がします。
だから翌日普通に起きなくてはいけないときは
極力夜更かしのないように気を付けています。
…とはいえいつもの私は朝ゆっくり目なので
それなりに就寝時間は遅いのですが…
毎日を効率よく過ごすためにも規則正しい
充分な睡眠は本当に必須ですね!
ただ夜中になると妙に目がさえて
ついつい予定より夜更かしすることも多いので気をつけます…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフモデルであり
「ニコンFマウント」を初採用したカメラでもありますね。
その優れた堅牢性と豊富な交換レンズ・アクセサリー群で
あらゆる撮影現場に対応し
発売後の「東京オリンピック」でも多く使用されたことにより
世界中にその名を轟かせた伝説のカメラでもありますね。
発売から65年が経過する現在からみても
内部の精度は非常に高く使われている部品も非常に丈夫です。
過酷な状況で使われたり保管状況の悪い個体も多く見かけますが
大きな破損がない限りは致命的なトラブルを抱えた個体は少なく
しっかり整備を行ってやれば本来の動きを取り戻すものが多いです。
そうはいっても生産から60年以上経っているカメラなので
さすがに整備もせずにほったらかしでは
各部の動きが悪くなるのは当然で
そのためにシャッターの精度が出ていない個体は多いと思われます。
それでもとりあえずは何とか動作しているものがほとんどなだけでも
やはり非常に丈夫なカメラだと思います。

お預かりしている「F」もかなり長い間
使われずにしまいこまれていたものだと思われます。
これもとりあえずはシャッターは動作しますが
巻上に明らかに油切れの兆候があって感触も良くありません。
当然ながらシャッターは動作していても精度は出ておらず
特に高速シャッターの精度は写真に充分影響が出るほど
バランスを崩した状態です。
低速シャッターもスローガバナの粘りが出ていて
今にもシャッターが止まってしまいそうな状態です。
装着されているファインダーはアイレベルで
プリズムの腐食が多いことで有名ですが
今回の個体はそれほど大きな腐食はない状態です。
ただよく見ると蒸着面は荒れていますし
やはりうっすらと縦方向に腐食が出ています。
腐食自体は改善できませんが
これ以上なるべく腐食が進まないように
できる限りの対策を施します。

内部もかなり汚れていてこの汚れと
古い油脂が各部の動きを妨げている状態です。
それでも各部品はさすがのオーバークオリティさで
しっかり洗浄清掃して最小限の注油を行えば
非常に精度高くスムーズに動作します。
分解するたびにその各部の精度の高さに
ほれぼれしてしまいます。
それに加えて整備性の高さも非常に良い点で
定期的に整備調整を行って長く使うということを
前提に造られているカメラです。
この時代ならではの良い機械の使い心地を
ご依頼者様にも存分にお楽しみいただければと思います。

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リコーオートハーフSのカメラ修理

今日は「ミドルの日」だそうですよ。
「ミ(3)ドル(16)」と読む語呂合わせからだそうです。
ここでいう「ミドル」とは世代のことで
明確な定義はないものの概ね40代~50代半ば…というところでしょうか…
このあたりの年代になると個人差も大きいのですよねぇ
私はもはやミドルではなくてシニアに
片足以上突っ込んでいると思いますが…(苦笑)
人の各パーツの耐用年数ってなんとなく50年前後かなぁ…と思うのです。
先程も言ったように個人差が大きいですが
若い頃では考えられなかったようなトラブルとかが出てくるのも
40代後半くらいからのような気がします。
当店に入ってくるカメラもそうですが
耐用年数を超えているからといってすぐに壊れるわけではないですが
無理な力や過剰な負荷がかからないように気を付ける必要はありますよね。
ましてや人間の場合は部品交換ができるわけでもないので
なおさらかとも思います。
…とあちこちに衰えも見えてきていろいろ問題も抱えている
自分の身体と向き合っている次第です…(苦笑)
こればかりはしかたないですね。
年相応に「なるべく」無理のないようにもう少し生きていきます(笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフS」のカメラ修理を行っています。
オリンパス・ペンシリーズと並んで
ハーフカメラの双璧ともいえるカメラですね。
「S」は1965年発売のモデルで
初代の構造の見直しが行われレリーズボタンがボディ上面に移設され
内部構造も変更がいろいろと行われています。
機能的にはセルフタイマーが増設され
裏ブタは初代の取り外し式ではなく丁番式に変更されています。
いわゆる普通に見かけることの多い「オートハーフの形」になったものは
この「S」からということになります。
ボディ前面がアルマイト板になったのもこの「S」からですね。
実際にオートハーフらしい非常に多くの
外装バリエーションモデルが出るのは
セルフタイマーが省略されて前面構造がよりシンプルになった
翌年登場の「E」かと思います。

お預かりしている「オートハーフS」は
おそらくご依頼者様のお宅で相当長い間
眠っていたものと思われます。
最も心配な部分はセレン光電池ですが
調整は必要ですがそれなりに起電しているようで
とりあえずは一安心です。
ただそれ以外はやはり動きが悪かったり劣化が進んでいたりと
全体的に整備の必要な状況です。
露出計はセレンに伴って元気に動作してはいますが
シャッター側に羽根粘りが発生していて
非常に動きが不安定です。
そのためオート精度も同様に不安定で
大幅にオーバー露出となってしまうことが多々ある状態です。
レンズ・ファインダーにはクモリ・カビが見られ
自慢のゼンマイ仕掛けの自動巻上は油切れ気味で
動きが良くありません。
そして当然のごとく裏ブタ部のモルトは全滅です。
ハーフカメラに限ったことではありませんが
コストの関係上、この時代のコンパクトカメラは
裏ブタの遮光をモルトにかなり頼っているものが多く
貼られているモルトの量も多く劣化は即光線漏れに繋がります。

まだカバーを外しただけの状態ですが
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
元々の外装サイズが限界まで小さく造られているせいもありますが
この時代のカメラとしては結構中身はぎっちり詰まっています。
整備性の良いオリンパスペンに比べると
正しい手順と多少の手間が整備時に必要となります。
とはいえ、もはや見慣れた風景でもありますが…
慎重さだけは忘れずに落ち着いて整備を行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「靴の日」だそうですよ。
1870(明治3)年のこの日に
実業家・西村勝三が東京・築地入船町に
日本初の西洋靴の工場「伊勢勝造靴場」を
開設したことに由来するそうです。
外出するうえで靴は本当に大事ですよねぇ
「ちょっとそこまで…」くらいであれば
ある程度のものなら何でも良いと思いますが
1日履き続けるような場合は靴の良しあしによって
本当に調子が大きく左右されると思います。
単純に良い靴とか悪い靴とか問題よりも
「きちんと合っている」かどうかが重要かと思います。
私も今はもうすっかり縁遠くなってしまいましたが
山歩きで1日重いリュック背負って歩くような場合は
ある程度の靴でなければならないのは当然として
厳密に合っていないとちょっとした不具合が
何時間後に大きな悪影響になることが多々ありました…
日によって足の大きさって微妙に変わるのが
また厄介なのですよねぇ…
よく靴下や中敷きで微調整もしていました。
今でも毎晩のウォーキングに使う
スニーカーのサイズ感は割と気になります…
歩くことや足のコンディションって
全身のコンディションに繋がっていくので
キチンと合った靴で気持ちよく歩くことをおススメします!

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
このカメラの整備依頼もコンスタントに多いです。
それだけ現行機種当時に売れていたということと
現在でもしっかりしているものが多く
使いやすいという両面があると思います。
1967年発売のカメラでこの時代ですから
中級機としては比較的大柄でそれなりに重いのですが
その分、非常にしっかりと造られて堅牢性に優れるカメラです。
ひどいショック品や水没品でなければ
致命的な故障や破損をしているものは極々稀で
ノーメンテでもいまだにとりあえずは動作する個体が
多いかとも思われます。
しかしながら登場から既に50年を優に超えている機械であり
さすがに未整備では本来の動きとはいかず
動きにくい身体を無理やり健気に動かしているような
個体も多いのなるべくキチンとした整備を
行ってあげたいものですね。

お預かりしているニコマートは
シャッターが切れたり切れなかったりの状態です。
シャッターユニットの動き自体は
それほど大問題があるわけではないのですが
ミラー駆動部に積年の汚れや古い油脂の影響と思われる
動作不良を抱えていてレリーズしてもミラーが動かない状況に
結構な頻度で陥ってしまいます。
ミラーが動かないと当然ながらシャッターの駆動に繋がらないので
レリーズしてもシャッターが切れない状態になってしまいます。
シャッターが運よく切れた場合でも
ミラーの動きは目視で明らかに鈍い状態です。
これではシャッターが切れてもシャッターレスポンスが悪く
シャッターチャンスを逃してしまいます。
シャッター自体の動きに大きな問題はないものの
汚れに影響を受けやすい金属羽根はやはり多少粘りもあり
高速シャッターの精度は出ていない状態です。
加えて露出計もマイラー抵抗の汚れかと思われますが
指針の動きが非常に不安定です。

ユニットシャッターを使って
コストダウンしている部分があるとはいえ
さすがはこの時代のニコン機といえる部品の丈夫さと
整備性の良さを兼ね備えています。
積年の汚れ等で動きが悪くなってしまうのは
致し方ないですがしっかり整備清掃を行えば
本来の動きを取り戻せるカメラだと思います。
画像はまだ取り掛かり始めの状態ですが
これからしっかりと分解整備を行っていきます。

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コニカオートレフレックスT3のカメラ修理

今日はなんといっても「ホワイトデー」ですが
私には何も関係がないので(苦笑)他の記念日で…
3月14日ということで「円周率の日」ですねぇ
円周率の小数表記「3.141592653589793238462643383…」の上3桁に
由来しています。
さらにこの日の1時59分か15時9分にこの日を祝うのだそうです。
円周率の上6桁までを表すのですね。
「円周率の日」に関連して
「数学の日」や「パイの日」も制定されています。
「パイの日」は円周率を円周率を
ギリシャ文字の「π」(パイ)で表すことからですね。
話が少しそれるのですが「パイ」といえば
私の生まれ育った呉の街に「エーデルワイス」という
洋菓子店があってそこのクリームパイが
昔からめちゃくちゃ美味しいのですよ。
いつも呉に戻った時に泊まるホテルの
すぐ近くに店舗があるのですが
開店時間と同時にいつも行列でなかなか買えないのですよねぇ…
そういえば「今日も並んでるからまた今度で…」と
いつも購入を見送ってて
いつのまにか数年は食べていないかも…
GWに戻ったときには今度こそ手に入れます!
「パイの日」から連想してどうしても食べたくなってきました!

さてさて

今日は「コニカオートレフレックスT3」の
カメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
コニカマウントⅡとなった1965年の「オートレックス」からの
流れを汲むカメラです。
オートレックスはフルサイズとハーフ判を切替可能なことが
セールスポイントのひとつでしたが
後継の「FTA」以降のモデルは通常のフルサイズ専用機です。
もうひとつの大きなセールスポイントである
指針挟み込み式のシャッタースピード優先オート露出搭載は
「FTA」以降も同様の構造のものが受け継がれていて
「T3」のSS優先オートもほぼ同様の構造で制御します。
ただ一部で不評だった一連のコニカSS優先機の
長いシャッタストロークは「T3」では多少改善されています。
それでも他メーカー機と比べれば長めのストロークです。
ただ、慣れてしまえばそれほど気になるほどではないかと思います。
基本的な機械構造は前モデルの「FTA」を引き継いだものですが
多重露光レバーやアイピースシャッター等の機能も追加されています。
の後期モデル(今回も後期モデル)ではホットシューも追加されています。
少し大柄で「ガシャコン!」と動く
少し前世代的な雰囲気も漂うカメラですが
なかなか味もあって面白いカメラだと思います。

お預かりしている「T3」は
まずシャッタチャージが上手く完了しない状態で
巻き上げた瞬間にしゃったーが切れてしまい
リリース状態に戻ってしまいます。
縦走りユニットシャッターで他機種でも
たまに見かける症状です。
チャージロックが動作不良で効かない状態だと思われます。
シャッター羽根にもかなり汚れがあり
動作が怪しい状態ですので
このあたりも原因の一つになっていると思われます。
加えて露出計も不動の状態です。
機械的にも電気的にも一通りの整備が必要な状態です。

画像はまだトップカバーを外しただけの段階ですが
指針抑え込みの機械的制御のオート制御で
シャッター制御も機械式な割には
かなりごちゃごちゃした印象のありますね。
実際に「FTA」の頃から整備性はあまりよろしくないですが
「T3」になってからはファインダー内SS表示が増えたこともあって
さらにややこしい構造になっています。
増改築を何度も行った家屋を少し連想させますね(苦笑)
スクリーン清掃するだけでも手順がわかっていないと
かなり面倒なことになりえます。
ここからミラーボックス脱着をいつものように行っていくのですが
連動糸も多く整備時に結構手間のかかる部分の多いカメラです。
構造がしっかりわかっていれば
決して何かが難しいわけではないのですが
より慎重にこれから本格的に作業を進めていきます。

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オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「ペヤングソースやきそばの日」だそうですよ。
カップ焼きそばってたまに無性に食べたくなるのですよねぇ
ペヤングのやきそばと言えば「超大盛」に
一時期よくお世話になりました。
さっと食べれるしこれだけでお腹いっぱいになるのですちょねぇ
まぁ摂取カロリーもすごいことになってしまいますが…(苦笑)
でもペヤングの「ソースやきそば」を知ったのは
比較的近年の話で私が関東に移り住んでからなのですね。
西日本ではあまりペヤングって売ってないみたいで
(今はそんなこともないらしいですが)
私の住んでいた地域ではカップ焼きそばと言えば
ほぼ「日清UFO」一択でした。
それ以外ではたまに「一平ちゃん」をみかける程度でした。
こっちに来てからはカップ焼きそばは「ペヤング」を口にすることが
増えましたがそれでもたまに「UFO」が食べたくなって
探して買ってきたりもしてますねぇ
「カップやきそば」って本当は全然焼きそばじゃないのですが
これはこれで何とも美味しいですよね!
カップ焼きそばだけではなくて
地域によって主に流通しているものが
いろいろ異なるのはなかなか興味深いです。

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
「ペンD」の「D」はデラックスの「D」です。
ペンシリーズにはいろいろなカメラがありますが
「ペンDシリーズ」が最も最上位の高級版と言えると思います。
大口径レンズに最高速1/500のシャッター
露出計内臓といったところが「ペンDシリーズ」の共通項です。
「D2」は1964年発売のカメラで
それまでの「ペンD」のセレン光電池使用の露出計から
CdS使用の露出計に変更されたモデルです。
それに伴って電池室も増設されています。
スペースがかなり限られていることもあり
電池室はフィルム室蓋の内側に配置されています。
フィルムが入っていると電池交換ができないのが少々難点です。
ただ、電池はそれほど消耗するわけではないので
長期間、撮影途中のフィルムを入れたままにしない限り
それほど大きな問題ではないかとは思いますが…
レンズは初代ペンDと同じく32mmF1.9です。
大口径で目測機なので絞りを開いた場合は
なかなかピントがシビアになる場合もあるかと思います。

お預かりしている「ペンD2」は
シャッター切れず巻き上げできずの状態で
何も動かせない状態です。
後からわかりましたが直接の原因は
シャッター羽根の固着によって
シャッターが動作しないことが原因でした。
しかし府議愛はそれだけではなく
あらゆる機械的動作部分が
油脂分のため固着してしまっている状態でした。
巻上やシャッター駆動も含めて
あらゆる部分を分解洗浄した上での整備が必要な状況でした。

画像は一通りの整備が完了した状態でのモノです。
余計な汚れや油分があらゆるところで
動きを妨げている状態だったので
かなり奥深くまで洗浄・清掃した上で
最小限の注油を行い、その上で各部の調整を行っています。
露出計関連も接触不良が起きていたり
接点、配線に問題がある部分もあったので
対処を行っています。
新しい油が馴染んで動きが落ち着くまで
少々様子見をしている段階でしたが
充分時間も経過して動きに大きな問題もないので
これから最終的に細かいテストを行って
精度を確認し問題なければ完成となります。
動きはまさに見違えるほどに良くなっていると思います。

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