カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ミノルタレポのカメラ修理

今日は「阪神淡路大震災」から29年となる日ですね。
先日の能登半島地震の余震もまだ続いている状況ですが
日本国内に住んでいる以上はいつ地震に遭遇しても
おかしくないと思います。
地震を防ぐことはできませんが
もし災害が起こった場合の行動は
日頃からよく考えておかなければなりませんね
「阪神淡路大震災」に関連して
今日は「おむすびの日」が制定されています。
ちなみに災害は関係ありませんが
6/18には「おにぎりの日」が制定されています。
ちなみに、「おにぎり」と「おむすび」の違いについては諸説あり
明確な違いというのは難しいのだそうです。
個人的には「おむすび」かな…
ほら「お」がなくても通じるし…
あ、でも大好きな「おにぎりせんべい」が「おにぎり」だ!(笑

さてさて

本日は「ミノルタレポ」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラです。
ハーフと言えばやはりオリンパスペンシリーズや
リコーオートハーフシリーズが圧倒的に有名で
現存台数も多いですが
他にもいろいろなメーカーがハーフ判カメラを発売しています。
ミノルタの場合はこの頃スチルでも使われていた
16mmフィルム使用のミノルタ16シリーズと
ハーフ判カメラが競合してしまうと考えハーフ判カメラへの
参入が遅れたと言われています。
ミノルタ16シリーズがなかなか業績好調だったのですね。
そのため最初のハーフ判カメラとなる今回のレポの
発売が1963年、その高級仕様ともいえるレポSの発売が
翌64年…ここまででミノルタのハーフ判カメラ参入は終わってしまいました。
構造上のベースはミノルチナシリーズで
レポはミノルチナP、レポSはミノルチナSが基本となっているようです。
ということでレポはミノルチナPと同じく
マニュアルで設定するプログラムシャッター搭載機です。
レンズはロッコール30mmF2.8を搭載します。

お預かりしている「レポ」は2枚羽根シャッターの1枚が
外れてしまっているようです。
そのためシャッターはリリース状態なのに
シャッターも一部開いたままとなっていて
巻上もできない状態です。
外れたシャッター羽根が絞り羽根に引っかかってしまっているようで
プログラムシャッターの設定も一部動かないような状態です。
いずれにせよ、シャッターユニットを分解して
羽根を正しい位置に戻して動作確認を行う必要があります。

まだ取り掛かったところですが
これからシャッターユニットを本格的に分解して
修理整備を行っていきます。
羽根が外れてしまった原因は油脂による羽根粘りかと思われます。
粘って動きにくい状態で動作させていて何かのきっかけで
外れたのだと思われます。
羽根を留めているピン等にダメージがなければ
シャッター羽根及び羽根駆動部の入念な清掃の上で
再組立てすみそうですが開けてみないと分けりませんね。
シャッターの問題が解決すれば他の駆動部分も整備を行いながら
再組立てして調整を行っていきます。
心配されるセレンの状態はまずまず問題なさそうです。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日なのですよね…
これほどいろんな記念日が制定されていても
月に何度かはこういう日がありますね(苦笑
ところで全く関係ないのですが
次の定休日には「人間ドック」に行ってきます。
数年前の2月に脳梗塞を起こしてから
この時期に人間ドックに行くのが恒例となっています。
ちょうど脳の定期検診(MRI)もこの時期に行うので
1月は通常の通院と合わせて毎週のように通院です。
この時期は寒くてあまり出かける気にもならず
ちょうどよいのでドックもこの時期にしています。
おかげさまで大きな問題は今のところ見つかっていないのですが
小さなトラブルはなんだかんだ人間ドックで見つかって
対処しています。
中には放置しておくと怖いことになるようなモノもあったので
やっぱり自覚症状がなくてもこの年齢になると
定期的にある程度は身体を調べないとダメなのでしょうね。
個人的な考えなのですが自然界本来での人間の身体の
耐用年数って50年程度な気がします。
社会的に成熟しているから寿命が延びてはいますが
50歳過ぎると本来の耐用年数を超えているから
不具合もいろいろ出てきますし
メンテナンスや定期点検はより入念に行わないといけないのかと考えます。
古いカメラや機械と同じようなものですね。
機械以上に維持に手がかかりますし華奢でもありますが…(笑
使用期限の超えた少々動きにくくなってしまった身体や頭と
なるべく長く上手く付き合っていかなければと思います。
今度の検診も大きなトラブルが出なければよいのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートブランドはニコンFの時代に
ニコンの中級機クラスに与えられたブランド名です。
機械制御シャッター機の「FT系」と
電子制御シャッター機の「EL系」に大きく二分され
これが後の「FM/FEシリーズ」へと引き継がれていきます。
生産効率を上げてコストを抑えるために
できる限りの外注・外製化を模索していたのだと思われますが
前身ともいえるニコレックスシリーズでは
様々な問題も発生し商業的にも成功と言えない部分もあったため
ニコマートシリーズではシャッターユニットこそ
コパル製の汎用シャッターユニットを使用しつつも
開発製造はニコン基準の品質を確保するために自社内で行われています。
こうして開発されたニコマート、特に先行して発売された
機械制御の「FTシリーズ」は
中級機のスペックではあるものの非常にニコンらしい
頑強なカメラとして評価さることになりました。
商業的にもヒット作となり
特に「開放F値補正操作」(ガチャガチャ)を採用した
「ニコマートFTN」は現存台数も多く
安定した動作から現在でも人気のカメラです。

とはいえ、いかに丈夫にしっかりできたカメラでも
ニコマートFTNも発売から50年以上経つ機械です。
さすがにメンテナンスも何もなしでは本来の動きを保てません。
お預かりしている「ニコマートFTN」も
シャッターはとりえあず動作してはいますが
高速域の精度は出ていませんし
低速時に粘りも出ています。
巻上も明らかに油切れの兆候です。
電池はキチンと抜いて保管してあったようで
電池室へのダメージはほぼ皆無の状態ですが
やはり配線やハンダに劣化があるのか
露出計は動作してはいるものの非常ン不安定且つ
大幅にオーバー傾向(振りが足りない)な状態です。

大きなトラブルはないもののやはり全体的な整備が必要な状況です。
画像はまだまだ取り掛かったばかりの状態ですが
これから機械的な部分と露出計関連の電気的な部分の
整備を一通り行っていきます。
ブラックボディもシルバーに比べると少々レアですが
銘板が「Nikkormat」になっていますね。
輸出版に使われた名称ですね。
細かい部分ですが少しばかり違った雰囲気もあっていいかと思います。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「たばこの日・ピース記念日」だそうですよ。
1946(昭和21)のこの日に高級タバコ「ピース」が
発売されたことに由来しています。
値段は10本入り7円で日曜・祝日に1人1箱で限定して販売されたが
東京・有楽町駅売店では販売と同時に1時間で1000箱が売り切れたそうです。
「ピース」は今でも発売されている銘柄ですね。
何種類かのヴァージョンがありますが
私がまだ幼い頃にじいさんが両切りフィルター無しの
缶に入った「缶ピース」を吸っていて
あの独特の香りをかぐと何だか懐かしい感じがします。
で、家のいたるところに「缶ピー」の空き缶が再利用されていて
将棋の駒なんかが缶ピーの缶に入れられていました。
10本7円…あれから80年弱で同じ10本入りのピースが
300円になっています。一般的な20本入りで600円です。
缶ピー(50本入り)もまだ売っていますね。
私は既にタバコをやめてから結構な年数が経っていますが
それでも「あーやっぱりここでタバコだよなぁ」と感じて
無性に吸いたくなる時が定期的にやってきます(笑
喫煙は明らかに脳梗塞や心筋梗塞につながる行為なので
血管に問題も抱えたもうこの歳になってから再開するのは言語道断ですが
喫煙者の方が吸いたくなる気持ちはわかりますねぇ
こんなこと書いていると何だかタバコが吸いたくなってきます。
いけんいけん、気をつけないと…
いつまでたってもこの衝動はある程度続くのでしょうね
誘惑に負けないように精進します(笑)

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
宮崎美子さんのCMで当時一大ブームを巻き起こしましたね。
私もリアルタイムで見ているのでよく覚えています。
この時代は絞り優先オート専用ボディ価格40,000円の
エントリー機が各社から出そろっていて
熾烈な販売競争を繰り広げていました。
その中でも「X-7」はCM効果もあり勝ち組だったと思われます。
価格なりのチープな部分や華奢な部分も当然ありますが
ミノルタらしい使い心地のよさとキレの良い明るいファインダーが
非常に魅力的なカメラです。

X-7といえば定番なのがプリズム腐食です。
未整備で当時から放置してある個体だと
まず間違いなく発生します。
プリズム前面が接するファインダー枠に
貼られたモルトプレーンが腐食の原因です。
モルトが加水分解を起こして劣化すると
ほぼ例外なくプリズムにも影響し
蒸着を剥離してしまいます。
ファインダーを覗くと視野中心少し下に
帯が見えるようになってきます。
お預かりしているX-7も真っ黒な帯とまではなっていなかったのですが
明らかに靄のような帯が見えており
近々これが真っ黒な帯に変化していく途中の段階でした。
いずれにしてもプリズム交換で対応します。

そしてさらに今回のX-7は電源SWが固着していて
まず「on」の位置にスイッチできません。
ここのSWダイヤルは支えている基部が樹脂製で
経年劣化もあって脆いのであまり無理はできません。
分解時に固着を解消していきます。
電源は固着解消で入るようになったのですが
今度は露出計が非常に不安定で
確認している内に▲に振り切ったままになってしまいました。
これは感度設定部の摺動抵抗の汚れが原因と思われます。
XEやXDでも同じ原因で同じような現象が起こりますが
感度設定部が巻き戻しクランク部からオート設定切替部に移っても
同じようなことが起こっています(苦笑)

まだまだプリズムを降ろしただけの段階ですが
機械的な整備と電気的な整備を並行して行っていきます。
この時代(1980年発売)の電子制御機なので
フレキもあり分解整備には気を使いますが
この類のカメラとしては整備性は良好です。
電子部品に関連したトラブルも比較的すないカメラなので
しっかり手を入れれば当分の間安心して使える
良い相棒になると思います。

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ペンタックスMXのカメラ修理

今日は「桜島の日」だそうですよ。
1914(大正3)年のこの日に
鹿児島県桜島で史上最大の大噴火が始まったことに由来しています。
この大噴火は通称「大正大噴火」と呼ばれ
その後約1ヵ月間にわたって頻繁に爆発が繰り返され
多量の溶岩が流出しました。
一連の噴火によって死者58名を出し流出した熔岩は
桜島の西側および南東側の海上に伸び
このときにそれまで距離400m・最深部100mの海峡で隔てられていた
桜島と大隅半島とが陸続きになったそうです。
火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測され
軽石などを含む降下物は
東京ドーム約1600個分の約32億トンに達したそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
ペンタックスMシリーズの最初のモデルではりますが
Mシリーズの本流としてはその1か月後に発売された
電子制御機の「ME」のほうかと思われます。
「MX」はMシリーズ中唯一の機械制御布幕横走りシャッター搭載機で
他のMシリーズのモデルとは基本設計から根本的に異なります。
非常に軽量コンパクトなモデルで
「軽量コンパクトな機械制御一眼レフ」として
それまで唯一の存在であった「オリンパスOM-1」に
真っ向から対抗するモデルでもあります。
「MX」は主流が次期の「Aシリーズ」にバトンタッチするまで
長い間生産されましたが次期シリーズでは
後継機種は開発されることがなく
後に輸出機種から復刻した「K1000」(ベースはKM、つまりはほぼSPF)を除くと
機械制御のみのシャッターを搭載するペンタックス機としては
最後のカメラといえると思います。
シャッターは完全な機械制御ですが
露出計はME系と同じく受光体にGPDを採用し
指針式ではなくLED式の比較的新しい設計のものになっています。

お預かりしている「MX」は
まず高速シャッターの精度に問題を抱えています。
MXは経年劣化の影響ももちろんありますが
現存する個体に先幕と後幕のバランスが
大きく崩れているモノが非常に多く
精度が出ていなかったり1/1000や1/500が開ききらず
写真の一部が黒くなるもの
あるいは1/1000・1/500が開かない状態のものをよく見かけます。
限界まで小型化している影響もあると思いますが
ライバルのOM-1以上にシャッターは
デリケートな部分の多いカメラです。
今回のMXは定番のそんなシャッターの状況に加え
フィルムカウンターの動作不良や
露出計が振り切ったままになっているトラブルも見受けられます。

画像は一通りの整備修理が完了した状態でのモノです。
幕軸の清掃やダイヤル下調速カムの清掃調整を行った上で
若干のテンション調整を行い
充分に適正な精度を安定して確保できる状態になりました。
露出計の不調はマウント部摺動抵抗の清掃と
こちらも若干の調整で精度も含め問題なく
動作するようになりました。
もちろん巻上機構やミラー駆動部等の機械的部分には
全て整備を行い全体的に非常にスムーズに動作するようになっております。
装着されていた50mmF107レンズもできる限りの清掃整備を行っています。
これで当分、安心してお使いいただける状態になったと思います。
様子見の時間も十分に取ったので
これから最終チェックを行い問題なければ完成となります。

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アイレス35ⅢCのカメラ修理

今日は1月11日で「鏡開き」ですね。
お正月に供えた鏡餅を下げて食べる日とされています。
やはりここは甘ーいぜんざいですよねぇ
こちらでは「おしるこ」といったほうが伝わりやすいのかな…
今年はお店用の鏡餅とかを特に用意しなかったのですが
ぜんざいだけは食べたかったですねぇ
あとでスーパーかコンビニでせめておしるこ買ってきます(苦笑)
ところで昔は武家では鏡餅を刃物で切ることは切腹を連想させるため
手や木槌で割る風習があったそうです。
また、「切る」「割る」という言葉は避けて
「開く」という言葉が使われたのだそうです。
だから「鏡開き」なのですね!
さすがにもうお正月気分は抜けていますが
年末年始に休んだ分、作業がまだ通常ほどの落ち着きがなく
大幅に遅れているような状況です。
こういうときこそ落ち着いて丁寧な作業を心がけます!

さてさて

本日は「アイレス35ⅢC」のカメラ修理を行っています。
カメラ自体のスペックより某世界的名機にそっくりなことから
注目されることの多いカメラですね。
ただそっくりなのは外観デザインのみで
そもそもこちらのアイレスはレンズシャッターで
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
構造的に全く異なるからまた面白いかと思います。

搭載されるレンズは2種類あるのですが
今回の「35ⅢC」はHコーラル4.5cmF1.9を搭載するモデルです。
堂々の大口径レンズですね。
シャッターユニットは当時の国産最高級といえる
セイコーシャMXLを搭載します。
B・1s~1/500までをカバーします。
外観ばかりにどうしても目が行ってしまいますが
基本的なスペックも当時としては非常に優れたカメラです。

お預かり時にはシャッターも切れず
ピントリングも完全に固着していました。
長年の汚れや古い油脂で固着しているのもありますが
シャッターに関しては動きが悪いところへ
無理な操作を行ってスタックしてしまっているような状態です。
まずは全体的に動きの悪いあらゆる部分を
分解し入念に清掃して最低限の注油を行い
その上で調整を行って本来の動きを取り戻していきます。
汚れやカビの酷いレンズやファインダーも
並行して清掃を行っていきます。

外観も十分にキレイになりましたが
各部の動きが見違えるように軽くスムーズになりました。
シャッターはもちろん全速軽快に切れるようになり
巻上も軽くスムーズです。
整備前はシャッター羽根や絞り羽根にも
汚れや油脂が付着して
非常に動きが悪く絞りリングも重かったのですが
シャッターが軽快な上に絞りリングも絞り羽根も
非常に軽く動きようになっています。
もちろんピントリングも指1本で操作できるほどで
微調整を行いやすい適度な手ごたえを感じる軽さで調整されています。
レンズの状態はもともとわずかな拭き傷はありましたが
清掃してみるとかなりクリアな状態になり
かなりいいコンディションだと思います。
これであればご依頼者様にも存分に楽しんでいただけると思います。
これから最終的なチェックを行って
問題なければ完成となります。

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ニコンFフォトミックFTNのカメラ修理

今日は1月10日ということで
「110番の日」ですね!
全国で緊急通報用電話番号が「110番」に統一されたのは
1954(昭和29)年からだそうです。
それまでは地域によって少し異なっていたそうですね。
電話番号が110番になった理由としては
覚えやすい番号であること
誤報が少ないように番号は3桁であること
黒電話のストッパーまでの距離が短い「1」を多くしたことがあり
さらに緊急時の消防への電話番号である119番の「9」と同様に
誤報を防ぐためと落ち着くために
最後にダイヤルが一番長い「0」が設定されたと言われています。
どれもダイヤル式の頃の名残ですね。
119番には何度かお世話になったことはありますが
110番は今のところ…いやかなり昔に交通事故を
起こしてしまったときにかけたことあるか…
いずれにしてもいざという時に頼りにはしていますが
あまりお世話になりたくはない番号ですね。
どちらにもお世話にならない平穏な日々が過ごせるように
気を付けていきたいと思います。

さてさて

本日は「ニコンFフォトミックFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンFのボディに露出計内臓の
フォトミックファインダーを組み合わせたもので
「フォトミック」「フォトミックT」「フォトミックTn」
「フォトミックFTn」が存在します。
今回の「FTn」は1968年の発売で
絞りリングを1往復させることで
開放F値補正操作を取り入れたモデルです。
(いわゆるニコンのガチャガチャ)
ファインダー以外のボディ本体に関しては
通常のFボディとなります。

お預かりしている「フォトミックFTn」は
さすがに50年以上の経年劣化や汚れ油切れの影響もあり
高速シャッターの精度は出ておらず
巻上もスムーズさにかけ
スローは粘り気味、露出計は不安定と
全体的に一通りの整備が必要な状態でした。
シャッタースピードの不良は
汚れや油脂が原因の部分もございましたが
過去に安易に幕速だけを弄られた経歴があるらしく
幕が妙に貼り気味でそのせいで
少々スプリングもくたびれ気味という状態でした。
幕軸や調速カム、駆動部の清掃を入念に行った上で
最低限の周瑜を行い
ゼロからテンション調整を繰り返し行い
慎重に精度を確保していきます。
フォトミックファインダーの露出計に関しては
やはり摺動抵抗の劣化もそれなりに進んでおり
できる限りの調整となりましたが
何とか実用上ほぼ問題のない程度には
改善できたような状態です。

開発当初から露出計搭載を
標準的な位置づけにしていたF2フォトミックとは異なり
Fフォトミックはおそらく後からの設計かと思われますが
この頭でっかち感が何ともこの時代らしい無骨さで
これはこれでなかなか魅力的です。
私の祖父が観光地等で比較的手軽に撮るときに
持ち歩いていたのがフォトミックTだったので
このFフォトミック系のデザインには何とも言えず
懐かしさを抱いていしまいます。
画像は一通りの整備が完了した状態のモノで
これから最終的なテストを行い
問題なければ完成となります。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「イヤホンの日」だそうですよ。
「イ(1)ヤ(8)ホン」と読む語呂合わせですね。
今では携帯プレイヤーで音楽を聴くのに必須のイヤホンですが
個人的には音楽を聴くのはヘッドフォンのイメージで
イヤホンはお年寄りがテレビやラジオを聴くときに
片耳だけに着ける「モノラルイヤホン」のイメージなんですよねぇ(笑
小学校高学年の頃に「ウォークマン」が登場して
携帯型プレイヤーが一気に身近になりましたが
CD時代になっても耳に着けるのはヘッドフォンだったような気がします。
iPod登場の頃からイヤホン主流になってきたのですかね???
私もiPodを手に入れてからはイヤホンで聴くようになりましたし
今ではスマホがプレイヤーも兼ねていますが
イヤホンもワイヤレスになり非常に便利になりました。
コードがないと煩わしさがなくなって特に外出時には助かります。
でも自宅で聴くときのヘッドフォンや
楽器用のヘッドフォンやいまだにコード付きです…
まぁ自宅だとあまり気にならないですし…
ワイヤレスイヤフォンも今では千差万別で
デザインのカッコ良いものや
非常に音の良いしっかりしたものも多く出てきて
買い換えたい欲が定期的にやってきて困ります(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
AP・K・S2・S3と続くアサヒペンタックス系の
M42マウントのカメラです。
S3をベースにセルフタイマーが装備され
フィルムカウンターも自動復元式になり
TTL絵露出計こそその後のSPまで待たなければいけませんが
それ以外の部分に関してはほぼその後の一般的な
一眼レフの機能を一通り装備したカメラで
通常のMF一眼レフに慣れた方なら
初見で普通に使える機能とインタ-フェイスをもったカメラです。
その使いやすさと安定した動作で当時も非常に人気のあったカメラです
今見るとそのレトロな風貌もあいまって
使いやすいM42マウント機としても人気も高いカメラです。

ただSPより前のいわゆるアサヒペンタックス系のカメラは
当時から未整備のままの個体の場合
かなり高い確率でシャッター幕が劣化している場合が多いです。
穴や裂けが出ているものは論外ですが
遮光はできていてもガチガチに硬化して
中には波打った状態で固まっているものも見受けられます。
しなやかさを失った幕はまともに走行できる状態ではなく
かろうじて動作してるものでも精度は期待できない状態になっています。

お預かりしている「SV」も
巻上げてレリーズしてみると
先幕はかろうじスルスルスルっとゆっくり出てきますが
後幕はもう全く出てきません。
引っ張り出して確認してみると
やはりガチガチに硬化していて
全くもってまともに走行できる状態ではありませんでした。
いずれにせよ、幕交換してしっかり調整しないと
まともに写真の撮れない状態です。

本格的な作業はこれからですがまずは
シャッター幕をSV用のサイズに切り出して制作し
幕交換から行っていきます。
SV自体はシンプルな構造で整備性も良いカメラですが
それでも幕交換はそれなりの重作業ですし
幕を張る位置が微妙にずれてしまうと
あとから何を調整しても
シャッターの精度が出なくなるので
慎重に作業を進めていきます。
幕交換をまず行ってシャッターが安定して
動作するようになってからミラー駆動部や
ファインダーの整備清掃も行っていきます。

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オリンパスオートアイ2のカメラ修理

本日から通常営業となります。
本年もよろしくお願い申し上げます。

本日は1/6ということで
語呂合わせで「色の日」ですね。
写真を…それもカラーで撮っていると
やはり色を意識する場面は多いと思います。
そしてたまにモノクロを撮ろうとすると
普段とは全くことなるアプローチで撮らないと
全く面白くも何ともない写真になってしまうことに
驚かされることも多いですね。
逆にモノクロにするだけで妙にカッコよく見える
場面も結構あってモノクロのときには
ついついそんなものばかり撮ってしまいがちですが…(笑
モノクロの話はともかく
写真にしても身の回りのモノにしても
色合いってやはり印象が大きく変わるので大事ですね。
あまり派手派手しいモノばかりなのもいけませんが
やはり色鮮やかなモノは目を引きますし
身の回りのアイテムもちょっと鮮やかなものを
選んでしまいがちになります。
特に寒いこの季節だと暖色系の鮮やかなものに
目を奪われますね
ビタミンカラーで元気出していきましょう!

さてさて

派手な色の話はともかくとして
私の扱うフィルムカメラは当然渋い色合いのものばかりです(笑
本日は「オリンパスオートアイ2」のカメラ修理を行っています。
貼り革にペンEE系と同様のグリーンがかったグレーのモノが使われており
一般的な黒のカメラよりはかなりポップな印象です。
鮮やかではないですがこういう渋いレトロ感もたまりませんね
マニュアル露出も可能ですが基本的には
セレン光電池を使用した露出計と連動して
シャッタースピード優先オートで撮るカメラです。
SSを自分で設定してファインダー内のクルクル回る表示板で
連動して絞り値が表示されるなかなかおもしろいカメラです。
ただ初代オートアイ登場の翌年に
怪物ともいえる「キヤノネット」が登場してしまったため
オートアイはかなり販売的に苦戦を強いられます。
その状況を打破するために1962年にマイナーチェンジされて
発売されたのが今回のオートアイ2です。
レンズを初代より少し明るくワイドに変更し
オートマニュアル切替兼マニュアル時絞りリングは太くなり
使い勝手はそれなりに良好になったものの
大口径という意味ではまだまだキヤノネットに敵わず
一度大きく傾むいてしまった流れを止めることはできず
残念ながらオートアイシリーズは2代で終了になってしまいます。
今見るとオート時の確認用のプレビューボタンがあったり
なかなか使いやすく面白いカメラだと思います。

お預かりているオートアイ2はまずは露出計が全く動きません。
SS優先オートで撮るのが本来の姿であるこのカメラにとっては
致命的なトラブルです。
セレン自体がダメであれば修理不可能となってしまうのですが
セレン近辺で接触不良が起きているパターンも多いので
まずはそのあたりを確認していきます。
シャッター自体は若干粘りがあるものの動作はしている状態です。
ファインダー・レンズには当然ながら
それなりの汚れ曇りカビがありますが
しっかり清掃すれば問題なうい状態になりそうです。

まだ分解し始めの段階です。
まずは何とか露出計を復活させることを優先して
作業に取り掛かっていきます。
ちなみにレンズの周りにもサークルアイ風に
セレンのようなものが見えますが
これは単なるデザインでセレンはボディ側に大きく見えている
通常の配置位置です。
まずはここからいろいろ取り掛かりたいと思います。

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コニカC35のカメラ修理

もう12月27日ともなると
どこも年末進行で記念日すら
ほとんど制定がないですね。
当店も明日で年内営業は最後になります。
このブログも明日は更新ナシの予定なので
今日の更新が年内最後となります。
今年もいろいろありましたが
何とか乗り越えて来年も普通に営業していけそうです。
それもこれもご利用していただいている
お客様あってのことなので心より感謝いたします。
以前(ほぼ4年前)のように
いきなりの体調不良で入院とかがあると
一人でやっている関係上
ご迷惑をかけることにもなってしまいますので
とにかく健康には気をつけて続けていきたいと思います。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

さてさて

今日のカメラ修理は「コニカC35」です。
これもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットしたカメラです。
ハーフカメラと変わらない大きさで
非常に軽量コンパクトにまとめられたカメラです。
愛称の「じゃーに~」は旅行時における携帯に
ぴったりということで名付けられたそうです。
このカメラの大ヒットで各社のレンズ一体型カメラの
小型化が一気に進みました。
露出計連動のプログラムオート専用機です。
こんなに小さいのにしっかり距離計は搭載し
レンジファインダーでピント合わせを行います。
余計な機能は一切ない潔い設計で
露出の過不足があってもシャッターロック等の制御は行わず
できる限りの制御でシャッターが切れる構造になっています。
ある意味、融通が利いて使いやすいのですが
反対に電池がなかったり明らかに写らないような暗さでも
シャッターが切れてしまうので慣れていない場合には
少し注意も必要です。
しっかりファインダー内指針をチェックしておけば
それも大きな問題ではありません。

お預かりしている「C35」は1968年発売の初代モデルです。
まずは露出計が全く動かず
常に絞り開放の1/30で切れてしまうような状態です。
電池室腐食等のトラブルが多いカメラではありますが
今回の「C35」は電池室はキレイでさほど問題があるようには見えません
とはいっても登場から50年経過しているカメラなので
電池室裏のハンダや配線はかなり劣化しており
そのあたりに原因があるものと思われます。
傷んだ配線はすべて交換し露出計本体に
きちんと電圧がかかるようにした上で調整を行っていきます。
使用電池はもともと水銀電池MR44です。
ただMR44は現在のボタン電池「LR(SR)44」とほぼサイズが同じなため
電池室にそのままLR44が収まります。
ただ元々の水銀電池は電圧1.3Vなので
現在の電池(1.5V)だと0.2V電圧が高くなることになり
そのままだと1.5段ほどアンダーに制御されてしまいます。
(露出計指針が振り過ぎるため)
もちろん今回は1.5V電圧での使用を前提に再調整を行っていきます。

あきらかに粘っている…というおどではないですが
やはりシャッター駆動部の動きが悪いようです。
これはC35では定番のトラブルなのでもちろん対処を行っていきます。
他、ファインダー、レンズにそれなりのカビや汚れも見られますので
そのあたりもできる限りの清掃を行っていきます。
小さなボディに効率よくメカニズムが収められていて
非常にまとまりのよいカメラです。
整備性も非常に良好です。
おそらく今年最後の修理がこのカメラになりそうなので
最後まで気を抜かずきっちり仕上げていきたいと思います。
まだ明日もありますが
ブログ更新は今日までなので
皆様もよいお年をお迎えくださいませ。

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オリンパスペンD2のカメラ修理

昨日も書きましたが今日の日没までは
「クリスマス」ですね!
それはそれとして今日は「昭和」改元の日でもあるのですね。
1926(大正15/昭和元)年のこの日に
大正天皇が崩御され、皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が
新天皇に即位されました。
これと共に新しい元号「昭和」が制定されています。
ここから60年以上続く「昭和」のスタートだったわけですね。
私の生まれは昭和44年で昭和を生きたのは20年弱
平成は最初から最初から最後まで30年少々過ごしているので
平成を生きたほうが長いのですが
やはり多感な10代を過ごした「昭和」の出来事やモノに
思い入れの強いものが多いですね…
いまだに「平成」と聞くと少し新し気なイメージが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
「デラックスなペン」として登場した
ペンシリーズの中でも最上位のシリーズです。
「D2」はその名の通り2代目のペンDとなります。
大口径のF.スイコー32mmF1.9や
5枚羽根のシャッターユニットコパルXに変更はなく
初代ペンDではセレン光電池を使用していた
露出計の受光体がCdSに変更されたモデルです。
それに伴って巻上軸下部には電池室
上カバー背面に露出計SWが追加されています。
対応する当時の電池は水銀電池MR9です。
現在だと形状が同じ625A電池(1.5V)か
電池アダプタ等を利用して使用することができます。
ただ電圧が1.5Vで使用すると振れ過ぎで
アンダー傾向の指示になるので要注意です。
(調整は整備時に可能です)
露出計は初代ペンD同様に非連動で
単独で動作しLV値を表示するタイプです。
SS/絞りリング側にも設定LVが表示される小窓が付いています。
抵抗等にトラブルの起きやすい連動タイプよりも
シンプルで融通も効いて良いかと思います。

お預かりしている「ペンD2」は
その最大のセールスポイントでもある露出計が
非常に不安定で一定の光をあてていても
指針が落ち着かず上下にフラフラとしています。
電池室は比較的キレイで腐食等もないので
配線(特にハンダ部)かSWの接触不良かと思われます。
Dシリーズ自慢の大口径レンズの状態は非常に良く
おそらく長くしまい込まれていたものかと思われますが
保存状態は良かったものと思われます。
ただしシャッター羽根、絞り羽根には若干の粘りがあり
精度的にも問題があるようです。
加えてファインダーは曇り気味で
モルトはさすがに全滅です。
これから問題なく撮影に使うには
やはり一通りの整備が必要な状況です。

まだ取り掛かり始めの段階ですが
これからまずはシャッターユニットの一通りの整備から行います。
そしてレンズ清掃、露出計周りの修理整備と進めていきます。
非常にコンパクトにまとめられたカメラですが
構造自体はシンプルなので整備性は非常に良好です。
いつも思いますが非常にうまく考えられて造られているカメラです。

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