月別アーカイブ: 2019年9月

ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうです。
昨日のブログで「日本初のCMソングはコニカのCMです」と書いたのですが
まさにそのCMがオンエアされた日が1951年のこの日なのですね。
正確にいうと「小西六写真工業」(現コニカミノルタ)の
サクラカラーフィルムのCMで
流れていたCMソングは「ボクはアマチュアカメラマン」という曲でしたが
曲中に商品名やメーカー名は一切出てきませんでした。
この曲、一度聴くと妙に後に残るのですよねぇ
「あら、ピンボケだ♪おや、ピンボケだ♪ああ~みーんなピンボケだ♪」
実際にその状況に陥ると真っ青になりそうですが。。。(笑)
さすがにこのCMソングは私が生まれるよりずっと前の話ですが
CMソングって記憶に残るものが多いですよねぇ~
ここ数年、テレビはほとんど見なくなってしまったのでわかりませんが
昔は化粧品メーカーのCMソングに良い曲が多かった気がします。
「い・け・な・いルージュマジック」とか「春先小紅」とか
「夢恋人」とか「赤道小町ドキッ」とか。。。
あ、気がつけば、YMO絡みの楽曲ばかりだ。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
当時の最高級機であり前年に発売された「ペンタックスK」の
普及版にあたりますがSS最高速こそ1/500までで
(S2の後期には1/1000のものも存在します)
1/1000のKに譲るものの
「一軸不回転シャッターダイヤル」等の採用により
使いやすさにおいては「K」を上回るスペックを持ったカメラです。
この時代のペンタックス機なので
マウントはM42マウントです。
世界中の他メーカーのM42レンズをも使え
色々な楽しみ方ができるカメラだと思います。

SV以前のペンタックスSシリーズは
まずシャッター幕の状態が心配されます。
今回、お預かりしているS2も
やはりシャッター幕が硬化して使いものにならない状態でした。
かろうじてシャッターが動作していても
良く見ると幕に穴が開いていたり
硬化してしまっているためシャッタースピードの精度が
全くでない個体も多く
AP~SVあたりまでのSシリーズは
それまで未整備であればまずシャッター幕交換が前提となります。

写真は作業が一通り終わって最終チェックを残すのみの状態です。
基本的にはシンプルで丈夫なカメラなので
幕交換を行い、動作部分をしっかり清掃し
必要最小限の注油を行えば快適に使える状態に復活します。
(妙な分解品や水没品、ショック品はさすがに無理ですが。。。)
幕交換の効果もあって巻上も非常に軽く
気持ちよいものになっています。
これであれば快適に撮影に使っていただけると思います。
今回は装着されているSMCタクマー24mmF3.5も
カビ取り清掃を含む整備一式を行いました。
スナップに風景に大活躍してくれることと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカFPのカメラ修理

今日は9月6日ということで
「黒の日」だそうです。
当店に入ってくるカメラにも黒のものが多いですね。
カメラの色はもともとはシルバーが多かったのですが
1960年代あたりから黒のものも増え始め
現代のデジタル一眼だと黒のほうが圧倒的に多いですね。
私も昔は黒のボディに憧れましたが
今はどちらかといえばシルバーのほうが好みかな。。。
ところで、黒と言えばカメラの色、というより
「スズメバチが寄ってくる色」というイメージのほうが強いです(苦笑)
昔、黒い幌のオープンカーに乗っていた頃、
山に出かけてクルマを駐車場において撮影し戻ってきたら
10匹以上のスズメバチが黒い幌に集まっていて
クルマになかなか近寄れなかったことが
妙にトラウマになってしまっています(汗)

さてさて

本日は「コニカFP」のカメラ修理を行っています。
今(現在はコニカミノルタ)は2003年を最後に
カメラ事業から撤退していますが
かつてのコニカ(前身の小西六写真工業を含む)は
国産初のカラーフィルムを発売し
国産初の商品名を持ったカメラを発売した
歴史のあるメーカーでした。
あ、そうだ、日本初のCMソング(ボクはアマチュアカメラマン)も
コニカのCMでしたね。
今回ご紹介するコニカFPは1962年に発売されたカメラです。
当時の高級一眼レフ、コニカFシリーズの一員です。
シャッターユニットは金属羽根縦走りのコパルスクエアです
露出計は標準装備せずCdS露出計を外付けで
装着することができました。

お預かりしているFPはレリーズボタンを押しても
無反応で巻上もできません。
裏蓋を開けてみるとシャッターはチャージ状態のようです。
(ちなみにコニカFPはリリース状態だと
シャッター部に誇らしげに「Copal Square」の文字が
見えるのでわかりやすいですね)
レリーズボタンはしっかり最後まで押せるようです。
この状況からみておそらく
シャッターはチャージされているものの
ミラーがチャージされていないものと思われます。
ミラーがチャージされていないから
レリーズボタンを押しても
ミラーは動くことができず当然シャッターも動かないわけですね。

まずはミラーボックスを外してみて
現状を確認します。
やはりミラーはチャージされていない状態でした。
チャージを行う巻上部には問題なさそうで
改めてミラーボックス側で直接チャージしてみると
チャージはできるのですが
チャージロック部品の動きが少し悪いことと
その周りにたくさんのスレ跡が見られます。
チャージロック部品の変形が少しあるようで
そのために稀にチャージロックしないものと思われます。
シャッターが切れるようになったので
シャッター側の動きを見てみると
羽根に汚れがだいぶあるようで
高速シャッターの精度はあまりよろしくおりません。
ミラー駆動部、巻上部、シャッターユニット
それぞれ清掃と必要な部分には注油をしていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「石炭の日」だそうですよ。
石炭って植物の化石のようなものなのですね。
調べてみるまで知らなかった。。。(汗)
石炭といえばイメージするのは「蒸気機関車」ですよねぇ。。。
でも私、実は実際に走っているSL、見たことないのです。
広島にいた頃も「SLやまぐち号」見に行きたいなぁ。。。と
思いながら結局行かないままで。。。(汗)
比較的アプローチが楽そうなのは
都内からだと、秩父、真岡、大井川あたりなのかな
もうすぐ涼しくなってくるでしょうし
今度こそ見に行きたいですねぇ。。。
(。。。といいながらなんだかんだ後回しになるような気が。。。)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず修理・整備依頼数が圧倒的に多いカメラです。
誤解のないように言っておくと
それだけ壊れやすい、という意味ではなくて
それだけ人気があって使っている方が多いということですね。
機械制御シャッター機で基本的には丈夫なカメラです。
ただ、その人気の一番の要因である軽量コンパクトなボディを
実現するために多少、デリケートな部分もあるので
長期間使われないで放置されていた個体は
まず何らかの整備は必須となるカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は
元々、ご依頼者様のお母様のカメラなのだそうです。
やはり随分長い間、仕舞いこまれていたものらしく
お預かり時には外観にもだいぶ汚れの多い状態でした。
装着されていたFズイコー50mmF1.8も
盛大にカビが発生しています。
プリズムはやはり腐食のため交換ですが
今回はいつものモルトによる腐食ではありません。
(分解してみるとプリズム周りにモルトは貼られていませんでした)
単純に蒸着の劣化による点状の腐食が
何箇所かに見られ、ファインダー視野でも少し気になるレベルです。
このままでも撮影そのものには問題なさそうではあったのですが
今回はご依頼者様の打ち合わせの上、交換で対処します。
機能的には高速シャッターの精度はやはり出ておらず
スローシャッターはガバナが固着しています。
このあたりは未整備であれば当然の状況です。
それでも保管状態は悪くなく
電池もきちんと抜いて保管されていたようで
露出計回路にはさほどの問題は見られません。

まだ分解途中ですがこれからミラーボックスを外し
シャッター周りの整備や電池室からの配線をチェックしていきます。
写真にはないのですが
もともとアクセサリーシューがついていたのですが
これが長年装着されたままになっている個体の多くは
シューの内側のゴムの劣化で上カバーにもダメージが出ているものが多いです。
今回はさほどのダメージではなかったのですが
酷いものになると上カバーが錆びてしまっているものあります。
今更、言っても遅いかもしれませんが
長期保管する場合はシューは外しておいたほうが良いですね。

ご依頼者様はこのカメラを実際に使ったことはないそうです。
納品時には使い方も簡単にお話させていただく予定です。
お母様が使っていたOM-1で
是非、ステキな写真をたくさん撮っていただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニッカ5型のカメラ修理

今日は「串の日」だそうですよ。
串カツ、焼き鳥、お団子、焼き魚、蒲焼。。。
串で刺して調理するもの、あるいは串で刺したまま
食卓に出されるもの、いろいろありますが
どれも美味しいですよねぇ。。。
そういえば渓流のある観光地とかに行くと
ヤマメの串焼きがよく販売されていますが
あれがまた美味しいのですよねぇ。。。
そういえば、最近、アユもヤマメも食べてないな。。。
まだ季節的に間に合うかな。。。
日本酒がめちゃくちゃ合うのですよね
どこかに食べに行かなくては。。。

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
ニッカカメラは現在では既に存在しないメーカーですが
一眼レフ全盛の前の時代では
非常に人気の高いカメラメーカーでした。
いわゆるコピーライカが主となりますが
独自の進化を遂げていて品質も非常に高く良くできています。
1958年にはヤシカの子会社となり
1966年に完全に吸収合併されました。
ニッカ5型は1955年の発売で
それまではプレスボディでしたが
この5型でダイキャストボディに進化しています。
大きな特徴は底板を外した状態で
裏蓋の一部が開くようになり
フィルムの装填が非常に楽になりました。
使ったことがある方は重々ご存知だと思うのですが
バルナックタイプのカメラは
そのままだとフィルムがスプロケットに引っかかるため
フィルムを10cmくらい細く切ってしまうか
薄いカードとかを使ってフィルム装填を行います。
それでも装填ミスになってしまうこともあると思うのですが
ニッカ5型は開いた裏蓋部分から
スプロケット部分が確認できるので
フィルム装填の確実性がとても高くなっています。
整備する立場としてもこの裏蓋は便利で
通常、裏蓋のないバルナックタイプのカメラは
ある程度分解しないとシャッタースピードの計測すらできないのですが
このニッカ5型は裏蓋を開けて測定がそのままできるのです。

バルナックタイプのカメラといえば
シャッター幕交換が前提となることがほとんどなのですが
今回、お預かりしているニッカ5型は
シャッター幕に関してはまだ大丈夫そうで
シャッターもそれなりに動作しています。
ただ、スローガバナーは固着気味で
シャッタースピードを1秒にセットすると
ときどき止まりながらようやくシャッターが閉じるといった状態です。
加えて、ちょっと不思議な現象が出ていて
36枚撮りのフィルムで撮影すると
最後の数枚で巻止めが効かなくなり
撮影できないままフィルムの最後まで巻き上がってしまうという症状です。
何らかの原因でフィルムの巻太りが起きているのかな。。。と
予想しながら分解し整備を行っていきます。

写真は整備が完了して最終チェックを残すのみの状態です。
巻止めが効かなくなる原因は
スプール軸にやたらと油が差されていて
スプールが滑ってしまうことが原因でした。
そのためフィルムの巻太りが起こっていたのですね。
さらに分解時に発覚したのですが
先幕に異常なテンションがかけられており
「こんな状態で使っていると軸バネがダメになっちゃうよ」という状況でした。
おそらくシャッター幕が高速で開かない時期があり
その際にとりあえず先幕のテンションを上げまくって
開くように処置し、さらにあちこちにやたらと注油したのではないかと思われます。
まぁ、何とか大事にいたらず良かった。。。
スプロケットにも妙なガタがあり
それも巻止め不良の原因と思われたのでそちらも整備しています。
これで今後、快適に使い続けていただけると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は9月2日で「靴の日」だそうです。
靴って機能的にも見た目的にも大切ですよねぇ。。。
例えば登山靴で機能やサイズが合っていないものだと
極端な話、命に関わりますし
バイクに乗るときのライディングシューズとかもそうですよねぇ
そういう機能性重視のものではなくても
普段でも靴って意外と目が行くもので
サラリーマン時代にはそれなりに気を使っていました。
今でも電車で座っていたりすると
人の靴に自然と目がいきますね。。。
そういえば思い切って登山靴を新調してから
あっという間に3年が経ってしまいましたがほとんど活躍していないな(汗)

さてさて

本日はオリンパスペンFTのカメラ修理を行っています。
先日のOM-1のブログでも少し書いたのですが
オリンパスは通常の35mm判一眼レフよりも
世界初のハーフ判一眼レフであるペンFシリーズの方が
先に発売されているのですね。
さすがオリンパスといった感じがしますね。
「ペンFT」は先に発売されていた「ペンF」をベースに
露出計・セルフタイマーを装備し、
巻上を2回巻上から1回巻上に変更、
その他ファインダースクリーン等を変更して発売されたモデルです。

ペンFTは露出計に光を取り込むために
ペンFでは普通の反射鏡だった内部ミラーを
ハーフミラーに変更しています。
そのため元々、ファインダーはペンFに比べると暗いのですが
このハーフミラーが経年劣化でダメになっているものが非常に多く
当然、ファインダーも見辛くなっているものが多いわけです。
今回、お預かりしている「ペンFT」も
ハーフミラーの蒸着はかなりの部分が剥げ落ちてしまっていました。
今回のペンFTはそれ以外にも
ファインダー内の汚れが酷く視野はかなり曇った状態です。
セールスポイントのひとつである
露出計は全く動かず、外装にも内部にもサビが多く
いろんなところの動きが悪い状態です。
落下歴もあるようで上カバーは変形しています。

写真は一通りの作業が終わった後のものですが
お預かり時に比べると見違えるほどキレイになったと思います。
露出計不動の原因は内部のサビや汚れが原因でした。
ハーフミラーは交換しています。
ペンF系はミラー駆動やスローガバナにトラブルが起こることが多いのですが
そういうウィークポントもしっかり整備を行い
安心して使っていただける状態になったと思います。

このペンFTはもともとご依頼者様のお母様のカメラなのだそうです。
是非、受け継いでいただいて
ステキな写真をたくさん撮っていただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ゲルトフレックスのカメラ修理

今日は「防災の日」ですね。
1923年9月1日の「関東大震災」が由来となっている日です。
防災グッズとか何にも準備していないのですよね。。。
忘れた頃にやってくるのが災害ですから
日頃からある程度の対策をしておかなくてはいけないのはわかっているのですが。。。
そういえば最初に広島から東京に来たときに
「こっちは頻繁に小さな地震が起こるなぁ。。。」と
ちょっとびっくりしたのを思い出しました。
広島だと滅多に地震が起こることはなかったので。。。
地震も台風も大雨もそのものを防ぐことはできないので
起きてしまったときの対処は考えておかないといけませんね。

さてさて

本日は「ゲルトフレックス」のカメラ修理を行っています。
あまり聞きなれない名前の二眼レフです。
調べてもなかなか情報がないのですが
東亜光機というメーカーで作られたもののようです。
1952年頃のカメラと思われます。
この頃はスプリングカメラや二眼レフのメーカーが
たくさんあった時代なので
まだまだ馴染みのないものも多いですね。
リコーフレックスと同じような前玉ごギアで
回転させピントを合わせる二眼レフです。
レンズはGRIMMEL 80mmF3.5
シャッターユニットはGKK-Sとなっており
B・1秒~1/200となかなかのスペックです。
モデル名やレンズ名を見ていると
なんとなくドイツ製っぽく感じますね。

お預かりしているゲルトフレックスは
おそらくご依頼者様のお宅でかなり長い間眠っていたと思われます。
レンズはカビ・クモリが酷く
ファインダーミラーもかなり曇っていて
ファインダーを覗いてもぼんやりとした感じでしか見えず
厳密なピント合わせは現状では無理かと思われます。
リコーフレックスでよくあるように
このゲルトフレックスでもピントギアは固着気味で
回すためにかなりの力を必要とします。
これでは快適にピント合わせはできません。
シャッター、絞り羽根共に粘りが見られ
スローガバナは固着してます。
こうして書くと二眼レフでありがちなトラブルがほぼ全て出ている感じですね。
とはいえ、部品が破損しているとかの
重篤なトラブルはないようです。

分解して固着部分や動きの悪い部分をひたすら洗浄し
新たに注油やグリスアップを行い調整していきます。
二眼レフはどのメーカーのものも
大体の構造は同じようなものなので
今回のようにめずらしいカメラでもやることに大差はありません。
外装も随分くたびれていたのですが
最終的に外装も清掃し、見た目もシャキッとした感じになりました。
もちろんピントギアやシャッターも快調に動作するようになりました。
毎度のことですがファインダーミラーは
さすがにそのままではどうにもならないので
新品のミラーに交換してあります。
ちょっと難儀だったのではやはりレンズのクモリでした。
今回は撮影に影響のないレベルにはキレイにできましたが
レンズのクモリはガラスの変質により
どうにもならない場合も多くあります。
今回の整備で再び快適に撮影に使えるようになりました。
是非、ご依頼者様に気持ちよく使っていただきたいと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。