日別アーカイブ: 2021年1月25日

オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「ホットケーキの日」だそうですよ。
制定したのはホットケーキミックスでお馴染みの
森永製菓さんなのでここでいうホットケーキは
今どきのパンケーキとかではなく
昔ながらの家でフライパンで焼く
ホットケーキですねぇ
子供の頃、ばあさんが
たまにホットケーキ焼いてくれてたなぁ
焼く前の混ぜただけの白いホットケーキミックスを
舐めるのが妙に好きで
「お腹壊すからやめなさい!」ってよく怒られてました(笑
もちろん焼きあがったホットケーキも美味しくって
たっぷり蜂蜜かけて食べてたなぁ
簡単にできるのだから今度焼いてみましょう
何だか少し懐かしいような気分になれる気がします。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
いわゆるレンズ一体型コンパクトカメラのペンの成功を受けて
それまでに例のないハーフ判一眼レとして
誕生したのがペンFです。
1963年発売なので後に出るオリンパスを代表する一眼レフといえる
「OM-1」よりも10年近く前にペンFのほうが先に発売されています。
ハーフ判の画面が縦長になることから
フランジバックを短くするために
通常は上方向に跳ね上げるミラーを横に動作させるように設計し
それに合わせてプリズムもペンタプリズムではなく
ポロプリズムを使用する形態になりました。
ファインダーの経路も独特で
前部で4回反射させる第二反射面をプリズムで
第三反射面をミラー(FTだとここがハーフミラーになる)
そして第四反射面の小さなプリズムとの間にルーペを置き
ファインダー倍率を確保する仕組みになっています。
さらにシャッターは通常一眼レフで多く使われる
フォーカルプレーンではなくロータリーシャッターを採用し
その性質上、全速でフラッシュと同調が可能です。
一応、一眼レフという分類にはなるのですが
いわゆる普通の一眼レフとは構造が全く異なる
非常に異端児的なカメラと言えると思います。

ペンF系はその構造上、ミラー駆動に関するトラブルが少々多めで
いわゆるミラーアップしたままになる
またはミラーの動きが非常に悪くレリーズしてから
シャッターが切れるまでに
時間がかかる。。。等々のトラブルを多く見かけます。
今回お預かりのペンFもミラーアップしたままで固着ということで
お預かりしました。
レンズを外してミラーアップしたままの状態のミラーを
少しだけ押し込んでやるととりあえずシャッターは切れ
ミラーも復帰します。
しかしながら巻き上げてレリーズしてみると
やはり同じようにミラーアップした状態で固まってしまいます。
これと同じような症状でレンズをつけないと
普通にシャッターが切れるのですがレンズをつけると
ミラーアップしてしまうという場合もあります。
この場合、稀にレンズの絞りが固着していて
絞れなくてそこで固まってしまうこともありますが
大半の場合はやはりミラー駆動部の動作不良です。
レンズをつけて絞りレバーの抵抗が少しついただけでも
もう動けなくなってしまうのですね。

要は油切れや汚れ古い油が
抵抗になってしまって起こる動作不良です。
ミラー駆動部を清掃し古い油はしっかり落とし
必要最小限の注油を行うことで復活します。
今回はペンF系でよくあるガバナ関連や
巻上周りのトラブルはなかったのですが
もちろんせっかく分解しているのですから
その辺りもしっかり整備していきます。
それよりも困ったのは分解する前から
ファインダーを覗いた感じでわかっていたのですが
少々プリズムに腐食がありる状態でした。
ペンFもプリズム腐食を抱えた個体が多く
キレイなプリズムの確保は困難で
ご依頼者様に相談したところ
「部品取り用のペンFを1台持っていて
それはファインダー内はキレイだからきっと大丈夫」ということで
部品取り用のペンFも送っていただきました。
上の画像に写っているのは腐食プリズムで
この後、部本取り個体からプリズムを取り出して移植します。
ちなみにペンFとFTはプリズムは共通ではありません
ペンFはプリズム側にスリガラス処理が施してあり
スクリーンの役目を果たし
スクリーン位置にあるのはフレネルレンズのみです。
FTは通常のスクリーンを使用しプリズム側は素通しです。

話が逸れましたが
これからシャッター周りの整備を行い
プリズムを移植し整備を行いつつ組み上げていきます。
やはりペンFは2回巻上が軽快で気持ちよいですね。
以前も書きましたが自分用にも1台は確保しておきたい
カメラの一つです。

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