月別アーカイブ: 2021年3月

アイレス35ⅢCのカメラ修理

今日は「さかなの日」なのだそうですよ。
魚介類をたくさん食べて
もっと身近に感じてもらおうという日だそうです。
今でこそ私も魚大好きですが
子供の頃は本当に苦手で
やっぱり骨がわずらわしかったり
調理にもよりますが微妙な生臭さ等がダメだったりで
あまり積極的にl口にすることはありませんでした
一気に好みが変わったのは
やはりお酒…それも日本酒を飲むようになってからですねぇ
酒の肴…と考えるとやはり魚介類は最高です。
食事と一緒に嗜むならやはり主張の強すぎない
純米酒が最適で刺身でも焼き魚でも煮魚でも
何にでも合うと思います。
そうしてお酒と魚の組み合わせの美味しさを知っていくうちに
いつのまにかお酒ナシでも普通にご飯のおかずとしての
焼き魚とか煮魚も大好きになっていきました。
一時期は釣ってきたきた魚を何でも自分で捌いて
調理するようにまでなっていたのですが
今やすっかりそんな手間をかけることも
なくなってしまいました(汗)
でも時間の余裕がるときはスーパーで買ってきた
魚を適当に調理して酒の肴にはしています。
最近はそれもお手軽な干物が多いのですが。。。(苦笑)
コロナ禍でなかなか今は難しいですが
本格的魚料理はやはり外食で楽しみたいですねぇ
そのためにも今はがんばって仕事するか~(笑)

さてさて

本日は「アイレス35ⅢC」のカメラ修理を行っています。
たまに修理依頼のあるカメラですね
アイレス自体は前身のヤルー光学の頃から
当時非常に人気のあった二眼レフの生産でスタートしたメーカーです。
アイレスフレックスは当店にも修理依頼で
よく入ってくるカメラです。
並行して35mm判カメラの生産にも乗り出し
レンズ固定式のレンズシャッター機のアイレス35シリーズは
それなりに好調に販売されていたようです。
そのアイレス35シリーズの中で
今回の35ⅢCは1957年に発売されますが
それまでのアイレス35のイメージは完全に切り捨てて
確信犯的にライカM3のスタイリングそっくりに作られました。
そのルックスのせいもあり35ⅢCは
今でもなかなか人気の高いカメラです。

こうしてみると確かにぱっと見は「M3」ですねぇ
でもアイレスはあくまでもレンズ固定式のレンズシャッター機です。
中身の構造は根本的に全くジャンルの異なるカメラです。
それでも裏蓋の開け方とかも明らかに「M3」を
意識しているのは明らかでこの時代ならではのカメラだと思います。
搭載されるレンズはアイレス製Pコーラル4.5cmF2.4で
シャッターユニットはこの時代ではお馴染みの
セイコーシャMXLです。
レンジファインダーを装備しパララックス自動補正機構も装備します。
こうして書き出してみるとスペック的には
この時代の王道ともいえるレンズシャッター機です。

お預かりしている35ⅢCはまずはレンズシャッター機定番の
シャッター羽根固着によりシャッターが開きません
SS設定リング、絞りリング共に非常に動きが重く
レンジファインダーの二重像もかなり見えにくい状態です。
セルフタイマーも一部破損していて使えない状態です。
機能的には問題ありませんがなぜかレリーズボタンも
カバー部が欠落しており軸がむき出しの状態です。
全体的にもかなりコンディションの悪い状態でした。

上の写真は整備完了後の状態で
現在、少し様子見して最終チェック待ちという状態です。
リング類は絞り羽根の張り付き等もあり
動きが悪い状態でしたがおそらく過去に落下歴もあり
微妙に歪んでいた部分もありました。
できる限りの修復と清掃整備でまずはスムーズに
操作できる状態になっていて精度的にも問題ない状態になりました。
ファインダー内の見えにくさは
内部反射ミラーがかなり劣化して曇っていたことが主な原因です。
もはや清掃では対処できない状態だったので
ミラーは交換で対応してあります。
その上でできる限りの清掃を行い
お預かり時とは見違えるほどクリアになり
二重像もくっきりと見えるようになっています。

結果的にかなり手はかかりましたが
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。
ご依頼者様には見違えるほどに回復した
35ⅢCで撮影をお楽しみいただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノン7のカメラ修理

今日は「スポーツ新聞の日」なのだそうです。
1946(昭和21)年のこの日に日刊スポーツ新聞社により
日本初のスポーツ新聞『日刊スポーツ』が
創刊したことが由来となっています。
駅売りやコンビニのスポーツ新聞とか
毎朝のように買っていた時期もありましたが
これも先日の「雑誌の日」と一緒で
最近は全部ネットでことがすんでしまうのですよねぇ
そもそも普通の新聞だってとらなくなって
もう20年以上経ってしまっています(苦笑)
でもスポーツ新聞は今でもプロ野球が始まると
たまに買ってしまうのですよねぇ
もちろんカープが快勝した翌日限定ですが。。。
優勝したときにはさすがに各社のスポーツ新聞全部買いました(笑
そういえば今日からカープのオープン戦もスタートします。
今日はズムスタでヤクルト戦です。
まぁオープン戦なので結果は二の次ですが
やっぱり良い内容で勝ってほしいですねぇ
オープン戦が始まると春が来た!って感じがします
予定は未定ですが今年は数試合でも現地観戦できるといいですねぇ

さてさて

今日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
1961年に発売されたレンズ交換式フォーカルプレーンシャッターの
レンジファインダー機です。
この頃になると各社、いわゆるレンジファインダー機から
一眼レフへ移行する時期と重なっていて
1957年に「アサヒペンタックス(AP)」
1958年には「ミノルタSR-2」、さらに翌59年には「ニコンF」、と
既に現在でも人気の高い一眼レフ機が発売されていました。
キヤノンも1959年には「キヤノンフレックス」
1960年には1/2000のSSで他メーカとの差別化を図った
「キヤノンフレックスR2000」を発売しています。
しかしながらレンジファインダー機の需要もまだまだあり
レンジファインダー機メーカーとして成功を収めていた
キヤノンとしてはまだ軸足はレンジファインダー機に
残っていたのではないかと思われます。
キヤノン7はレンジファインダー機末期の製品とはいえ
高い完成度で商業的にも成功しますが
キヤノンフレックスシリーズは一眼レフの重要なポイントでもある
システム性や使い勝手の悪さで他メーカーに
少々後れを取ったと言わざるを得ないと思います。
「7」の話に戻りますが
バルナックコピーの時代からその完成度の高さで
評価の高いキヤノンレンジファインダー機ですが
内部を細かく見ていくと「Ⅵ型」までは
まだバルナックコピー時代の名残を引きずっている部分もあり
整備・修理する立場で言うと
少し前時代的かな…と思う部分もありました
大きく変わったのはやはり「P」登場後で
明らかに作り方も変わりましたし整備性も良くなりました。
…とはいえあくまでも「P」は普及機で
その後に出た「7」がキヤノンとしては真打だったと思われます
当然「Ⅵ型」までまとわりついていたバルナックコピー時代の
名残はキレイに消え失せて
非常に完成度の高いカメラに仕上がっています。
「7」からローマ数字ではなく
アラビア数字表記のモデル名になったのも
「これまでとは違うんだよ」という
キャノンのメッセージが込められているのではないかと思います。

前置きが長くなりました(汗)
お預かりしている「7」は
とりあえずはシャッターは切れていますが
全体的にやはり油切れや積年の汚れで
動きの悪い部分も多く
スローガバナは固着しておりスローシャッターでは
シャッターが開いたまま固まってしまいます。
高速シャッターも全く精度が出ていない状態です。
問題があると対応が非常に困難な
セレン光電池で駆動する露出計は
動作はしてますが非常に不安定な上に
指針の振りが全く足りません。
根本的に起電量が足りないということであれば
もはやどうにもできませんが
接触不良もあるようなので
できる限りのことを試してみます。

画像は一通りの整備が完成した状態です。
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
シャッターや巻上の動作は非常にスムーズになりました。
もちろんスローシャッターでもガバナも問題なく動作しています。
高速シャッターの精度も問題ないレベルまで達しており
動きも安定しています。
問題の露出計は若干オーバー目ではあるものの
実用上問題ないレベルに落ち着きました。
もちろん動作そのものも安定しています。
非常に気持ちよく使っていただけれるj交代になったと思います。
全体的にかなりの清掃、新たな注油を行っているので
少し動きが落ち着くまで様子見を行っていますが
もうほぼすべての動きが落ち着いてきた頃です
もう少し時間をおいて最終的なテストと
必要であれば微調整を行って完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「啓蟄」ですね。
大地が温まり冬眠をしていた地中の虫が
春の陽気に誘われて穴から出てくる頃と言われています。
春本番まであと少しという感じですね。
確かに随分暖かくなりましたが
まだ寒の戻りもあるようですし
寒暖差で体調を崩さないように気をつけましょう
次の節気はいよいよ「春分(3月20日)」で
この頃になると正に春真っ盛りになるはずです。あと少しですね。
ついこの間、お正月だと思っていたら
もう3月…月日の経つのは本当に早いですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR-T101も毎月コンスタントに修理依頼のあるカメラです。
ミノルタSRシリーズでおそらく最も売れたカメラで
最も長く作られたカメラです。
ミノルタ初のTTL測光の露出計を装備したカメラです。
はっきり調べたわけではありませんが
SR-Tの「T」はTTLからきっと取ったものだと思われます。
では何で「101」なんでしょうねぇ
ちなみにそれまでのモデル名の変遷は
SR-2、SR-3、SR-7(並行してSR-1)といった感じです。
TTL開放測光を採用したことにより
レンズ群も絞り伝達機構を持つ「MCロッコール」に一新したので
これまでのネーミングの流れとは
異なるものにしたのかもしれません。

お預かりしているSR-T101は
このカメラにしてはめずらしくシャッターが切れません。
SRシリーズのシャッターは非常に丈夫に作られていて
油切れで動きが悪かろうがなんだろうが
精度はともかくとしてもとりあえずはシャッターは
動作しているものが大半かと思われます。
動きのしんどいところを
健気に動いているだけではあるのですが…

今回のSR-Tは幕の位置から判断した感じでは
シャッターはチャージされている状態です。
レリーズボタンは押せる状態ですが
うんともすんとも何も動きません。
上の写真でも良く見ればわかるのですが
レンズ連動部の絞込レバーが絞込の位置で
止まっています。でもミラーアップはしていないのですね…
ちなみにマウント横にある絞込ボタンは押しても
元に位置に戻ってきます。
この絞込ボタンは正常の状態でも
ミラーチャージがされていないと絞込にすることはできません。
つまり巻き上げているときだけ有効なボタンです。
以上の現象から判断すると
おそらくシャッターはチャージされているのに
ミラーチャージがされていない状態だと思われます。
で、レリーズはしたのですがミラーがチャージされていないので
ミラーアップされずシャッターも動かない状態かと思います。
おそらく底部から強制的にミラーチャージしてしまえば
シャッターはとりあえず切れるかと思われます。
(実際にこの後、とりあえず切ることはできました)
ミラー駆動部の動作不良でミラーチャージロックが
できなかったことが原因かと思われます。
ミラー駆動部の整備を行わなければ
なんどでも同じことが起こると思われます。
シャッターが切れるちょうになったところで
とりあえずシャッタースピードの精度も現状チェックしたのですが
やはり幕軸の動きも悪く高速シャッターでは
先幕・後幕のバランスが全く取れておらず
結構な露光ムラが出るような状態です。

問題点と対処法がある程度、わかったところで本格的に
修理・整備に取り掛かります。
今回のように分解に入る前に原因と対処法が
ある程度わかっていいる状態であれば
比較的、整備は順調に進められます。
これが電子制御機等で
分解しながら原因と対処法を探る場合は
時間もかかるし手探りで大変な作業になりがちです。
そういう点でもSR-Tあたりは整備性の良いカメラで
露出計周りはともかく機械的部分で
予想外のトラブルが起こる可能性の低いカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

コニカⅢのカメラ修理

今日は「雑誌の日」だそうですよ。
いわゆる「紙の雑誌」って
本当に読まなくなりました…
昔それこそ暇さえあれば本屋さんに行って
色んなジャンルの雑誌を買って帰ったものですが…
そのときに興味のあるものにもよるのですが
カメラ・写真雑誌だったりクルマ・バイク雑誌だったり
比較的最近だと登山雑誌も…
あ、忘れちゃいけない一番買ってるのは
マンガ雑誌だったりしますね
とにかく買った後にかさばるのですよねぇ
今、思えばそれこそ中学生頃に買ったカメラ雑誌とか
バイク雑誌、二十歳頃に買ったクルマ雑誌とかは
取っておけばよかった!なんて今になって思いますが
引っ越しとかの際に大量に処分してしまいました…
今は興味のある新製品情報とかはネットで事足りますし
本屋さん自体にあまり行かなくなりました。
コミックだけは紙媒体でも買いますが
読みたいものだけを単行本で買うようになりました。
今でもたまに本屋さんに立ち寄れば
それなりに時間かけていろいろ見るし
興味がわけば買って帰るのですけどねぇ
頻度はかなり減ってしまいました。
でもそういう雑誌で得ていた情報以上のものを
いまはネット等で得られるわけですから
寂しい気もしますが
昔ながらの雑誌という形態は減っていくのでしょうね
よその業界のことを心配してる場合じゃないか
フィルムカメラ修理だっていつまでこうやってできるやら…(汗)

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカ初の35mm判カメラ、コニカ・スタンダードの流れを汲む
シリーズのカメラでその後、Ⅰ、Ⅱと続き
今回のⅢが発売されたのが1956年になります。
それまでのⅡまではノブ式の巻上だったのですが
Ⅲでは特徴的なフロントレバー式の巻上となり
ダブルストロークで巻き上げます。
いわゆるセルフコッキングとなり
レバー巻上によりフィルム巻上と
シャッターチャージを同時に行います。
後の60年代以降のカメラだとセルフコッキングは
特に35mm判では当たり前になりますが
やはりフィルム巻上とチャージをそれぞれに
行わなければならないのは誤動作の元になります。
フィルムカウンターも自動復元式で
巻戻しボタンも押したまま巻き戻すタイプではなく
押した状態でちゃんとロックされます。
見た目のレトロさとは異なり
意外と現代的に使えるカメラです。
Ⅲに比べるとⅠやⅡはいかにも50年代のカメラで
ある程度この時代のカメラに詳しくないと
使い方に戸惑う部分もあるかとは思いますが
それに比べるとⅢは随分使い勝手の良いカメラです。
巻上レバー周りだけが少々独特ですが
これは慣れてしまえば逆にリズミカルに楽しく操作できると思います。
私も実は個人的に使うようにⅢを1台持っていますが
整備されたⅢのダブルストローク巻上は非常にフィールも良く
巻き上げることが楽しくなってきます。

お預かりしているコニカⅢは
随分長いいあだ眠っていた個体かと思われます。
まずは定番のシャッター羽根固着で
一発目のシャッターでまず間違いなく
すぐには開かずレリーズした後、しばらく待っていると
じわ~っとシャッターが開いて閉じていきます。
その際にシャッター羽根に油がベッタリ付着しているのも確認できます。
一度、シャッターを切るとしばらくは普通にシャッターが切れているのですが
しばらく間を置くとまたじわーっと開く状態になってしまいます。
絞り羽根は何とか動きますがやはり絞りリングが重く感じる上に
絞り羽根にも油付着が確認できます。
この粘った状態で絞り羽根を動作させていると
何かの拍子に絞り羽根が破損する可能性も高いので
極力余計なことはそれ以上せずに整備に取り掛かります。

他、巻上も重い感じですしファインダーに汚れ曇りもあり
レンズにはカビも発生しています。
致命的なトラブルこそありませんが
積年の汚れでいろんなところに細かな問題が出ている感じです。
大きなトラブルになるまえにしっかり整備していきたいと思います
(シャッター羽根粘りは撮影不可能な問題ではあるので
ある意味、既に「大きなトラブル」ですね)
まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GLのカメラ修理

今日は「ジグソーパズルの日」なのだそうですよ
小学生高学年だったかな…中学生になってたかな…
一時期はまってました。
最初に組み立てたパズルは300ピースとかで
集中すれば1日で完成するくらいのものでした。
それから気に入った風景の絵柄とかの
500ピースとか1000ピースとかもクリアして
2000ピースまでは何とか完成させました。
実家に飾ってあったのだけど
実家を引き払った際に親父に捨てられたな(苦笑)
確か2000ピースはさすがに1ヶ月くらいかかったのかな…
組立て時にやたらと場所取るのですよねぇ
完成して固めてしまえば立てられるので
それほど邪魔にはならないのですが
組立て時は広げたままですし
うっかり何かで吹き飛ばしてしまうと大ショックです。
真っ暗なシャドー部とか
ひたすら根気よく合わせるしかない部分もあって
なかなか苦労した覚えがあります。
でも完成したときの達成感はすごく気持ち良いです。
そういえばカープの今年のグッズで
1面真っ赤な中の隅っこに小さく「Carp」のロゴが入っているだけの
いじわるな(笑)パズルがあったなぁ
300ピースだからまぁなんとかなるでしょうが
1面ほぼ柄のない単色をは組むのは結構な苦痛ですねぇ
1000ピースとかだったらクレーム入りそうですねぇ(笑)
さすがに今更、ジグソーパズルをやろうとは思いませんが
カタログとかを見ているとステキな絵柄ばかりで
ちょっと欲しくなるのですよねぇ…

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GL」のカメラ修理を行っています。
エレクトロの修理は本当に多いのですが
「GL」はかなり久しぶりですね
前身のGSN(GTN)までは初代からのボディをずっと引き継いでいたのですが
この「GL」でかなり小型化されました。
同時に受光体も「CdS」から「SPD(シリコンフォトダイオード)」に変更され
低輝度時の反応速度がかなり改善されています。
「GL」より少し前に広角レンズで小型化された「CC」や
ピントを目測と割り切り超小型化された「MC」とかも
既に出ていたのですが「GL」の登場で
初代から続くエレクトロ35の本流も小型化されたことになります。
使用電池はMCやCCは4LR44だったのですが
「GL」は従来モデルと同じくエレクトロのために開発されたと言われている
「HMー4N」積層水銀電池を使用します。
もちろん現在では入手不可な電池なので
LR44x4個+電池アダプタで使用するのが無難かと思われます。
電子制御シャッターコパルエレク+絞り優先AEで
露出をコントロールするのは初代から変わりません。
大口径レンズも同様で「GL」はカラーヤシノンDX40mmF1.7を搭載します。

お預かりしている「GL」は
電池を入れるとバッテリーチェックは点灯するのですが
シャッターは明るさに関係なく定速となり
電池を入れていない状態と変わりません。
その上、露出計も反応していないようです。
(赤ランプや黄色ランプが全く点灯しない)
バッテリーチェックも基板を経由して点灯するので
基板までは確実に電源は入っているものと思われます。
ただ、そこからシャッターユニットや
受光体には電圧がかかっていないものと予想されます。
…となると基板内のトラブルの可能性が高く
もしかしたら修理不能の可能性も考えられます。

基板そのものがダメというパターンはあまりないカメラなので
おそらくハンダ付けとか接点の接触不良とかが
トラブルの原因とは思われますが
はっきりとピンポイントで「ここだ!」と
原因を発見するのはかなり困難だと思われます。
まずは怪しげな箇所をひとつひとつチェックしていくしかありません。
今日はテスターが大活躍ですね(苦笑)
まだ分解に取り掛かったばかりの状態なので
まずはここから集中して
トラブルシューティングを行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPのカメラ修理

早いもので今日から3月です!
3月は英語で「March」ですが
「march」といえば「行進曲」のことでもありますよね、
ということで今日は「マーチの日・行進曲の日」なのだそうです。
3月の「March」はローマ神話の
「マルス(Mars)の月」を意味する「Martius」に由来しています。
マルスは「戦と農耕の神」で「軍神」とも呼ばれています。
行進曲の「march」とはスペルが同じなだけで
語源は全く違うのですね。
行進曲の歴史は古く17世紀の終わり頃に
オスマン帝国(トルコ)の軍楽隊をルーツとする
「トルコ行進曲」まで遡るのだということです。
有名なベートヴェンやモーツァルトの「トルコ行進曲」は
オスマン帝国軍楽隊の音楽をルーツとして作曲された行進曲です。
本来のトルコ行進曲は単なる楽曲のタイトルではなく
もっと広い範囲を指す言葉なのですね。調べていて初めて知りました。
でも日本だと行進曲と言えばやはり「軍艦マーチ」ですかね
他にも行進曲はいろいろありますが
行進曲を聞いていると小学校の運動会の行進の練習を思い出します。
単調でめんどくさい上に運動会前1ヶ月くらいから
何度も何度もやらされるのですよねぇ。。。
運動会そのものは好きでしたが
あの開会式・閉会式の行進練習だけは本当にいやだったなぁ
それにしても今考えると何であんなに気合入れて
運動会の練習やってたんでしょうねぇ…
今ではそんなことないですよね?
ところでモーツァルトの「トルコ行進曲」聴くと
どうにも運動会の「徒競走」を思い出してしまいます(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPもコンスタントに毎月修理依頼のあるカメラです。
M42マウントということでペンタックスタクマーレンズ群はもちろん
世界中のM42マウントレンズ群を使用することができ
そこも未だに人気の高い要因になっていると思います。
発売当時は現在どころの騒ぎではなく
いわゆるハイアマチュアの方の中でのシェアはナンバー1だったと思われます。
本当かどうかははっきりしませんが
雑誌のフォトコンでの入選以上の作品が
全てSPで撮られていたこともあった…という話も聞いたことがあります。
それほどまでに支持を集めていたカメラなので
現存している台数も多いのですが
コンディションの悪い状態のものも多いのが現状です。
さすがに生産されてから50年以上経過するカメラですので
使いっぱなし、しまいっぱなしで
そのまますぐに使えるとは考えない方が良いかと思います。
現在、きちんと動作しているSPは
それなりに定期的に整備され、ある程度使い続けられている個体かと思います。

お預かりているSPは少々めずらしいブラック塗装のSPです。
適度な使い込まれ感がありなかなか良い感じです。
現状をチェックしてみると
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムの周りにぐるりと1周貼られている遮光材が
加水分解を起こしプリズムの塗装、蒸着を剥離してしまいます。
発売以来何も対策が取られていない個体は
まず間違いなくこのプリズム腐食が発生しています。
中古良品のプリズムと交換で対応いたしますが
腐食のないSPのプリズムは今や非常に希少で
なかなか見つけることが難しい状況となっています。
今回は何とかひとつ確保できたので無事に交換で対応できそうです。
シャッターはこれもよくある症状で
後なくの走行状態が非常に悪く最後までキチンと走り切りません
そのため最後にミラーダウンレバーを作動させることができず
ミラーアップしたまま固着という状態になってしまいます。
それほど後幕の走行状態が悪いということは
当然、全域にわたってシャッタスピードの精度は出ていません

画像にプリズムが写っていますが
劣化した遮光材が貼られているのが写っていますね
ここの内側が剥離して
ファインダー上で横方向に一直線に黒い線の入る
SP系特有のプリズム腐食が見られるようになるわけです。
シャッター周り、ミラー駆動部回るの修理・整備はもちろんですが
露出計周りの配線等もしっかり整備、修理していきます。
露出計そのものは現状何とか動いてはいますが
お預かり時には電池室に腐食した水銀電池が入ったままで
まずは電池室の蓋が強力に固着して開かない状態でした
もちろん電池室周りの配線や端子はかなり腐食していたので
交換や修理で対応し後で精度もキチンと調整します。
SPにありがちな露出計SWがシャッターを切っても
戻らない状態だったのでそれも対処いたします。
実はこのご依頼者様からは一緒に家から出てきたSPFと
レンズもスーパータクマー、SMCタクマー、合わせて4本
お預かりしておりそれぞれに大なり小なり問題を抱えているので
一気にすべて整備を行っていきます。
だいぶ長い間、眠っていたものと思われますが
ご依頼者様の手で是非、何十年かぶりに
今の景色をフィルムに焼き付けてほしいと思います

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。