日別アーカイブ: 2021年3月12日

マミヤシックスオートマットのカメラ修理

今日は3月12日ということで
「サ(3)イ(1)フ(2)」、「サイフの日」なのだそうです。
お財布って毎日、常に持ち歩くものだし大事ですよね。
私の財布、外が黒で内側が赤の本革製で
二つ折りの札入れとお揃いの小銭入れのセットなのですが
昨年あたりから外観も中身もうボロボロで
「いい加減に替えなくちゃなぁ…」とも思いながら
ちょっと思い出の品でもあるので
未だにダラダラと使い続けています。
いつから使ってるのだっけ?と思い
確かPCに初めて使った日に撮った写真があるはず…
あったあった、当たり前だけど新品でピカピカだ(笑)
撮影日時を調べてみると
なんと2002年の冬!18年以上も使ってたんだ!!ちょいびっくり
そりゃボロボロにもなるわ…(笑)
デジカメ写真なので撮影データを詳しく見てみると
撮影したカメラも「Finepix40i」うわ懐かしい…使ってたわ
このカメラの発売開始も調べてみると平成12年…
もちろん今は手元にないですが
東京に来たばかりの頃に良く使ってました…
意外なところで年月は確実に経っていることを痛感しました(笑)
そっか…もう18年前か…そりゃ昔だわ…
何か新しい財布、探さなくちゃね

さてさて

本日は「マミヤシックスオートマット」のカメラ修理を行っています。
いわゆるスプリングカメラ(フォールディングカメラ)ですね。
普段はレンズ部を折りたたむことができる蛇腹カメラです。
ブローニーフィルムを使う6x6判ですが
折りたたむと非常にコンパクトで出っ張りもなく
カバンのなかとかに入れておきやすい形状でもあります。
二眼レフブームが来る前の1940年代から50年代にかけて
各メーカーから発売されていた形式のカメラです。
今回は大丈夫でしたが最大のウィークポイントは
最大の特徴でもある「蛇腹」でこれが破れていたり
穴が開いていたりすると当店では修復及び交換は行っておらず
修理不可能となります。
基本的にレンズ固定式のレンズシャッター機で
ある程度の年代以降になるとレンジファインダーを装備するものが多いです。
マミヤシックスも同様ですがちょっと変わっているのは
その距離計に連動するピント調節方法で
通常のカメラはレンズを移動(レンズ前玉のみを移動させたり
レンズユニット全体を繰り出したり)して
ピント調整を行いますが
マミヤシックスの場合はレンズではなく
フィルム面を前後に移動してピント調節を行います
(バックフォーカス方式)
それに関連して上カバー背面にダイヤル状のピントダイヤルがあり
これでピントを調整します。
今回のマミヤシックスオートマットは細かいことを言うと
ファインダー内に撮影範囲のフレームが出るようになった「2型」で
1958年発売のモデルかと思われます。
余談ですがマミヤシックスは「Ⅳ型」以降は
カバーに刻印されるモデル名は「MAMIYA-6」となっています。
今回の「オートマット」モデル名に「オートマット」とありますが
これも細かいことを言えばスタートマーク合わせの
「セミオートマット」です。
でも現実的には信頼性がイマイチのフルオートマットよりも
メカニズム的にもシンプルにできるセミオートマットの方が
良いと思います。
実際にこの後に出てくる中判カメラのほとんどがセミオートマットで
フルオートマットなのはローライフレックスくらいですものね
セミオートマットでも赤窓式に比べれば十分にフィルム装填は楽になり
慣れてしまえば全く不便は感じないかと思います。
さらにマミヤシックスオートマットは
セルフコッキングとなり意図しない多重露光や
未露光のままフィルムを進めてしまうなどというミスも
大幅に少なくなったと思います。
そういう部分も含めてスプリングカメラの中ではかなり高機能なモデルです。

お預かりしているマミヤシックスオートマットは
「2型」ということもあり
搭載されるレンズはセコール銘の7.5cmF3.5で
シャッターユニットはセイコーシャMXです。
おそらくかなり長い間、眠っていた個体と思われます。
お預かり時から一通り動作はしているのですが
やはりシャッターを始めあちこちに動作の悪い部分も見られ
安心して使うには整備一式が必要な状態です。
レンズ・ファインダーにも汚れが目立ち
一部の小キズ、クモリは除去できないものもありますが
できる限りの清掃を行い実用上問題のない状態にしていきます。

画像は一通りの整備が完了した状態のものです。
外観もできる限りキレイに磨き上げています。
今回も気持ちよく使っていただける状態に
仕上がっていると思います。
これから最終チェックを行い
問題なければ完成となります。

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