今日は二十節気でいうところの「大暑」です。
一年で最も夏の暑さが盛りを迎える頃なので「大暑」とされます。
年によってはまだ梅雨明けしていなかったりで
「大暑」とはいえないこともあるのですが
今年に限って言えばまさに「大暑」にふさわしいですね
今日もあさから強烈な陽射しが降り注いで
ガンガン気温が上がっています。
よく言われることですが
近年の夏の暑さは本当に明らかに昔と異なります。
私の生まれ育った広島県の呉というところは
広島市内あたりと比べても
冬は少し暖かく夏は少し涼しいといわれるところで
(海が近いからかな)
真夏の最中でも35℃までいくことはほぼなかったのですが
最近の天気予報を見ていると
ちょくちょく猛暑日になっているのですよね
中学生の頃は夏休みでも部活で
一番暑い時間帯でも普通に照り返しの強烈な
グラウンドを走ったりしていたのですよねぇ…
今じゃ考えられないですね…
本当に命に関わる暑さなので
特に外出時には本当に気をつけましょう
私は日中はとにかくエアコンの効いたお店に
引き込もっているのであまり問題はないのですが…(苦笑)
さてさて
本日は「ニコレックスF」のカメラ修理を行っています。
ニコレックスシリーズはニコンの中級機クラスを担うシリーズで
後のニコマートシリーズの前身にあたります。
当時の最高級機であるニコンFとは異なり
何とかお求めやすい価格を実現しようと
いろいろと試行錯誤のあったシリーズでもあり
シリーズ内でいろいろ面白いモデルが存在します。
特にレンズシャッター機はなかなか特殊な構造をしています
(余談ですがニコレックスに限らず、この時代に存在した
レンズシャッター機の一眼レフは当店では修理不可能です)
今回の「ニコレックスF」は
そんなユニークなニコッレクスシリーズの中では
比較的、通常の構造をした一眼レフです。
これまでのニコレックスシリーズは
レンズシャッター機の一眼レフで
交換レンズはコンヴァージョンレンズしかなかったわけなのですが
このニコレックスFが初のニコンFマウントの普及機となりました
後にいろいろなところでお馴染みとなる
縦走り金属羽根のシャッターユニット「コパルスクエア」を採用し
マミヤ光機が製造を担当したカメラです。
まさに後のニコマートの前身ともなるモデルです。
1962(昭和37)年に発売開始となり
3年間で4万8975台生産されました。
お預かりしているニコレックスFは
まず巻上が途中で動かなくなってしまっていて
当然シャッターも切れない状態です。
シャターチャージ部の動作不良及び固着かと思われます。
かなり長い間使われずに仕舞い込まれていた個体と思われ
装着されたニッコールSオート5cmF2レンズや
ファインダーのコンデンサレンズ、プリズム
接眼レンズとあらゆる部分に大量のカビが発生しています。
全体的に清掃整備が必要な状態です。
先述したように後のニコマートのルーツともいえるカメラですが
この時代はニコンもかなり普及機の作り方に
かなるい苦労したようで結局は実際の製作は
マミヤに任せてしまった形になりました
そのせいとはいいませんが
後のニコマートに比べるとまだまだ華奢な部分も多く
ニコマートに比べるとトラブルの頻度は高いと言えると思います。
それでも心臓部のシャッターユニットはコパルなので
シャッター自体が壊れ宇ことはそうそうないとは思います。
今回も巻上機構とシャッターユニットのリンク部分の
動作不良が原因と思われ、シャッターユニット本体は
羽根汚れ等で動きがイマイチな部分はあれど
致命的なトラブルは抱えていないと思われます。
現状チェックのみ終わった状態で
これからどういった手順で分解整備に取り掛かるかの
イメージがある程度できた段階です。
あとはひたすら集中して整備に取り掛かっていきます。
「F」とも「ニコマート」とも異なる
ちょっとレトロなルックスが
何といえずいい佇まいを見せています。
「NIKKOREX」の銘板も何だか新鮮ですね。
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