日別アーカイブ: 2021年12月4日

コニカⅢのカメラ修理

今日は「E.T.の日」だそうですよ。
1982(昭和57)年のこの日に
アメリカのSF映画『E.T.』(イーティー)が日本で公開されました。
全世界では1993年(平成5年)公開の『ジュラシック・パーク』、
日本では1997年(平成9年)公開の『もののけ姫』に抜かれるまで
映画の配給収入の歴代1位だったそうです。
空前のヒット作だったのですねぇ
私が中学1年の頃ですねぇ
映画館でも見た覚えはあるし、その後、テレビとかでも
何度か見てるはずなのですが…
「全く内容を覚えていません(笑」
映画って相当何度も見てるものじゃないと
いつの間にか記憶から消えちゃうのですよねぇ
中学生あたりから社会人になるまでは
相当な数の映画見ているはずなのですが
もうほとんど覚えていません…ちょっと悲しいな(苦笑)
「E.T」の翌年の1983年に「フラシュダンス」が公開されているのですが
こっちのほうがまだ覚えてるな…
サントラ盤のレコードも買って散々聴いているし…
ジェニファービールス、キュートだったよねぇ~

さてさて

今日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
コニカの35mm判レンズシャッター機は
1947年の「コニカスタンダード」から始まり
それが一般用として「コニカⅠ」となり
「Ⅱ」、「Ⅲ」と続いていくわけですね。
「Ⅲ」でいわゆるセルフコッキングとなり
レンズ鏡胴脇から出ている巻上レバーをダブルストロークすることで
フィルム巻上と同時にシャッターチャージもされるようになりました。
その後のカメラでは当たり前なのですが
セルフコッキングのない50年代のレンジファインダー機や
スプリングカメラ、二眼レフなんかを使っていると
本当にセルフコッキングの便利さがわかります。
ついつい、意図しない多重露光とか
未露光のコマ作ってしまいますもの…(苦笑)
「Ⅲ」はこの招き猫みたいな押し下げるタイプの巻上レバーで
また軽快にダブルストロークなのがいいですよね
シングルでもできなくはなかったのでしょうが
きっともっと巻上は重くなるでしょうし
こんなリズミカルに気持ちよく巻き上げる(巻き下げる?)ことは
できなかったと思います。
「Ⅲ」はその後に出る等倍ファインダーの「ⅢA」が
注目されがちですが
デザイン的にすっきりした無印の「Ⅲ」もかなり良いと思います。
出番がなかなかないのですが
個人的に使う個体で「Ⅲ」を1台、私も持っています。

お預かりしているコニカⅢは
まずシャッターが全く開きません…
レンズシャッター機にありがちな
いつもの羽根固着かと思ったのですが
シャッターユニットを降ろしたところでわかったのですが
どうやら今回は羽根自体は問題なくて
チャージリングが汚れか油で動けなくなっているようです。
一旦チャージした位置からレリーズしても
進めないわけですね。指である程度押してやると
そこからは一気に進みシャッターもキレイに開閉します。
シャッターユニット内は他にもスローガバナー等
いろいろと動きの悪いところがあるようすです。
羽根も含めて一旦きれいに洗浄した後で
最低限の注油を行う必要がありそうです。
その上で調整を行えば精度的にも大丈夫でそうです。
加えて「Ⅲ」の魅力に一つでもある
軽快な巻上(巻き下げ?)がかなり鈍重になってしまっています。
この状態で無理に動かしていれば
間違いなく底部リンク部品の変形とかを起こしそうなので
まずは無駄に動かさずにこちらも清掃とグリスアップを行っていきます。
無理に動作させていてリンク部品の変形を起こしてしまうと
最悪の場合、修理不可能となります。
そうでなくても本来の軽やかな巻上は期待できなくなります。
今回はそんな状態になる前かと思われますので
通常の整備で本来の姿を取り戻すことができそうです。

まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。
シャッターユニットの分離はリンク部分もシンプルで
かなりやりやすい部類に入ります。
シャッターユニット側が終わったらレンズ清掃も行い
巻上リンク側の整備を行っていきます。
その後でファインダー清掃に距離計の調整です。
「Ⅲ」は使い勝手の良さとそのレトロな風貌のバランスが
非常に良いカメラだと思います。
個人的にもおすすめな1台です。

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