今日は「果ての二十日」ですね。
身を慎み災いを避ける忌み日ですが…
この忙しい時期にじっとしていられるわけもなく…(苦笑)
年の終わりの月である12月を「果ての月」といい
「果ての二十日」は12月20日(本来は旧暦)を意味します。
年末の挨拶や大掃除、正月の準備など忙しさの極まる時期ですが
この日は一切の仕事をやめて外出を避け静かに過ごす日と伝えられています。
由来については諸説ありイマイチはっきりしないのですが
近畿地方では罪人の処刑をこの日に行っていたからとも言わてます。
また、山の神に深く関わる忌み日とされ
この日に山に入ることを避ける地方が多いのだそうです。
和歌山県と奈良県の県境沿いには
「果無山脈」(はてなしさんみゃく)という山脈があり
果無山脈には「果ての二十日」である12月20日のみ
または12月20日過ぎにのみ現れる
「一本だたら」という妖怪が棲んでいるのだそうです。
一つ目で一本足の姿の妖怪で
その妖怪が山に入る旅人を喰ったことから
峠越えをする人がいなかった。
「果ての二十日」に人通りが無くなることから
「果無」という名前が付いたといわれています。
このような言い伝えもあり
「果ての二十日」である12月20日には
山に入ることを避けるようになったという説もあるのだそうです。
こういう言い伝えには何かしら意味がある場合が多いので
まぁ、不要な外出はやはり控えるべきなんでしょうねぇ
来店がないのは困りますが
個人的にはおとなしく店に籠って作業に集中します
(うん、それはいつものことかな(笑))
さてさて
本日は「オリンパスOM-1」の修理を行っています。
ぶっちぎりで整備依頼件数の多い「OM-1」ですが
今回は少しひさしぶりですね。
オリンパスの誇る軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフです。
機械制御シャッター機でこれほど小さくできているのは
この「OM-1」と「ペンタックスMX」ぐらいですね
発売時期としては「OM-1」のほうが随分早いです。
オリンパスらしく非常に独創的な構造で
この大きさを実現していて
特に巻上機構・シャッターチャージ部は
他のカメラでは見られない独特な造りになっています。
シャッター幕も高さを抑えるためにリボンを紐状にしたりとか
いろいろな工夫を重ねてこのサイズを実現しています。
単に大きさが小さいだけではなく
巻上の感触や上品で柔らかいシャッター音等々
使い心地も非常に良いカメラで
そういう意味も含めるとこの分野の一眼レフでは
他に比較対象がいない存在だと思います。
ただし…他メーカーができない(やらない)工夫を重ねた部分は
堅牢性という部分では少しばかり華奢な部分も多いのは事実です。
それでも現行モデルであった頃には
全くもって問題はなかったと思いますが
発売開始から50年近く経過する現在では
問題を抱えている個体も多いと思われます。
部品そのものの摩耗や劣化には対処できない部分は
正直言ってありますが
定期的に整備を行うことによって
状態の良い個体であればまだまだ当分快適に使えるとは思われます。
お預かりしているOM-1は過去に整備歴もあるようで
一応一通りは動作しているのですが
一部、動きの悪い部分があるようで
頻繁にミラーアップしたまま固着してしまいます。
横走り機でよくあるシャッター幕走行不良による
ミラーアップではなくミラー駆動部そのものに動きが悪い部分があるようです。
シャッターの後幕が走行不良の場合に
ミラーアップするパターンも多いのですが(特にペンタックスの横走り機に多い)
今回は後幕は速すぎるくらいにスムーズに走行していて
逆に速過ぎてシャッターが閉じ気味になってしまっているようです。
1/1000の場合の走り終わり部分で1/2000くらいの露光量になってしまっています。
ここは先幕側も整備して同じようにスムーズに動くようにして
微調整を行う必要がありそうです。
露出計も元気に動いていますが若干アンダー気味のようです。
ここも同じく調整を行っていきます。
露出計とSS/絞りとの連動とかもOMならではの構造ですね
上カバーを外しただけだとまだ見えないのですが
実は結構、連動糸も多用されていて
ここからミラーボックスを外す際には糸をひっかけないように
注意も必要です。
SS・絞り連動部に手を入れる際には
さらに糸の処理に神経を使います。
そうそう、メーターとの連動部も糸連動ですね。
いろいろとデリケートな部分の多いカメラなので
分解時の整備・調整にはかなり気を使います。
ここからさらに分解を進めていくので
集中して取り掛かりたいと思います。
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