日別アーカイブ: 2021年12月13日

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は12月13日…
「正月事始め・煤払い・松迎えの日」ですね
煤払い(すすはらい)などをして
年神様を迎える準備を始める日です。
昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など
お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があったのだそうです。
「煤払い」に関連して今日は「大掃除の日」でもあるようです。
そんな年末年始の準備どころじゃないですよねぇ
年末ってことはいろんなことの〆でもあるわけだから
まだまだ年内の仕事のスパートをかけている時期ですよね!
私だって一応そうですよ~(笑
サラリーマン時代は12月がメーカーの決算だったこともあって
何とかして実績を年内に押し込むために大変だったなぁ…
今だって集計はもちろん取っているし
数字はある意味追いかけてはいますが
あの頃は「向くよう」という名のキッツいノルマがあったしなぁ(遠い目)
まぁ働いている方はいろいろと大変な時期ですよね!
テンション上げて頑張る分にはいいですが
追い込まれ過ぎないように気を付けながらがんばっていきましょー!

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
超ベストセラー機、「SP」を開放測光対応としたカメラです。
ユニバーサルマウントでシンプルでなくてはいけない
M42マウントをそのままでは開放測光に対応するのは無理なので
絞り情報を使えるピンを備えた「SMCタクマー」レンズ群使用時にのみ
開放測光に対応できます。
従来の「スーパータクマー」やペンタックス製以外の
通常のM42レンズ群を使用するときには
従来の「SP」と同じく「絞込測光」で露出計を使用します。
露出計関係以外は従来のSPとそれほど変更点もありませんが
アクセサリーシューに接点が付きホットシューとなっています。

露出計周りだけの変更と一言でいえば簡単そうですが
開放測光に対応するために
これまでレンズ側からは何も情報のリンクがなかったものを
絞り伝達機構が追加になっています。
これをボディ側で電気情報に変換し露出計と連動させるため
マウント周りに抵抗や接点・配線がかなり追加されています。
それに伴い露出計制御基板はSPと比べると
かなり複雑になっています。
それからこのSPFの露出計はちょっと変わった構造で
何も負荷がかからない状態だと指針は真ん中にあるのですね
通常は最も下とか最も上にくる場合が多いと思いますが…
で、CdS(受光体)経由からの電流で下に引っ張り
SS・絞り情報からの電流で指針を上に引っ張ります。
で、バランスが取れて真ん中に指針が指す
SS・絞りの状態が適正露出となるわけです。
この形式の利点は電池の電圧が少々上がろうが下がろうが
露出値が変わらないことですね、
つまり水銀電池の1.3Vだろうと現在のLR44の1.5Vだろうと
引っ張り合うだけなので値が変わらないのですね
他の露出計だと電圧が0.2V異なると
指針が降り過ぎて1.5段~2.5段くらいアンダー目を指示してしまうのですが
SPFの場合はその心配が不要です。
あるいはLR44使用時に少々電圧が落ちてきても
露出計の値は変わらないのです。
その反面、調整が少々微妙でトラブルも少し多めですね(苦笑)

お預かりしているSPFはそのウリのひとつでもある
露出計が明るさに関わらず
常にめいっぱいアンダー側に振ってしまっている状態です。
つまりSS・絞り情報側からの電圧がかかっていない状態だと思われます。
加えてアクササリーシューに大きなガタがあったり
ファインダーにかなり汚れがあったりという状態です。
シャッターの動きはあまり大きな問題はありませんが
もちろん駆動部は一通りの整備を行います。

整備・修理は一通り終わって少し様子見の段階です。
最終チェックを行って問題なければ完成となります。
配線や接点にはやはり経年劣化の影響もあり
複数個所で断線が合ったり接触不良がある状態でした。
現在は精度も含めて全く問題がない状態です。
シャッター・巻上も非常にスムーズになり
ファインダーもクリアです。
これで全く問題なく
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。
整備済みで本来の状態のSP・SPFの巻上は
非常に官能的で基地良いものです。

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