日別アーカイブ: 2022年2月9日

ペンタックスMXのカメラ修理

今日は2月9日…
いかにも語呂合わせが多そうな…と思いながら調べると
やはり…「肉の日」、「服の日」、「ふくの日(ふぐの日)」等々
そんな中に「大福の日」が…
大福、美味しいですよねぇ~コンビニからスーパーから
どこにでも売っていますし
餡子大好きな私なので大福ももちろん大好きです。
今はいろいろ問題もあって食べ過ぎないように気をつけていますが
外回りでストレスフルに仕事していた頃は
コンビに立ち寄るたびに大福と缶コーヒー買ってたなぁ…
さすがに食べ過ぎだったなぁ…それだけのせいではありませんが
結果的にロクなことにならなかったです(汗)
いやいや、餡子や大福に罪はないのですよ!
何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なのですよね(苦笑)
美味しい大福3つくらい渋ーい日本茶と合わせて食べたいなぁ…

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスは1976年にこの「MX」で
新シリーズ「Mシリーズ」のラインナップをスタートさせます。
それまであまりコンパクト化とは縁のなかった
「Kシリーズ」までの一眼レフとはガラッと方向転換し
小型軽量化に主眼を置いたラインナップを展開していきます。
その最初のモデルが「MX」だったわけですが
実は「Mシリーズ」のもうひとつのテーマは
「電子化」だったのです。
「MX」の一か月後に登場した「ME」こそが
本来の「Mシリーズ」の基本形で
その後、「Mシリーズ」は「ME」をベースに展開され
後の「Aシリーズ」に引き継がれていきます。
最初に登場したのに結果的には「Mシリーズ」の中で
少し異端児的な存在になってしまった「MX」ですが
カメラ業界全体が「電子化」に向かっていた時代で
いたしかたない部分かと思われます。
結局、純然たる機械制御シャッター機としては
ペンタックス最後のカメラとなってしまいました。
ライバルでもあるOM-1を強烈に意識したカメラで
縦・横・厚さの寸法が
全てOM-1より0.5mmずつ小さいのは有名な話です。
反対に考えると機械制御の横走りシャッター機の
大きさの限界はこのあたりなんだな…ということもわかりますね
十分に小さく軽量で非常に使いやすいカメラです。

お預かりしている「MX」は
動作はしているものの
1/1000、1/500でシャッターが開いていません。
先幕の動きが悪く後幕に追いつかれてしまう状態です。
フォカールプレーンシャッター機では
比較的よくあるトラブルですが
やはり古い布幕横走り機に多いですね。
MXは特にこの症状を抱えている個体が多いと思います。
シャッターは動作しているのに
しゃしんを実際に撮ってみたら
真っ黒だったとか、横半分が真っ黒だったとかは
この症状が出ていると考えて良いと思います。
ちなみに縦走り機で同様のトラブルだと
上半分とか下半分が黒くなったりします。
対処法としては幕軸の念入りな清掃と注油です。
その上で微調整を行い精度を出していきます。

MXは幕軸のメンテナンスを行うと
馴染むまでなかなか幕速が安定しづいらいような気がします。
この「MX」も整備は完了していますが
少し馴染むまで様子見の段階です。
テストを行いながら微調整を繰り返し
精度を確保していきます。
露出計もできる限り調整を行っています。
もちろんこちらも全く問題なく使える精度は確保しています。
ここからは個人的見解ですが
MXもそうですがFM2あたりも
せっかく機械制御シャッターなのだから
露出計もシンプルな指針式の露出計にしてくれればよかったのになぁ…と
LED式は壊れると修理不能になる可能性が非常に高いのです。
でもこの頃は「ショックに弱い指針式より
LEDのほうが壊れにくい」なんて言われてたなぁ…
個人的にはどちらもショックには弱いと思いますが…(苦笑)

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