日別アーカイブ: 2022年2月11日

ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「建国記念の日」で祝日ですが
個人的には「脳梗塞の日」かなぁ(苦笑
2年前、2020年2月11日の夜に
まっすぐ歩いているつもりなのに
左に逸れてしまう症状から始まり
そのうち立てなくなり
自力で救急車を呼びました。
病院についた頃には嚥下障害も出てきて
スプーン1杯の水も飲めなくなり
強烈な回転性のめまいも始まりました。
脳梗塞といっても大脳部分ではなく
正確には延髄外側の梗塞だったので脳幹の一部ですね
そのためいわゆる「延髄外側症候群(ワレンベルク症候群)」になり
いまだに運動障害や感覚障害等の後遺症が残っています。
まぁ、もうなってしまったものはしかたないし
不幸中の幸いで日常生活にはそれほど支障がないので
良しとしなくちゃいけないのでしょうね(苦笑)
とにかく再発や新たな病気を引き起こさないように
日頃から気をつけるようにはなりました
人間本来の耐用年数ってやはり50年程度じゃないかなと思います。
それを過ぎればいろんなことが出始めて当たり前ですよねぇ
何とかうまくつきあって
もう少しは普通に生きていたいかと思います。
今日も仕事終わらせたらリハビリがんばります!
でも本当に頭とか心臓の病気って
ある日、突然やってくるので
少しでも「おかしいな」と思ったら
すぐに病院に行くことをお勧めします。

さてさて

今日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「SP」の後継モデルで
M42マウントというシンプルなねじ込み式の
ユニバーサルマウントを維持したまま
SMCタクマーレンズ使用時のみ開放測光に対応できるようにしたモデルです。
(通常のM42レンズの場合は従来通り絞込測光)
レンズ側に絞り情報伝達ツメを設け
ボディ側にそれに対応する連動部を設置し
露出計回路も絞り連動できるように一新しています。
それ以外のシャッターや巻上機構に関しては
多少の部品変更は行われていますが
基本的な構造は変わりません。
電池が入っていない状態でファインダーを覗くと
SPとは異なり指針が真ん中で止まっています。
これが電源オフの状態です。
電池を入れるとファイインダーが見える状態であれば電源は常にオンなので
上下どちらかに引っ張られます。
そして明るさに応じてSS・絞りを調整して指針を真ん中に持っていきます。
SPFの露出計は単に電流値で振れているわけではなく
真ん中にある指針をCDS(受光体)経由で来た電流と
SS・絞り情報か來る電流で引っ張り合うような構造になっています。
通常の指針式露出計とはちょっと異なる構造です。

お預かりしている「SPF」はSP系定番の
ファインダー内横一線に黒い帯が出るタイプの
プリズム腐食が出ています。
さらにこれも定番のミラーアップしたままになってしまうトラブルです。
根本的な原因はシャッター幕の走行不良かと思われます。
実際にSS測定をしてみると
後幕の幕速が異様に遅いのが確認できました。
当然のことながらシャッタースピードの精度は全く出ていません。
おそらくかなり長い間、仕舞い込まれていた個体かと思われますが
幕軸等の汚れや古い変質した油のために
動きが悪くなっているものと思われます。
しっかり清掃して新しく注油を行った上で
ほんの少し微調整を行えば精度も出せると思われます。

プリズムは中古良品と交換で対応します。
SPFはフォトスイッチという
これまた変わったon/offスイッチを備えていて
レンズキャップをして光を遮断すると
フォトスイッチ用のCDSの抵抗が最大値となり
両方から引っ張りあう電流を完全に遮断します。
シャッター整備等を行った後で発覚したのですが
露出計自体はそこそこいい値を出しているのですが
おそらくフォトスイッチ用のCDSかあるいはその回路に
問題があるようで少し薄暗くなると
電源を遮断してしまうようです。
これから原因を詳しく調べますがCDS交換か
接眼レンズ周りの基板交換で対応することになると思います。
ちょっとめずらしいトラブルです。

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