オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「井戸の日」だそうですよ。
もう最近は井戸を見かけることなんて
めったになくなりましたが
私が子供の頃は近所に普通に井戸がありました。
(既にほとんど使われてはいませんでしたが。。。)
ずーっと下のほうに水面が見えて
子供心にちょっと怖いのですが
近くを通るたびに覗き込んでいましたねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
現在でも人気の高い軽量コンパクトな
機械制御シャッター搭載の一眼レフカメラです。
発売開始は1972年ですが
以前にもここで書きましたが当初のモデル名は「M-1」でした。
翌年1973年に「OM-1」と改名され
約7年間生産されました。
ロングセラーモデルでもあるため
途中、何回か小変更が行われています。
今回、お預かりしているOM-1は
モータードライブ対応の底カバーが最初から装備された
いわゆる「MDモデル」です。

発売から45年が経過し
基本的には丈夫にできているOM-1とはいえ
さすがに定期的なメンテナンスは必要です。
お預かりしているOM-1も
シャッターは動作していますが
1/1000は実際は1/500も出ていない状態です。
加えて露出計は電池を入れても全く動きません。

OM-1といえば定番のプリズム腐食も有名ですが
今回はプリズム上のモルトがベタベタに劣化していたにも関わらず
プリズムには全く問題がありませんでした。
内部の蒸着はもちろん、外側にも全く腐食のない状態です。
これはかなり幸運な例で通常はこれだけモルトが
劣化していると腐食が出ておかしくないのですが
保管状況が比較的良かったのでしょうか。。。

シャッタースピードの不良は最終的には
テンション調整で微調整しますが
幕軸の清掃を行うことでほぼ正しい値がでるようになりました。
やはり長年の汚れが動きを悪くしているのですね。
露出計は電池室側から見るとキレイだったのですが
裏側ではハンダ付けが腐食していて断線していました。
リード線そのものも腐食が進んでいたので
電池室から上部SW部までのリード線は交換で対応します。

巻上も少々重めだったものが
OM-1らしい上品な軽さに改善されました。
まだまだ途中ですが
一通り整備は施したのであとは細かい調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。