今日は5月10日、「コットンの日」だそうですよ。
綿(木綿)のことですね。
衣類の素材としても定番ですが
女性の方はメイクのときに使うコットンのほうが
馴染み深いかもしれませんね。
私の場合は作業でたまに使う脱脂綿が
一番、身近な「コットン」かなぁ。。。(笑)
。。。そんなことを考えていたら
杏里さんの「コットン気分」の
脳内リフレインが止まらなくなってきました。。。
さてさて
本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
当ブログでも定期的に登場する
キヤノン初のプロ向け最高級一眼レフです。
フラッグシップ機にふさわしい高級感と堅牢性に加え
キヤノンらしいスタイリッシュさも併せ持つカメラです。
発売は1971年で、前期モデル、後期モデルにわけられますが
10年に渡って生産・販売が続けられたモデルです。
流通している台数は相当数あると思われますが
状態も千差万別で、これから購入される際には
コンディションには気をつけたいカメラです。
お預かりしているF-1はいわゆる後期モデルです。
ご依頼者様が随分昔から使われているカメラとのことです。
まずファインダーを覗くと一面にプリズム腐食が見受けられ
さすがにこの状態ではピント合わせも非常にしづらいと思います。
F-1はプリズム腐食の比較的少ないカメラで
腐食があっても端に少しとか、点腐食とかが多いのですが
今回は少しめずらしいですね。
余談ですがF-1はプリズム腐食よりも
露出計を映し出すために接着されている小さなプリズムに
欠けや割れが多いような気がします。
少々わかりにくいですが
プリズムの視野はこのような状態です。
プリズムの上に大きな座布団モルトが貼られているのは
いつものことなのですが、通常はプリズムの上に
プラスチックのカバーがかけられていて
その上にモルトが貼ってあるのが正常です。
今回の個体は随分昔に一度分解されている形跡があるのですが
その際にプラスチックカバーを付けすに
直接プリズムにモルトを貼ってしまったようです。
そのためモルトの加水分解が直接影響し
プリズムの塗装・蒸着を剥離してしまったようです。
プリズムは中古のキレイなものと交換で対処します。
他にも問題がいろいろあり
まずシャッタースピードは1/2000、1/1000は
全く開かず1/500、1/250もかなりムラのある状態です。
元々、幕軸の動きが悪かったのだと思われますが
とりあえずシャッターを開くようにしようと
テンションを上げ無理矢理開かせていたらしい形跡もありました。
今回はもちろん幕軸の清掃・注油を行い
幕速もかなり下げて通常の状態に戻した上で
微調整を行いました。
露出計も大幅なズレと接触不良のため不安定な動きをしています。
こちらも接点の磨き+清掃で対応しています。
いろいろ問題はございましたが
まずは一通りの整備を行い組み上げたところです。
後は様子見の上で最終チェック+微調整を行って完了です。
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