ニコンFMのカメラ修理

今日は「国際ホッキョクグマの日」だそうです。
子供の頃に動物園で見た
ホッキョクグマの動きや歩き方がおもしろくて
帰宅してからも当分マネしていたのを思い出しました。。。
動物園で見ている分には
とっても愛嬌があり可愛らしく見えますが
クマの仲間で最も肉食性が強い種類なのだそうです。
おまけに大きいものだと体長250cm体重600kg。。。
アラスカにでも行かない限り
自然の中で会うことはないとは思いますが
日本国内(本州)の山で出会う可能性のあるツキノワグマとは
比べ物にならないほど大きくて凶暴です。
でもこうして書いているとホッキョクグマ見たくなってきました。
他のクマに比べて頭が小さくて首が長くて
何ともカッコ良いのですよねぇ。。。。

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
1977年発売の中級クラスのモデルです。
適度にコンパクトで機械制御式シャッター機ということもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。
シャッターユニットはコパル製の金属羽根縦走りです。
FM(FE)はAi対応のカメラなので
Aiニッコールを使えば開放測光で普通に露出計が使えます。
Aiレンズ対応のカメラは通常はAi連動ツメが
干渉するため非Aiレンズは使えないモデルも多いのですが
FM(FE)はこのAi連動ツメが可倒式のため
絞込み測光とはなりますが
非Aiレンズも装着可能です。
ただしマウント部のAi連動ツメを必ず倒しておかなければいけません。
そのまま倒さずに無理に非Aiレンズを取り付けたりしていると
Ai連動ツメが破損してしまいます。
FM(FE)に非Aiレンズ装着の際はくれぐれもご注意ください。
ちなみにAi連動ツメが固定式の
FM2(FE2)は非Aiレンズの装着は不可能です。

お預かりしているFMは
シャッタースピード1/1000、1/500が開きません。
先幕の動きが非常に悪いようで
測定機で計測してみても先幕幕速が
先幕に比べて極端に遅くなっています。
長年の汚れの蓄積やシャッター羽根基部のブッシュ劣化等で
羽根の動きが悪いものと思われます。
縦走りシャッターの金属羽根は非常に薄く軽いため
ちょっとした抵抗があるとすぐに動作に影響します。
フィルム室から見て一見、羽根がキレイでも
動作させてみると動作不良ということも多々あります。
今回はシャッター羽根をしっかり清掃することで
おそらく正しい動きに戻ると思われます。
露出計等は問題なく動作しているようですが
巻上はたまに引っ掛かりがあり
スムーズに巻き上げられないことがあるようです。
もちろん巻上周りの清掃・注油も行います。

写真は一通りの整備を行った後の状態です。
高速シャッターの精度もしっかり出ています。
シャッター速度が不良の場合の修理は
整備後すぐは良くてもその後、症状が再発することもあるので
必ず何日か時間をおいて再度テストを行います。

今回は露出計周りは若干の調整のみで問題なかったのですが
FMのLED式露出計は分解時に非常に神経を使います。
特にこの季節、静電気を帯びた手でうっかりさわろうものなら
簡単に露出計が壊れてしまいます。
こうなるともう修理は不可能です。
(正確に言うと露出計周りをごっそり交換すれば可能ではありますが。。。)
たまにジャンク扱いのFMにどんなに明るい光をあてても
露出計がマイナス表示の個体を見かけますが
これも露出計制御が完全に壊れている状態です。
これからFMを手に入れようとお考えの方はご注意ください。

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