ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「東京駅完成記念日」だそうですよ。
1914(大正3)年のこの日に東京駅の完成式が行われたそうです。
この日は「東京駅の日」ともされるのですね。
意外と利用することが少ないのですよね。東京駅。。。
東海新幹線が品川発着するようになってから
さらに行くことが少なくなりました。。。
私、普段の行動範囲本当に狭いですから(苦笑)
ほとんど中野・新宿エリアから出ていないかも。。。
(定休日のちょっとした遠出は除いて)
最初に上京してきたときに住んだのが中板橋で
それから武蔵小杉→川崎市多摩区→厚木と移り住み
再び都内に舞い戻り中野区内が仕事場&自宅といった感じですが
山手線を東西で半分にすると東半分には意外と
行くことがないのです。意外と遠いし。。。
ごくたまに秋葉原くらいかな。。。
それでも東京駅近辺や新橋・上野あたりには
以前から立ち寄ってみたい場所やお店があって
そのうちじっくりめぐってみたいと考えているのですが
なかなか重い腰があがらないのです(笑)
まぁ、今はあまり人の多いところには近づきたくないですし
また春先以降ですねぇ。。。

さてさて

今日はミノルタの名機、「SR-T101」のカメラ修理を行っています。
少し前にもSR-Tの修理を行っていろいろ書きましたが
ミノルタの機械制御シャッター機を語る上で
決して外すことのできない記念碑的なモデルでもあります。
発売開始は1966年、ミノルタ初のTTL開放測光機として
デビューしました。それまでのオートロッコールレンズ群は絞り値を
ボディ側に伝える機構がなくSR-T101の:開放測光に対応するために
絞り伝達機構を持つ「MCロッコールレンズ群」に
レンズ側もモデルチェンジされました。
目新しいのはTTL開放測光だけではなく
ペンタプリズムに受光体(CdS)を2個埋め込み
画面を上下に分割しそれぞれで測光を行い
直列に繋ぐことによって露出計を駆動させる
「CLC」を搭載しました。画面の半分に空が入っている場合とかでも
極端に明るいほうに露出値が引っ張られることを防ぐ機構です。
現在の測光方式の主流となっている「分割測光」の
原型といっても良いと思います。
露出計や測光方式に目新しい機能が搭載されたSR-T101ですが
最大の魅力はそこではなく
やはりミノルタらしい操作感の良さと使いやすさ
故障やトラブルの少ない堅牢性が一番の魅力だと思います。
その基本性能の高さで7年にもわたって生産される
ロングセラーとなり、その後の後継機ともいえる
SRTスーパーやミノルタ最後の機械制御シャッター機でもある
SR505/SR101も基本的な部分はSR-T101と共通ということを考えても
SR-T101はやはりミノルタSRシリーズを
代表するカメラではないかと思います。

元々、非常に丈夫なSR-Tなので
何十年も使いっぱなしにされた個体でも
シャッターは何とか切れる。。。というものが多いと思います。
でもそれは丈夫なSR-Tだから「何とか動いている」というだけで
さすがに本来の姿ではありません。
巻上の感触等からもかわいそうに思えるくらい
無理矢理動いている感が伝わる個体も多いですが
シャッタースピードを測定してみれば一目瞭然で
相当に幕軸に汚れや油切れで無駄な負荷がかかっているのがわかります。
動きの悪いものを悪いままで使い続けていると
必ず後に大きなトラブルの原因になります。
SR-Tに限った話ではないですが
機械モノは本来の想定された負荷で滑らかな動きを保つことが
長持ちさせる一番の方法です。

お預かりしているSR-Tは
シャッターを切るとほぼ間違いなく
ミラーアップしたままになってしまいます。
これも過去に何度も書きましたが
ミラーアップしたままになる原因はミラー駆動部ではなく
シャッター後幕が正常に走りきらないことが原因です。
後幕が走り切らないためミラーダウンレバーを
幕軸からのリンク部分が蹴られないことが原因です。
当然その状態だと幕速もまったく精度が出ておらず
SS測定をしてもまともな数値は出るわけもございません。
今回は後幕だけでなく
先幕の動きもかなり悪く
例えばバルブでシャッターを開きっぱなしにすると
先幕が走り切らずに少しはみ出したままの状態であることが
目視で確認できます。
何にしても幕軸周りの念入りな清掃と注油が必要です。
さらにSR-T自慢の露出計も全く動作しない状態です。
電池室の汚れ等やSW部が原因ではないようです。
それでも露出計に直接テスターで電圧をかけると
元気に針は振り切るので
CDS周りのハンダ付けが怪しいと思われます。

SR-T系といえば露出計連動や
ファインダー内SS表示のための連動糸が
あちこちに張り巡らされているのが内部の特徴です。
連動糸自体はSSダイヤルからのものと
レンズ連動部からくるものの2本で
それでファインダー内の〇先端の指針を動かします。
予備知識も何もなく上カバーを外そうとすると
ほぼ間違いなく連動糸を切ってしまうことになるので
不用意な分解は避けた方がよろしいかと思います。
(不用意な分解はSRTだけでなく
全てのカメラで避けてほしいのですが。。。)
ファインダー枠周りのモルト等もボロボロです。
その辺りの交換も行いつつシャッター周りの整備から取り掛かります。

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