オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「胃腸の日」だそうですよ。
「いに(12)いい(11)」(胃にいい)と読む
語呂合わせからだそうです。
私は仕事柄あまり関係ありませんが
暴飲暴食しがちな季節でもありますものね…
無茶な飲み方、食べ方には気を付けましょう
確実にダメージありますものね。
暴飲暴食とか関係なく
本当に揚げ物が食べづらくなりました。
いや、嫌いではないのですよ。
昔は大好物で今でも好きなのですが
食べるときは「美味い――!」と思って食べても
その30分後には確実に胃もたれして
気持ち悪くなってしまうという…(苦笑)
年取るって本当イヤですね。
毎年人間ドックで胃カメラ飲んでますが
今年までは問題なかったので
これからも胃腸はいたわって
つきあっていきたいと思います。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
最初の「ペンF」登場の3年後になる
1966年に発売となったカメラです。
他のカメラでは見られない独創性が魅力的な「ペンF」を
さらに改良しCdS使用のTTL露出計とセルフタイマーを内蔵し
巻上をダブルからシングルに変更したカメラです。
ボディ内でファインダー光路は4回反射しますが
その第3反射面のミラーをハーフミラーとして
ハーフミラー背面にCdSを配置して測光を行います。
オリンパスらしい非常に個性的なカメラです。

お預かりしている「ペンFT」はマウント部に露出する
一眼レフ機ならではのミラーが脱落してしまい
それが引っかかってシャッターが切れない状態で
当店にやってきました。
ミラーはいずれにしても再接着なので
いったん完全に外しましたが
やはりミラー駆動部自体の動きも悪いようです。
ミラーは以前にも明らかに再接着した形跡があり
それがあまりよろしくない状態だったようです。
接着剤も妙に厚く盛られていて
これではファインダー内でピントも狂っていたのではと思います。
ミラー駆動部回りのトラブルは「ペンF」も「FT」も
共通によく見られるトラブルでそれは定番なのですが
「FT」の場合は露出計の状態が悪い個体が非常に多いです。
「FT」ならではの特殊な形状・構造のCdSが
経年劣化に弱いこととそのCdS前の第三反射面の
ハーフミラーが劣化している場合が非常に多いからです。
今回もハーフミラーは劣化していてファインダー像も暗く
そのままではとても快適には使えない状態です。
そして露出計はCdSや抵抗の劣化により
8段オーバーという非常に鈍い状態になってしまっていました。

画像はひととおり修理整備が完了した状態です。
動きが落ち着くまで様子見を行って
これから最終チェックを行う段階です。
手前に写っているのが劣化したハーフミラーです。
ミラー駆動部等の機械的な部分は
非常に動きが良くなり
シャッターもミラーも快調に動作しています。
露出計に関しては当店では基本的に
「ペンFT」の露出計は修理不可能ですが
(CdS交換等が部品調達不可なため)
今回はいろいろあってなんとか
通常撮影に問題ない程度の
精度は出るようになっています。
それでも今回はたまたまです。
「ペンFT」の露出計は基本的には
やはり当店では残念ながら修理不可能です。

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