ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「職安記念日・ハローワークの日」だそうです。
最近はよくわかりませんが若い頃は
よく通いました…職安…(苦笑)
私、最終学歴が専門学校中退なので
最初の就職から職安のお世話になったのですよねぇ
それで特に20代の頃は短期だったのもありますが
仕事を転々としたのでそれこそそのたびに
しばらく職安に通う日々が続くような状態でした。
今のハローワークだと端末の前に座って
いろいろ募集要項を検索して気になるものだけ
プリントアウトして持ち帰りも可能という感じだと思いますが
私が昔よく通ってた頃は
募集要項は業種別にファイリングされていて
それをパラパラめくりながら希望に近いものを探すという感じでした
今から考えると超アナログです。
たった30年前くらいなのに…(苦笑)
その募集要項の内容もほぼ手書きだったような覚えが…
ただ、おそらくその頃は今よりも
仕事は見つけやすかったと思います。
私の住んでいた田舎でもあまりより好みしなければ
とりあえず正社員で入れるところもいろりおありましたし…
ただあまりに書いている内容の条件が
あまりに良さそうなところは要注意で
そういうところは、まず間違いなく精神的・体力的
あるいは両面からなかなかしんどい仕事だったかと思います。
いわゆるブラック的な会社はその頃もたくさんありましたし…
どちらにしても私は集団行動が少し苦手なタイプなので
最終的にチームワークで利益で上げる会社員には
ちょっと向いてなかったのかもしれませんね(汗)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPもなんだかんだと毎月コンスタントに依頼のあるカメラです。
月によってはOM-1よりも多いかもしれません。
依頼の多い最大の要因は
発売当時に超大ヒットしたカメラで現存台数が非常に多いことかと思われます。
家の物置の奥で眠っていたカメラが「SP」だったというパターンは
非常に多いかと思われます。
現行モデルだった頃に非常に売れたのも
使いやすく優れたカメラだったからですが
現在でもその魅力は全く色あせるものではありません。
M42マウントという汎用性の高いユニバーサルマウントを採用しているため
ペンタックス純正のみならず
世界中のM42マウントレンズを使えるのはやはり非常に魅力的です。
ただし、その汎用性の高いシンプルなマウント故に
絞込測光となってしまうので露出計の使用には慣れを必要とし
場合によっては開放測光よりは使いにくいことも多いかとは思います。
ファインダーも時代なりのもので特別明るいわけでもないですが
ピントの山は掴みやすく
巻上は本来の状態であるならば非常に軽く気持ちの良いフィールです。
(しかしながら未整備のものは異様に重いものが多い)

お預かりのSPは程よく使いこまれた
非常に渋いブラックボディです。
機能に問題あるほどではありませんが
上カバーの角は少し凹み、塗装剥げもあちこちにありますが
いかにも長年使いこまれてきた感があって悪くありません。
お預かり時にもケースに入った状態でお預かりしたのですが
おそらく全盛期にもケースを付けて使用していたと思われ
上カバー周りのキズ、凹みの多さとは裏腹に
底カバー部はそれもほとんどなく非常にキレイな状態です。
当時は純正ケースを付けて使っている方の割合が
今とは段違いに多くこういう状態になっている個体も多いと思います。

保存状態も比較的悪くなかったのではと思われます。
装着されているスーパータクマー55mmF1.8レンズには
カビもクモリもほとんどなく非常にクリアな状態です。
ただしボディ側はファインダーを覗くと
おそらくプリズムとコンデンサレンズに生えていると思われる
結構大きめなカビが目立ちます。
ファインダーを覗いていると意外に気づきませんが
接眼レンズにも盛大にカビが生えています。
電圧変換機能を持つ電池蓋に交換されていて
現在の電池をセットしても1.3Vに変圧されますが
露出計の値は少しオーバー側にズレているようです。
で、お約束の高速シャッターはやはり幕速のバランスが崩れており
幕軸の清掃注油が必要な状態です。
しかしながら定番のミラーアップのトラブルを引き起こすほどには
酷くないものと思われ低速スローガバナーも清掃は必要ですが
今のところ動作に大きな問題はありません。

現状のままでも写真が撮れないほどではありませんが
より長く快適に使うためにはやはり整備が必要な状況です。
分解している途中で気づきましたが
前回の整備が昭和55年に行われていることが記録されていました。
それでも今から40年前です。
当然油は古くなっていますし汚れが溜まっているところもあり
このまま放置しておく、あるいはこのまま使い続けると
新たなトラブルを呼び込み可能性は高いです。
このタイミングできっちりできる限り整備を行っておけば
また当分、安心して使っていただけると思います。

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