リコー35Lのカメラ修理

今日は「エスプレッソの日」なのだそうです。
エスプレッソマシン等の専用の器具で
豆に蒸気による圧力をかけて短時間で一気に抽出した
コーヒーのことを通常は指しますが
エスプレッソはあくまで製法の名前なので
コーヒーに限ったことではないそうです。
…まぁでも普通はコーヒーのことですよね
強い香りと濃い味わいが特徴ですね。
エスプレッソでも日本茶でもそうですが
濃くて苦い味わいには
お茶請けとして、あま~い食べ物が欲しくなるし合いますよね!
その組み合わせによってお互いの味わいが
掛け算のように膨らんでいくと思います。
日本酒(特に純米酒)と肴の関係と同じですねぇ
あぁお昼の後には濃くて苦いエスプレッソと
甘いチョコレート系のケーキなんて良いですねぇ…
いかんいかん、また血糖値が爆上がりする…(苦笑)

さてさて

本日は「リコー35L」のカメラ修理を行っています。
リコーの35mm判レンズ固定レンズシャッターカメラも
1950年代から1970年代初めにかけて生産・販売された
いろいろな種類やシリーズが存在します。
本流である「リコー35シリーズ」の他にも
「リコレットシリーズ」、「オートショット・ハイカラーシリ-ズ」
「エルニカシリーズ」、「500シリーズ」、「300シリ-ズ」
関係性が複雑かつバリエーションも豊富で
なかなか全てを把握するのは難しいですね
今回のリコー35Lは1962年発売のカメラで
当時の最先端の機能を盛り込んだカメラです。
セレン式の露出計を備えて定点合致方式で連動するタイプです。
レンズは日東光学製のコミナー40mmF2の大口径レンズ
シャッターはセイコーシャSLVで最高速1/500
巻上はこの時代に多くリコー他機種でも結構採用している
底部巻上レバー式
巻戻しは上カバー上ですがボップアップ式でなかなか凝った作りです
でも一見、クランクかと思いきやノブ式なのですね。
これは巻き戻しがちょっとおっくうかもしれません。
スペックの割には地味な存在のカメラになってしまっていますが
巻上や巻き戻しの操作感がちょっと時代にそぐわなかったのかな…と思います。
もちろんレンジダインダーでファインダー内に露出計指針も表示されます。

お預かりしている35Lは外観のコンディションはなかなか良く
非常にキレイな状態なのですが
まずシャッターが全く開きません。完全に固着してしまっているようです。
レンズには多少のカビが見受けられますが
まずまずの状態です。ファインダーの方が大きなカビが目立ちます。
セールスポイントのひとつでもあるセレン式露出計は
全く反応のない状態です。
定点合致式とはいえマニュアル露出機なので
露出計はなくても撮影はできますが…
せっかくお預かりしているので何とかしたいところですが
お預かり時にご依頼者様にもご説明はしていますが
セレン光電池本体が起電しないようであれば残念ながら修理不能です。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
セレンに関しては意外と接触不良だったり
断線だったりセレン本体以外が原因で不動の場合もあるので
できる限りのことを行ってみます。
もちろんそれ以外のシャッターのトラブルや
距離計調整・レンズ清掃等々はきっちり整備清掃いたします。

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