ペンタックスMXのカメラ修理

※明日は定休日ですが
休み明けの明後日(16日)は 通院のため
開店時間を午後1時からといたします
ご迷惑をおかけいたしますが ご容赦くださいませ

今日は「手羽先記念日」なのだそうです。
「手羽先の唐揚げ」とか本当に美味しいですよねぇ
記念日の由来は手羽先店チェーン
「世界の山ちゃん」の創業日である
1981年(昭和56年)6月14日からだそうです。
新宿にも店舗ありますよねぇ
残念ながら行ったことはないのですが
個人的には名古屋風の濃いタレにくぐらせた手羽先より
素揚げの手羽先を塩でいただくシンプルなものが好みです。
特にここ近年になってその傾向が強くなりましたが
濃いタレとか濃い味噌味とかが昔から少し苦手です。
醤油味の濃いものも苦手かなぁ。。。(笑
でも素揚げの手羽先は無敵に美味しいですね
間違いなく一緒に飲むのはビールですね。
熱々の手羽先を食べた後に
その油を冷たいビールで一気に流していく。。。
あぁ。。。想像しただけでたまりません
家で自分で作ればいいのですが
早く普通に外で食べて飲めるようになってほしいものです。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズとして
最初に発売されたカメラです(1976年11月)
Mシリーズ自体が小型軽量化を大きなテーマとして
開発されたカメラでその分野で先行する
オリンパスOMシリーズを強く意識したものです。
。。。となれば「MX」の
ベンチマークは当然「OM-1」ということになります。
相当意識していることがよくわかるのがその外寸で
幅・高さ・厚さともすべて0.5mmずつ小さくなっています。
OM-1同様にシャッター幕リボン部をひも状にしたり
内部を見ても小さく作るための工夫に溢れています。
OM-1もそうですが機械制御横走りシャッター機で
この大きさにするためには
やはり少し華奢にならざるを得ない部分があるのは事実で
特に「MX」は経年劣化の影響を受けやすい傾向にあるかと思います。
これがMX登場の1ヶ月後に出る「ME」のように
電子制御機で縦走りシャッターユニットだと
少し余裕も出てくるのですが。。。
その辺りの事情や他モデルへの展開の難しさもあったのか
「Mシリーズ」は基本的に「ME」をベースに展開されていきます。
これも電子化への時代の流れですね。
結局「MX」は「Mシリーズ」最初のモデルであるにもかかわらず
唯一の「横走りシャッター機」となり
シリーズ内では異端児的なポジションとなってしまいました。
結局、後継機も登場することはなく
ペンタックスとしては最後の「機械制御シャッター機」となってしまいました。
(機械制御・電子制御のハイブリッド機としてはLXが存在します)

そんな独特の立ち位置でもある「MX」ですが
コンパクトな機械制御機ということで現在でも人気が高く
修理依頼もコンスタントにあるカメラです。
お預かりしているMXは高速域シャッター(1/60-1/1000)で
頻繁にミラーアップしたままになるということで
お預かりしました。
MXに限らずペンタックス機の横走り機で
「ミラーアップしたままになる」というのは
S2やS3の時代からシャッター幕走行不良が原因のことがほとんどです。
特にMXはその小型軽量化の影響もあって
シャッター幕走行不良が出やすいと思われます。
ミラーアップする場合は後幕の走行不良で
後幕がキレイに走り切らないために
ミラーダウンレバーとうまくリンクでき鳴ることが原因です。
当然、そんな状態ですのでシャッタスピードの精度も狂っており
今回も後幕が先幕に比べて
大きく遅れていることが確認できています。
これが逆に先幕の走行不良だと
1/1000や1/500でシャッター全く開かなくなる症状が出てきます。
未整備の「MX」は大なり小なりこの「幕走行不良」を
抱えている個体がほとんどで
ミラーアップや1/1000が開かないまで
はっきり症状が出ていなくても
シャッタースピード計測を行うと
かなり先幕と後幕のバランスが崩れている個体が多いと思います。

とにもかくにも全体的に動きが良くなるように
積年の汚れや古い油をできる限り除去して
新たな注油を行い、
小さなバネ力で十分に動くように整備を行います。
それだけでテンション調整はほんの微調整だけで
済むことがほとんどです。
たまに動きが悪いからと言って
テンションをめちゃくちゃ上げている個体に
巡り合うことがありますが
そんな個体は既にテンションバネがバカになっているもの多く
そうなるともう何をしてもシャッタスピードの精度は出なくなります。
もちろん今回お預かりのお品はそんなこともなく
単純に長い間使われずに仕舞い込まれていたままのもので
確かに動きは悪かったですが
それ以外の部分はコンディションとしては悪くありません。
「MX」は露出計がLED式です。
接触不良も若干あり不安定さも確認されていたので
そのあたりの接点清掃ももちろん並行して行いました。
この「MX」はご依頼者様のおじいさまが使っていおられたものだそうです。
かなり長い間、外の景色を撮影することもなかったと思われます。
ご依頼者様の手で今度は現在の景色を
たくさん撮影していただければと思います。

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