ニコンFのカメラ修理

今日は「指定自動車教習所の日」らしいですよ。
1960(昭和35)年のこの日に
指定自動車教習所制度を導入した
道路交通法改正法が施行されたそうです。
これにより公安委員会が指定した自動車教習所を卒業すると
運転免許取得時の技能試験が免除されるようになりました。
また、「む(6)じ(2)こ(5)」(無事故)と読む
語呂合わせでもあるそうです。
私ももちろん指定自動車教習所に18歳で通いました。
えっと…もう35年前になるのですが…(苦笑)
当時は「指定」でない教習所もまだそれなりにあって
試験場で技能試験受ける方も結構いたような記憶が…
指定校ではない場合は
要は「試験場で一発で通るための対策を教えてくれるところ」なんですよねぇ
だから拘束時間も少ないし圧倒的にお安いのですが
今でもあるのかな。。。
私はその後、二輪免許で何回か指定教習所に通ってますが
今や大型二輪免許でも指定教習所で簡単に取れますものねぇ
普通自動車免許持ってれば学科免除だから
試験場で一切試験を受けなくていいわけですね…
でもクルマもバイクも免許取る手順はともかく
取ってからが大変…というか本番ですよねぇ
どちらも最初に自分一人で運転したときは
すごく緊張しましたし危なっかしかった…懐かしい…(笑

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたニコン初の一眼レフカメラであり
フラッグシップ機の象徴でもある
「F一桁機」の初代モデルでもあります。
日本製一眼レフの優秀さを世界的に広めたという意味でも
まさに伝説のカメラかと思います。
素晴らしい部分を今更ここで書き始めるとキリがないのですが
シンプルに言うと
造りの精度の高さと各部の強靭な堅牢性が抜群である…という感じかと
個人的には思います。
登場から60年以上経った現在でも
普通に使われていて定期的にメンテされている個体であれば
何の問題もなく動作するものが当たり前なことからも
その素性の良さが伺えると思います。

お預かりしている「F」は
アイレベルファインダーの装着された個体で
上カバー部に富士山マークが刻印された
いわゆる前期モデルです。
アイレベルファインダーも接眼窓の四角い前期モデルです。
ファインダープリズムにはさすがに若干の腐食がありますが
それほど目立つほどではございません。
腐食が酷かったとしてもさすがに「F」のプリズムは
アイレベルだろうがフォトミックだろうが
当店では入手不可能です。
巻上や高速シャッターは若干の油切れの兆候が見られるものの
大きな問題はありません。
「Fアイレベル」で何か起きるとしたら
スローガバナー関連であることが大半なのですが
今回もスローシャッターがおかしなことになっています。
スローガバナーがシャッタースピード制御に関与するのは
「F」の場合、1/30~1sなのですが
1/30、1/15、1/8までは問題ないのですが
1/4、1/2、1sが全て1/15程度で切れてしまいます。
1/15で切れるということはスローガバナが固着しているとか
まったくガバナが聞いていないという状態ではありません。
とはいえガバナが本来の動きをしていないのは
間違いのないところです。

分解時の画像を撮ることを失念してしまい
画像は一通りの整備が完了した現在の状態です。
装着されているレンズは当店のテスト用レンズです。
問題のスローガバナは完全に固着していたわけはなく
スローガバナ内の一部が固着して動かない状態で
その部分が関与する1s~1/4の場合に限り
不具合が出ていたような状態です。
スローガバナ全体を洗浄の上、整備を行い
現在様子見の段階ですが
問題なく動作するようになっております。
もちろんその際にシャッター幕軸、ミラー駆動部、
巻上機構部等々、動作部は入念い清掃整備を行います。
やはり古く変質した油や汚れがこびりついているような
箇所も多くお預かり時より格段にスムーズに動作するようになっています。
しかしながらそれでもある程度、問題なく動作しているのですから
やはり各部がきっちり造られているんだと
今回も再確認できました。

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