ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「登山の日」ですねぇ
日本山岳会が1905(明治38)年10月に発足したことと
「と(10)ざん(3)」(登山)と読む語呂合わせが由来となっています。
山登りとひとくくりにして言っても
いろんなタイプやレベルの山登りがあるのですが
何にしても山歩きは気持ちいいですよね
10年くらい前は毎週のようにあちこちの山を歩いていて
お店を始めてからはなかなかまとまった時間も取れず
それでも年数回は山に出かけていましたが
2年半前に頭がちょっといかれて
足元が少々おぼつかなくなったので
さすがに山道は歩けなくなりました(苦笑)
残念ですがしかたないですねぇ…
3000mクラスの山々なら夏山がいいですが
本州の2000mくらいの山なら今の季節が最高ですかねぇ
紅葉もそろそろ楽しめるはずです。
森林限界を超える見晴らしの良い稜線を歩いていると
まさに「天空の散歩」って感じで
日常では味わえない高揚感が楽しめます。
もう少しいろんなところをいろんな季節に歩いておけばよかったかなぁ

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
1960年代から70年代にかけての
ニコンの中級機を担うニコマートシリーズの中で
おそらく最も売れたカメラであり
最も現存数の多いカメラかと思われます。
1967年発売のカメラです。
最初のニコマートFT系モデルである「FT」をベースとして
開放F値補正操作(いわゆるニコンのガチャガチャ)を採用し
それまでダイヤルで都度設定しなければいけなかった
開放F値の設定が絞りリングを往復させるだけで完了します。
またニコマートシリーズで初めて中央重点測光が取り入れられています。
汎用シャッターユニットであるコパルスクエアシャッターを
使うことやアッセンブリー部品を多用することにより
大幅なコストカットを行いつつもニコンらしい高い堅牢性を実現したカメラです。
発売開始から50年以上経過しますが
よほど保存環境が劣悪な場合でない限り
そう簡単にシャッター切れないような
状態になっている個体は少ないと思います。
「何が何でも巻上とシャッターだけは切れる」というカメラである印象を
個人的には持っているカメラです。
いや、実際、非常に丈夫なカメラです。

とはいえ。。。さすがに最低限の動作はできていても
さすがに油切れや汚れによる動作不良や精度不良は起こります。
これはさすがに仕方ないですね。
今回お預かりの個体もシャッターは切れているもの
やはり高速シャッタの精度は羽根汚れの影響もあり今一つですし
露出計も何とか動いてはいますが非常に不安定な上に
精度は出ていません。
モルトは内部モルトも含めて全滅でファインダー内はモルト屑だらけです。
やはり普通に使うためには一通りの整備が必要な状態です。

まだまだ分解途中の段階での画像ですが
これから整備一式を行っていきます。
ニコマートFT系と言えばマウント部絞りSS連動の
マイラー抵抗の状態が心配ですが
今回の個体はここの状態は悪くなく
交換は不要かと思われます。
ただし電池室裏の端子は緑青がかなり発生しており
配線も交換が必要です。
他、シャッターユニット、巻上部。ミラー駆動部等も含めて
一通りの整備を行っていきます。

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