オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「モンチッチの日」だそうですよ。
これもまた懐かしいですねぇ…
モンチッチの誕生日である1974(昭和49)年1月26日が
日付の由来となっています。
私が小学校に上がる前くらいだったかな…
国内では大ブームが起きていて
おもちゃやさんには当然だし
それ以外にもうたるところでモンチッチを見かけていたような気がします。
うちにも何体かあったような気が…
で、調べてみるとモンチッチって国内だけにとどまらず
世界的にもブームになっているのですねぇ
1975年から海外輸出を開始し
その後ヨーロッパ全体へ広がり
また1980年からはアメリカのマテル社との版権契約が結ばれ
アメリカにも進出し、南アメリカや南アフリカにも輸出されたそうです。
この間の1979年~1985年にモンチッチは世界的な大ヒット商品として
一大ブームを巻き起こしたのだそうです。
その後、日本ではブームの終焉に伴い
一時販売が休止されますがフランスでは現在に至るまで
ずっと販売され続けているそうです。
日本でも1996(平成8)年から再び発売されています。
何だかモンチッチ人形欲しくなってきました…(笑
ところで…JR新小岩駅前北口広場に
「モンチッチくん」「モンチッチちゃん」の銅像があるらしいです。
近くまで行くことあったら見に行きたいですねぇ…

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
ペンシリーズの最高級モデルというポジションのカメラが
「ペンDシリーズ」です。
ペンD、D2、D3、少し異端児ですがEEDというモデルが存在します。
最初の「ペンD」の発売は1962年です。
Fズイコー3.2cmF1.9の大口径レンズを搭載し
セレン光電池を使用した露出計も装備します。
シャッターは5枚羽根のコパルXで最高速は1/500
スロー側も1/8までカバーします。当然「B」もあります。
露出計は本体側からの連動はなく
シンプルにLV値を指針が指示するタイプです。
SS・絞りリングに連動する鏡胴側表示窓に設定LV値が
表示されるのでそれを合わせて露出設定してきます。
個人的には連動のないシンプルな露出計は
使い方にも融通が利くので良いと思います。

ただその露出計がセレン光電池を利用するタイプなので
やはりセレンの状態が悪いものも多く
精度が出ない修理不可なものも数多く存在します。
今回お預かりしているペンDに関してはそこに問題は全くなく
詳しく測定してみても露出計は通常の使用に
全く問題のない値を指示しています。
露出計は問題ないもののシャッターには少々問題を抱えています。
ペンシリーズにありがちな巻上が一コマ分で終わらず
2コマ進んでしまうことが多々あるようです。
これの直接の原因はシャッター羽根の粘り及び動作不良で
きちんと動作後に閉じ切っていないため
巻上が止まらない症状がでてしまいます。
シャッター自体は一見正常に動作しているように見えるのですが
やはり羽根の動きは少々緩慢で
羽根の汚れや油滲みがあるものと推測されます。
さらに裏蓋がビクとも開きません。
何か変形してしまってロックが外れないのかと思ったのですが
よくよく外から動きを観察してみると
ロック自体ははずれているようなのですが
蓋自体が貼り付いてしまって固着してしまっているようです。
外から開けるのはなかなか苦労しましたが
(ここで力任せに無理矢理開けようとすると
たいていの場合、悲惨なことになります)
いろいろな手段を使って慎重に開けた結果
やはり前回のモルト貼りに失敗してるのか
蓋底部に大量の接着剤のはみ出しが見受けられ
それが完全に裏蓋底部を接着していたようです。
原因がわかれば何てことはないのですが
その箇所が見えない部分で手探りで原因を探すと
下手なことはできないのでなかなか大変です。

画像は一通り整備が完了した段階でのモノです。
シャッターは精度も含めて非常に快調に動作するようになり
もちろん巻上も正常なタイミングでキチンと止まります。
レンズ・ファインダーにそれなりのカビや汚れがありましたが
全く問題ないレベルまでクリアに清掃できています。
もちろん裏蓋もスムーズに外せるようになりました。

外装もできる限り磨き上げたので
ピカピカです。
これでご依頼者様にも気持ちよく使っていただけると思います。
もう少しだけ時間をおいて様子見の後
最終テストを行い問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。