ヤシカマットのカメラ修理

今シーズン最強の寒波が襲来とということで
昨夜から今朝にかけては全国的にかなり強烈に冷え込んでいます。
都内はいい天気で雪こそないですが
それでもキンキンに冷え込んでいます。
私も仕事場にいても冷えるのでこっそきカイロ貼りまくりです。
そんな1日のスタートですが
今日は「日本最低気温の日」だそうです。
やはりこの時期は冷えるのですねぇ…
1902(明治35)年のこの日に
北海道上川地方旭川市で日本の気象観測史上の最低気温である
マイナス41.0℃を記録しています。
これが日本の最低気温だそうです。
これ以外にも1978(昭和53)年2月17日に
北海道の幌加内町母子里(ほろかないちょうもしり)の
北大演習林でマイナス41.2℃を記録していますが
気象庁の公式記録の対象から外れていたため
公式では先述の旭川市の記録が最低気温となっているそうです。
ちなみに富士山頂の最低気温としては
1981(昭和56)年2月27日にマイナス38.0℃を記録しています。
年間平均気温(1981~2010年)は富士山頂がマイナス6.2℃、
旭川市が6.9℃で、富士山頂のほうが13.1℃も低いのだそうです。
さすが標高3776mですね。
年間平均気温で見ると富士山頂が日本で最も寒い場所と言えるのだそうです。
そんな殺人的な数字を見た後だと今朝のマイナス2℃くらいなんて
なんとことはないような気もしますが
いやいや、寒いモノは寒いです!
早く暖かい季節になってほしいものですね…

さてさて

本日は「ヤシカマット」のカメラ修理を行っています。
ヤシカの二眼レフと言えば「ヤシカフレックス」が有名で
同じヤシカフレックスでも種類も多く
なかなかモデルの判別が難しいカメラなのですが
今回の「ヤシカマット」は
当時のヤシカ二眼レフの最上位機種にあたるカメラです。
1957年発売でクランク式の巻上で
ヤシカ初のセルフコッキング(巻上と同時にシャッターチャージを行う)を
搭載しています。
二眼レフだけでなく当時のレンズシャッター機で
セルフコッキング搭載機となるとやはり最高級機ですね。
レンズはルマクサー銘の4枚玉80mmF3.5です。
シャッターはこちらも最高級のコパルMXVで
B.1秒~最高速1/500までをカバーします。
SS・絞り設定も操作しやすいダイヤル式で
値の表示はミノルタオートコード等と同様に
ビューレンズ上部の窓に集中表示します。
撮影ポジションのままで確認できるのは本当に便利です。
ファインダー内もいわゆる方眼マットのスクリーンで
一般的に水平の出しにくいと言われる二眼レフでも
非常に使いやすく構図の決めやすいファインダーになっています。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
どこをとっても最高級機にふさわしい内容になっていると思います。

お預かりしている「ヤシカマット」は
ご依頼者様のお父様が使っておられたもので
かなり長い間、使われないまま間に眠っていたものと思われます。
使っていない間に巻上のトラブルがあったものと思われ
そこで無理に動かしてしまったのか
巻上のクランクは一部破損して外れてしまっています。
巻上クランクはとりあえずシャッターの状況だけでも
確認できるようにとりあえず回せるように仮にセットしたのですが
やはり巻上げ自体にもトラブルを抱えていて
シャッターチャージが上手くできません。
さらに何とか強制的にチャージを行っても
シャッターはシャッターで羽根粘りを起こしている状態です。
レンズもかなり白く曇っており
このままだとまともに写真は写らないと思われます。
ファインダーはミラーがかなり劣化で曇っており
スクリーンもかなり汚れているような状態です。
クランクだけではなく全体の機能に問題を抱えているような状態です。

まだ現状を確認しただけの状態です。
心配なのはレンズの白濁に近いクモリですが
コーティング劣化はしかたがない部分もありますが
何とか普通に写るレベルには持っていけるような感じです。
貼り合わせ部にバルサム切れ等がないのが
不幸中の幸いです。
クランクは今は仮留めですぐに外れてしまう状態ですが
代用部品等を使ってきっちり修復していきます。
他はミラー交換等を行い動きの悪い部分や汚れている部分を
徹底的に清掃した上で調整を行っていく感じです。
細かい現状チェックである程度、整備できる道筋が経ったので
これから集中して分解整備に取り掛かっていきます。

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