キヤノネットのカメラ修理

今日は「ベッドの日」だそうです。
英語表記の「good sleep day」の「グッドスリープ」を
「グッスリ」と読み、「9」と「3」の語呂に合わせたものだそうです。
私は普段、ベッドではなく布団を敷いて寝ますが
いずれにしても睡眠は大事ですねぇ
若い頃は少々寝なくても何とか毎日を乗り越えられましたが
献年は睡眠不足は明らかに悪影響が顕著に出ます。
なるべく7時間睡眠を取るようにしているのですが
なかなかそうもいかないことも多いのが現実です。
個人差があるとは思いますが
睡眠時間6時間が3日続くと
明らかに集中力や判断力が落ちるのがわかります。
身体や手指の動きも明らかに鈍くなります。
やはり睡眠時間って大事ですね。
寝つきは良くていったん眠ると朝まで一度も目が覚めないので
ぐっすり眠れているとは思うのですが
これからの季節、気候も良くなって
ますます気持ちよく眠れそうですね。
寝坊しないように気をつけなければ…(笑

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
キヤノン最初のコンパクトカメラです。
当時まだまだ高級品で高根の花だったカメラを
キヤノンの社員たちが自分たちの収入で
買えるものをと望んだことから
18,000円という当時破格の値段で発売されたカメラです。
レンジファインダーを搭載し、45mmF1.9の大口径レンズ
シャッターはコパル製で1/500~1S・Bをカバーし
セレン光電池露出計連動でシャッタースピード優先オートまで
搭載します。その上、露出計はオフとなりますが
マニュアルでの露出も可能です。
レンズが固定式であること以外、ほぼ当時の最高峰の
性能を持ったカメラでした。
それがこれまでになり破格のお求めやすさで登場したので
もちろん飛ぶように売れ大きな社会現象にまでなったカメラです。
キヤノネットの登場はカメラの低額化・高機能化に
ついていけなくなった多くのカメラメーカーが
倒産・撤退するきっかけともなりました。

お預かりしている「キヤノネット」は
心配されるセレンも元気に起電していますが
たまにシャッターが切れないことがあるようです。
お決まりのシャッター羽根の粘りと巻上ロック機構に
少し動作不良があるようなので
このあたりが原因かと思われます。
加えてキヤノネットにはオート時に明るさや
シャッター設定が露出計連動外だとシャッターロックがかかる
昨日がついていますがこれが少し誤作動を起こすこともあるようです。
これも駆動部が少し粘っているためのようです。

巻上や巻き戻し機構は底部に配置され
上カバー部はシャッターボタンのみで非常にすっきりしています。
そこに筆記体で「Canonet」の刻印…なんともオシャレですね。
当時としては破格の価格で登場しましたが
中身の造りを見ても安っぽさは微塵も感じられません。
お求め安くできた要因は生産と部品の効率化です。
素材や造りには全くコストカットの手は入っていません。
まだまだそういう部分で改善の余地があった時代ということですね。
なので使っていても質感が高く満足度も高いと思います。
加えて内部の整備性も非常に良好です。
シャッタースピード優先オート露出機構も
非常によく考えられて巧く造りこまれています。
この時代ならではの良さが存分に味わえるカメラだと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。