キヤノンFTのカメラ修理

今日は「かき揚げの日」だそうですよ。
そばやうどんに乗せることの多い「かき揚げ」…美味しいですよねぇ
でも実は「かき揚げ」の乗った「天ぷらうどん・そば」を
身近に感じたのはこっち(関東)に来てからなのですよねぇ…
ちょっと詳しくどうなのかはわからないのですが
広島在住時代(今から20年くらい前)までは
「天ぷらうどん・そば」というと
乗せられているのは「かき揚げ」ではなく
「海老天」が当たり前だったのですよね…
で、こっちに来て「天ぷらそば」(ちょっとこっちのうどんは未だに苦手)を
頼むと、ほぼ間違いなく「かき揚げ」が乗ってくることに
ちょっと戸惑った記憶があります…
「かき揚げ」も美味しいのですが…
うーん、やっぱりうどん・そばには「海老天」が最強かな!(笑
海老天乗せは「海老天そば」で別にちゃんと用意されていることも多いので
そちらを頼むことも多いですねぇ…
「箱そば」の「海老天そば」食べたくなってきたな…(笑
うどん・そばに良く乗せられる
芝海老や野菜がいろいろ混ざった「かき揚げ」も美味しいですが
昔、実家でたまに出てきた玉ネギだけで揚げた
「かき揚げ」が好きだったなぁ…
ほんのり甘くって美味しいのですよねぇ…
自宅で天ぷらはなかなか面倒だから
ちょっといい天ぷら屋さんにでも行きたいなぁ…

さてさて

今日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
あれ???ついちょっと前にも「FT」の修理ブログ書いた気が…
以前も「最近FTの修理が多い」って書きましたが
かなり頻繁にFTの修理をしているような気がします…
逆に最近めっきり「FTb」を見ないですねぇ…
以前は「FTb」のほうが多かったのに…
いずれにせよ、キヤノンFシリーズの中核をなす
主力機種です。FLマウントで絞り込み測光の「FT」に
FDマウントで開放測光対応の「FTb」ともに
使いやすく質感も高い良いカメラです。
やはりこの「FT」から始まった
コンデンサレンズ内のハーフミラー配置及び
コンデンサレンズ背後へのCdS配置による
中央部部分測光が構造的にはハイライトです。
マニュアルでの露出決定方法がある程度分かっている方なら
視野の中で輝度差の激しい難しいシチュエーション時に
「中央部重点測光」より「中央部部分測光」のほうが
使いやすいと思います。
露出計以外の部分はFXを基本とする
よく考えられたシャッター&巻上構造で
本来はキヤノン機らしい歯切れの良いシャッター音を
聴かせてくれます。
ですが…今回の「FT」もそうですがシャッター幕軸の
動作不良を抱えている個体が多く
未整備のモノは濁ったノイジーな
シャッター音を響かせている個体が多いのも事実です。
こうなっていると当然ながらシャッタースピードの精度も出ていません。
「Fシリーズ」のシャッターは幕ブレーキに問題を抱えているものも多く
ちょっと整備にコツも必要ですが
大概の場合、しっかり整備すれば
再び歯切れの良いシャッター音を聴かせてくれます。

キヤノンFシリーズはどれもそうですが
プリズムの腐食がかなり多いカメラです。
上の画像でも確認できますが
今回もとてもそのままでは使い物にならない程
プリズム中心縦方向に大きな腐食が出てしまっています。
特に「FX」「FP」「FT」は交換用の
キレイなプリズムの確保が難しく
毎度頭を抱えるところなのですが
今回はご依頼者様の方で比較的腐食の少ないプリズムを
ご用意いただいたためそれと載せ替えることで対処します。
あまり気にならないレベルで腐食の少ない「FT」は
本当になかなか見つかりません…困ったものです。
FTは露出計のSW構造で前期・後期に分けることができ
絞り込みレバーと連動して露出計SWがon/offされるのが前期で
後期は基本的に露出計のSWは常にonとなっていて
絞り込むことによって明るさに応じて正しい位置に指針が動きます。
ただ、バッテリーチェック時の「ASA100/シャッタスピードX」の
位置だとBCを巻き戻し部レバーでonにしない限りは
露出計もoffとなります。
FT後期を使っている方で
電池消費が気になる方は知っておいていただければと思います。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッター周りの動きを改善していきます。
その後、ミラー駆動部・巻上機構整備
ファインダー清掃、露出計調整と一通りの整備を行います。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
「文化の日」の由来は
平和と文化を重視した日本国憲法が公布されたことを記念してとのことですが
日本国憲法がこの日に交付となったのは
この日が明治天皇の誕生日であることが理由でもあるようです。
個人的には「文化の日」と言えば
私の生まれ育った呉市の「小祭り」の日で
私の実家から最寄りの「平原神社」でお祭りが行われ
神輿に太鼓や笛、「やぶ」が町を回り昔は
1日中賑やかでした。
「呉の小祭り」の話をし始めると
止まらなくなりそうなので話をかえますが
「文化の日」にちなんで今日は
「レコードの日」、「文具の日」、「まんがの日」
「ビデオの日」、「クラシックカーの日」等々の
文化的なジャンルの記念日が制定されています。
この中で一番縁があるのはやはり「レコードの日」ですかねぇ
オーディオマニアではないですが
レコードは昔から買い集めたものが大量にあるので
レコードを聴ける環境だけは未だにキープしています。
アナログ盤の音は趣があってよいですよ。
一時期は新しいレコードなんて全く出ることがなかった時期もありましたが
最近は新譜や復刻盤がレコードで新しく出てくることも多く
嬉しい限りです。
フィルム写真もレコードと同様に何とか生き残ってほしいものですねぇ
「フィルム写真文化の日」とか制定されてもいいですよねぇ…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
70年代~80年代の一眼レフ普及機クラスを
まさに牽引としたともいえる「キヤノンAシリーズ」の
一号機でもあり全ての「Aシリーズ」の基本形ともなるカメラです。
1976年4月に発売されました。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラで
これ以降のカメラの電子化・自動化への道筋を付けたカメラだと思います。
TTL開放測光によりシャッタースピード優先オート露出を搭載します。
それまでの「SS優先機」というと
露出計の指針を物理的に挟み込んで連動する絞りを設定する形式でしたが
それを完全に電子制御で行います。
中身や生産ラインの効率化もますます進み
同様の機能を持つ前モデル「キヤノンEF」に比べ
300点もの部品を削減しています。
価格もFD50mmF1.4s.s.c付きで81,000円と戦略的で
AE-1の登場によりまたもやついてこれなくなった
一眼レフメーカーの撤退が相次ぎ淘汰されていきます。
こう書くとバリバリの電子制御の塊の最新鋭機種とも感じられますが
確かに当時の最新鋭ですが
中身を見るとフレキは採用されているものの
まだまだ機械的制御も多く残っていたりします。
一番それを感じるのはSSダイヤルから摺動抵抗に連動する
「連動糸」がまだ残っていることですかね…
A-1になるとこういう部分もなくなっていくのですが
なかなか機械的部分と電子制御が絶妙に組み合わされた構造になっています。

基本的に電子制御部分は意外に丈夫にできていて
妙な分解品で電子部品をショートさせたり
フレキを切ってしまわない限り
電子制御部に致命的なトラブルが起こることは少ないカメラかと思います。
もちろんこれからさらに経年劣化が進むと
何とも言えない部分がありますが
現存している未整備の個体でそれほど致命的な問題が起こっている個体は
少ないのではないかと思われます。
電子制御カメラは電子部品そのものの問題より
それに関連する接点や機械的連動部、シャッターを制御するマグネット部に
関連するトラブルが多くを占めると思われます。
今回お預かりしているAE-1も電池を入れると
電源は入り露出計も動作するのですが
どうにもシャッターが切れない状態です。
結論から言うとマグネットの固着が原因でした。

マグネット及びそれに関連する接点の清掃で
シャッターは安定して切れるようになったものの
定番のシャッター鳴きやオート時の絞り制御の不具合
さらに露出計も不安定とやはりそれなりのトラブルは
いくつか抱えてしまっている状態でした。
しかしながらどれも積年の汚れや油脂類の経年劣化によるものがほとんどです。
分解して隅々までキチンと清掃し
動きやすい環境を整えた上で機械的・電気的な調整を行えば
安定した動作を取り戻すことができると思われます。
A-1まで機能が膨らむとなかなか難しい部分もかなり増えるのですが
AE-1はある意味、シンプルな部分も多いので
この類のカメラとしてはかなり丈夫なほうに入ると思います。
しっかり整備してこれからも長く楽しんでいただけると思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「いい血圧の日」なのだそうです。
「いい(11)けつあつ(two=2)」(いい血圧)と読む
語呂合わせからだそうですが…だいぶ苦しいな(苦笑)
でも私もそれなりの年齢になってからは
血圧にはかなり気をつけています。
高血圧が引き起こす病は
動脈硬化からの脳梗塞・脳出血、心筋梗塞等々
命の存続に直結する重篤なモノばかりですものね…
一時期少し血圧高めなこともありましたが
すぐに対処したのがよかったのか
ここのところは比較的良好な値をキープしています。
50歳過ぎると1日数回の血圧測定はもはやルーティンですねぇ(苦笑)
でも血圧ってほんのささいなことでも数値は激しく上下するので
何が正解なのかわからなくなるのですよねぇ
私は糖尿病持ちでもあるので血糖値も小まめに計測していますが
ここ数年は普段の食生活もそれなりに節制しているので
どの数値も比較的落ち着いています。
まぁあまり長生きできるとは思っていないですが
ギリギリまで元気に仕事できていないと
まともに生活できないですからねぇ
生涯現役が貫けるように気をつけて頑張ります!

さてさて

本日はペンタックスMEのカメラ修理を行っています。
「ペンタックスMシリーズ」の基本形ともいえるカメラですね。
1976年12月発売のカメラです。
シリーズのコンセプトである
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」に
忠実に沿ったカメラです。
絞り優先オート専用機ということで
機能はかなり絞り込まれてはいますが
軽快な操作感ややはりそのコンパクトさがかなり魅力的です。
人気も高くヒット作となり現存する台数も多いのですが
コンディションは千差万別です。
ME系のカメラで定番なトラブルはミラー駆動部のゴムブッシュ劣化による
「ミラーアップしたまま固着」というものが有名ですが
対策を行ってしまえば直るトラブルでもあります。

今回お預かりしているMEはミラーの動きも問題なく
精度はともかく一通り動作はしているのかと思ったのですが…
いやいや、なかなかそうはいきませんね…
露出計のチェックを行うと
設定・明るさに全く関係なく常に「OVER」が表示された状態で
シャッターも最速(1/1000)でしか(オート時)切れません。
CdSからの信号が断線かなにかで全く来ない状態かと思われます。
これはなかなか厄介な状況かと思われます。


基板内異常があると正直なところ相当苦しい状況なのですが…
調べてみたところ基板内に問題はなさそうで
やはりどこかのハンダか接点かで接触不良が起きているようです。
シャッターユニットやミラー駆動部の整備を並行して行いつつ
電気的な整備も行っていきます。
おそらく何とかなると思われます。
分解品でフレキが切れたり破損している個体は問題外ですが
普通に扱われているME系はそんなに致命的なトラブルを
抱えている個体は少ないと思います。
キチンと整備してやれば多くの場合は快適に使えるようになると思います。
今回もこのままではとても撮影できる状態ではありませんでしたが
快適に使える状態に仕上げてご依頼者様にお渡しできればと思います。

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コニカC35フラッシュマチックのカメラ修理

まぁ今日は「ハロウィン」ですね。
私が子供の頃には
まだ「ハロウィン」を祝う習慣は
なかった時代なので
全く持って縁がありませんな(苦笑)
とりあえず今日は渋谷はもちろんのこと
(まぁ渋谷に行く用事なんてめったにありませんが)
人の集まりそうな繁華街に近づくのは避けましょう
「ハロウィン」はまぁ置いておいて
今日は「日本茶の日」だそうです。
やはり何でもないときに通常飲む飲み物は
「日本茶」が落ち着きますね。
仕事中もお昼と午後3時には少し甘いモノを飲みますが
それ以外はお気軽なお茶パックですが
「緑茶」を飲んでいます。
「日本茶」とは、日常の会話で用いられる用語で
茶の植物学的な分類として定義された言葉ではなく
「日本のお茶」つまり「日本で作られたお茶」あるいは
「日本でよく飲まれる種類のお茶」と言った意味合いの言葉だそうです。
ほとんどの日本茶は不発酵茶である緑茶であり
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
緑茶の多くは、蒸すことで加熱処理をして
酸化・発酵を止めた後、
揉んで(揉まないものもある)、乾燥させる製法をとります。
この方法は日本独自で発展したものであり
世界的に見ても製茶過程で「蒸し」という工程が
行われている国は他に類を見ないのだそうです。
普通に飲むお茶も美味しいのですが
たまに無性にただ緑茶をかけただけの
「お茶漬け」が無性に食べたくなるのですよねぇ(笑
これに菜っ葉(野沢菜や広島菜)の漬物が合うのですよねぇ…

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
最初のコニカC35が1968年の発売ですが
その3年後の1971年にフラッシュマチック機構が搭載されたモデルです。
それ以外は基本的に最初のC35と大きな違いはありません。
C35はコンパクトカメラ界を大きく変えたカメラだと思います。
それまでのレンズ一体型のカメラは
それほど小さなものは多くなく
逆にちょっと大きめで重いほうがしっかり丈夫に造られているということで
売れていた状況だったのです。
それがこのC35が「じゃーに~コニカ」の愛称で
旅行等にどこにでも気軽に持ち歩ける小さなカメラというジャンルを確立し
大ヒットに結びつけたわけです。
C35以降の各メーカーのレンズ一体型のカメラは
C35のヒットに習って
それまでは大きめのボディだったものも次々と小型化が進められていきます。
ハイマチックやキヤノネット、エレクトロ35あたりもそうですね。
ただ単純に小さいだけではなく
プログラムシャッター+プログラム露出を搭載することにより
撮影も簡単・気軽にできるカメラでもあります。
加えてコンパクトなボディにマッチングの良い
ヘキサノン38mmF2.8レンズの写りの評価は非常に高く
距離計も搭載されており気軽で簡単なだけではなく
キチンとした写真がしっかり撮れるカメラでもあります。

大ヒットしたモデルで現存する台数も多く
修理依頼も多いカメラですが
やはり使いっぱなしで未整備な個体も多く
さすがに50年以上経過するカメラなので
そのままでは問題を抱えているものも多い印象です。
今回お預かりのC35もまず光漏れが起きていることと
距離計のズレ、露出計の精度もいまひとつで
シャッター羽根に若干の粘りがあるようです。
やはり全体的に整備の必要な状況です。


このタイプのコンパクトカメラは
フィルム室の遮光を大量のモルトに頼っている場合が多いです。
今回のこのC35もそこはどこかで気づいて
どなたかがモルトの代わりに腐食しない素材の
遮光材を貼ってはいるのですが
いかんせん厚みが足らない上に貼り方も悪く
光線漏れが起きてしまっている状態でした。
やはりここはモルトプレーンをしっかり正しい場所に貼り
劣化が起きればまた交換する(10年くらいは平気だと思いますが)という
スタンスが正解かと思います。
モルト以外の部分もこれからしっかり整備して
各部がスムーズに動くように整備を行っていきます。

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ヤシカミニマチックSのカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ
日付の由来は2005(平成17)年のこの日に
雲南市で「第1回日本たまごかけごはんシンポジウム」が開催されたことと
この時期はたまごの品質が良いと言われており
また美味しい新米が出回る時期でもあることからだそうです。
TKG美味しいですよねぇ~
もともと白米大好きななので大好物です!
ここのところお米は糖質制限の関係もあり
朝だけしか食べないようにしているのですが
ごはんのお供はたいていが野沢菜(本当は広島菜がいいのですが)と
はごろも煮で軽く食べて最後はたまごかけごはんです!
私はシンプルにお醤油だけですが
いろいろな具材を入れる方も多いのですよねぇ…
ちょっと調べてみると…
海苔やネギ、かつお節、ゴマ、納豆、鮭フレーク、
豚肉、キャベツ、チーズ、ごま油、キムチ、塩こんぶ、バター…等々
中には「うーん???」と思うものもありますが
ごま油に海苔とネギなんて合いそうですねぇ…
ちょっと試してみようかな…

さてさて

本日は「ヤシカミニマチックS」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
それほどメジャーな機種ではなく私も見かけることはあまりない機種ですが
大ヒットしたヤシカリンクスの派生モデルと言えるカメラです。
リンクスはセレン光電池使用の露出計を搭載する
マニュアルカメラですが
ミニマチックSはもっと簡単に撮影ができるように
考えられたカメラで
シャッターをコパルユニーク・プログラムシャッターに変更し
セレン式露出計と連動したプログラム露出専用機となっています。
通常のプログラム露出時には2枚羽根のシャッターが
絞りを兼ねる方式となります。
コニカC35やオリンパス35DCあたりと同様ですね。
フラッシュ対応の為、SSは1/30固定で絞りを単独で設定することもできますが
この場合のみ、シャッターとは別個の絞り羽根を使用します。
こちらも2枚羽根です。
基本的にプログラムオート露出で使用するカメラなので
セレンがもしダメであればいきなり修理不能です。
お預かりの時に入念に確認したのですが
精度はともかくとしても何とか露出計は作動はしている様子です…
これであれば何とかなるか…ということでお預かりしました。

かなり長い間、仕舞い込まれていたカメラと思われ
セレンは生きているもののその他にいろいろと問題は抱えています。
まずシャッター羽根には粘りが見られ
明らかに動きが鈍いことが目視でもわかります。
レンズにもそれなりにカビが見られます。
加えて最大の難点は
ファインダー距離計二重像がほぼ見えません…
室内で照明等の光源を見ると何とか確認できるという程度で
とても通常のピント合わせが確認できる状態でありません
さらにファインダー全体もかなり曇っています。
これは二重像やブライトフレームをファインダー内に映し出す
ハーフミラーの劣化が原因と思われます。
既にハーフミラー蒸着部がかなり激しくカビ等で曇っています。
そのためブライトフレームや二重像が見えないのですが
これを清掃しようとすると間違いなく
蒸着部は剥がれてしまいハーフミラーが
ただの素通しガラスになってしまいます。
残念ながらもうこのハーフミラーは使用不可な状態です。
キレイなハーフミラーを切り出して移植する方法で
対処していきたいと思います。

ファインダー部の現状は確認しましたが
ハーフミラー移植は後で行うとして
これからシャッターユニットの整備からまずは取り掛かります。
ボディサイズが余裕のある大きさなので
整備性はなかなか良好なカメラです。
鏡胴の塗装色がありがちなシルバーではなく
ちょっとグレーがかった色でなかなか質感も高く良い感じです。
レンズをヤシノン45mmF1.8を搭載します。
レンズのコンディションもそれほど悪くなさそうなので
清掃後は存分に良い写りを楽しむことができそうです。

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リコー35のカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうです。
ホームビデオと言っても
8mmや後に普及するVHSとかではなく
VHSやβより以前に開発された「U規格」で
ソニー・松下電器・日本ビクターが参画した
世界初の家庭用VTRの規格です。
それが1969年のこの日に発表されたのです。
これ以前のVTRはいわゆるオープンリールで
8mmとかも家庭用に存在しましたが
とても家庭で気軽に楽しめるものではありませんでした。
(そういえばオープンリールの8mmも
幼いころに家にあったなぁ…)
しかしながらこの「U規格」も
テープ幅は3/4インチ(後のVHSは1/2インチ)
カセットテープの外形寸法は186mm×123mm×32mmで
非常に巨大であったことから
「ドカベンカセット」などの通称もあった。
ちなみにVHSのカセットテープ寸法は
188×104×25mm…え?意外と変わらんな…(苦笑)
残念ながらこの「U規格」は一般家庭に普及することはなく
本格的なホームビデオの普及は後のVHSやβ登場まで待つことになります。
それも今や昔の話で今やビデオテープそのものが
過去の遺物ですものね…もはや記録メディアは据え置きならHDD
記録媒体は光ディスク、
持ち歩くならSDカードあるいはマイクロSDカードの世界ですものねぇ
これもリアルタイムで体験した
VHS登場の当時からするととんでもない進歩ですよねぇ…

さてさて

本日は「リコー35」のカメラ修理を行っています。
リコー35シリーズはいわゆるレンズ固定型の
レンズシャッター搭載距離計カメラです。
1954年に最初のリケン35が発売され
翌年に改名し搭載するリケンシャッタの最高速が
1/100→1/200になった「リコー35」が発売されます。
そして同時にその「リコー35」をベースとし
当時の最高級宇シャッターユニット
「セイコーシャラピッドシャッター」を搭載し
さらにレンズもF3.5からF2.8へスペックアップした
「リコー35セイコー付き」が発売されます。
今回のカメラはこの高級版とも言える
セイコーシャラピッド搭載の「リコー35」です。

発売から67年が経過するカメラであり
さらに今回の個体はおそらく数十年に渡り
使用されていないものとみられます。
特徴的な底部トリガー式の巻上レバーの先端部は
欠落しており中古部品から補充いたしました。
シャッター羽根や絞り羽根にもかなり粘りが見られましたが
羽根自体には破損等がなかったのは不幸中の幸いです
ファインダーやレンズはできる限りの清掃で
コーティング等に劣化は見られますが
かなりクリアにすることもできました。
何とか快適に使える状態に仕上げられたと思います。

最初のリケン35もこのリコー35も
レンズは富岡光学製で非常に評価の高いレンズです。
経年の劣化はあるにしても
写りにはかなり期待できると思います。
セイコーシャラピッドは最高速1/500で
現在のカメラとあまり変わりなく使うことができ
独特の操作性やルックスも使っていて楽しいカメラだと思います。
ご依頼者様には存分に楽しんでいただきたいと思います。
これから最終的なテストを行い
もんだいなければ完成となります。

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コニカオートレックスのカメラ修理

今日はこれといってネタになるような
記念日がないですねぇ
で、過去の10月28日にあった出来事を調べてみると…
1972年に中華人民共和国との国交恢復を記念して
日本に贈られた雌雄2頭のジャイアントパンダ
「カンカン」「ランラン」が上野動物園に到着した日で
ちょうど50年の節目ですね!
さすがに当時、私は3歳なので詳しくは覚えていませんが
パンダと言えば「カンカン」「ランラン」で
連日テレビでも大ブームだったのは覚えています。
もちろん私はそのときは広島・呉在住ですし
東京・上野動物園なんて雲の上のような遠い世界でしたが…(笑
昨日から松坂屋上野店ではパンダ来日50年を記念して
当時と同じように記念のアドバルーンを揚げているようです。
30日まで揚がっているそうですよ。
アドバルーンも懐かしいですねぇ
えっと…現在の上野動物園のパンダは…
2005年中国生まれのリーリーとシンシン、
2017年上野生まれのシャンシャン
去年ニュースを賑わせた2021年6月生まれの
シャオシャオとレイレイですね。
言われてみれば上野動物園も20年近く行ってないなぁ…
平日空いてそうな日にフラッと行ってみなくては…

さてさて

今日は1965年発売の「コニカオートレックス」の
カメラ修理を行っています。
いわゆるARマウントの最初のカメラです。
これが後のFTAやオートレフレックスT3、Acom-1の先祖となるわけです。
外光式のCdS露出計を装備し
それと連動するシャッタースピード優先オートも装備します。
これを実現するためにレンズマウントは新開発となったわけです。
ARレンズの「AR」はオートレックスの頭文字でもあります。
さらにこのカメラの特徴的な機能といえば
やはり35mm判、ハーフ判を切り替えて使用可能な点ですね。
それもフィルムの途中でも切り替え可能です。
ただ、35mmフルサイズとハーフが入り混じった撮影済みフィルムは
現像はともかくスキャンやプリント時にはいろいろ制約もあるはずなので
写真屋さんに預ける場合には要確認だと思います。
コマ重なりを防ぐため35mm判→ハーフ判の変更は巻き上げてから
レバーで切り替え、ハーフ判→35mm判への変更は
レバーで切り替えてから巻き上げします。
ここには注意が必要です。
シャッタースピード優先オートはコニカお得意の
露出計指針挟み込み方式の為もあり、
シャッターレリーズのストロークがかなり深くなっています。
ここも少々慣れが必要な部分かと思います。

このオートレックス、いろいろな機能が満載で
面白いカメラではあるのですが
その分、いろいろなトラブルも起きやすいカメラだとも言えます。
特に露出計関連や巻上関連にトラブルの多いカメラです。
プラスチック部品の使用も意外と多く
その部分の劣化の為に部品入手不可で修理不能になる場合もございます。
搭載されるシャッタユニット・コパルスクエアは
他にもいろいろなカメラに搭載され
信頼性の高いユニットですが今回はそのシャッターにも問題があるようです。
今回のオートレックスはお預かりした時点で
ミラーアップしたまま固着した状態でシャッターは切れなかったのですが
ミラー駆動部の動作不良で固着している上に
シャッター羽根の錆や汚れもかなり酷く
できる限り分解してひたすら錆を落とし清掃する作業が必要でした。
さらに電池室のプラスチック部品は破損しており
接点の固定もままならない状態で
ここも何とか代用部品等で何とか機能する状態に改善していきます。
さらに装着されている52mmF1.8レンズのカビ・汚れも酷く
こちらも入念に清掃していきます。

細かく書き始めるとキリがないくらい
いろいろな処置を行ったのですが
何とかシャッターの精度も露出計の精度も確保できて
オート露出も安定して動作するようになりました。
巻上も切替も含めて問題なく動作します。
レンズや外観もできる限り清掃しました。
これであれば安心して気持ちよくお使いいただけると思います。
モデル名がペンタ部に刻印されているのは
それだけこのモデルにメーカー側にも思い入れがあるのだと思います。
コニカの記念碑的なカメラでもあるので
ご依頼者様には存分に楽しんでお使いいただければと思います。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「読書の日」だそうですよ。
読書週間(10月27日~11月9日)の一日目の日なのですね。
いわゆる長編小説とかは学生の頃は
結構読んでたけど大人になってからは
長編どころか小説自体読まなくなりましたねぇ…
あまり細切れで読んでても没頭できないから
読むならある程度の時間、集中して読みたいと思うのですが
社会人になってからそんなに本を読む時間が取れないですねぇ
あ、でもいいわけかな。。。
コミックは何時間でも読み始めると読んでるし。。。(苦笑)
小説とかは読まなくてもいろいろな資料や
本を買うまではないけど興味のある分野の知識を得るために
比較的近年まで図書館にも割と通っていたのですが
ここ数年はそれもご無沙汰です。。。
たまにはしっかり活字を読む時間も作らなくては…
ただ、寄る年波には勝てず小さな字が読みづらいのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノン初の本格的プロ向け一眼レフカメラです。
この分野では完全に独り勝ちだった「ニコンF&F2」の牙城を
崩すためにキヤノンが社運を賭けて開発した渾身の一作です。
悪条件下の酷使にも耐えうる信頼性を
最優先の目標として
測光機能の拡大や全システムの無調節互換性能、
マイナス60度~プラス60度までの
温度域に耐える環境性能、来るべき自動化露出への対応等々
あらゆる面に対応することが開発の焦点とされました。
そうして完成したF-1はプロカメラマンやハイアマチュアの
カメラマンに絶大に支持され
ニコンと並びいわゆる「一眼レフ2強時代」に突入していくわけです。

さすがに登場から50年以上経過するカメラであり
当時求められた極限の環境性能や堅牢性は
どうにも衰えていて
復活できない部分もありますが
それでも基本的には非常に丈夫なカメラです。
そして何と言ってもキヤノンらしいスマートさが魅力のカメラです。
特にデザイン的に低く構えたペンタプリズム部は
他のカメラとは一線を画する魅力にあふれています。
塗装色もブラックに統一されているのも
キヤノンらしい部分かと思います。

お預かりしているF-1はシャッターこそ
とりあえず作動しているのですが
スプロケットが常にフリーの状態で
フィルム巻上が正常に行えません。
いわゆる「巻き戻し状態」から復帰できないのかと思ったのですが
(他のカメラでもこの症状自体はたまにある)
どうやらスプロケットの軸はちゃんと動作しようとしているようです。
で、さらに調べてみると
どうやらスプロケットを軸に留めているネジが
無理矢理回そうとしてねじ切られているようです。
そのため軸は回っていてもスプロケットが回らないのです…
なんでまたそんなことになっているのか…(苦笑)

スプロケットの件は原因が分かったものの
シャッター周りにもいくつか問題を抱えています。
F-1はシャッター幕ブレーキ関連のトラブルが多いカメラで
その最たるものがいわゆるシャッターがバウンドする症状なのですが
シャッターバウンドまではいっていないものの
幕ブレーキが擦り切れている状態で
シャッタースピード(特に高速)が非常に不安定な状態でした。
測定器で計測してみないと
見た目にははっきりわからない部分ですが
できあがった写真には間違いなく悪影響が出ていると思います。
さらにレリーズ部の動きも妙に悪い症状が出ています。
どんな使われ方を以前にされてきたかはわかりませんが
いろいろと整備が必要な状態であることには間違いありません。

画像は一通り整備が終わった段階でのモノです。
動きが少し馴染むまでテストを行いながら様子見をしている段階です。
シャッターの精度も問題なく
スプロケットの動きはもちろんのこと
巻上・レリーズも非常にスムーズに動作するようになりました。
レンズは当店のテストレンズですが
やはり旧F-1にはs.s.c刻印のある旧FDレンズが似合いますね!
これから最終テストを行いながら微調整を行い
問題なければ完成となります。

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キヤノンⅡD改のカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
柿の旬の時期でもあり
1895(明治28)年のこの日に
俳人・正岡子規が奈良旅行に出発し
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を詠んだとされることからだそうです。
言われてみれば今年はまだ柿を食べていないです…
普通に皮を剥いてそのまま食べられる甘柿は
ほのかな甘さとしっかりとした歯ごたえがいいですよねぇ
これぞ日本古来の甘さという感じがします!
また渋柿を利用した干し柿もいいですよねぇ…
現在、柿の生産量が多い県は
和歌山県、奈良県、福岡県の順で
生産量日本一の市町村は奈良県五條市だそうです。
ただ私の地元呉の北隣の東広島市では
中四国地方を中心に現在も多く栽培されている
西条柿の原産地であり
東広島市ではまとまった栽培が一時途絶えていましたが
近年では「原産西条柿」と銘打ち、栽培が増加傾向にあるのだそうです。
西条柿は完全渋柿なのでやはり干し柿がいいですねぇ
普通に生食の甘柿も干し柿も食べたくなってきました。
とりあえず今日の帰りにスーパーで探してきます!

さてさて

本日は「キヤノンⅡD改」のカメラ修理を行っています。
いわゆるキヤノンのバルナックコピーカメラですが
歴史は長く戦前は独自ねじ込みマウントを採用していましたが
戦後は一般的なライカLマウントになります。
マウントは標準仕様になりつつも機能的には独自の構造もいろいろと追加され
SⅡ(1946)では一眼式ファインダーとなり
ⅡB(1949)ではキヤノンお得意の変倍ファインダーが搭載されます。
50年代に入ると高級機から機能を若干省略した普及機まで
いろんなタイプのモデルをラインナップしていきます。
今回のⅡD改は1955年発売のモデルで
この時期になるとバルナックコピーキヤノンとしては
後期のものになり完成度も非常に高くなっています。
その当時の最高級機「Ⅳsb改」から1/1000シャッターと
フラッシュ接点付きレールを省略したものが
「ⅡD改」となります。
基本的な構造や造りは「Ⅳsb改」と同様です。
この時期のカメラのモデル名によく使われる「改」は
「改良版」の略でいわゆるマイナーチェンジ版という意味です。
ⅣSB改やⅡD改の場合の大きな改良点は
シャッタースピード設定が1/25、1/40、1/60、1/100、1/200という
それまでの並びから
その後一般的となる1/30、1/60、1/125、1/250という
いわゆる倍数系列になったことです。

毎度のことですがキヤノンのバルナックタイプモデルは
特に1950年代のモデルの種類が多い上に
モデル名の刻印は一切ボディ上にないために
慣れていてもぱっと見にモデル判別は困難です。
シャッタースピード設定だったりフラッシュ接点の有無
ノブのローレット、メモ表示板の有無等で判別しますが
Ⅳsb(改)以外はまぁ資料を見ながらでないと無理ですね(苦笑)

キヤノンに限らず、またレンジファインダー機でも一眼レフでも
50年代の布幕フォーカルプレーンシャッター機は
まずシャッター幕交換が修理の前提となる場合はほとんどです。
今回お預かりのⅡD改も幕は硬化してガチガチで
シャッター切ってもまともに走行できない場合がほとんどです。
さらに一部に擦れて穴の開いている部分もあり
間違いなく光漏れが起こる状況です。
さすがに幕交換を行わないとどうにも使えない状態です。

幕交換は重作業な上に
非常にデリケートさを要求される作業です。
わずかな幕位置のズレ等で
まともにシャッタスピ―ドが出なくなってしまうこともあります。
おまけにバルナックタイプは機種にもよりますが
普通にシャッタスピードテスターでSS測定ができないものも多く
キヤノン機もSS測定にちょっとした工夫が必要です。
それでもしっかり測定しながら微調整を行っていくと
幕交換を行えば大抵の場合問題ない精度を確保できます。
その上で巻上整備や距離計調整、ファインダー清掃を行えば
今でも十分撮影に安心して使用できるカメラに仕上がります。
画像は既に一通りの修理・整備を行った後のモノで
最終的なテストと必要があれば微調整を残すだけですが
非常に気持ちよく使えるカメラに仕上がっています。
早くご依頼者様にも存分にお楽しみいただきたいと思います。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
たっぷりマーガリンつけた焼きたてのトースト…美味しいですよねぇ
普段あまりトーストを食事に…っていうことは少なく
朝も基本的に白米なのですが
たまにやたらとトーストを食べたくなることがありますよねぇ
で、まぁ美味いのはバターがやはり上ですが
現実的な使い勝手を考えるとやはりマーガリンですよねぇ
ネオソフトのシェアが高いとは思いますが
私はラーマ派です!
でもマーガリンといえばトーストではないけれど
昔の給食のパンについてきた四角いヤツですよねぇ
銀紙に包まれたヤツ。。。
理想は一口分にあれ1個使いたいくらい好きで
周りの「いらない」っていうクラスメートにもらって
贅沢に塗って食べてました…(笑
あ、冬になると教室のストーブで
パンを軽く焼くとまた美味さ倍増なんですよねぇ…懐かしい…
ところで最近食パンを焼くトースターを昔ながらの
ボップアップトースターに買い換えました。
今まで使ってきたオーブントースターがボロボロになってきたことと
「いや、結局トースト以外に使い道ないじゃん」ってことで
今度はボップアップ式にしました。
うん、やっぱりデザイン的にも使い勝手も私にはこっちのほうがいいな…
「ポン」とパンが焼きあがって跳ねるのが馴染みがあっていいですねぇ
あ、いい歳なのでマーガリン塗り過ぎには注意します…(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
ニコマートEL系からの流れを汲む
電子制御シャッター搭載の中級機です。
ニコマート時代にはちょっと重々し過ぎて
機械制御機のFT系と比べても使いにくさもありましたが
FE/FM系に一新されてから一気に洗練されました。
適度にコンパクトなボディなって取り回しも良くなり
絞り優先で撮れる軽快さがより際立つようになりました。
そして何と言ってもファインダー内の露出情報が見えやすく
マニュアル時にも非常に使いやすいのです。
絞り値はAi対応機なのでレンズの刻印を直読する方式です。
そしてファインダー左側に露出計指針と
SS設定指針の二針式の露出計が表示されます。
露出計が示す値と現在のSS設定がどのくらい離れているかを
一目で確認することができ
あえて露出をコントロールするような場面でも
非常に使いやすくできています。
ここに関しては兄弟機のFMはもちろんのこと
後のフラッグシップのF3よりも使いやすいです。

基本的には丈夫にできているカメラで
電子制御機ということで
電装系のトラブルを心配される方も多いとは思いますが
FEは電装系のトラブルで修理不能といったパターンの
比較的少ないカメラです。
基板内ショートとかがなければまず大丈夫かとは思います。
今回お預かりしているFEは
その電子制御シャッターが全く作動せず
機械制御の「B」と「M90」以外では
レリーズしてもミラアップするだけでシャッターが作動してくれません。
さらにバッテリーチェックも露出計も不動です。
…ということは根本的に電源が全く入らない状態です。
電池室からまずチェックしてみると
電池室側に大きな腐食はないのですがやはり
かなり長い間、電池が入れっぱなしだったとみられ
若干の緑青が確認できます。
電池室側でこの状態だと電池室裏はやはり状態は悪いと予想され
そこで接触不良あるいは断線が起きていると考えられます。

まだ取り掛かったばかりですがまずはここから分解を進めて
電池室周りのハンダや配線の処置から行っていきます。
まずは電源を入るようにしないと
電子制御部に問題があるのかないのかもわかりません。
このパターンの修理でちょっと怖いのは
それなりに手間をかけて電源を入るようにしても
電子制御部に重篤なトラブルがあって結局修理不能…というパターンが
あり得るということですかね…
FEの場合はその可能性は非常に低いのですが…
過去に何度かそのパターンにハマりがっくりした記憶があります…(苦笑)
まぁそんなことを心配しても始まらないので
まずは電源が入るように処置を行っていきます。

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