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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「敬老の日」で祝日ですね。
それに関連して今日は「海老の日」なのだそうです。
「海老」は、長いひげを持ち
腰の曲がった姿が凛とした老人の相に似ていることから
長寿の象徴とされているのですね。
「海老」美味しいですよねぇ
普通にボイルしたものも美味しいですし
クルマエビなんかはシンプルに塩焼でもいいですねぇ
天ぷらも絶品ですよねぇ~日本酒にもビールにも合いますねぇ
刺身や生での寿司ネタとしてもいいですよねぇ
寿司ネタだとボタン海老が大好物です。
甘みが非常に強くて寿司ネタに合うのですよねぇ
そういえば長らくボタン海老の寿司なんて食べてないなぁ…
寿司ネタや刺身であれば甘エビもいいですね~
いけん、また無駄に食欲を刺激してしまいます。
でもボタン海老はたまには思い切り堪能したいですね…
どこかリーズナブルで気軽に行けるお店あるかな…
ちょっとあとで調べてみます(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフというジャンルで
文句なしに第一人者といえるカメラですね。
この大きさを実現するために様々な工夫や独自の構造で
作られたオリジナリティの非常に高いカメラでもあります。
こういうカメラはやはりオリンパスですね。
ただ単に小さいだけではなく
シャッター音や巻上フィールもとても上品な感触で
使い心地も非常に気持ち良いカメラです。
OM-1を使い慣れた方がなかなか他のカメラに
乗り換えないのもわかるような気がします。
修理整備依頼の非常に多いカメラでもあり
登場以来50年以上経過しますが
等から現在にいたるまでどの時代でも
高い人気を誇るカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」は
シャッターは一応切れてはいるのですが
いろいろと問題を抱えた状態です。
古いカメラの多くがそうですが
やはり機械的な動作不良を起こしている状態です。
まず幕軸周りの動作不良で
高速シャッターの精度が出ておらず
1/1000は開ききらない状態です。
この状態で1/1000を使って写真を撮ると
明らかに写真の1/3程が真っ黒になってしまう状態です。
他の高速シャッターでも写真の一部が妙に暗くなる状態だと思われます。
そして巻上にも少々問題があり
一度の巻上できちんとチャージができず
もう1/3ほど巻き上げないときちんと巻上が完了しない症状が出ています。
実際には余計にフィルムを巻き上げるわけではなく
少し余分に巻き上げればチャージも今のところは完了するのですが
これをそのままにしておいてさらに悪化すると
巻上が空回りするような状態になり
なかなか巻上が完了しない…という状況にもなってしまいます。
さらに露出計は電池を入れても全く動きません。
配線等も含めて全体的に整備が必要な状態です。

画像は上カバーを外した段階でのモノです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
プリズム留めのバネが4本掛けで
フィルム室のスタッドが4本…ということで最初期のOM-1ですね。
以前に(といってもかなり昔だと思われますが)
プリズム腐食対策を行っている形跡があり
プリズムのコンディションは良好です。

シャッターや巻上に関しては症状だけで
原因がすぐにわかるのでいいのですが
露出計に関してはなるべく先に原因を確認したいところです。
まずはメーター本体が問題ないかどうかを調べてみると
直接電圧をかけると元気に反応するのでここは問題ないようです。
電池室は比較的キレイで電池室から上部on/off-sw手前までは
問題なく電圧も来ています。
しかしながらスイッチ部の接点は真っ黒に変色していて
onにしても電圧はSWより後にはかかりません。
まずはここが動作しない原因のようです。
SWの清掃等を行って再度試してみると
間違いなくメーター本体まで電圧はかかっているのですが
メーターは全く反応しません…
ん?本体は最初に行ったテストでは反応したのにおかしいですね…
いろいろ調べてみるとどうやらメーターの吸い込みが酷いようで
指針が張り付いたままCDS経由の小さな電圧では動けない状態のようです。
指針の上下端にある指針止めと指針自体を入念に清掃を行っていきます。
これで露出計の動き自体は大丈夫かと思われます。
もちろんこの上で精度を出す調整を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

9月15日…といえばいまだに「敬老の日」と思ってしまいます(笑
ハッピーマンデー関連の他の祝日
(成人の日や体育の日)もそうですが…
もう敬老の日が9月第三月曜日に変わってから
20年になるのですねぇ…そりゃいい加減慣れないとダメですね。
ただ以前の「敬老の日」の名残で今日は「老人の日」となっています。
さらに以前の「敬老の日」に関連して
「シルバーシート記念日」や「ひじきの日」が制定されています。
「ひじきの日」は「ひじきを食べると長生きをする」ということで
「敬老の日」に関連付けられて今日が記念日なのだそうです。
一時期。かなり積極的に毎日「ひじき」を
食べるようにしていた時期があったのですが
いつの間にか忘れてしまっていますね(苦笑)
まぁ何かの影響で「毎日食べるぞ!」って意気込んで
しばらくすると有耶無耶になってしまう献立は
これまでにもたくさんあるのですが…
でも「ひじき」はミネラル・食物繊維が豊富で
本当に身体によいのですよね。
これも子供の頃はかなり苦手な食べ物で
給食に出てくるとかなり食べるのに苦労した思い出が…
よくその頃に「髪が黒くなるから食べなさい」と言われてたなぁ
今ではこれも普通に美味しくいただけます。
惣菜で出来合いのものを飼うことが多いですねぇ
たまには「ひじき」も食べなきゃダメですね。
今度見かけたら買って帰ります!

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
F2のボディに「フォトミックAファインダー(DP-11)」を
組み合わせたカメラです。
ファインダー交換式のニコンF2には用途に合わせた
様々なファインダーがアクセサリーとしても用意されていたのですが
最もベーシックな「アイレベルファインダー」と
露出計内臓の「フォトミックファインダー」が
ボディに組み合わされて発売されていました。
その露出計内臓のフォトミックファインダーだけでも
5種類が存在します。
今回の「フォトミックA」は最初に発売された「フォトミックファインダー」を
Aiレンズ対応としたものです。
非Aiのフォトミックとは異なりレンズ側の「カニの爪」では連動せず
Ai連動爪でフォトミックファインダーと連動します。
従来の非Aiレンズも物理的には装着可能ですが
その場合、Ai連動部が干渉してしまうので
ファインダー側のAi連動爪を引っ込めておいて装着します。
Ai対応となったことでファインダー内絞り値表示も
レンズ側の刻印を直読する形となりました。
ここに関しては従来の非Aiのほうが視認性が良いと思います。
ベースは通常のフォトミックファインダーなので
露出計表示は指針式で受光体はCdSです。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
これもかなり長い間仕舞い込まれていた個体だと思われます。
ただ、ちゃんと電池は抜いて保管されていたようで
F2でよくある電池室周りのトラブルはなさそうです。
それでもSW周りに多少の接触不良があるようで
露出計のon/offが少し不安定です。
ボディ側の機械的動きは一応一通りは動作していますが
やはり動きは本来の状態ではなく
多少の動作不良を抱えながら何とか動いているような印象です。
幕軸や巻上には油切れや古い汚れの粘り等も見られ
高速シャッターの精度はやはり出ていません。
ファインダーにもかなり汚れやカビが見られ
もちろんモルトは全滅です。
動いてはいるけどこのまま使うには問題があるという状態です。

まだこれから本格的に分解整備に取り掛かる段階です。
当時のフラッグシップ機で最高級機ですから
整備性に関しても非常によく考えられていて
定期的に分解整備を行って長く使っていくことを
考えられた内部構造になっています。
それに加えて初代の「F」同様に非常にクオリティの高い
丈夫な部品が使われており
スムーズに動くようにしっかり整備してやれば
その整備にしっかり応えてくれるようなカメラです。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「コスモスの日」だそうですよ。
3/14の「ホワイトデー」から半年となるとなるこの日に
プレゼントにコスモスを添えて交換する日だそうです。
そんな男女のイベントごとには
残念ながらもはや縁がないですが(笑
ちょうどコスモスの開花時期でもありますね!
細くてちょっと背の高い茎に
比較的大きな花を咲かせるコスモスは
ちょっとした風にもゆらゆら揺れて
なんともその華奢さが可憐ですよねぇ
花の色も多くみるピンクから白、濃い目の赤なんかもあり
写真の被写体としても非常に映える植物です。
ただあまりに茎が細く華奢なため
この季節ならではの台風でよくなぎ倒されてしまうのですよね…
その儚さも秋らしくてまた合っているのかしれません。
いずれのせよカラフルな花と秋の高い空とのコンビで
毎年この時期になると撮りたくなりますね。
時期を逃さないように今度の休みあたりに
どこかで撮ってきたいと思います。

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズはこの時代のニコンラインナップで
中級機にあたるカメラです。
機械制御シャッターでマニュアル露出専用機の「FTシリーズ」
電子制御シャッターで絞り優先オート露出も可能な
「ELシリーズ」の大きく二分されます。
これらが後の「FM/FEシリーズ」の前身モデルともなります。
「FTシリーズ」は最初に「ニコマートFT」と
「FT」から露出計が省略された「FS」が同時発売され
その2年後に今回の「FTN」が発売されます。
それまでは露出計連動のため
装着レンズの開放F値を手動設定しなくてはならなかったのですが
「FTN」では開放F値補正操作を採用し
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
(いわゆるニコンのガチャガチャ)
加えて露出計は平均測光から中央部重点測光となり
ファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
基本的な機械的構造はほぼ「FT」と同一ですが
非常に使いやすく改良されたモデルと言えると思います。
ニコマートシリーズの中でもこの「FTN」が最も多く作られていて
現存する台数も非常に多いです。

お預かりしている「ニコマートFTN」は
少し少数派のブラックボディです。
かなり使い込まれているボディと見られ
適度なスレやヤレ具合が何ともいい雰囲気を出しています。
ただ、近年はずっと使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
踏査されるコパルシャッターは頑丈なことでも知られますが
今回の「ニコマートFTN」でも細かい精度はともかく
まずまず動作しています。
ただしファインダーや装着されていたGNオートニッコール45mmF2.8は
かなりカビが発生しています。ファインダーはそのせいで
コントラストも低く霞んだ感じになっています。
電池室からは真っ黒になったLR44が出てきました。
本来はMR9水銀電池使用ですが比較的近年(それでもおそらく20年以上前)まで
使われていたのか代用としてLR44をそのまま入れていたようです。
しかしながらLR44をそのまま入れるには電池室が大きすぎで
中で電池が遊んでしまうとショートの可能性もありますので
今後は電池アダプタ等をうまく使って装着するようにいたします。
電池が真っ黒だったので電池室や配線への影響を心配しましたが
接触不良で安定しない状況であるものの
それほど大きなダメージはないようです。
それでも電池室からの配線やハンダはもちろんやり直しです。

ここからさらにミラーボックスを外し
シャッタユニットも分離して整備を行っていくのですが
ニコマートFT系はユニットシャッターを
非常にうまく組み込んでいて整備性も良好です。
シャッターリングの連携やファインダー内SS表示にも
微調整が行える部分がちゃんと設定されていて
後に整備調整を行うことをちゃんと考慮した設計となっています。
さすがですね。
修理依頼の多いカメラでもありますので
内部構造も手に取るようにわかりますが
50年以上経過した機械なので慎重に丁寧に整備を行っていきます。

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フジカST801のカメラ修理

今日はこれといいた記念日がない日なのですよね…
それならそれで…と過去の9月13日に
起こった出来事をいろいろと調べていると…
1932年に私の地元、呉市の鍋桟橋と
当時の安芸郡(現呉市)音戸町を結ぶ汽船が
沈没して死者・行方不明者29人となる事故が起きています。
今では考えられないことですが
定員23人の小型船に6倍近くの137人が乗ったことが原因だそうです。
今から91年前の出来事ですね…
まだ音戸大橋(1961年完成)もなくて船で渡るしかなかった頃です。
ちなみに鍋桟橋は私がまだごく幼い頃にはまだあったのですが
埋め立てられて桟橋はなくなり
地名と「鍋桟橋」というバス停だけが現在も残っています。
あのあたりもさらに随分と埋め立てが進んで
海岸線まではもう結構な距離がある地形になっています。
地元の風景も私が子供の頃に比べると
随分と地形から変わってしまっている部分も多いですね。
50年以上生きているとそう思うことも多くなってきました(苦笑)

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
この2年前にSTシリーズの最初のカメラとなる
「ST701」が発売になっていて
「ST801」は2台目のSTシリーズとなります。
「ST701」ではシンプルなねじ込み式の
ユニバーサルマウントでもある「M42マウント」だったのですが
この「ST801」では同時に発売した
開放測光対応レンズ(STマウント)との組み合わせで
開放測光に対応できるように変更されています。
物理的な取り付け部はねじ込みM42マウントなのですが
位置決めようのピンと絞り値伝達用の爪が追加となっています。
従来のフジカM42マウントレンズを装着した場合は
絞り込み測光で対応することとなります。
STシリーズは絞り込み測光機(従来のM42マウント)と
開放測光機(STマウント)が混在するので
少々ややこしいことになっています。
「ST801」は開放測光に対応しただけではなく
当時としてはまだ珍しかったファインダー内LED式の露出計を内蔵します。
さらに布幕横橋り機としてはこれも珍しい1/2000を実現しています。
当時横走り機で1/2000というとニコンF2やキヤノンF-1ですが
これらのフラッグシップ機は金属幕を採用し
機械的にも強度を上げ幕速を速くすることで
1/2000を達成しています。
それにたいして「ST801」は幕速自体は通常の布幕横走り機と
さほど変わりません。
とにかくスリットを狭くすることで1/2000を達成しています。
そのためかなり微妙なバランスの上に成り立っている印象です。

お預かりている「ST801」は
まずはその1/2000が完全に開いておらず一部で閉じてしまっているようです。
やはり精度を確保するには本来のスムーズな動作の上に
微妙な調整を行わなくてはならず
製造から50年以上経過していて未整備だと
まず精度は出ていない個体がほとんどかと思われます。
1/1000、1/500は開いてはいますが
やはり精度的には問題のある状態の上に
動作がかなり不安定です。
加えて露出計が大幅にアンダー傾向です。
ASA100・LV15でF16・1/2000で適正と出る状態です。
この指示に従うと4段ほどアンダーになってしまいますね…
さすがにネガだとしてもこれは写真がかなり暗くなると思います。

フィルム室のモルトは過去に交換歴がありそうですが
画像に写っている上カバー内側の干渉防止用のモルトや
他の内部モルトはやはりボロボロに劣化しています。
もちろん交換で対応いたします。
これから本格的に分解整備に取り掛かりますが
幕軸の汚れ等はもちろんですが
測定結果を見ていると調速カム周りにも問題がありそうなので
そのあたりも含めて入念に整備を行っていきます。
露出計は受光体等には問題はなさそうで
電気的調整で何とか精度を確保できそうです。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「カラーテレビ放送記念日」だそうですよ。
1960(昭和35)年のこの日に
NHK・日本テレビ・ラジオ東京テレビ(現:TBS)・読売テレビ・朝日放送の5局がカラーテレビの本放送を開始しました。
これはアメリカに次いで世界で2番目だったそうです。
さすがに記憶の彼方にかすかにしか覚えていないのですが
私の生まれ育った実家でも最初は白黒テレビで
私が3歳くらいの頃にカラーテレビに買い換えられたのですよね…
1972年あたりか…登場当時は非常に高価だったカラーテレビも
東京オリンピック(1964年)でずいぶん普及して
この頃になると割と一般的な価格にまで下がってきてたはず…
まぁでもチャンネルダイヤルはガチャガチャ回していましたし
UHF帯だと別のチューニングダイヤルを回してましたねぇ
もちろんリモコンなんてまだないですよ。
いわゆる家具調テレビです。懐かしいですね。
ステレオも無駄にデカい4ch家具調ステレオでしたねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
私の実家のテレビがカラーになった頃に発売された(1972年)カメラです。
前年に登場した「ハイマチックE」の下位モデルとして
発売されましたが
この当時は「コニカC35」の大ヒットもあって各社コンパクトな
F2.8クラスのレンズ搭載のコンパクトカメラの開発に
躍起になっていて「ハイマチックF」も「コニカC35」の
対抗馬としてのポジションでした。
搭載されるロッコール38mmF2.7、シャッターユニットは
「E」とはまた異なりセイコーESL電子制御シャッターを搭載します。
露出制御はプログラムオートで行います。
シャッタレリーズのストロークが長く
レリーズした際のシャッター音が「ジャキーン」といった感じで
少々独特なフィールのカメラです。
個人的にはこのシャッター音が妙に好きで
一時期、気軽に持ち歩くようで個人的にも使っていたカメラです。
非常にコンパクトな上にデザインも端正で
なかなか良いカメラだと思います。

「ハイマチックF」は電源周りのトラブルが多いのですが
お預かりしている「F」は電池を入れてみると
なんとか電源は入るようです。ただやはり不安定です。
電池室を見ると腐食跡も若干確認できるので
接触不良や配線の腐食もあると思われます。
加えてオート精度が非常に悪く
4段以上アンダーに制御してしまうようです。
さすがにこれでは写真が暗くなってしまいます。
さらにレンズ前面のASA感度設定盤が一部破損していて
ASA100から設定の変更ができない状況です。

電子制御シャッター機は機械的な駆動部も整備に加えて
各接点の清掃やマグネット吸着部の清掃整備が非常に重要です。
そのあたりも踏まえて整備清掃を入念に行っていきます。
もちろん並行してレンズ・ファインダーの清掃調整も行います。
一部破損してしまっているASA感度盤については
中古部品での交換で対応いたします。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は9月9日ということで
「重陽の節句」ですね。
陰陽思想では奇数は陽の数で
陽数の極である9が重なることから
「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれます。
旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。
菊の季節には新暦だとまだ早いのですよねぇ
幼い頃に菊祭りとか菊人形展とかに連れて行ってもらった
記憶があるのですがもっと秋の深まった頃だったと思います。
旧暦だと10月の半ばにあたるので
やはりそのあたりが菊の季節ですよね。
そして今日は「救急の日」でもあります。
これは語呂合わせそのままですね。
あまりお世話になりたくはないですが
いざというときには救急車や救急外来を
頼らざるを得ないことはありますものね…
特にこの歳になってくると
いつ何が起こるかわからないので
常日頃から気を付けるしかないですね。
あまり神経質になり過ぎると
ちょっとした体調の変化に過敏になり過ぎて
またそれはそれで困るのですが…

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフというだけでも
数の少ないジャンルですが
単純に通常の一眼レフをハーフ判にしただけではなく
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かそうと
いろいろと独自性の高いメカニズムを持つカメラです。
そういう意味ではまさに他に類を見ない孤高の存在だと思います。
最初に登場した「ペンF」、巻上をシングルストロークとし
露出計、セルフタイマーを内蔵した「ペンFT」
「FT」から内蔵露出計を省略した
「ペンFV」の3機種が存在します。
いずれにしてもロータリーシャッターを搭載し
ミラー駆動を横置きとしてポロプリズムを使用して
接眼レンズへファインダー像を導きます。
この構造のため通常一眼レフでは必ず存在する
ペンタプリズム部の出っ張りはなく
フラットな上カバー部となっています。
さらに構造上、レンズマウントは巻き戻し側に大きくオフセットされ
デザイン的にもペンFならではのものとなっています。

お預かりしている「ペンFT」はまずシャッターが切れません。
ペンF系でよくあるミラーアップしたまま固着…といった状態ではなく
ミラーは通常の位置なのですがレリーズは押せず
巻き上げもできず…といった状態です。
加えて「FT」のセールスポイントのひとつである
内臓露出計は電池を入れ替えても全く動作しません。
電池室は一見キレイなのですが
中には昔の水銀電池が入ったままになっていました。
おそらく裏側の配線やハンダは腐食してしまっているものと思われます。

ペンF系でシャッターが切れない場合の原因は
ミラーアップしたままになっている場合もそうですが
シャッターユニットよりミラー駆動に問題がある場合が多いです。
今回もシャッターユニット単体では
ガバナが少し粘っている部分もありましたが
シャッター自体は何とか動作しているようです。
ミラー駆動が完全に固着してしまっていて
ミラーが動かないためシャッターも切れないといった状態です。
シャッターユニットも含めて
ミラー駆動部、巻上機構部等の動作部分の整備を一通り行います。
並行して電池室の配線交換を行い
露出計の調整整備を行います。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「白露」です。
いよいよ秋の気配が迫り大気が冷えてきます。
夜間に気温が下がり大気中の水蒸気が草花に朝露となってつくようになります。
光によって白く見える露ができ始める頃という意味で「白露」とされるそうです。
今朝は関東地方は台風の影響で雨風がそれなりに強いですが
北から風が吹き込んでいることもあって気温も一気に下がりました。
最高気温も25℃前後のようです。
こうして季節も一気に進んでいくのですね。
あのどうにも暑くてたまらない真夏が終わって一安心です。
気持ちよく過ごせて旬の果物もたくさんある
秋ができるだけ長く続いてほしいと思いますが
近年の傾向からみて今度はあっというまに
寒くなるのでしょうねぇ
個人的にも秋が1年の中で一番好きなのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
毎回「SR-1」のブログの際には書きますが
ネーミングから想像されやすい
いわゆるフラッグシップモデルではなく
中級機のポジションになるカメラです。
最初の「SR-1」が出たのは1959年ですが
そのときのトップモデルは前年に発売された「SR-2」です。
数字が大きいほうが上位モデル…というネーミングですね。
当時の「SR-2」から1/1000シャッターを省略し
差別化して発売されたのが「SR-1」です。
そのほかはほぼ当時のSR-2と同一です。
その後、トップモデルはSR-2→SR-3→SR-7へと
モデルチェンジを行い、モデル名も変わるのですが
「SR-1」は中身はトップモデルに倣って
モデルチェンジされてもモデル名は「SR-1」のままだったのですね。
そのため「SR-1」は同じモデル名でいろいろなヴァージョンが存在します。
中身が全く異なるので修理する立場としても少々ややこしいですね。

お預かりしている「SR-1」は
純正の外部露出計を装着するためのソケットがあり
そのため「SR-1」のロゴも巻き戻し側に刻印されます。
ロゴの色は黒ではなく緑色です。
フィルムカウンターは巻き戻しクランクの隣に配置されています。
以上の外観上の特徴から1961年前期のモデルかと思われます。
ベースとなっているのは当時の「SR-3」となります。

おそらくこの「SR-1」もかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
各部の動きはかなり悪く
シャッタースピードの精度が出ていないのは当然ですが
巻上もかなり重く感じます。
レリーズ軸の動きもかなり悪いようで
巻上げてチャージしてもシャッターが切れなくなるような
症状が頻繁に発生します。
そして1/60より遅いいわゆるスローガバナで制御する
シャッタースピードに設定すると
全速でバルブ状態になりレリーズボタンを押している間
シャッターは開きっぱなしになります。
ボタンを離すと設定されたスローシャッターで作動して切れる感じです。
調速カム周りの部品の動きが悪いものと思われます。
装着されていたオートロッコールPF55mmF1.8は
レンズはそこそこキレイなのですが
絞り羽根が固着してしまっていて羽根が出てきません。
ボディ側、レンズ側ともに一通りの整備が必要な状態です。

確かに各部の動きは非常に悪い状態ですが
基本的には丈夫なカメラです。
どこか致命的な破損や故障があるわけではありません。
機械的な駆動部を隅々まで入念に動きを良くする清掃や
整備を行なった上で微調整を行えば
本来の状態に復帰できると思われます。
まだ取りかったばかりですが
これから各部点検整備一式を行っていきます。

ミノルタユニオマットのカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうですよ。
今年もこの日がやってきましたね(笑
1951(昭和26)年のこの日に
初めてCMソングを使ったラジオCMが
中部日本放送(CBC)・新日本放送(NJB)でオンエアされたことに
由来しています。
そしてこのCMで流れたのが
小西六写真工業株式会社(現:コニカミノルタ株式会社)の
「さくらフイルム」のCMだったのですが
歌の中に社名・商品名は一切入っていませんでした。
流れたのは「ボクはアマチュアカメラマン」という
このCMのために作られたCMソングです。
1年にこの日だけこの「CMソングの日」のことを書いて
ついでにyoutubeでこの曲を聴いてしまうと
1日耳について離れなくなるのですよねぇ(笑
「あら ピンボケだ♪ おや ピンボケだ♪ ああ♪ みんなピンボケだ♪」
歌では楽しげですが実際にこうなると真っ青ですよね(笑
でも当時は普通にキレイに撮るだけでも
それなりに大変だったのがよくわかります。
今でも当時の機材で撮影するとそれなりに苦労しますものね…
ご興味があったらフルコーラスで聴いてみてください
なかなかシュールでおもしろいですよ。

さてさて

本日は「ミノルタユニオマット」のカメラ修理を行っています。
1960年発売の普及型レンズ固定式カメラです。
搭載れるレンズは六コール45mmF2.8です。
セレン光電池を使用した露出計を内蔵し
追伸式でLVリングを回して針を合わせて露出設定します。
シャッターはプログラムシャッターで
絞りとシャッタースピードの組み合わせは選べず
設定したLV値に対応するSSと絞りでシャッターが制御されます。
シャッターユニットはシチズンオプチパーユニで
最高速度はレンズシャッタでは珍しい1/1000秒です。
ただ当時はそれほどの高感度フィルムは存在せず
プログラムシャッターで任意の絞りも選べないため
この1/1000が使われる機会はなかなかなかったと思われます。

お預かりしているユニオマットは
おそらくかなり長い間使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
シャッターは少々粘りがあるものの
まずは一応動作していますが
レンズ、ファインダーには盛大にカビが発生しています。
特にレンズは酷くカビのせいで全体的にも濃く曇っています。
一部カビ跡、もともとある拭き傷は除去できませんが
できる限りの清掃を行っていきます。

少し大柄で外寸にも余裕があるので
整備性は非常に良好なカメラです。
レンズはカビは全て除去され
若干のカビ跡や以前からの拭き傷は残りますが
ほぼ撮影に問題ないレベルに改善されました。
ファインダーも同様です。
大きくズレていて全く使えなかった
距離計二重像もしっかり調整して
問題のない状態になっています。
心配されるのはやはりセレンの状況ですが
お預かり時の状態では2段以上オーバーの状態で
やはり起電状態は劣化の影響で
少し落ちていますが
露出計側の調整で何とか実用航問題のないレベルには
調整ができています。
この時代のカメラらしくしっかり造られていて
意外と使いやすいカメラです。
60年代らしい直線基調の中に丸みがあるデザインが
何とも魅力的な1台です。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は9月6日…「く(9)ろ(6)」ということで
「黒」に関連する記念日が目白押しです。
「黒の日」「黒牛・黒豚の日」「黒豆の日」
「黒酢の日」「黒あめの日」「9696(クログロ)の日」
「カラスの日」「松崎しげるの日」…等々
そんな中に「黒い真珠・三次ピオーネの日」がありますねぇ
その美味しさと色合いから「黒い真珠」と呼ばれている
広島県三次(みよし)産の高級ぶどうです。
私にとっては地元の名産品で目にすることは多かったのですが
さすがにちょいとお高いので口にすることは少なかったですねぇ
ちょうど今頃が露地モノが出回る季節なのですね。
大粒で甘くて適度な酸味で本当に美味しいのですよねぇ…
思い切ってお取り寄せしてみようかな…

さてさて

この流れで行くと「黒いカメラ」の修理ブログだと
日付に合うのですが何にも段取りせずに
そんなにうまくめぐり合わせるわけもなく
今日はシルバーの「OM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月数台は「OM-1」の修理をしていた時期が
長く続いていたのですが
最近はしばらくご無沙汰でしたね。
少しヒサビサの「OM-1」の修理です。
コンパクトな「機械制御マニュアル一眼レフ」といいうジャンルにおいて
まさに第一人者といえるカメラだと思います。
ただ軽量コンパクトだけでなく
巻上やシャッター音等、その何とも上品な使い心地のよさで
高い人気を誇るカメラです。
現行品であった時代から現在にいたるまで
どの時代においても高い人気を保ち続けている
数少ないカメラでもありますね。

軽量コンパクトであることを最優先に作られているために
多少機械的に気難しい…というか
定期的なメンテナンスが必須なカメラでもあります。
通常の大柄な一眼レフに比べると
多少デリケートな部分やより小さなバネの駆動力で
動作している部分もあり
動きの良い状態を常にキープしておく必要があります。
今回、お預かりしている「OM-1」も
シャッターは一通り動作してはいるのですが
やはり幕軸や巻上部に動きの渋い部分もあり
高速シャッターの精度は出ていない状態です。
さらに露出計は電池を入れても全く動作しない状況です。
電池室は非常にキレイな状態で
周辺をチェックしてもハンダ付けや配線には問題がなく
それ以外の原因で電源が入らない状態のようです。

まれに露出計本体内部で断線している場合があり
そうなると結構大変な修理となってしまいます。
なのでまずは露出計本体が動作するかどうかを
確認するのですが今回は露出計本体にも問題はないようです。
…となるとSW部の接触不良の可能性が高いですね。
いろいろ調べていくとやはりSW部に問題があるようです。
今回の「OM-1」は後期のモデルで
SW部は「OM-1N」と同様の構造に変更されている個体なのですが
それでも前期モデルと同様にSW部のトラブルは
比較的多いようです。
さらにこのタイプのSWになっているOM-1は
アース側の接触不良も多いのでそのあたりにも注意が必要です。
機械的な駆動部分も整備も行い
並行して露出計回路周りの整備調整を一通り行っていきます。

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ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「ベッドの日 (good sleep day) 」だそうですよ。
日付の由来は英語表記の「good sleep day」の
「グッドスリープ」を「グッスリ」と読み
「9」と「3」の語呂に合わせたものだそうです。
なかなか無理やりですねぇ…と思ったものの
「ぐっすり眠る」の「ぐっすり」は
英語の「good sleep」に由来するという説もあるそうです。
ちなみに別の説では
江戸時代の書物『黄表紙・即席耳学問』に
「すっかり」「十分に」の意味として
「ぐっすり」が使われており、英語に由来しない説もあるのだそうです。
いずれにしても「ぐっすり眠る」のは大事ですね。
今日は「ドラえもん」の誕生日でもあるのですが
のび太の名言にも
「あったかいふとんでぐっすりねる!
こんな楽しいことがほかにあるか」というのがあり
本当にその通りだと思います(笑
ストレスなく十分な快適な睡眠をしっかりとるために
起きている時間にしっかり働いて必要な食事をとっている…といっても
過言でもないかもしれませんね…
ついつい夜更かしや深酒をして
翌日に起きるのが辛く後悔することも多々ありますが…
これから気候もよくなって夜に時間も長くなり
より気持ちよく眠れる季節になると思います。
気持ちよく眠るために布団を新調したくなりますね!

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
1975年5月にペンタックスはレンズマウントを新しく
バヨネット式とした「Kマウント」を搭載した
「Kシリーズ」を3機種同時に発売開始しました。
トップモデルの「K2」は縦走り金属羽根シャッターを
電子制御で駆動する全く新しいモデルでした。
中級機となる「KX」は
従来までのアサヒペンタックスシリーズの造りを引き継いだ
機械制御布幕横走りシャッターを搭載します。
基本的なシャッターや巻上周りの構造は
これまでの従来モデルの基本的背一計を受け継いでいますが
ペンタプリズムは銀蒸着となりより明るくなり
露出計受光体もCdSからSPDへと変更されています。
その露出計のファインダー表示も設定SS表示を兼ねた
追針式となり露出計の値と設定SSがどれほど離れているか
一目で直感的にわかる非常に使いやすいものとなっています。
さらにファインダー内にレンズの絞り値を直読させる
窓も装備されマニュアル露出機として
非常に使い勝手の良いものになっています。
しかしながら翌1976年末にはより電子化+小型化を進めた
「Mシリーズ」が発売となり
「Kシリーズ」は実質的に1年半程度の短命となってしまいました。

お預かりしている「KX」は
一通り動作はしているのですがかなり全体的に動きが悪い印象です。
油切れや古い汚れや油脂類のせいだと思われます。
やはり高速シャッターの精度は出ていない状態です。
値自体も不安定で一定していません。
露出計も動作していますが1.5段ほどのオーバー表示です。
「Kシリーズ」の各モデルも
「SP系」と同じくプリズム腐食の多いカメラです。
その多くの原因はプリズムを囲むようにぐるりと張り付けられた
遮光材によるものが多いのですが
今回のKXは遮光材の劣化や加水分解ももちろんありますが
それ以前に蒸着そのものの劣化で銀蒸着が一部剥がれてしまっています。
この時代のプリズム蒸着、特に銀蒸着は劣化しやすいものが多い印象です。
「KX」の腐食のないプリズムも
今はなかなか入手しづらい状況なのですが
今回はなんとか確保できたので交換で対応していきます。

確かに少々大柄なカメラですが
非常にしっかり作られているカメラで
前述したように使い勝手も非常に良いカメラです。
さすがにSP系よりは中身はややこしく
整備性はそれなりですが
それでもサイズ的にも余裕があるおかげで
後の「Mシリーズ」に比べても整備性も良いカメラです。
短命だったわりにはそれなりに現存数もあり
「KX」や「KM」は意外と隠れた名機なのではないかと思います。

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