日別アーカイブ: 2025年4月20日

コーワSWのカメラ修理

今日は「コーヒー牛乳の日」だそうですよ。
日本で初めて「珈琲牛乳」(コーヒー牛乳)を製造・販売した
神奈川県の守山乳業株式会社が2015(平成27)年に制定しています。
「珈琲牛乳」は、1920(大正9)年に同社の創業者である
守山謙氏によって開発され、王冠で栓をした瓶入りの
「珈琲牛乳」が、1923(大正12)年4月20日に
東海道線国府津駅で販売を開始したのだそうです。
当時、並弁当が1箱35銭で売られた時代に
珈琲牛乳は20銭とかなり高額だったにもかかわらず
飛ぶように売れたといわれています。
「コーヒー牛乳」美味しいですよねぇ
大人になるとさすがに少し甘ったるすぎるとは思いますが
それでもたまに飲むとあの甘さがたまりません。
「コーヒー牛乳」といえば「銭湯」で飲むものだと思う方も
多いとは思いますが
私も生まれ育った長屋に風呂がなくて
毎日銭湯通いだったのでお風呂代わりに「コーヒー牛乳」を
よく飲みました。だから懐かしい味でもありますね。
ラムネもお風呂上がりの良く飲みました。
飲み物もそうですが当時の昔ながらの銭湯は懐かしいですねぇ
服を入れておく籠とか(ロッカーも一応あったけど)
乗るたびにビヨンビヨン針の跳ねるでっかい体重計とか
肩揉み機とか番台とか入口の暖簾とか…毎日通っていたから
今でも鮮明に思いだせます。

さてさて

本日は「コーワSW」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
モデル名の「SW」は「スーパーワイド」の頭文字で
その名の通り28mmF3.2の広角レンズを搭載します。
ワイドカメラブームもありましたから
35mm広角レンズを備えたレンズ固定式カメラはいくつかありましたが
28mmレンズを搭載したカメラは珍しい存在です。
内蔵露出計もなく距離計も省略しピントは目測のシンプルなカメラです。
レンズと同時に変わり種なのがそのファインダーで
スペリオ式0.4倍実像式となっています。
対物レンズ側の口径がが非常に小さいのが特徴です。
このファインダー、内部にはプリズムとレンズをふんだんに使った
非常に贅沢なつくりとなっています。
その見えはやはり非常に気持ち良いものです。
シャッターユニットはセイコーSLVを搭載し
B・1s~1/500をカバーします。

お預かりしている「コーワSW」はまず
レンズシャッター機定番のシャッター羽根の粘りが見られます。
完全に固着してるわけではないものの
明らかに動きが緩慢です。
レンズシャッターではありがちなトラブルですが
コーワSW…というよりセイコーSLVは
特に羽根粘りや固着が多い傾向だと思われます。
自慢のレンズとファインダーはレンズには大きなダメージはなく
多少のカビが生えている程度です。
清掃でかなりクリアになると思われます。
その独特のファインダーはまずまずクリアではあるものの
接眼レンズはカビでかなり曇っていて
プリズムに若干の劣化が見られます。
接眼レンズのカビは清掃でかなりクリアになると思われますが
プリズムの劣化は清掃ではどうにもならず
若干の汚れが残ってしまいそうです。
それでも気にして細かく見なければ
気が付かないレベルにはなるかと思います。

まだ取り掛かったばかりの段階です。
これからまずはシャッターユニットの清掃整備から行います。
機能もシンプルですがデザイン的にも無駄なものが一切なく
丸みを帯びた独特のデザインはかなり魅かれるものがあります。
実際そう感じる方は多いと見えて
今でも非常に根強い人気のあるカメラです。
私も自分で使うように定期的に欲しくなるカメラです。
なかなかいいご縁がなくていまだに
個人的には手に入りませんが…(笑

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