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ニコンFMのカメラ修理

今日は「くず餅の日」だそうです。
「く(9)ず(2)もち」(くず餅)と読む語呂合わせからですね。
私は「くず餅」と聞いて
葛粉を使った半透明の夏らしい涼し気な和菓子を連想したのですが
この記念日でいうところの「くず餅」は
いわゆる関東でいう久寿餅(くすもち)で
小麦澱粉(でんぷん)を発酵させて作る白い和菓子なのですね。
たぶん…いや間違いなく食べたことないな…
調べてみると…適度なやわらかさとしなやかな歯ざわりで
江戸時代から愛されている和菓子唯一の発酵食品である…
画像とかを見ても…お、美味しそうですね…
どこに行けば買えるのでしょう???
これも調べてみるとお取り寄せでも店舗に買いに行っても
普通に手に入りそうですね。
老舗の和菓子屋さんでのお取り扱いも都内やその近郊であるようです。
近日中に買いにいってみます!
ところで…「くず餅」ではないのですが
先日、呉に墓参り帰省した際に
数十年ぶりに「いが餅」を食べました!
できたて熱々ではなかったのですがちゃんと保温してあって
温かくってふわふわもちもちです。
慣れ親しんだ味ということもありますが
思わず泣けるほどどちゃくそ美味かったです。
また帰省した際には絶対現地で食べます!(笑

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
1977年発売の中級機です。
前身となっているのは「ニコマートFT系」で
コパル製金属羽根縦走りユニットシャッターを
機械式制御で動作させます。
ニコマート時代に比べるとボディもコンパクトになり
外観も現代的な非常に端正なデザインです。
ニコマートFT3からAiレンズ対応となっていますが
このカメラの登場によりレンズのAi方式化が一気に進み
従来の非Aiレンズでの「カニの爪+ガチャガチャ」での連動は
急速に姿を消すことになります。
とはいえそれまでのレンズ資産もありますから
FMではAi連動爪は可倒式になっていて
物理的には非Aiレンズ装着もまだ可能です。
ただし絞り値の伝達はできないため
開放測光は行えず絞り込み測光のみでの対応となります。
露出計はそれまでの指針式ではなくLED表示となります。
ただ「+〇ー」での表示のみなので
どのくらいズレているのかを直感的にわかるという意味では
指針式のほうがわかりやすかったかもしれません。
ちなみにこのFM系のLED式露出計…かなりデリケートで
トラブルを抱えてしまっているものは修理不能になることが多いです。

お預かりしている「FM」は
そのちょっと心配な露出計に関しては全く問題はなく一安心です。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
ファインダースクリーンに汚れ・シミが多いので
清掃してほしいとのこと…
FMは実は生産時期によってスクリーンがミラー側から
取り外しできるものとできないものが混在します。
下から外せないものはニコマート系と同じく
プリズムを降ろして上から外すしかありません。
今回のFMは下から外せないタイプのため
ある程度分解して上から外して清掃します。
それもFMはスクリーンにたどり着くまでがなかなか手間がかかります。
今回はいずれにしてもプリズム側や接眼レンズに
カビも見受けられましたので全て外して清掃を行います。
加えて高速シャッタースピードが不安定だったり
動きの悪い部分も確認できておりますので
全体的な整備一式を行っていきます。

まだ取りかかかったばかりの状態で
上カバーを外しただけの段階です。
兄弟機のFEと比べるとプリズム上にフレキもなく
非常にシンプルな造りに見えます。
…ただし…個人的な見解も含みますが
FMは整備性に関してはなかなか難しい部分の多いカメラです。
手順さえしっかりわかっていれば
電子制御部の圧倒的に多いFEのほうが
分解・再組立ては楽な部分もあります。
そして、先程も少し触れましたが
露出計周りは非常にデリケートなので
分解時には細心の注意を払います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

ちょうど100年前の1923(大正12)年の9月1日午前11時58分
関東大震災が発生しています。
マグニチュード7.9の大地震が関東地方を襲い
死者・行方不明者10万5000人、家屋全半壊25万戸、
焼失家屋21万戸という大災害となりました。
そのことに由来して今日は防災の日となっています。
関東大震災から100年…首都圏では大きな地震や
大規模な火災には遭遇していません。
だからこそ油断できないですよね…
首都圏直下型の地震がそろそろ起こるといわれて
もう何年も経ちますが
この瞬間に起こったっておかしくはないのですよね
実際に遭遇するとどうにもならない部分もあるとは思いますが
起きたときにどうしなくてはいけないのかは
常日頃から備えておかなくてはいけませんね。

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
「FT」を含む「ペンFシリーズ」は
唯一無二の存在ともいえるハーフ判一眼レフです。
ただ単に通常の一眼レフをハーフ判したわけではなく
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かすべく
シャッターやファインダー光路を始め
他のカメラでは見られない独自性の非常に高いカメラです。
最初に発売された「ペンF」をベースとし
巻上をダブルストロークからシングルストロークに変更
第三反射面のミラーをハーフミラーにすることで
その背後にCdSを配置し露出計を内蔵
巻き戻しクランク下のスペースにセルフタイマーも追加し
機能性を高めたモデルが今回の「ペンFT」です。
表面的に見える部分以外にも内部機構もいくつか
変更が行われています。
巻上が変更になり、ハーフミラー化したことにより
ファインダーの見え方も変わり
スクリーンにも変更が行われていることから
初代ペンFとは使い心地の面でも変化が見られます。
個人的見解ですが
どちらがいいか悪いかというほどの差ではなく
好みの問題で選択肢があるといった感じかとは思います。

お預かりしている「ペンFT」はシャッターが開きかけたところで
固まってしまっています。
もちろん巻上もロックされてミラーアップ状態
この状態では何も動きの確認等もできない状態です。
状況からしてガバナの固着等で固まっているわけではなさそうです。
何はともあれ、ある程度分解してみないと原因もわからなそうですね。

ここまで分解する前にシャッタユニットの全貌が見えた時点で
原因は把握できました。
シャッタスピードダイヤルにリンクして
SS制御のガバナを制御する調速カムがあるのですが
そのカムにかかる爪が破損してしまい
破片がシャッタユニットに噛みこんでしまい
固着してしまったようです。
この爪の部分…たまに破損している個体を見かけます。
発売から60年近く経過しており経年劣化もあるとは思いますが
強度的に少し弱いのかもしれません。
折れた部品とその基部を取り除き
中古良品の部品と交換することで対処していきます。
汚れや油切れによる動作不良が元で
部品破損することもありますので
シャッターユニット、巻上機構、ミラー駆動部
動きの悪くなりやすい部分を入念に清掃整備を行います。
お預かり時にはミラアップした状態だったので
確認できていなかったのですが
ペンFTの泣き所でもあるハーフミラーはやはりかなり腐食していて
ファインダー視野をかなり見えにくくしてしまっている状態でしたので
こちらも比較的キレイなハーフミラーと交換を行います。
機械的にもかなり独特な造りの部分が多く
ちょっとトラブルが多いのは正直なところ否めませんが
キチンと整備を行うことでかなりの部分は防げるかとは思います。
機構自体はそれほどややこしいものではないので
機械動作的に何かあっても大抵の場合は修理可能です。
今回もしっかり整備を行い
また当分の間、安心して撮影に使っていただければと思います。

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ペンタックスSPⅡのカメラ修理

今日は「や(8)さ(3)い(1)」(野菜)と読む語呂合わせで
「野菜の日」だそうですよ。
「野菜」大事ですねぇ~肉やら米やら玉子やらは
気が付かない間に食べ過ぎになってしまいがちですが
野菜は意識していてもなかなか十分な量が摂れないですよねぇ
1日350g以上の野菜を摂りましょう…とよく言われますが
野菜で350gって結構な量なのですよ。
おまけに何種類も摂ろうとするとなかなかハードル高いです。
とはいっても特に私のような生活習慣病を抱えている場合は
意識してなるべく摂るようにするしかありませんね
子供の頃は野菜は全般的に苦手だったりしたのですが
大人になってからは苦手ではなく
いろいろと野菜を美味しく食べる術も知ってきたので
手間とか予算とかを考えなければ
野菜大歓迎ではあるのですが…(笑
ただ気をつけたいのは野菜と言っても漬物だったり
ドレッシングや塩で塩分摂り過ぎになってしまう場合もあるので
そこには注意がまた必要です…
あーいろいろと身体に関して
気を使うことが多くって本当にめんどくさいですよね…
食べたいものを食べたいだけ食べても全く平気だった
うん十年前が懐かしいです(苦笑)

さてさて

今日は「ペンタックスSPⅡ」のカメラ修理を行っています。
「SP」自体は1964年発売のカメラですが
「SPⅡ」は1974年発売のカメラです。
その前年の1973年には開放測光に対応した後継の「SPF」も
発売されているのですが
従来の「SP」が海外で特に根強い人気で
復刻の希望に応えて発売されたのが「SPⅡ」です。
復刻機なので基本的には従来の「SP」と変わりません。
ただアクサリーシューに接点が追加されて
「ホットシュー」となっているのが唯一の変更点です。
「SPⅡ」が出た翌年の1975年には
ペンタックスはついにM42マウントから「Kマウント」へ
マウント変更を行い「Kシリーズ」を発売します。
「SPⅡ」はM42マウントのペンタックス機の最終モデルでもあります。

お預かりしている「SPⅡ」は
一通りは動作しているのですが
やはり長年の汚れや古い油脂類の影響もあり
動きの悪い状態です。
高速シャッターの精度は出ておらず且つ不安定で
何度か切っているとたまに1/1000や1/500で
シャッターが開ききらないこともあるようです。
露出計も値がズレている上に不安定です。
やはり機械動作的には各部の清掃注油が必要で
電気的には接点の清掃やハンダのやり直し
一部配線の交換が必要な状態です。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
従来のSPやSPFも含むと
いわゆる「SP系」のカメラは相当依頼の多いカメラです。
開放測光に対応したSPFは電気的に少々ややこしいですが
基本的には整備性もよくメンテの行いやすいカメラです。
今回も気持ちよく撮影に使えるように
入念に整備を行っていきます。

ただ…今回は過去に対策を行った形跡もあり無事でしたが
ファインダー周りの遮光材に起因するプリズム腐食の
非常に多いカメラでそこには注意が必要です。
交換するためのキレイな中古プリズムも
年々入手が難しくなってきています。
(当店では再蒸着は行っておりません)

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キヤノンEXオートのカメラ修理

今日は「ハッピーサンシャインデー」だそうですよ。
何だか無駄にテンション高そうな記念日ですねぇ(笑
「ハッピー(8)サンシャイン(30)」と読む語呂合わせだそうです。
太陽のような明るい笑顔の人のための日。
この日に生まれた人は笑顔の素敵な人が多いことから生まれた記念日。
また、明るい笑顔で過ごせばハッピーな気分になれる日だそうです。
まぁそりゃ明るい笑顔でいられることは
ハッピーな気分だからでしょうねぇ
何もないのに一人で無駄に笑顔なのも怖い気がするので
私は普通にしていようかな…(笑
「この日に生まれた人は笑顔の素敵な人」とあるので
誰か私の知っている有名人いるかな…と思って調べたら
井上陽水さん…うっ…セフィーロのCM思い出しちゃいました(笑)
キャメロン・ディアス…この方は文句ナシに
笑顔も何もかもステキですねぇ
そして何とわれらのカープのレジェンド大野豊さん!
今日が大野さんの誕生日であることを気づかせてくれた時点で
「ハッピーサンシャインデー」は十分ステキな記念日ですね!(笑

さてさて

本日は「キヤノンEXオート」のカメラ修理を行っています。
1972年発売の一眼レフです。
前身にその3年前に発売された「EXEE」が存在しますが
基本的には「EXオート」も基本的な部分は「EXEE」と変わらず
ただ装着するレンズの開放F値セットが手動だったものが
自動化されたモデルです。
他、細かなデザイン等に若干の変更が加えられています。
いわゆる「Fシリーズ」の一員で
シャッターや巻上機構は「Fシリーズ」の他の機種(FT等)と
同様の造りですがレンズマウントは「FL/FDマウント」ではなく
レンズの後玉群はボディ側に固定され
前玉群のみをねじ込みで交換することによりレンズ交換を行います。
いわゆるコンバージョンレンズのような交換方式なのですね。
50mmF1.8が標準レンズで標準装備されますが
交換用として35mmF3.5、90mmF3.5、125mmF3.5が用意されていました。
基本的にはシャッタースピード優先オートで撮影するカメラで
巻き戻しクランク基部のダイヤルで露出計SW、オート切替、
マニュアル時絞り設定を行います。
レンズ側には絞りリングはありません。
さらに変わり種なのはそのファインダーで
フレネルレンズによる空中像式を採用していて
視野中心のマイクロプリズム部でしかピント合わせは行えません。
しかしながら基本的にほぼ素通しなので
ファインダーは非常に明るいです。
いろいろと変わったカメラだと思います。

お預かりしている「EXオート」は
かなり長い間使われずに仕舞い込まれていたようです。
どこかが破損している…というわけではないのですが
経年劣化もありさすがにあちこちの動きが悪くなっているようです。
「Fシリーズ」のシャッターは油切れを起こすと
「ギャイン」という感じの濁った異音がシャッター音に混じりますが
今回の「EXオート」もこの異音が確認できます。
実際に測定機にかけてみても
シャッタースピードの精度は出ておらずさらに非常に不安定です。
高速シャッターではまれに開かないまま切れることもあるようです。
電池室は比較的キレイで腐食もないようです。
ただし配線や端子のハンダ部は劣化しているようで
やはり電圧が不安定なようです。

整備性は通常のFシリーズに比べると
後玉群が固定されている分少々手間がかかります。
まだ取り掛かり始め段階ですが
全ての動く部分は入念に清掃注油を行い
電気的な部分は配線効果や接点清掃を行っていきます。
もちろんファインダー清掃、レンズ清掃も行います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「民法テレビスタートの日」で
加えて「テレビCMの日」なのですね。
1953(昭和28)年8月28日午前11時20分、
日本テレビ(JOAX-TV)が民間放送として
初のテレビ放送を正式に開始したのだそうです。
そして日本初のテレビCMが放送されていて
初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店(現:セイコーホールディングス株式会社)の時報だったそうです。
ただこの正午の時報…
フィルムが裏返しになっており、音も不明瞭だったそうで
正午に放送された初CMはわずか3秒で中止されるというハプニングがあり
同日夜7時に第2号CMとして30秒のCMが放送されたそうです。
70年前の出来事なのですよねぇ
70年「も」前のこと…とも言えるし
意外と「たった」70年前…ともいえますねぇ
上記の午後7時のCMはyoutubeとかでも見られますが
何だか趣あってなかなかいいものですよ…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
M42マウント機の代名詞のようなカメラですね。
1964年発売のカメラですが発売当時も
比較的お求めやすい価格と使いやすさが絶大な支持を集め
世界的に大ヒットとなったカメラです。
そのため現存台数も非常に多く
コンディションはいろいろな状態のものがあるものの
現代でも人気の高いカメラです。
シンプルなねじ込みM42マウントは
ユニバーサルマントでもあり
いろんなメーカーが様々なレンズを発売しているため
ペンタックス純正だけにとどまらず
豊富なレンズを使って楽しめるところも大きな魅力だと思います。
シンプルなねじ込みマウントでレンズ側の絞り値を
ボディ側に伝える機構がなうため
必然的にボディ内蔵の露出計は絞り込み測光となります。
開放測光に比べると多少使い勝手が悪い部分もありますが
慣れてしまえばそれほど使いにくいと思う場面は少ないかと思います。

お預かりしているSPは
おそらく長い間使われていない個体と思われ
各部の動きが悪くなっている状態です。
それに加え露出計は電池を入れても
全く動作しない状態です。
電池室自体は一見キレイなのですが
それでも過去に長らく水銀電池を入れたままで
放置されていた時期もあると思われます。
電池室裏側の端子は真っ黒に腐食していて
そこに繋がれる配線も中身まで腐食していて
電気を全く通さないような状態です。
端子はしっかり磨いて復活させ
配線はSW部まで交換が必要な状態です。
SW部にも動作不良の問題を抱えていて
通常はSWを押し上げると
絞り込みが行われ露出計がオンとなり
シャッターを切ると絞り込みも解除され
SWも自動復帰して露出計の電源も切れるわけですが
現状ではシャッターを切っても
SWは押しあがったままで電源も切れません。
SW連動部の固着が原因かと思われます。

絞り込み測光のため露出計連動部も少なく
電気関係の回路はシンプルです。
シャッターや巻上周りの構造もいい意味でシンプルで
非常に整備性も良いカメラです。
とにかく動く部分は徹底的に清掃整備を行い
本来の小さなバネ力でスムーズに動ける状態にします。
その上で微調整を行い精度的も問題ない状態にしていきます。

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フジカST701のカメラ修理

今日は「ジェラートの日」だそうですよ。
イタリアのアイスですね!
細かいことを言うと
通常のアイスクリームに比べると空気の含有量が少なく
密度が濃く滑らかな食感となります。
その一方で乳脂肪分はアイスクリームより少なく
さっぱりとした味わいです。
個人的にはフルーツ系のジェラートのイメージが強く
アイスとシャーベットの中間みたいな感じですかね…
でも実は長らくジェラートって口にした覚えがないかも…(苦笑)
一番最初に食べたときのことはよく覚えていて
当時は広島在住だたのですが(20代半ば)
仕事場の近くにあるオープンしたばかりのアルパークの東館に
ジェラート専門店ができて
そこに仕事の合間に仲間と食べに行ったときです。
あのあたりも今や様変わりしているのでしょうねぇ…
何だかそんあこと思い出してたら
ジェラート食べたくなってきました(笑
簡単に調べてみたらさすが都内は気軽にテイクアウトできる
お店も比較的近くに何か所かありますね。
お休みの日にでも行ってみます!

さてさて

本日は「フジカST701」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
「ST701」は「STシリーズ」最初のモデルでもあります。
レンズマウントはねじ込み式の「M42マウント」です。
「STシリーズ」は通常の「M42マウント」のカメラと
「M42マウント」をベースに開放測光に対応するため
位置決めのピンと絞り値伝達爪を追加した「STマウント」採用の
カメラが混在しているので少々注意が必要です。
今回の「ST701」や「ST605」は通常のM42マウント+絞り込み測光で
それ以外のSTシリーズはSTマウント対応で
STマウントレンズ使用時に開放測光が可能です。
M42マウントレンズを絞り込み測光で使用する際には
ボディ側はなんでも気にする必要もないですが
STマウントをStシリーズ以外のM42マウント機に使う際には
ピンや爪が干渉する可能性もあるので注意が必要です。
現在となってはシンプルなM42+絞り込み測光で
いろんなレンズを使ったほうが楽しめるかもしれませんね。

お預かりしている「ST701」は
ご依頼者様が昔から所有している個体だと思われますが
近年は全く使ってなかったものと思われます。
シャッターは精度には少し問題がありますが
なんとか動作しているのですが
プリズム内部には大きな腐食が見られ
ファインダー内の視野の1/3くらいを邪魔してしまっています。
スクリーンにもかなりの拭き傷のようなものが見られます。
中古部品を使ってプリズムとスクリーンは交換しないと
クリアな視界は得られない状態です。
そして内蔵露出計には電池を使用するのですが
その電池室の蓋が全く開きません。
正確に言うと蓋は回るのですが
本来固定されている電池蓋の枠と一緒に供回りしてしまい
全く蓋が緩みません。
枠はカシメなのでここも交換が必要なようです。
さらに後で電池室を強制的に開けてみると
中には真っ黒に腐食した水銀電池が入ったままになっていました。
そして電池室の端子および配線は水銀電池から出るガスの影響で
こちらも真っ黒に腐食しています。
このあたりもすべて交換が必要です。

いろいろと手がかかる状態ではありますが
致命的な破損等はないのでしっかり整備して
本来の姿に戻していきたいと思います。
「M42マウント+絞り込み測光」の一眼レフというと
ペンタックスSPが同じジャンルのカメラとなります
スペック的には同じような感じですが
ST701はまた一味違った雰囲気でこれはこれで楽しいと思います。
露出計SWを兼ねる絞り込みボタンは
「ST701」のほうが個人的には使いやすいかと感じます。
ただし内部の整備性は圧倒的にSPのほうが良好ですね(苦笑)
「ST701」は整備の際に手数のかかる部分が多いカメラです。

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ヤシカフレックスのカメラ修理

今日は「レインボーブリッジ開通記念日」だそうですよ。
1993(平成5)年のこの日に
東日本最大のつり橋「レインボーブリッジ」が開通しました。
今年で30年になるのですね!
港区芝浦地区と台場地区を結ぶ東京タワーとはまた異なる意味で
首都圏のシンボルと言える存在だと思います。
深夜0時まではライトアップもされていて
深夜の首都高11号台場線を通ると
周りの夜景も含めてなんとも美しいのですよね
わき見運転はいけませんが。。。(苦笑)
実は橋の周辺の土地が狭く両脇のアーチ部分に
ケーブルを長く引くことができず
中央部のケーブルが作るアーチに比べて
両脇のアーチ部分が短く力学的にもバランスがとても悪いのです。
このバランスの悪さを解消するために
レインボーブリッジは陸地から通常の橋よりも強い力でケーブルを牽引し
安全面での問題もクリアしているのだそうです。
限られたスペースに建造物を作るのは本当に難しいのですね…
レインボーブリッジを見るたびに
こういうこともついつい考えてしまいます。

さてさて

本日は「ヤシカフレックス」のカメラ修理を行っています。
昨日に続いて二眼レフですが
「ヤシカフレックス」も同じ「ヤシカフレックス」という名前で
様々なモデルが存在し、モデル名で判別ができないため
種類を特定しようとするとなかなかややこしいカメラです。
その点は昨日の「プリモフレックス」以上ですね。

今回お預かりしている「ヤシカフレックス」は
レンズ間にSS・絞りのダイヤルはなく
赤文字の「Yashica」+楕円のロゴがあり
フィルター枠はBay1バヨネットであることから
C型かと思われます。
搭載シャッターユニットはコパルで
最高速は1/300
レンズはヤシコール80mmF3.5です。
フィルム装填はスタートマーク合わせのセミオートマットです。
本来は実用的で非常に使いやすい二眼レフです。

ただし整備前の今回の「C型」それなりにトラブルも抱えており
そのままではとても撮影に使える状態ではありません。
今回も何かが破損している…というような状態ではありませんが
積年の経年劣化がいろいろなトラブルを引き起こしています。
まずシャッターは羽根が粘っていてゆっくりと作動します。
もうこの時点で普通には撮影はできません。
加えてレンズ・ファインダーにはかなりのカビが見受けられ
ファインダーミラーはいつものパターンで劣化で曇っています。
やはり全体的にしっかり動ける状態に復元して
光学系に入念な清掃が必要です。

画像でも多少わかりますが
ミラーは半端なく曇っていて
いくらファインダーやビューレンズを清掃しても
ミラーがこれではファインダーはまともに見えません。
ここまで劣化していると清掃ではどうにもならないので
表面鏡は切り出して新品と交換します。
まだ本格的な整備はこれからですが
しっかり整備すれば先述したように
非常に使い勝手の良いカメラですので
存分に撮影を楽しんでいただけるようになると思います。

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プリモフレックスのカメラ修理

今日は「即席ラーメン記念日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が
日清食品株式会社より発売されたことに由来しています。
年取ってからはその濃い味付けや塩っ辛さで
少し敬遠気味になっていますが
それでも袋麺もカップ麺もそれなりに食べますねぇ(笑
いつもお世話になっています。
チキンラーメンはあまり食べることはありませんが
こちら(関東)ではなかなか手に入らない
イトメンの「チャンポンめん」が好きで
広島に帰った際に買ってきたりお取り寄せしたりして
常に少しばかり在庫しています。
比較的あっさり味で子供の頃から馴染んだ味で美味いんですよ~
ちなみに「チャンポンめん」は1963年の発売開始で
現行販売されている即席めんとしては、チキンラーメンに次いで
2番目の歴史を持つロングセラー商品なのです。
店頭では近畿・中国地方の一部でしか手に入らないのですが
私の生まれ育った地域では
昔から現在に至るまで普通に購入できる
ポピュラーな定番商品です。
一部地域以外ではなじみがないと思いますが
機会があれば是非!

さてさて

本日は「プリモフレックス」のカメラ修理を行っています。
この時代のカメラにありがちですが
同じモデル名でもたくさんの種類があって
その判別がなかなか難しいのは
この「プリモフレックス」も同様ですね。
今回のプリモフレックスは「ⅢA型」だと思われます。
搭載レンズは3枚玉のトーコー7.5cmF3.5です。
フィルム装填はスタートマーク合わせの
セミオートマットです。
フィルムカウンターも搭載され巻き止め機構も付いています。
ただしカウンターは自動復帰ではないので
装填時に操作が必要です。
ファインダースクリーンにはトーコーブライトという
独自構造のフレネルレンズが入っていて
通常の二眼レフよりファインダーが明るいということですが…
今回はそれ以前にスクリーン自体も汚れと
何といっても内部のミラーが劣化でどうにも曇っていて
現状ではとてもまともにピント合わせができる
ファインダー状況ではございません。
レンズにもかなりカビが見受けられ
巻き止め機構やカウンター復帰の動きも粘っているので
全体的に整備清掃が必要な状態です。

画像はまだテイクレンズを外しただけの状態です。
これからまずはシャッターユニットの整備から行います。
レンズはガラスそのものの劣化による曇りがあると
それは除去できないことが多いのですが
今回はレンズそのものの状態は悪くなく
カビは完全に除去できそうです。
ただし前玉表面にそれなりの拭き傷があり
実際の撮影にはほぼ影響しないとは思いますが
そこは残念ながら現状のままとなります。
ファインダーのミラーは交換で対応し
汚れやカビが目立つスクリーンもできる限り清掃をおこいます。
せっかくトーコーブライトの性能を発揮できる状態まで
クリアになると思われます。
加えて巻上周り等の動きが悪い部分の整備を行い
ピント調整等も行います。
本来の使いやすいプリモフレックスの姿を取り戻すように
丁寧に仕上げていきます。

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キヤノンPのカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうですよ。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の誕生日に由来しているそうです。
牧水さんがどれほどお酒好きかというと
一日一升程度の酒を呑んでいたといわれていて
死の大きな要因となったのは肝硬変であったそうです。
1日1升?1.8Lですよ。
日本酒1升瓶を毎日ってことですよね?それはすごい…
そして夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と、
医師を驚嘆させた、との逸話があるそうです。
私もそれなりにお酒は好きですが
さすがにそんなには飲めません。
若い頃には結構無茶な飲み方をして
急アルで運ばれたりとか急性胃潰瘍になったりとかしましたが
もう近年は少し多めに飲むと飲んでる間はまだいいのですが
翌日に確実に超不快な二日酔いになるので
ちょっと良い酒を美味いあてで少しだけいただく…なんて感じです。
お酒がそれなりに飲めると
食べるものの楽しみ方も変わるので
いい趣味だとは思いますが
飲み過ぎにはくれぐれもご注意を…

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のレンズ交換式レンジファインダー機です。
それまでのトップモデルだった「Ⅵ型」から
思い切って機能を減らし部品点数も減らすことで
低価格で販売されたカメラです。
モデル名の「P」はフランス語の「Populaire」からとったもので
「人気のある」という意味だそうです。
価格と機能のバランスが素晴らしく
大ヒットしたカメラで10万台作られたと言われています。
確かにファインダー周りはシンプルで
パララックスの自動補正はなくフレーム切り替えもありません。
ファインダーには常に35/50/100mmのふれーむが表示される
アルバダ式のファインダーです。
しかしながら巻上機構やシャッター周りは効率化も含めて
一新されており、分解してみるとわかりますが
「Ⅵ型」までのかつてのバルナックコピーの面影は全くなくなり
明らかに現代的な造りとなっています。
最終シリーズとなる次期7シリーズも
この「P」の構造がベースとなっています。

お預かりしている「P」は全体的に明らかに油切れで
巻上のフィーリングも本来の姿ではありません。
加えて高速シャッターは幕軸の油切れにより
先幕・後幕のバランスがかなり崩れていて精度も出ていません。
どこかが破損している…というわけではありませんが
このあままこの状態で使っていると
さらに新たなトラブルを呼び込みそうな気もしますし
いかんせん使っていても気持ちよくないと思います。
シャッター音も油切れのため濁ったような金属音が混じっています。

とにもかくにも動く部分は全て洗浄清掃し
古い油脂類を取り除いたうえで最小限の注油を行っていきます。
精度的な問題もこれだけでもかなり改善されると思われますが
最終的には微調整を行ってさらに追い込んでいきます。
モナカ構造であることもそうですが非常に整備性も良いカメラです。
ファインダー周りも切替等がないためシンプルな造りです。
必要最小限のバネ力でスムーズに各部が動作できるように
隅々まで丁寧に整備を行っていきます。

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「処暑」ですね。
「処」という漢字は音読みで「しょ」
訓読みで「ところ」などの読み方があり
「その場にとどまる」や「一つの場所に落ち着く」などの意味があります。
転じて「暑さが止む」という意味から「処暑」とされています。
厳しい暑さが峠を越して、落ち着く頃である。
昼間はまだ残暑が厳しい地方もあるが
朝夕には涼しい風が吹き始める…と言いますが
まだまだ暑いですねぇ…
私、ほぼ毎日リハビリのために夜中にウオーキングしていますが
ほんのわずかに風に涼しさが出てきたような気もしますが
まだまだ夜中でも暑いです…
それから先日、4日間ほど広島・呉に帰省してきたのですが
同じような35℃前後の猛暑日でも
向こうは都内のようなまつわりつくような空気自体の熱さは
あまり感じないのですよね。多少の風と湿度、
そして海が近いからかと思われます。
都内中心部のむわっとした暑さは本当に体にこたえます…
早く朝晩ひんやりとした秋になってほしいものです。

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
キヤノンの誇るプロ向けフラッグシップ機であり
一眼レフの分野でもキヤノンを
トップメーカーに押し上げたカメラでもあります。
1971年発売開始のカメラです。
このF-1が登場するまではキヤノンの一眼レフには
いわゆる「プロ向けの最高級器」といったモデルがなく
その分野ではニコンF・F2の独壇場となっていました。
キヤノンはレンズ交換式レンジファインダー機の分野でも
国内トップシェアを誇るメーカーでもあり
そちらにも開発力を割かねばならず
一眼レフの分野では少し開発に立ち遅れた部分もありました。
それまでの遅れを一気に挽回し
この分野で先行するニコンに追いつき追い越すために
開発されたともいえるのがこのF-1です。
キヤノンの狙い通りこの分野のカメラとしては大ヒットになり
このカメラの登場から長らく続くニコン・キヤノン2大メーカーの
熾烈なシェア争いが何十年も続くことになるわけです。

お預かりしている「F-1」はご依頼者様が
かなり長い間使われている個体かと思われます。
全体的に大きな問題はないのですが
さすがに長い間未整備ということもあって
動きの悪いところがいくつか見られ
高速シャッター等の精度も少しズレてしまっているようです。
今後も長く使っていただくためにも
リフレッシュを必要としている時期かと思われます。
高速シャッターの問題は測定器できちんと測定してみないと
なかなかわかりにくい部分ですが
明らかに先幕・後幕のバランスが取れていない状態です。
加えてファインダー内露出計指針の先の〇い指針は
レンズの絞りに連動して動くのですが
この〇指針の動きが非常に悪く
頻繁に上に張り付いたまま
降りてこないような状況になってしまいます。
この〇指針のトラブルはF-1に割とよく見られる症状で
小さなバネ力で押しもどすのですが
積年の汚れ等で粘ってしまうことが多々あります。
ミラーボックスを外した際に徹底的に清掃して
スムーズに動作するようにしていきます。

画像はボディ側の整備が一通り終わって
ファインダー側の整備に取り掛かる際のモノです。
干渉防止用の座布団モルトが見えますが
これも完全に劣化していてボロボロです。
このまま放置しておくと確実に大きなプリズム腐食の
原因となってしまいます。
もちろん交換で対処いたします。

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