カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ニコンF2のカメラ修理

今日は「畳の日」だそうですよ。
「畳の日」は年2回設定されていて
もともと「みどりの日」であった4月29日と
「清掃の日」でもある9月24日に設定されています。
で、今日が「畳の日」だとしると
毎回、「実家がなくなってから
畳の部屋に縁がなくて寂しいなぁ…」と思い
フローリングの上に敷ける簡易的な畳を
部屋に入れようかと検討するのですよねぇ
まぁ結局踏ん切りがつかなくて見送るのですが…(苦笑)
でもあの畳の上に寝転んだ時の
適度な硬さとふんわりと漂う香りは
何ともいえず気持ち良いモノなのですよねぇ…
実家にいた頃はそれが当たり前すぎて
気にも留めていなかったのですが…
うん、やっぱり部屋の一部にだけでも畳を…
(…と今回もいろいろとついつい調べ始めてしまう…(笑))

さてさて

本日は「ニコンF2」のカメラ修理を行っています。
1971年に発売されたフラッグシップモデルです。
前モデルとなる「F」も伝説的な存在ですが
その「F」を考え方のベースとしながらも
より使いやすくより高性能へと
全面的にブラッシュアップされたのが「F2」です。
基本的な構造は「F」から引き継いでいる部分もありますが
部品ベースでは何もかも新規に設計され
「F」の後期ではすでに一部の「F2」の部品が
使われている部分があるものの
当初の「F」と「F2」は機械的には全く別のカメラとなっています。
フラッグシップモデルとしては
最後の機械制御シャッター搭載機でもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。

「F2」はF一桁機の特徴ともいえる
ファインダー交換式を採用していて
搭載されるファインダーによってモデル名も異なってくるのですが
今回、お預かりしている「F2」は
ボディ本体と合わせて「アイレベルファインダー」と
「フォトミックSファインダー」をお預かりしています。
「アイレベル」は最もベーシックなファインダーで
露出計もファインダー表示も何も装備しておらず
シンプルにファインダーのみの役目を果たすものです。
「フォトミックSファインダー」は
LED式の露出計を装備し、ファインダー内に絞りやSSの表示も追加されます。
LED式のフォトミックファインダーは(S・SB・AS)
LED制御関連にトラブルがある場合、修理不能となることが多いのですが
今回はそのあたりに問題がなさそうということで
お預かりしています。ただ露出計の動きが少々不安定であり
ファインダー内部もかなり汚れているので
できる限りの清掃整備調整を行います。

不安要素が少々多いフォトミックSファインダーから
整備を行います。動きが不安定な原因はおそらく
摺動抵抗の汚れが原因かと思われます。
指針式のフォトミックファインダーに比べても
見た目から少々ややこしい構造になっています。
プリズムを含む下半分は指針式のフォトミックと大差ありません。
フォトミックSファインダーの整備が一通り終わった後で
アイレベルファインダーの清掃整備
ボディ本体の整備一式を行います。
心配されるプリズムは両ファインダーとも
非常に良好な状態です。
ボディ側はやはり動きが悪いところが多く
特に高速シャッターにはその影響がももろに出ているようで
1/2000は開かず、墓の高速シャッターも精度が出ていません。
スローガバナーにも粘りが出ています。
正しい状態でスムーズで動くように
全体の整備調整を行っていきます。

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ペトリ35F2のカメラ修理

今日は「秋分の日」で祝日ですね。
秋分の日ということは秋のお彼岸の中日です。
お彼岸と言えばやはり「お墓参り」と連想してしまいますが
今日は「お墓参りの日」として記念日制定もされています。
こっちに住むようになって
お彼岸には墓参りに行くことはすっかりなくなりましたが
実家にいた頃はやはりこの日はじいさんばあさんと
墓参りに出かけていました。
うちの墓所は設備の整ったいわゆる「墓地」ではなくて
灰ヶ峰の登山道の脇にあるような墓所なので
子供の頃は遠足気分で結構墓参りは楽しみなイベントでした。
特に春や秋のお彼岸の墓参りは
気候も良くって気持ちようのですよね。
墓の掃除やお参りがある程度終わると
じいさんがよく墓所のもっと上にある湧水がある場所まで
連れて行ってくれてそこで飲む山の水が美味かった記憶がありますね
今は湧水も枯れてしまっているようですし
湧いていたとしても
とても飲めるようなものではないと思いますが…
最近は暑いお盆や寒い年末しか墓参りに行けてないので
気候の良いときにたまにはゆっくり歩いて行ってみたいものです。

さてさて

本日は「ペトリ35F2」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
この時代に多くのメーカーから出ていた
レンズ固定式のレンジファインダー搭載レンズシャッター機ですね。
搭載されるレンズはオリコール4.5cmF2です。
なかなかの大口径レンズです。
シャッターはコパルMXVを採用し
ssはB・1s~1/500です。
この時代のカメラとしては非常に高スペックなカメラです。

お預かりしているペトリ35Fは
シャッターは若干の粘りはありますが
一通りは動作しています。
ピントリングを回すためのレバーが根元で
外れ掛かっていてグラグラになってしまっています。
そのあたりも一通りの整備が必要ですが
大きな問題を抱えているのはファインダーで
盛大に曇りまくっています。
距離計二重像もほぼ見えません。
さらにその見えにくい二重像も
縦にも横にも大きくズレてしまっています。
距離計として全く使えない状態です。
できる限りの製造の上でしっかり調整が必要です。

まずはシャッターユニットを降ろして
シャッター周りの清掃整備から取り掛かっていきます。
シンプルなレンズシャッター機ですし
シャッターユニットはコパルですし
整備性自体は悪くないカメラです。
ただし、ペトリらしいというかなんというか
いろいろなところに少しアバウトな部分もあるので
整備には多少慎重さが必要なカメラかとも思います。
このカメラに関しては何度も分解の経験があるので
それほど大きな問題にはなりませんが
いつも通りに細心の注意を払って整備を行っていきます。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は特にこれといった記念日のない日ですねぇ…
9月22日…年始から数えて265日…ということは
今日が終われば今年も残り100日なのですのね。
ちなみに毎月22日は「禁煙の日」なのだそうですよ。
私もタバコ止めてもうずいぶん経ちますけど
いまだにごくたまにですが
外出先とかで「あーそうそう何か足りないと思ったら
こういうときこそタバコなんだよなぁ…」と思うことがあり
無性にタバコを吸いたくなる時があります。
普段はまったくそんな感覚忘れているのですが…
でも実際に吸ったらきっとむせまくるのでしょうねぇ(笑
まぁお高くなりましたし多少の気分転換とストレス発散になはなるでしょうが
健康的なことを考えてもあまりにもリスクしかないので
さすがにもう再び喫煙者になることはないと思います…
でも止めるまでに何十年も吸っていたので
タバコが吸いたくなる気持ちも
どうにもやめられない気持ちも一応わかるつもりです。
大半は依存と習慣だとは思いますが
確かにタバコがめちゃくちゃ美味い瞬間ってあるのですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のカメラです。
それまでの「ニコン」のイメージを覆すモデルと言えるかもしれません。
実際には中級機は存在しますが
あくまでも「質実剛健な高級機」のメーカーだったニコンが
大胆にエンプラを多用し、機能的にも非常に割り切った
初のエントリークラスのカメラとして登場したのが「EM」です。
非常に軽量コンパクトなボディに露出制御は絞り優先オート専用となっています。
この時代には物品税の関係もあって各社から
「絞り優先オート専用で40,000円」のエントリーモデルが
各社から発売されていて実際に熾烈な販売競争が繰り広げられていました。
どのモデルもよく売れていましたがそこにニコンも進出したわけです。
国内の1年前にはすでに海外で発売されており
実は海外ではかなりのヒット商品となっていました。
それもあって満を持しての国内投入となったのだと思いますが…
実は国内ではなかなか販売的には苦戦しています。
当時、特にニコンのユーザーには保守的な層が多く
それまでのニコン機とあまりに質感が異なるEMに
違和感を感じた方も多かったようです…
今でこそ中古市場では人気の高い「EM」ですが
国内で評価が高くなったのは実は生産が終わってからだったりします。
それでもエントリークラスなのでそれなりの台数は販売され
現存台数も多いカメラです。
確かに一桁機や「FE/FM」あたりと比べるとそれなりの質感だったりしますが
いろいろ制約の多いこのクラスとしては
非常によく考えて作られているカメラです。
なんといってもその軽量コンパクトさと
ジウジアーロデザインのデザインが魅力なカメラだと思います。

お預かりしている「EM」は
一応一通り動作はしているのですが
やはり経年劣化の影響もあり不具合をいくつか抱えています。
まずはモルトはフィルム室やファインダー周り
内部モルトも含めて全滅です。
ニコン機はモルトはもちろん遮光のために要所要所で使われているものの
意外とモルトが劣化していても
なかなか光線漏れが起きにくいカメラが多いのですが
EM系はフィルム室…とくに蝶番部のモルトが劣化していると
かなり高い確率で光線漏れを起こします。
このクラスだとあまり凝った裏ブタ形状にはできないですし
EM以外のカメラでもそれが当然ではありますが…
このあたりのモルトには特に注意が必要です。
そしてシャッターは一通り動作してはいるものの
オート制御や露出計にそれなるのズレがあるようです。
油切れや汚れの影響が出ている動作部分もありますので
全体的に一通りの整備を行っていきます。

この時代のカメラらしくプリズムはフレキに覆われていて
分解整備はそれなりに大変です。
でもEMはまだこの類のカメラとしては
整備性は良好な部類に入ります。
電子制御シャッター機で電子部品関係のトラブルも心配されますが
EMでは致命的なトラブルはそれほどないとも思います。
そのあたりはエントリークラスとはいえさすがニコンといったところです。
画像はまだ上カバーを外しただけの段階ですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「空の日」だそうですよ。
もともとは「航空の日」だたのですね。
1940(昭和15)年に「航空の日」として制定され
戦争中中断されていましたが
1953(昭和28)年に復活。
運輸省(現:国土交通省)航空局が
1992(平成4)年に「空の日」と改称しています。
今年はまだ夏の空気が上空に居座っていて
まだ「秋の空」とはいえない状況ですが
そろそろ秋らしい空気の澄んだ高い空がみられる季節です。
これからの季節の青空は見ているだけで
何とも気持ちよくなってきますよね。
もう少し本格的に秋めいてきたら
青空の下で気持ちよくおでかけしたいですね!

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
大ヒットしたSR-T101の改良版で後継機とも言えますが
SR-T101もそのまま併売されて
SR-Tスーパーは後にSR505へモデルチェンジ
SR-T101は後にSR101へとモデルチェンジされていきます。
基本的なシャッターや巻上機構、ミラー駆動部等は
SR-T101のものをほぼそのまま引き継ぎ
ファインダー内にレンズ絞り値を直読する窓が追加されました。
この窓の配置の関係もありSR-T101とはペンタ部のデザインも異なっています。
スクリーンはマイクロプリズム式となり
アクセサリーシューにX接点が追加されホットシューとなっています。
より使い勝手が良い方向に改良されています。

お預かりしている「SR-Tスーパー」は
精悍なブラックボディです。
スレや塗装の剝げ具合が適度に使い込まれた感を出していて
なかなかいい雰囲気を漂わせています。
ただ、この個体もながらく未整備のままで
放置されていたようで各部に動きの悪い部分が見られます。
まず高速シャッターの精度は全く出ていません。
やはり幕軸の汚れ等により動作不良が起きていて
先幕と後幕のバランスが大きく崩れています。
加えて露出計が全く動きません。
ただし、バッテリーチェックにすると指針は反応します。
しかしながら電池が新品なのにも関わらず
指針の振れは全く足りません。
メーター本体は問題ないと思われますが
SW部の接触不良やハンダの劣化等により
導通不良があるものと思われます。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
SR-T系といえば糸連動が多く
分解の際に多少の慣れと正しい手順が必須ですが
慣れてしまえばこの糸連動も難しいものではありません。
整備のために糸を緩めているときに
余計なことをしないように多少気は使いますが…
整備性自体は悪くないカメラです。
露出計周りの電気的な部分と
シャッター巻上周りの機械的部分を含めて
一通りの整備調整を行っていきます。
それで今抱えているトラブルも問題なく改善されると思われます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「敬老の日」で祝日ですね。
それに関連して今日は「海老の日」なのだそうです。
「海老」は、長いひげを持ち
腰の曲がった姿が凛とした老人の相に似ていることから
長寿の象徴とされているのですね。
「海老」美味しいですよねぇ
普通にボイルしたものも美味しいですし
クルマエビなんかはシンプルに塩焼でもいいですねぇ
天ぷらも絶品ですよねぇ~日本酒にもビールにも合いますねぇ
刺身や生での寿司ネタとしてもいいですよねぇ
寿司ネタだとボタン海老が大好物です。
甘みが非常に強くて寿司ネタに合うのですよねぇ
そういえば長らくボタン海老の寿司なんて食べてないなぁ…
寿司ネタや刺身であれば甘エビもいいですね~
いけん、また無駄に食欲を刺激してしまいます。
でもボタン海老はたまには思い切り堪能したいですね…
どこかリーズナブルで気軽に行けるお店あるかな…
ちょっとあとで調べてみます(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな機械制御シャッターの一眼レフというジャンルで
文句なしに第一人者といえるカメラですね。
この大きさを実現するために様々な工夫や独自の構造で
作られたオリジナリティの非常に高いカメラでもあります。
こういうカメラはやはりオリンパスですね。
ただ単に小さいだけではなく
シャッター音や巻上フィールもとても上品な感触で
使い心地も非常に気持ち良いカメラです。
OM-1を使い慣れた方がなかなか他のカメラに
乗り換えないのもわかるような気がします。
修理整備依頼の非常に多いカメラでもあり
登場以来50年以上経過しますが
等から現在にいたるまでどの時代でも
高い人気を誇るカメラだと思います。

お預かりしている「OM-1」は
シャッターは一応切れてはいるのですが
いろいろと問題を抱えた状態です。
古いカメラの多くがそうですが
やはり機械的な動作不良を起こしている状態です。
まず幕軸周りの動作不良で
高速シャッターの精度が出ておらず
1/1000は開ききらない状態です。
この状態で1/1000を使って写真を撮ると
明らかに写真の1/3程が真っ黒になってしまう状態です。
他の高速シャッターでも写真の一部が妙に暗くなる状態だと思われます。
そして巻上にも少々問題があり
一度の巻上できちんとチャージができず
もう1/3ほど巻き上げないときちんと巻上が完了しない症状が出ています。
実際には余計にフィルムを巻き上げるわけではなく
少し余分に巻き上げればチャージも今のところは完了するのですが
これをそのままにしておいてさらに悪化すると
巻上が空回りするような状態になり
なかなか巻上が完了しない…という状況にもなってしまいます。
さらに露出計は電池を入れても全く動きません。
配線等も含めて全体的に整備が必要な状態です。

画像は上カバーを外した段階でのモノです。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
プリズム留めのバネが4本掛けで
フィルム室のスタッドが4本…ということで最初期のOM-1ですね。
以前に(といってもかなり昔だと思われますが)
プリズム腐食対策を行っている形跡があり
プリズムのコンディションは良好です。

シャッターや巻上に関しては症状だけで
原因がすぐにわかるのでいいのですが
露出計に関してはなるべく先に原因を確認したいところです。
まずはメーター本体が問題ないかどうかを調べてみると
直接電圧をかけると元気に反応するのでここは問題ないようです。
電池室は比較的キレイで電池室から上部on/off-sw手前までは
問題なく電圧も来ています。
しかしながらスイッチ部の接点は真っ黒に変色していて
onにしても電圧はSWより後にはかかりません。
まずはここが動作しない原因のようです。
SWの清掃等を行って再度試してみると
間違いなくメーター本体まで電圧はかかっているのですが
メーターは全く反応しません…
ん?本体は最初に行ったテストでは反応したのにおかしいですね…
いろいろ調べてみるとどうやらメーターの吸い込みが酷いようで
指針が張り付いたままCDS経由の小さな電圧では動けない状態のようです。
指針の上下端にある指針止めと指針自体を入念に清掃を行っていきます。
これで露出計の動き自体は大丈夫かと思われます。
もちろんこの上で精度を出す調整を行っていきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

9月15日…といえばいまだに「敬老の日」と思ってしまいます(笑
ハッピーマンデー関連の他の祝日
(成人の日や体育の日)もそうですが…
もう敬老の日が9月第三月曜日に変わってから
20年になるのですねぇ…そりゃいい加減慣れないとダメですね。
ただ以前の「敬老の日」の名残で今日は「老人の日」となっています。
さらに以前の「敬老の日」に関連して
「シルバーシート記念日」や「ひじきの日」が制定されています。
「ひじきの日」は「ひじきを食べると長生きをする」ということで
「敬老の日」に関連付けられて今日が記念日なのだそうです。
一時期。かなり積極的に毎日「ひじき」を
食べるようにしていた時期があったのですが
いつの間にか忘れてしまっていますね(苦笑)
まぁ何かの影響で「毎日食べるぞ!」って意気込んで
しばらくすると有耶無耶になってしまう献立は
これまでにもたくさんあるのですが…
でも「ひじき」はミネラル・食物繊維が豊富で
本当に身体によいのですよね。
これも子供の頃はかなり苦手な食べ物で
給食に出てくるとかなり食べるのに苦労した思い出が…
よくその頃に「髪が黒くなるから食べなさい」と言われてたなぁ
今ではこれも普通に美味しくいただけます。
惣菜で出来合いのものを飼うことが多いですねぇ
たまには「ひじき」も食べなきゃダメですね。
今度見かけたら買って帰ります!

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
F2のボディに「フォトミックAファインダー(DP-11)」を
組み合わせたカメラです。
ファインダー交換式のニコンF2には用途に合わせた
様々なファインダーがアクセサリーとしても用意されていたのですが
最もベーシックな「アイレベルファインダー」と
露出計内臓の「フォトミックファインダー」が
ボディに組み合わされて発売されていました。
その露出計内臓のフォトミックファインダーだけでも
5種類が存在します。
今回の「フォトミックA」は最初に発売された「フォトミックファインダー」を
Aiレンズ対応としたものです。
非Aiのフォトミックとは異なりレンズ側の「カニの爪」では連動せず
Ai連動爪でフォトミックファインダーと連動します。
従来の非Aiレンズも物理的には装着可能ですが
その場合、Ai連動部が干渉してしまうので
ファインダー側のAi連動爪を引っ込めておいて装着します。
Ai対応となったことでファインダー内絞り値表示も
レンズ側の刻印を直読する形となりました。
ここに関しては従来の非Aiのほうが視認性が良いと思います。
ベースは通常のフォトミックファインダーなので
露出計表示は指針式で受光体はCdSです。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
これもかなり長い間仕舞い込まれていた個体だと思われます。
ただ、ちゃんと電池は抜いて保管されていたようで
F2でよくある電池室周りのトラブルはなさそうです。
それでもSW周りに多少の接触不良があるようで
露出計のon/offが少し不安定です。
ボディ側の機械的動きは一応一通りは動作していますが
やはり動きは本来の状態ではなく
多少の動作不良を抱えながら何とか動いているような印象です。
幕軸や巻上には油切れや古い汚れの粘り等も見られ
高速シャッターの精度はやはり出ていません。
ファインダーにもかなり汚れやカビが見られ
もちろんモルトは全滅です。
動いてはいるけどこのまま使うには問題があるという状態です。

まだこれから本格的に分解整備に取り掛かる段階です。
当時のフラッグシップ機で最高級機ですから
整備性に関しても非常によく考えられていて
定期的に分解整備を行って長く使っていくことを
考えられた内部構造になっています。
それに加えて初代の「F」同様に非常にクオリティの高い
丈夫な部品が使われており
スムーズに動くようにしっかり整備してやれば
その整備にしっかり応えてくれるようなカメラです。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「コスモスの日」だそうですよ。
3/14の「ホワイトデー」から半年となるとなるこの日に
プレゼントにコスモスを添えて交換する日だそうです。
そんな男女のイベントごとには
残念ながらもはや縁がないですが(笑
ちょうどコスモスの開花時期でもありますね!
細くてちょっと背の高い茎に
比較的大きな花を咲かせるコスモスは
ちょっとした風にもゆらゆら揺れて
なんともその華奢さが可憐ですよねぇ
花の色も多くみるピンクから白、濃い目の赤なんかもあり
写真の被写体としても非常に映える植物です。
ただあまりに茎が細く華奢なため
この季節ならではの台風でよくなぎ倒されてしまうのですよね…
その儚さも秋らしくてまた合っているのかしれません。
いずれのせよカラフルな花と秋の高い空とのコンビで
毎年この時期になると撮りたくなりますね。
時期を逃さないように今度の休みあたりに
どこかで撮ってきたいと思います。

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズはこの時代のニコンラインナップで
中級機にあたるカメラです。
機械制御シャッターでマニュアル露出専用機の「FTシリーズ」
電子制御シャッターで絞り優先オート露出も可能な
「ELシリーズ」の大きく二分されます。
これらが後の「FM/FEシリーズ」の前身モデルともなります。
「FTシリーズ」は最初に「ニコマートFT」と
「FT」から露出計が省略された「FS」が同時発売され
その2年後に今回の「FTN」が発売されます。
それまでは露出計連動のため
装着レンズの開放F値を手動設定しなくてはならなかったのですが
「FTN」では開放F値補正操作を採用し
絞り環を往復させるだけで開放F値の設定が完了するようになりました。
(いわゆるニコンのガチャガチャ)
加えて露出計は平均測光から中央部重点測光となり
ファインダー内に設定SSが表示されるようになりました。
基本的な機械的構造はほぼ「FT」と同一ですが
非常に使いやすく改良されたモデルと言えると思います。
ニコマートシリーズの中でもこの「FTN」が最も多く作られていて
現存する台数も非常に多いです。

お預かりしている「ニコマートFTN」は
少し少数派のブラックボディです。
かなり使い込まれているボディと見られ
適度なスレやヤレ具合が何ともいい雰囲気を出しています。
ただ、近年はずっと使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
踏査されるコパルシャッターは頑丈なことでも知られますが
今回の「ニコマートFTN」でも細かい精度はともかく
まずまず動作しています。
ただしファインダーや装着されていたGNオートニッコール45mmF2.8は
かなりカビが発生しています。ファインダーはそのせいで
コントラストも低く霞んだ感じになっています。
電池室からは真っ黒になったLR44が出てきました。
本来はMR9水銀電池使用ですが比較的近年(それでもおそらく20年以上前)まで
使われていたのか代用としてLR44をそのまま入れていたようです。
しかしながらLR44をそのまま入れるには電池室が大きすぎで
中で電池が遊んでしまうとショートの可能性もありますので
今後は電池アダプタ等をうまく使って装着するようにいたします。
電池が真っ黒だったので電池室や配線への影響を心配しましたが
接触不良で安定しない状況であるものの
それほど大きなダメージはないようです。
それでも電池室からの配線やハンダはもちろんやり直しです。

ここからさらにミラーボックスを外し
シャッタユニットも分離して整備を行っていくのですが
ニコマートFT系はユニットシャッターを
非常にうまく組み込んでいて整備性も良好です。
シャッターリングの連携やファインダー内SS表示にも
微調整が行える部分がちゃんと設定されていて
後に整備調整を行うことをちゃんと考慮した設計となっています。
さすがですね。
修理依頼の多いカメラでもありますので
内部構造も手に取るようにわかりますが
50年以上経過した機械なので慎重に丁寧に整備を行っていきます。

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フジカST801のカメラ修理

今日はこれといいた記念日がない日なのですよね…
それならそれで…と過去の9月13日に
起こった出来事をいろいろと調べていると…
1932年に私の地元、呉市の鍋桟橋と
当時の安芸郡(現呉市)音戸町を結ぶ汽船が
沈没して死者・行方不明者29人となる事故が起きています。
今では考えられないことですが
定員23人の小型船に6倍近くの137人が乗ったことが原因だそうです。
今から91年前の出来事ですね…
まだ音戸大橋(1961年完成)もなくて船で渡るしかなかった頃です。
ちなみに鍋桟橋は私がまだごく幼い頃にはまだあったのですが
埋め立てられて桟橋はなくなり
地名と「鍋桟橋」というバス停だけが現在も残っています。
あのあたりもさらに随分と埋め立てが進んで
海岸線まではもう結構な距離がある地形になっています。
地元の風景も私が子供の頃に比べると
随分と地形から変わってしまっている部分も多いですね。
50年以上生きているとそう思うことも多くなってきました(苦笑)

さてさて

本日は「フジカST801」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
この2年前にSTシリーズの最初のカメラとなる
「ST701」が発売になっていて
「ST801」は2台目のSTシリーズとなります。
「ST701」ではシンプルなねじ込み式の
ユニバーサルマウントでもある「M42マウント」だったのですが
この「ST801」では同時に発売した
開放測光対応レンズ(STマウント)との組み合わせで
開放測光に対応できるように変更されています。
物理的な取り付け部はねじ込みM42マウントなのですが
位置決めようのピンと絞り値伝達用の爪が追加となっています。
従来のフジカM42マウントレンズを装着した場合は
絞り込み測光で対応することとなります。
STシリーズは絞り込み測光機(従来のM42マウント)と
開放測光機(STマウント)が混在するので
少々ややこしいことになっています。
「ST801」は開放測光に対応しただけではなく
当時としてはまだ珍しかったファインダー内LED式の露出計を内蔵します。
さらに布幕横橋り機としてはこれも珍しい1/2000を実現しています。
当時横走り機で1/2000というとニコンF2やキヤノンF-1ですが
これらのフラッグシップ機は金属幕を採用し
機械的にも強度を上げ幕速を速くすることで
1/2000を達成しています。
それにたいして「ST801」は幕速自体は通常の布幕横走り機と
さほど変わりません。
とにかくスリットを狭くすることで1/2000を達成しています。
そのためかなり微妙なバランスの上に成り立っている印象です。

お預かりている「ST801」は
まずはその1/2000が完全に開いておらず一部で閉じてしまっているようです。
やはり精度を確保するには本来のスムーズな動作の上に
微妙な調整を行わなくてはならず
製造から50年以上経過していて未整備だと
まず精度は出ていない個体がほとんどかと思われます。
1/1000、1/500は開いてはいますが
やはり精度的には問題のある状態の上に
動作がかなり不安定です。
加えて露出計が大幅にアンダー傾向です。
ASA100・LV15でF16・1/2000で適正と出る状態です。
この指示に従うと4段ほどアンダーになってしまいますね…
さすがにネガだとしてもこれは写真がかなり暗くなると思います。

フィルム室のモルトは過去に交換歴がありそうですが
画像に写っている上カバー内側の干渉防止用のモルトや
他の内部モルトはやはりボロボロに劣化しています。
もちろん交換で対応いたします。
これから本格的に分解整備に取り掛かりますが
幕軸の汚れ等はもちろんですが
測定結果を見ていると調速カム周りにも問題がありそうなので
そのあたりも含めて入念に整備を行っていきます。
露出計は受光体等には問題はなさそうで
電気的調整で何とか精度を確保できそうです。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「カラーテレビ放送記念日」だそうですよ。
1960(昭和35)年のこの日に
NHK・日本テレビ・ラジオ東京テレビ(現:TBS)・読売テレビ・朝日放送の5局がカラーテレビの本放送を開始しました。
これはアメリカに次いで世界で2番目だったそうです。
さすがに記憶の彼方にかすかにしか覚えていないのですが
私の生まれ育った実家でも最初は白黒テレビで
私が3歳くらいの頃にカラーテレビに買い換えられたのですよね…
1972年あたりか…登場当時は非常に高価だったカラーテレビも
東京オリンピック(1964年)でずいぶん普及して
この頃になると割と一般的な価格にまで下がってきてたはず…
まぁでもチャンネルダイヤルはガチャガチャ回していましたし
UHF帯だと別のチューニングダイヤルを回してましたねぇ
もちろんリモコンなんてまだないですよ。
いわゆる家具調テレビです。懐かしいですね。
ステレオも無駄にデカい4ch家具調ステレオでしたねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
私の実家のテレビがカラーになった頃に発売された(1972年)カメラです。
前年に登場した「ハイマチックE」の下位モデルとして
発売されましたが
この当時は「コニカC35」の大ヒットもあって各社コンパクトな
F2.8クラスのレンズ搭載のコンパクトカメラの開発に
躍起になっていて「ハイマチックF」も「コニカC35」の
対抗馬としてのポジションでした。
搭載されるロッコール38mmF2.7、シャッターユニットは
「E」とはまた異なりセイコーESL電子制御シャッターを搭載します。
露出制御はプログラムオートで行います。
シャッタレリーズのストロークが長く
レリーズした際のシャッター音が「ジャキーン」といった感じで
少々独特なフィールのカメラです。
個人的にはこのシャッター音が妙に好きで
一時期、気軽に持ち歩くようで個人的にも使っていたカメラです。
非常にコンパクトな上にデザインも端正で
なかなか良いカメラだと思います。

「ハイマチックF」は電源周りのトラブルが多いのですが
お預かりしている「F」は電池を入れてみると
なんとか電源は入るようです。ただやはり不安定です。
電池室を見ると腐食跡も若干確認できるので
接触不良や配線の腐食もあると思われます。
加えてオート精度が非常に悪く
4段以上アンダーに制御してしまうようです。
さすがにこれでは写真が暗くなってしまいます。
さらにレンズ前面のASA感度設定盤が一部破損していて
ASA100から設定の変更ができない状況です。

電子制御シャッター機は機械的な駆動部も整備に加えて
各接点の清掃やマグネット吸着部の清掃整備が非常に重要です。
そのあたりも踏まえて整備清掃を入念に行っていきます。
もちろん並行してレンズ・ファインダーの清掃調整も行います。
一部破損してしまっているASA感度盤については
中古部品での交換で対応いたします。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は9月9日ということで
「重陽の節句」ですね。
陰陽思想では奇数は陽の数で
陽数の極である9が重なることから
「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれます。
旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。
菊の季節には新暦だとまだ早いのですよねぇ
幼い頃に菊祭りとか菊人形展とかに連れて行ってもらった
記憶があるのですがもっと秋の深まった頃だったと思います。
旧暦だと10月の半ばにあたるので
やはりそのあたりが菊の季節ですよね。
そして今日は「救急の日」でもあります。
これは語呂合わせそのままですね。
あまりお世話になりたくはないですが
いざというときには救急車や救急外来を
頼らざるを得ないことはありますものね…
特にこの歳になってくると
いつ何が起こるかわからないので
常日頃から気を付けるしかないですね。
あまり神経質になり過ぎると
ちょっとした体調の変化に過敏になり過ぎて
またそれはそれで困るのですが…

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフというだけでも
数の少ないジャンルですが
単純に通常の一眼レフをハーフ判にしただけではなく
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かそうと
いろいろと独自性の高いメカニズムを持つカメラです。
そういう意味ではまさに他に類を見ない孤高の存在だと思います。
最初に登場した「ペンF」、巻上をシングルストロークとし
露出計、セルフタイマーを内蔵した「ペンFT」
「FT」から内蔵露出計を省略した
「ペンFV」の3機種が存在します。
いずれにしてもロータリーシャッターを搭載し
ミラー駆動を横置きとしてポロプリズムを使用して
接眼レンズへファインダー像を導きます。
この構造のため通常一眼レフでは必ず存在する
ペンタプリズム部の出っ張りはなく
フラットな上カバー部となっています。
さらに構造上、レンズマウントは巻き戻し側に大きくオフセットされ
デザイン的にもペンFならではのものとなっています。

お預かりしている「ペンFT」はまずシャッターが切れません。
ペンF系でよくあるミラーアップしたまま固着…といった状態ではなく
ミラーは通常の位置なのですがレリーズは押せず
巻き上げもできず…といった状態です。
加えて「FT」のセールスポイントのひとつである
内臓露出計は電池を入れ替えても全く動作しません。
電池室は一見キレイなのですが
中には昔の水銀電池が入ったままになっていました。
おそらく裏側の配線やハンダは腐食してしまっているものと思われます。

ペンF系でシャッターが切れない場合の原因は
ミラーアップしたままになっている場合もそうですが
シャッターユニットよりミラー駆動に問題がある場合が多いです。
今回もシャッターユニット単体では
ガバナが少し粘っている部分もありましたが
シャッター自体は何とか動作しているようです。
ミラー駆動が完全に固着してしまっていて
ミラーが動かないためシャッターも切れないといった状態です。
シャッターユニットも含めて
ミラー駆動部、巻上機構部等の動作部分の整備を一通り行います。
並行して電池室の配線交換を行い
露出計の調整整備を行います。

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