カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ニコンFG-20のカメラ修理

今日は「休養の日」らしいですよ。
「休(9)養(8)」と読む語呂合わせからだそうです。
「積極的休養」はコンディションを
整えるためにも大事ですね。
先日の「睡眠の日」でも触れましたが
しっかり体と脳を休めてやらないと
結局その後のパフォーマンスが落ちて
結果的にはしっかり休養した方が良いなんてことは
多々あるのですよね。
ただ単にダラダラ休むのもたまには精神衛生上よいですが
しっかり効率よくリフレッシュして
しっかり集中して仕事する…っていうのが
理想なんでしょうね。
まぁ、人間いうほど簡単にそうそう割り切れないもので
集中しなくてはいけないときに余計なことを始めちゃったり
休むべき時によけいなストレスや疲れることをしてしまう…というのも
日常あるあるですよねぇ…(笑
まぁ理想は理想として
短い健康寿命を
なるべくバランスよく効率よく
毎日を過ごしたいものです。

さてさて

本日は「ニコンFG-20」のカメラ修理を行っています。
1984年発売のカメラです。
ニコン初のエントリー機として1980年に
絞り優先オート専用機の「EM」が発売され
海外では好評だったものの国内では営業的には
いまひとつ振るわず
当時のスペック重視だったユーザー層に訴求した
マルチモード搭載の「FG」へと進化させ
さらにその「FG」からプログラムオートと
フラッシュTTL調光を省略し露出計も指針式としたのが
今回の「FG-20」です。
基本的にはやはり絞り優先オートで撮るカメラだとは思いますが
マニュアル可能なのでオートではカバーしきれない
撮影者の意図を反映した撮影が可能です。
機能的には上位の「FE」に迫り「FE」よりもコンパクトですが
ファインダーに設定SSや絞り値が表示されない等
やはり「FE」に比べると省略されている部分もあるので
その辺りには割り切りも必要かと思います。
「FG」とはデザインも少々異なり
巻上側の方が斜めに切り落とされているのも
デザイン上のアクセントになっています。
個人的には巻上レバー横の小さな「Nikon」のロゴが
何とも80年代らしさを感じて気に入っている部分です。

お預かりしている「FG-20」はおそらく
やはり長年眠っていた個体ではないと思われます。
比較的多用されているモルトは内部も含め
全滅でモルト屑があちこちに入り込んでいるような状態です。
心配される電子制御系には大きなトラブルはないものの
かなり電源が不安定で露出計指針が安定したかと思えば
上下に踊りだすようだすような状態です。
指針が安定してる時もオート制御は不安定で
指針で設定されているSSで動作しない状況も頻繁に起こっています。
いずれにしても接点やSW類の接触不良が原因かと思われます。

EMシリーズ共通で
カウンタが「1」にならないと露出計及びオートが
オンにならないようにSWが付いているのですが
ここの接触不良が多いような気がします。
今回はそれだけでなくレリーズ半押しの際の
SW接点がかなり接触不良なようです。
加えてそれらとは関係ないですが
シャッター羽根の根元部分の汚れで
シャッタ-自体の動きも悪いようで
SSが安定しないようです
これから分解を進めて電気的な接点やマグネット周りを
入念に清掃を行い機械的駆動部も清掃注油を行った上で
調整を行っていきます。

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コニカC35のカメラ修理

今日は語呂合わせでわかりやすく
「黒の日」ですね。
黒に関連した記念日でざっと調べても
「黒豚の日」「黒豆の日」「黒酢の日」
「黒あめの日」「カラスの日」「松崎しげるの日」等々
たくさんの記念日が制定されています。
「白髪染めの日」とかはないのですね…(笑
話が少しそれますが
さすがに最近白髪が目立つようになってきました。
黒い髪がまだ多い中にちょろちょろ白髪があると
一気に老けた感が出てしまうので
最近は定期的に白髪染めをするようになってきました。
全体的にはまだ大丈夫そうなのですが
生え際ともみあげに白髪が多くこれが目立つのです…
寄る年波には勝てませんねぇ…
まぁあまり見た目を気にするようなことももうないのですが
これはちょっと自己満足的に許せなくて
お手洗いで鏡を見るたびに
白髪チェックをするのがクセになってしまいました。
黒いのはもちろんですが艶とハリがあってしなやかな髪は
もう帰ってこないですね(苦笑)

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
正確に言うと初代C35をベースに
距離計を省略して目測式とし
セルフタイマーも省略した「C35 E&L」です。
1971年発売のカメラです。
目測となったことで使い方によっては
より簡単に素早く撮れるようになったカメラです。
C35のユーザー層や使い方を考えると
理にかなったモデルだと思います。
内部機構やレンズ、露出計・オート制御は
初代C35と変わりません。
ヘキサノン38mmF2.8の写りは定評通り秀逸です。
露出設定は露出計におまかせの
プログラムオート&プログラムシャッターで
余計なシャッターロック等がついていないことも
いざというときに役に立つと思います。
気軽にどこにでも持ち歩いて素早く撮るには
最適なカメラだと思います。

お預かりしている「C35」は
シャッターを切ると軽快なシャッター音はするのですが
肝心のシャッター羽根が全く動きません。
当然ながら写真は撮れません。
レンズシャッター機でよくある羽根の汚れによる
羽根固着はC35の場合は比較的少なく
よくあるのはシャッター駆動の源となる
円盤部の粘りなのですが
この歯切れのよいシャッター音を聞いていると
そこは元気に動いているような気もします。
とりあえず下カバーを開けて円盤部をのぞき込んでみると
やはりそこは元気にくるんと回って駆動力を生み出しています。
…となると羽根を直接動かしている駆動部の固着かと思われます。
加えて露出計は電池を入れても全く動きません。

電池室は一見キレイだったのですが
電池室裏の配線はボロボロで
完全に断線していました。
ここは配線交換で修理していきます。
シャッターはやはり羽根を駆動する基部がガッチリと
固着してしまっているようです。
ここがこんなに固着しているのは珍しいですね。
周辺にかなり緑青も出てしまっているので
少しばかり時間をかけてスムーズに動くように
修理していきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「石炭の日」だそうですよ。
「ク(9)リーン・コ(5)ール」(クリーンな石炭)と読む
語呂合わせからだそうです。
「黒いダイヤモンド」といわれていた時代もありましたね。
石油に移行する以前の化石燃料の代表でしたが
20世紀半ばには扱いがより容易で効率の良い
石油に置き換わっていきました。
20世紀初頭くらいまでは日本国内でも
数多くの炭鉱が存在していました。
それでも現在、2021年時点で74億トンの世界需要があり
世界的には炭鉱の新規開発計画も多いのだそうです。
石炭といえば…練炭や豆炭の原料でもありますね。
炭火焼の焼き肉とか焼き鳥とかが食べたくなってきます。
そして口の中の脂をキンキンに冷えたビールで
洗い流したいですねぇ(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
孤高の存在といえるハーフカメラ一眼レフです。
単にハーフ判の一眼レフというだけでなく
ハーフ判であることの利点を最大限に生かすために
35mm判一眼レフとは全く異なる構造を持つ
唯一無二の存在のカメラです。
それが故に現在でも非常に人気の高いカメラです。
構造的なモノや機能的なモノもさることながら
ペンタ部の出っ張りを持たない
横長のフォルムが何とも独特で非常に魅力的なカメラです。
後にTTL内蔵露出計やセルフタイマーが装備され
シングルストロークとなった
「ペンFT」も発売されこちらも現在でも人気です。
個人的にはどうしても経年上トラブルの多い露出計がなく
よりファインダーも明るく
巻上角も極端に大きくない(FTのシングルストロークは
巻上角が大きくストラップによくひっかかります)
従来の「ペンF」のほうが個人的な好みです。
使っていても楽しい非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「ペンF」は
レンズをつけていないと問題なくシャッターも動作するのですが
レンズをつけてレリ―ズすると
ミラーが完全に上がり切らない状態で止まってしまいます。
上がり切っていないのでシャッターも切れません。
レンズ側に問題があるのかな…と装着されている
38mmレンズを確認すると
確かに絞り羽根に油滲みが見られ羽根の動きも鈍く
これはこれで問題なのですが
それでもボディ側の動きを妨げるほど
絞りこみレバーの動きが重いわけでありません。
試しに当店で使用している正常なテスト用レンズを装着して
シャッターを切ってみても
やはりミラー上がり切らず止まってしまいます。
ミラー駆動部の動作不良でわずかな絞り込みの負荷でさえ
動きが止まってしまうようです。
積年の汚れや油切れが原因かと思われます。

「ペンF」もプリズムの腐食が多いカメラで
腐食がある場合交換プリズムの入手が困難なカメラです。
今回もファインダーの視野内ではほぼ腐食の影響はありませんが
視野外ギリギリのところに大きめの点腐食があることが
分解時に確認できました。
ただ、ペンFのプリズム腐食の多くは
他のカメラで多くみられるプリズム周辺のモルトが原因ではなく
プリズム内蒸着の経年劣化であることがほとんどです。
そのため対策の打ちようがないのですが
周辺の内部モルトはやはり加水分解していますので
そのあたりはきちんと対策しておきます。
独特の内部機構が多くそのせいもあり
定期的な整備を行わないと動作不良の比較的起こりやすい
カメラではないかと思います。
しかしながら構造自体はシンプルな部分も多く
キチンと整備を行えばまだまだ長く使えるカメラかと思います。
今回も入念に駆動部の整備を行い
まだまだ長く使えるように仕上げていきます。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「ベッドの日」だそうです。
英語表記の「good sleep day」の「グッドスリープ」を
「グッスリ」と読み、「9」と「3」の語呂に合わせたものだそうです。
私は普段、ベッドではなく布団を敷いて寝ますが
いずれにしても睡眠は大事ですねぇ
若い頃は少々寝なくても何とか毎日を乗り越えられましたが
献年は睡眠不足は明らかに悪影響が顕著に出ます。
なるべく7時間睡眠を取るようにしているのですが
なかなかそうもいかないことも多いのが現実です。
個人差があるとは思いますが
睡眠時間6時間が3日続くと
明らかに集中力や判断力が落ちるのがわかります。
身体や手指の動きも明らかに鈍くなります。
やはり睡眠時間って大事ですね。
寝つきは良くていったん眠ると朝まで一度も目が覚めないので
ぐっすり眠れているとは思うのですが
これからの季節、気候も良くなって
ますます気持ちよく眠れそうですね。
寝坊しないように気をつけなければ…(笑

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のカメラです。
キヤノン最初のコンパクトカメラです。
当時まだまだ高級品で高根の花だったカメラを
キヤノンの社員たちが自分たちの収入で
買えるものをと望んだことから
18,000円という当時破格の値段で発売されたカメラです。
レンジファインダーを搭載し、45mmF1.9の大口径レンズ
シャッターはコパル製で1/500~1S・Bをカバーし
セレン光電池露出計連動でシャッタースピード優先オートまで
搭載します。その上、露出計はオフとなりますが
マニュアルでの露出も可能です。
レンズが固定式であること以外、ほぼ当時の最高峰の
性能を持ったカメラでした。
それがこれまでになり破格のお求めやすさで登場したので
もちろん飛ぶように売れ大きな社会現象にまでなったカメラです。
キヤノネットの登場はカメラの低額化・高機能化に
ついていけなくなった多くのカメラメーカーが
倒産・撤退するきっかけともなりました。

お預かりしている「キヤノネット」は
心配されるセレンも元気に起電していますが
たまにシャッターが切れないことがあるようです。
お決まりのシャッター羽根の粘りと巻上ロック機構に
少し動作不良があるようなので
このあたりが原因かと思われます。
加えてキヤノネットにはオート時に明るさや
シャッター設定が露出計連動外だとシャッターロックがかかる
昨日がついていますがこれが少し誤作動を起こすこともあるようです。
これも駆動部が少し粘っているためのようです。

巻上や巻き戻し機構は底部に配置され
上カバー部はシャッターボタンのみで非常にすっきりしています。
そこに筆記体で「Canonet」の刻印…なんともオシャレですね。
当時としては破格の価格で登場しましたが
中身の造りを見ても安っぽさは微塵も感じられません。
お求め安くできた要因は生産と部品の効率化です。
素材や造りには全くコストカットの手は入っていません。
まだまだそういう部分で改善の余地があった時代ということですね。
なので使っていても質感が高く満足度も高いと思います。
加えて内部の整備性も非常に良好です。
シャッタースピード優先オート露出機構も
非常によく考えられて巧く造りこまれています。
この時代ならではの良さが存分に味わえるカメラだと思います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「民放ラジオ放送開始記念日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
名古屋の中部日本放送(現:CBCラジオ)と
大阪の新日本放送(現:毎日放送)が
日本初の民放ラジオとして放送を開始したことが由来となっています。
太平洋戦争終結後の1950(昭和25)年に
民間放送の設置が認められる放送法が公布施行され
翌年の開始だったそうです。
ちなみに民放テレビ放送の開始はさらに翌年からとなっています。
中学生の頃とか布団の中にもぐりこんで
よく深夜ラジオ聴いていました(笑
たまに親父のクルマで出かけるといつもAMラジオがかかっていましたし
その放送がまたおもしろかった記憶が残っています。
あのちょっとノイジーなAMラジオの音が
何ともノスタルジーでいいですよね。
今でもたまに聴きたくなって枕元にラジオおいて聴くこともあります。
FM放送への転換が進んでAMラジオ放送がなくなってしまうのは
何とも寂しい気もしますがこれも時代の流れですね…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のカメラです。
ニコン初のエントリークラスのカメラでもありますね。
入門機とするためにこのとき既に他メーカーからも
出ていた「絞り優先オート露出」専用機とし
エンジニアプラスチックを多用しています。
前年の1979年には海外で先行発売され
その売れ行きと評判は上々で
満を持して国内投入されましたが
発売当初の国内でのリアクションは今一つでした。
高級カメライメージの強い当時のニコン製品としては
「安っぽい」という捉えられ方をしてしまったようです。
同クラスのカメラとしてはかなり質感高かったのですが…
この時代のニコンユーザーは今以上に保守的だったと思われますし
なかなかこれまでのイメージ上、難しいものがあったかと思います。
「絞り優先オート専用機」ということで
当然、電子制御シャッター機ですが
1/90とバルブは機械制御で電池ナシで駆動します。
このあたりもエントリー機とはいえニコンらしく
当時のフラッグシップF3同様にジウジアーロデザインで
デザイン上もF3に近い部分が多く
今見ても非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「EM」は
巻き戻しクランクの破損だったり
セルフタイマーレバーの欠落だったりと
外装部にダメージが結構ある現状です。
シャッターや露出計に大きな問題はなさそうですが
落下していると思われ
レンズのフィルター枠等にもダメージがある状態なので
できる限りの修復と整備を一通り行います。

画像には写っていませんが
「EM」の巻き戻しクランクは破損していることが多いです。
力のかかる部分がプラスチック製で
それが経年劣化で脆くなっていることもあり
クランク部が破損している個体も多いイメージです。
今回はもう破損しているため反対に良かったのですが
分解時にここを外すときに非常に神経を使う部分です。
中身は電子制御機ということもあり
フレキも多く少々ややこしいですが
それでもこの類のカメラとしては
非常に整備性も良好です。
このあたりはさすがこの時代のニコンですね。

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キヤノンFXのカメラ修理

今日は「野菜の日」だそうですよ。
「や(8)さ(3)い(1)」(野菜)と読む
語呂合わせからですね。
一人暮らしで気ままな食生活をしていると
ついつい野菜不足になってしまうので
意識して野菜は摂るようにしています。
一人だとまとめて買えないから分量が難しいのですよね(苦笑)
野菜自体は全く嫌いではないですし
この歳になると野菜のほのかな甘みが美味しいのですよねぇ…
生野菜だとドレッシング等も必要ないですね。
ドレッシングで思い出しましたが
8/24は「ドレッシングの日」なのですね。
カレンダー上でちょうど「野菜の日」の真上となり
野菜にかけるドレッシングということらしいです。
「ショートケーキの日」と同じ理由ですね。
話を戻しますが今は季節柄生野菜をいただくことが多いですが
火を通した野菜も摂らないとダメですね。
寒くなってきて鍋の季節になると
比較的摂りやすいのですが…早く秋にならないかな…(笑

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
キヤノンFシリーズの第一号機ですね。
基本的に「旧F-1」を含む「Fシリーズ」全般の
巻上やシャッター機構はこの「FX」のものが
ベースとなっています。
FDマウントに繋がる「キヤノンFLマウント」採用の
一号機でもありますね。
露出計は内蔵するもののいわゆる「外光式」で
上カバー肩部にある受光用窓に配置された
CDSで測光を行います。
測光時に受光部を隠さないように注意が必要ですね。

お預かりしている「FX」はシャッターを切ると
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
ミラー駆動部の動作も少し重そうですが
原因の大半はそれよりもシャッタ幕の走行不良にありそうです。
走行完了後にミラーダウンレバーをうまく蹴れないのだと思われます。
本来、「Fシリーズ」のシャッター音は
乾いた非常に歯切れのよい作動音が特徴ですが
現状の「FX」が濁った金属音の混じった
少し耳障りな作動音がしています。
汚れや幕軸の油切れが原因かと思われます。
そんな状態なのでやはり高速シャッターの精度も出ていません。
露出計はバッテリーチェックは不安定ながらなんとか動作しますが
露出計に切り替えると全く動きません。
SW部端子には結構な緑青が溜まっていて
接触不良を起こしてしまっています。

「FX」も非常にプリズム腐食の多いカメラで
大半の個体がプリズムが腐食してしまっています。
今回の「FX」は預かり時にファインダーを覗いた際に
腐食が見当たらなかったので「めずらしいな…」とは
思っていました。
開けてみるとプリズム蒸着面への浸食はなかったですが
やはりプリズム抑えのモルトは加水分解でボロボロで
かろうじてプリズムカバーで浸食を堪えている状態でした。
これもあと数年たつと蒸着面への浸食が
始まったと思われます。その前に整備できることができてよかったです。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「ハッピーサンシャインデー」だそうですよ。
太陽のような明るい笑顔の人のための日。
この日に生まれた人は笑顔の素敵な人が多いことから
生まれた記念日だそうです。
また、明るい笑顔で過ごせばハッピーな気分になれる日ともされています。
何だか字面だけみると非常に明るくさわやかな感じですが
今日は太陽の勢力が強すぎて
8月末だというのに殺人的に暑すぎますね…(苦笑)
「ハッピーサンシャインデー」どころか
ただの「暑苦しい日」になってしまいそうです…
とはいえ明るい笑顔は大事ですね。
暑さに負けず明るい笑顔で過ごせるように
万全の対策を持ってがんばりましょう
関東内陸部では40℃に迫るそうですから
屋外はもちろん、屋内にいても
熱中症対策には本当にお気をつけください。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
発売当時の宮崎美子さんのCMが
季節的にも合いますね。
1980年発売の絞り優先オート専用のエントリー機です。
当時は絞り優先オートで40,000円というのが
税制上の理由もあり各メーカー定番の商品で
普及価格帯ということもあり
熾烈な販売合戦を繰り広げていました。
そんな中でも「X-7」は先述のCM効果もあり
セールス的にもかなり好調なヒット作となりました。
エントリークラスということもあり
コストカットされた部分もいくつも垣間見えるのですが
非常に上手くまとめられたカメラだと思います。
ミノルタらしい使い心地のよさや
ファインダーのキレも上級機譲りで
使っていて非常に気持ちの良いカメラです。

お預かりしている「X-7」は
おそらく近年はほとんど使われていなかったようです。
そしてひさしぶりに使おうかと思ったら
電源が全く入らない…というパターンです。
電池室は一見キレイなのですが
やはり背面のハンダにかなり劣化が見られ
配線も含めて導通しない状況になってしまっています。
まずは電源を入るようにして
シャッター等の動きを確認することろから始まります。
その後、シャッター自体は大きな問題はなかったのですが
抵抗や接点の汚れ等の原因で
露出計やオート制御が非常に不安定なことも発覚しました。
機械的な部分は大きなトラブルは見られませんが
電子制御機の肝ともいえる各接点やマグネット吸着部の
清掃整備を入念に行っていきます。

「X-7」といえば現存する大半の個体が
プリズム腐食を起こしていることが有名ですが
今回の「X-7」は過去にモルトやプリズムの交換歴が
なさそうなのにもかかわらずファインダー内で観る
プリズムは良好な状態です。
しかしながら実際に分解しプリズムを降ろしてみると
やはりプリズム前面のモルトは加水分解していて
プリズムの前面にも浸食が始まっていました。
ただ、影響はまだ小さくプリズムの表面塗装面に
少し浸食している程度だったので
まだ蒸着への影響は全くありませんでした。
しかしながらこのままの状態だと
数年以内にプリズム蒸着面にも浸食してしまうため
入念に対策を行っておきます。
今はまだプリズム交換もできますが
近い将来、きっとファインダーのキレイな「X-7」も
貴重なものになってしまうかもしれませんね。

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ミノルタレポのカメラ修理

今日は「テレビCMの日」だそうですよ。
1953(昭和28)年のこの日に開始された
民放の日本テレビで、日本初のテレビCMが放送されたそうです。
初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店(現:セイコーホールディングス株式会社)の時報でした。
このCMは本来30秒スポットでしたが
フィルムが裏返しになっていて、音も不明瞭だったそうです。
そのため、正午に放送された初CMはわずか3秒で
中止されるというハプニングがあり
同日夜7時に第2号CMとして改めて放送されています。
この「7時をお知らせするCM」を毎年この日に
見ている気がします(笑
同じように毎年調べているから当然ですねぇ…
最近はほぼほぼ地上波テレビを見ることがなくなったので
最近はどんなCMが流れているのか知らないのですが
テレビCMの力って大きいですよねぇ
何度も刷り込まれるから思わず口ずさんでしまうような
CMソングやフレーズが過去にもたくさんありました。
時代を反映している面もたくさんあるので
過去に流行ったCMをたまにyoutubeで観たりしますが
CM単体で面白いものも多いですね。

さてさて

本日は「ミノルタレポ」のカメラ修理を行っています。
レポシリーズはミノルタのハーフ判カメラのシリーズです。
存在としては巣少しマイナーなポジションです。
それというのもミノルタでは16mmフィルムを使う
ミノルタ16シリーズという非常にコンパクトなカメラがあり
これがなかなかのヒット作となっていたので
コンパクトさということで競合するハーフ判に関しては
参入が遅れました。
1963年に「レポ」が発売され
翌年にその上級版ともいえる「レポS」が発売されましたが
その頃にはハーフ判カメラの市場は縮小に向かっていて
結局この2機種だけでレポシリーズは終わってしまいました。
セールス的な面では不遇でしたが
ミノルチナシリーズをベースとして開発された
レポ2機種はどちらもなかなかの完成度で
現在でも根強いファンが多いと思われます。

今回は先に発売された「レポ」の修理を行っています。
非連動のセレン式露出計を搭載し
指針合わせをすることによってプログラムシャッターで
撮影するカメラです。
プログラムシャッタなのでSSと絞りの組み合わせは
シャッターユニットにお任せです。
ミノルチナPをハーフ判にしたようなカメラともいえると思います。
組み合わされるレンズはロッコール30mmF2.8
ピントは目測式で巻上はハーフ判では
お馴染みのダイヤル式です。

お預かりしている「レポ」はちょっと珍しい
ブラック塗装で外観は非常にキレイです。
ただシャッターを切ることができません。
巻上ダイヤルも固まったままで動かせない状態です。
レリーズボタンも固着して押せない状態です。
下回りから確認するとシャッターユニット側の
チャージは完了しているようなので
レリーズロックの動作不良で固着しているものと思われます。

画像は取り掛かり始めのモノですが
やはり固着の原因はレリーズ機構の動作不良でした。
シャッターが切れるようになってわかりましたが
やはりシャッタ-羽根や絞り羽根にも粘りがあって
動きが非常に緩慢です。
でもそれは想定内というかいずれにせよ分解して
整備を行います。
レンズにもそれなりのカビが生えています。
ただ致命的な破損等はなく通常の清掃整備で
本来の動きを取り戻せそうです。
心配されるセレンの起電状況はなかなか良好で
これであれば整備後には全く問題なく
当時に近い状態で撮影を楽しめそうです。
できるだけ長く快適に使っていただければと思います。
これから本悪的に分解整備に取り掛かっていきます。

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ヤシカミニスターのカメラ修理

今日は「即席ラーメンの日」だそうですよ。
1958(昭和33)年のこの日に
世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が
日清食品株式会社より発売されたことに由来しています。
カップラーメンにしても袋ラーメンにしても
手軽に食べられる上に美味しいですよねぇ…
夜中にやたらと食べたくなるんですよね(苦笑
袋ラーメンだと子供のころから親しみのある
「ちゃんぽんめん」や「出前一丁」が好きですが
近所のスーパー等では意外と手に入らなかったりします。
特に「ちゃんぽんめん」は西日本の一部でしか見かけません。
とはいえ、ここ数年、即席麺を口にすることは
随分少なくなりました。
ただ、この季節…外で汗びっしょりかいて
おなかすかせて帰ると
やたらとカップ焼きそばが食べたくなるのです…
湯切りするから熱い汁もなくこの季節でも食べやすいし
味もめちゃくちゃ濃いから満足度が高いのです。
そしてそのカップ焼きそばにビールがめちゃくちゃ合うのです…
ごくごく一気に飲み干してしまいます。
あまり身体に良くなさそうなのでたまにしかやりませんが
カップ焼きそばとビールの組み合わせはたまりませんねぇ…

さてさて

本日は「ヤシカミニスター」のカメラ修理を行っています。
正確に言うと今回は1962年発売の
「ヤシカミニスターⅡ」ですね。
機能的には初代と変わりませんが
ダイキャストが変更になっているとレンズ構成が変更になっています。
非連動のセレン光電池露出計を搭載します。
露出計表示は当時多かった「LV」表示で
絞りSS設定リングも「LV値」設定となっています。
シャッターユニットはコパルSVLで1/500~1s・Bをカバーします。
レンズはヤシノン4.5cmF2.8を搭載します。

お預かりしている「ミニスターⅡ」は
一応は一通り動作するものの
各部の動きが汚れ等の影響でかなり重く
巻上にも問題がありそうです。
露出リングもかなり重くなってしまっています。
そしてレンズ・ファインダーのカビや汚れがかなり深刻です。
撮影上問題ないレベルにはなると思いますが
多少のカビ跡は残るかと思われます。
シャッターも一見、動作はしていますが
やはり粘りはあり動きが緩慢です。
ただ、心配されるセレンの状態は良く
明るさに対してほぼ問題ない数値が出ています。
セレンがダメだと残念ながら修理不能になるので
非連動とは言えセレンが元気なことには安心しました。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
露出リングのガタがやけに大きいな…と思っていたら
リングを留めているネジ3本のうち1本が折れて抜け落ちていました。
過去に大きなショックも受けているかもしれません。
機械的駆動部を入念に清掃整備して
スムーズに動作するように整備を行っていきます。
大きな破損等はなさそうなので
快適に撮影に使用できるレベルに仕上がられると思います。

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ニコンNewFM2のカメラ修理

今日は「愛酒の日」だそうですよ。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の誕生日に由来しています。
牧水さんのお酒にまつわるエピソードはいろいろあって
一日一升程度の酒を呑んでいたといわれています。
一升…って一升瓶1本ですよ。1.8l…すごいでねぇ…
で、やはり死の大きな要因となったのは肝硬変だったそうです。
夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と
医師を驚嘆させたといわれています…
私はめっきり酒量は少なくなってしまいましたが
やはりお酒はどれも美味しいですねぇ…
正確に言うと私の場合、お酒単品だとあまり進まなくて
酒の肴と組み合わせるとお互いに味を引き立てあって
止まらなくなるのですよねぇ…(苦笑)
この季節だと適度に涼しい部屋で
刺身に日本酒が最強ですねぇ…
いずれにしてもお酒はほどほどに…(笑

さてさて

本日は「ニコンNewFM2」のカメラ修理を行っています。
1984年発売のカメラです。
源流はニコマートFT系でそこから
「FM」→「FM2」→「NewFM2」と着実に進化を遂げたモデルです。
フィルムカメラ全盛期に「機械制御マニュアルカメラ」といえば
一番に「NewFM2」の名がイメージされていたと思います。
今でも非常に人気の高いカメラで中古市場でも高値で取引されているようです。
特徴はなんといっても最高速1/4000&シンクロ1/250のシャッターですね。
スペックもすごいですが適度にコンパクトなボディと
使いやすさもあって写真学校生の定番モデルと言われ
長い間各校の推薦を得ていたそうです。

お預かりしている「NewFM2」はスクリーンが外れた状態で
当店にやってきました。
スクリーンは下から取り外せるタイプなので
枠留め等に破損がないことを確認して取り付ければよいのですが
どうしてスクリーンが外れてしまったのかと観察してみると
結構なショック品かと思われます。
それなりの高さから強めに落下したものと思われます。
その影響で巻上ロックの動作不良が起きていて
巻上できない状態でした。
シャッターそのものはそれなりの精度で動作しているようで
そのへんはさすがの丈夫さですが
露出計がやけに不安定で時々「-」に振り切ったままになっているようです。
こういう場合に心配されるのがシャッターダイヤル下にある
露出計LED制御部の破損や割れで
ここがダメだと当店では修理不能となってしまいます。
分解して調べてみると制御部自体は無事でしたが
露出計アースバネの外れと変形があり
ここが原因で露出計の動作がおかしかったようです。
加えてファインダー内に絞り値を直読させるためのミラーが
木っ端微塵になっていました…(苦笑)

基本的には丈夫な「FM2」ですが
やはり落下や大きなショックには弱いですね。
金属製で自重もそれなりにあるので
外装へのダメージも大きいです。
今回も上カバーにかなり歪みが出てしまっていますが
これは残念ながら修復不能です。
ただ機能的には問題ありませんが…
カメラは精密機械なので基本的に大きなショックには弱いです。
撮影に際や持ち歩く時には落とさないように
細心の注意を払っていただければと思います。
基本的にシンプルで丈夫な構造ではある「FM系」ですが
LED露出計は比較的トラブルが多く
何かあった際には修理不能になることが多いです。
当時はショックに弱い指針式よりも丈夫といわれていた
LED式ですがなにかあってもなんとかなる可能性の高い
指針式に比べてFMに限らずLED式は何ともならない場合が多いです。
ここに関してはもっとシンプルな
指針式露出計でよかったのに…とは思います。

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