月別アーカイブ: 2018年7月

ローライコードのカメラ修理

今日は「七夕」ですね。
西日本ではとんでもない天気になっていますが
早く心穏やかに夜空を見上げられるようになってほしいです。
都内では織姫、彦星は何とか確認することはできますが
織姫、彦星の間に横たわる天の川や白鳥座の全体までは
なかなか見ることができませんね。
どこか空気の澄んだ空の暗いところに行って
ゆっくり星空を見上げてみたいものです。

さてさて

本日は「ローライコード」のカメラ修理を行っています。
基本的に当店では国産カメラの取り扱いが主ですが
状況によってはローライあたりなら修理を行います。
ただし、交換部品は全く確保していない(ミラーを除く)ので
部品交換が必要な修理は残念ながら不可能です。

お預かりしているローライコードは
レンズにトリオター7.5cmF4.5がついているので
1a型かと思われます。
写りの評価が非常に高いレンズですね。

肝心のレンズにはクモリが見られます。
レンズのクモリは取れないことも多いのですが
できる限りの清掃を行います。
シャッター羽根、絞り羽根には若干の粘りが見られ
レリーズレバーの戻りも悪いようです。
さすがに動きの悪いところが多いですね。
加えて古い二眼レフはどれもですが
ファインダーが非常に見え辛い。。。ミラーが腐食しているようです。
ミラーは新しいものから切り出して交換を行います。

取り出したミラーですが、
とてもとてもまともに反射する状態ではありません。
暗くて見えにくいとはいえ
この状態でよくファインダー像が見えるものだと思います。

今回は本家本元のローライの二眼レフですが
二眼レフは他メーカーや日本製のものも含めて
それぞれなかなか個性があって楽しいものばかりですね。
違いを確かめるためにいろいろなものに手を出し始めると
大変なことになりそうです(笑)

これから本格的にシャッターユニット周りの整備から取り掛かります。
トリオターF4.5の写りを存分に楽しめるように
整備していきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
ピアノが弾ける人って憧れますよねぇ。。。
中学生くらいから30歳くらいまでは
趣味でギター弾いていましたが(めちゃ下手くそでしたが)
やっぱりピアノが弾けるほうがステキだなぁ。。。と思っていました。
まぁ、もう今更、自分が習おうとは思いませんが。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
最近、OM-1の修理が多いですね。
もともと人気の高いカメラですし
これからフィルムの一眼レフを始めてみよう!という方にも
軽量でコンパクトなOM-1は最適な1台だと思います。
露出もピントもマニュアルなので
慣れは必要ですがそういうカメラの基礎的なことを
覚えていくにも良いカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は
ご依頼者様が昔から愛用しているものとのことですが
随分長い間、使われていなかったものと思われます。
まず裏蓋が開きません。。。
ご依頼者曰く、
「以前、モルトが劣化したときにスポンジを貼ったのだけど
それがくっついてしまっているのかも。。。」とのことでしたが
仰せの通りスポンジを接着した両面テープらしきものが
蓋までくっつけてしまっているようです。
まぁ、それは大したことではないのですが
全体的に動きはやはり悪いですね。

高速シャッターでは露光ムラがあり
低速シャッターではスローガバナの粘りで
1秒のシャッタースピードで5秒くらいかかってしまいます。
露出計はズレもありますが少々不安定です。

マウント奥に見えているのがシャッタースピード制御部と
スローガバナーです。
OM-1はそれまでの一眼レフと比べて
軽量コンパクトに仕上げるために
独創性の強い構造になっていますが
このスローガバナーも独特ですね。
とはいえ粘り・固着の原因はやはり汚れや油切れです。
取り外して清掃・注油で症状は改善すると思われます。

ところで、今回のOM-1もそうだったのですが
現在では水銀電池が入手できないので
LR44等で代用されている方も多いと思います。
電圧変換型の電池アダプタを使用している場合なら
問題はないのですが
スペーサー等を使ってそのままLR44を使用されている場合
電圧は水銀電池の1.3Vより0.2V高い1.5Vとなります。
OM-1だけでなくこの時代のカメラ内蔵露出計のほとんどがそうですが
電池室からスイッチ・CDSを経由して露出計にそのまま入っていくため
電圧の差は露出計の指針の振れに直接影響します。
OM-1の場合だと0.2Vの違いで約1.5段アンダー表示となります。
結構な差が出てきてしまうので
電圧を変換するか露出計を1.5Vに合わせて調整する必要があります。
今回は1.5Vに合わせて露出計の調整を行います。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は「穴子の日」だそうですよ。
穴子といえば個人的には宮島の「あなごめし」ですねぇ
うな丼と同じように穴子を蒲焼にして
ご飯の上に乗せたものですが
これがまたちょい甘めのタレにふっくらした穴子が
絶妙のコンビネーションで美味しいのです!
前回食べたのはもう10年以上前かな。。。(汗)
なかなか宮島に行く機会はありませんが
また食べに行きたいですねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコマートFT系も頻繁に修理依頼のあるカメラです。
それだけ現在でも人気が高いカメラだということですね。
ニコマートFTNは1967年発売です。
前回のニコマートFTNのブログでも書きましたが
「開放F値補正操作」が採用され(いわゆる「ガチャガチャ」)
絞りリングを一往復させることで
レンズ開放F値がボディ側に伝わるようになりました。
先日もあったのですが
家に仕舞ってあったニコマートが出てきて使ってみたいと
修理に入るパターンも多いのですが
フィルムカメラにあまり詳しくない方だと
この「ガチャガチャ」を知らない方も多いのです。
(まぁ冷静に考えれば当たり前ですよね)
これを行わないとたとえ露出計の精度が出ていたとしても
露出計は正しい値を示すことができません。
フィルムカメラ初心者の方でお手元にニコマートFTNやFT2がある方は
ご注意いただければと思います。

話が横道に逸れてしまいましたが
今回、お預かりしているニコマートFTNは
一通り動作はしていますが
シャッター速度がいまひとつ不安定なことと
露出計のズレ、モルト劣化、ファインダー汚れ等々。。。
このままでも使えないことはないですが
快適に使うためにはリフレッシュが必要な状況です。
おなじみのコパルスクエアシャッターは
そう簡単に動かなくなることはないですが
やはり羽根の汚れ等々で精度が出ていないことは多々あります。

まだまだ分解途中の段階の写真です。
コンデンサレンズとファインダースクリーンが写っていますが
今回のFTNは意外と探すと数の少ない
スプリットイメージのスクリーンが装着された個体です。
(わかりにくいですが巻上レバー化粧蓋の「A」マークも写っています)

スクリーンは長い間、未整備で放置されているものだと
大抵の場合、劣化したモルト屑でゴミだらけになっています。
細かいモルト屑がスクリーンのフレネル(同心円上の細い溝)に
入り込むとエアブローくらいではなかなか取れません。
大抵の場合は洗浄することで対応いたします。
ファインダースクリーンはプラスチック素材でできた
非常にデリケートな部分です。
エアブローならあまり問題ないですが
ゴミや汚れが落ちないからとアルコールや綿棒等で
拭いてしまうとフレネル部分が破壊され
ほぼ間違いなく拭き傷になってしまいます。
スクリーンの清掃はできればお任せいただければと思います。

今回も随分、スクリーンにモルト屑が張り付いてしまっているので
慎重に洗浄することでできる限りキレイにしていきます。

その前にまずはシャッター周りです。
これから分解を進めてシャッターユニット、
ミラーボックス周りの整備から取り掛かります。

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リコー35デラックスのカメラ修理

今日は7月4日ということで「梨の日」ですよ。
ちょっと実際の旬には早いですが。。。
個人的に桃と並んで一番好きな果物ですねぇ。。。
昔は毎年、梨狩りに行くのが恒例でした。
ありきたりなのですが「幸水」が酸味も少なくて好みかな。。。
早く普通にスーパーに並ぶ時期は待ち遠しいです。
あ、その前に今年も桃をしっかり堪能しなくては!(笑)

さてさて

本日は「リコー35デラックス」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のレンズ固定式のレンジファインダー機です。
発売されてから60年以上が経つとは思えないほどの
キレイな個体です。
この時代ですからレンズ固定式といえど
それほどコンパクトではないですし、総金属製なので
ずっしりと重いですが、そこがまた良いのですよね。
シャッターユニットはこの時代の多くの高級カメラに使われている
セイコーシャMXLが搭載されています。
レンズはリケノン4.5cmF2です。
巻上レバーは底部に配置されています。

お預かりしている個体は
先述のように外観のコンディションは非常に良いのですが
シャッタースピードリングが異様に重い状態です。
加えて巻上が1度できちんと巻き上がらず
しっかり巻き上げてもレバーが戻った後に
もう少しだけ巻き上げないときちんとチャージできない感じです。
普通のカメラでもさっと巻き上げるとたまに巻上きれていなくて
もう少し巻上直すことはあると思いますが
(こういうのはしっかり巻き上げきれてないだけ)
この35デラックスは慎重に最後まで巻き上げているのにも関わらず
巻き上げきれない状態です。

ある程度分解したところで判明したのですが
どうやら過去に分解されたことがある個体のようです。
そのときの組み上げ方が間違っているために
SSリングが重かったり
巻上のギアの噛み合わせがズレていて巻き上げきれないようです。
こういう個体は細かく見ていかないと
どんなトラブルが潜んでいるかわかりません。
シャッターユニット、ヘリコイド部、レンズ、巻上機構、レンジファインダー
各部を整備しつつ慎重にチェックしていきます。

写真は整備完了後のものです。
もちろん巻上のトラブルは解消されています。
メッキ部分が美しく眺めているだけで楽しくなってきますね。
紛失していることも多い金属性純正キャップも
質感も高く、古きよき時代を感じさせます。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は1年の折り返しの日で半夏生で「うどんの日」です!
うどんといえば私の生まれ育った呉名物の
「呉の細うどん」がやはり最高です!
(もちろん個人的見解です)
呉市中央の市営テニスコートの裏に
昔からある「一心」といううどん屋さんがあるのですが
今でも無性にここのうどんが食べたくなります。
このうどん食べるだけに呉に行って来てもいいなぁ(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
ペンタックス最初のカメラ、ペンタックスAPの
普及版として作られたカメラです。
このモデルから「一軸不回転式シャッターダイヤル」となりました。
それまでのモデルは低速シャッターは別ダイヤルに分かれていて
高速側シャッターダイヤルはシャッター幕の動きに合わせて
回転していたのです。
その後主流となる一眼レフの形に少しずつ変化している時代のカメラです。
発売は1959年でかなり多く販売されたカメラです。

お預かりしているS2はシャッター幕が硬化してしまっていて
もはや普通にシャッター幕が走行することができません。
布幕シャッターは布だけでできているわけでなく
遮光のためにゴムの層があるのですが
このゴムが劣化してしまうため硬くなってしまったり
波打った状態になってしまいます。
保管状態にもよりますが
1950年代に発売されたカメラはさすがにシャッター幕が
既に使い物にならない場合が多いです。
ペンタックスで言えばSV以前のカメラは
シャッター幕交換が整備の前提になる場合が多いと思います。
(他、ミノルタSR-1、2,3あたりと
バルナックタイプのカメラ全般は幕が劣化してる場合が多いです)

写真は既に整備完了後のものです。
本来、ペンタックスS系は軽やか且つスムーズな巻上が魅力ですが
幕の劣化のせいで巻上が重くなっているものも多々あります。
今回はシャッター幕交換と同時にもちろん巻上、ミラー駆動部等々
一通りの整備を行ったおかげで非常に軽やかな巻上になりました。

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オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「ウォークマンの日」だそうですよ。
1979年7月1日に最初のウォークマンが発売されたそうです。
当時はお気に入りのカセットが外でも聴ける。。。なんて夢のようでした(笑)
さすがに発売開始からは数年遅れましたが
小学校6年生の頃にウォークマンではなく
「東芝Walky」を祖父母に買ってもらい毎日使ってましたねぇ
でもそのうち「スピーカー」が付いているほうがいいなぁ。。。と
じいさんが寺で法話を録音するために使っていた
「ナショナル旅カセ」を拝借するようになりました。。。懐かしい(^^;)

さてさて

本日は「オリンパスペンEES」のカメラ修理を行っています。
ペンEEシリーズは「ボタンひとつで誰でも撮れるカメラ」として
発売されました。
EESはその「EEシリーズ」の派生モデルで
露出がオートなのは同一ですが
ピントがゾーンフォーカスになったモデルです。
固定焦点の「EE」だとピントは2.6mで固定されていて
被写界深度でそれなりに写すことになりますが
ゾーンフォーカスであれば目測とはいえ
よりシャープな写真を撮ることができるとは思います。

今回はたまたま全く別のご依頼者様から
2台立て続けに修理依頼が入ったので
一気に2台のEESの修理・整備を行います。
どちらもかなり長い間使われていないようで
モルトはボロボロでシャッターの動きも良くなく
オート露出は不安定です。
ちなみにペンEE(S)やペンS、ペンDの
取り外し式の裏蓋の底部に貼ってあるモルトは
通常一眼レフ等でよく使うモルトよりも
厚いもので貼らなくてはいけません。
1mmや1.5mmのモルトだとせっかく張り替えても
光線漏れを起こす可能性がかなり高いと思います。

ペンを含むオリンパスのコンパクトカメラには
光量不足のときにファインダー内に出てくる
「赤ベロ」が特徴ですが
今回、お預かりの2台はどちらも赤ベロが作動せず
光が足りなくてもシャッターが切れてしまいます。
これも赤ベロ作動部の動作不良が原因です。
このタイプのコンパクトカメラやレンジファインダーでは
レンズキャップを付けたまま
うっかり撮ってしまうことも多いかと思いますが
(私も過去何度も失敗しました)
この赤ベロはそんな失敗の防止にもなります。
(レンズキャップをしているとセレン受光体が覆われるため
間違いなく光量不足になり作動する)

構造はシンプルなカメラなので一通り分解して
徹底的に清掃を行います。
どちらもレンズにかなりカビがありましたが
清掃で除去できるレベルで非常にキレイになりました。
このカメラの分解で注意しておかないといけないことは
ピントが前玉回転式なので
分解前の位置をしっかり記録してから外すことです。
いいかげんに外していいかげんにつけると
ピントが全く合わないカメラになってしまいます。
もちろん正しい位置に組みなおした上で
ピント点検、必要であれば調整もしっかり行います。

1台目がまず組みあがりました。
いつ見ても何ともいえないレトロさが魅力的なカメラですね。
修理始めたばかりの頃、すごく欲しかったことを思い出しました。

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