今日は11月8日。。。「いいは」ということで
「いい歯の日」、もうひとひねりして「刃物の日」だそうです。
自分の歯が大切で手入れも怠ってはいけないのは
当たり前ですが。。。
仕事でもカッターナイフやら刃物を使うことも多くありますが
本当に切れない刃で作業するほど危ないことはないと思います。
その作業を失敗する確率ももちろん高くなりますし。。。
カッターナイフだけでも3種類は使いますが
少しでも「切れなくなったな。。。」と思ったら
躊躇せず取り替えるようにしています。
ハンダコテの先も同様です。
ここでケチケチすると結果的に大変なことになってしまいます(汗)
あ、仕事の道具はいいのだけど。。。
自宅の包丁が研いでも全く切れないのだった。。。(苦笑)
思い切ってちょっと良い包丁買おうかな。。。
さてさて
本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
発売は1961年です。
この頃になると市場では既に一眼レフ機への移行も進みつつあって
各メーカーからも一眼レフモデルが登場しています。
とはいえ、まだまだレンズ交換式のレンジファインダー機の人気も高かかった時代です。
キヤノンは30年余りレンズ交換式レンジファインダー機を生産しましたが
この「7シリーズ(7・7S)」が、その集大成ともいえると思います。
生命線ともいえるファインダーは張り合わせプリズムを使用した
非常にコストのかかったファインダーです。
等倍ブライトフレーム切替式で
35/50/85+100/135mmのフレームを表示することができます。
もちろんパララックス補正機能付きです。
セレン光電池を使用した露出計を装備し
露出計感度は高低2段階切替式です。
さらに当時、開発されたばかりの50mmF0.95という大口径レンズを装着するために
通常のねじ込みマウントに加え専用の外爪を装備しています。
お預かりしている「7」は
心配されるセレンの感度はまずまず問題ないレベルなのですが
シャッター幕の動きが悪く
1/1000はほぼ開かず、1/500も1/3は閉じてしまいます。
測定機で測ってみると先幕の幕速が異様に遅いようです。
昨日も書きましたがテンションが足りないというよりは
幕軸の汚れだと思われます。
スローシャッターも1/4以上のSSだと
シャッターが開きっぱなしになってしまいます。
ファインダープリズムの状態は問題なさそうですが
距離計にもズレが出ています。
シャッター幕は金属製で破れ等あると
残念ながら当店では対応できません。
もちろん今回はシャッター幕そのもには問題ありません。
今回の個体はご依頼者様のご実家から出てきたものということで
まぎれもなくワンオーナー品で
非常に大切に使われてきたカメラだというのがよくわかります。
長らく動かさなかったことと経年劣化で
動きが悪いところは確かに多いですが
きちんと整備してやればまだまだ問題なく使えます。
キヤノンは国産レンズ交換式レンジファインダー機としては
間違いなくトップメーカーだと思いますし
こうして分解整備しているとその造りの精密さに驚かされます。
現在でももっと評価されても良いと思います。
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