今日は「カキフライの日」だそうですよ。
確かにそろそろカキの季節ですよねぇ。。。
カキフライももちろん美味しいですが
カキ鍋、焼きガキ、酢ガキ。。。どう調理しても美味しいですね。
私は広島・呉の出身なので
海に行くと沖にはカキイカダ、
浅瀬にはカキ養殖の杭打ちが並び
その周辺にあるカキ打ち場からは
強烈な潮の香りが漂ってくる。。。なんてのが見慣れた光景でした。
中学生くらいの頃には浅瀬の岩にくっついているカキを剥がして
その辺で拾ってきた鉄板で適当に焼いて食べてたました。。。
火力も全然足りなかったと思いますが
今考えるとよくあたらなかったですね。。。(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1966年です。
キヤノンFシリーズの中では比較的初期のモデルで
当時、対応するレンズはFLマウントレンズです。
まだ絞込み測光の時代ですが
ファインダープリズム直下のコンデンサレンズの
中央12%をハーフミラー化し、
コンデンサレンズの直後にある受光素子で測光を行います。
そのため測光方式は平均測光や
中央部重点測光ではなく中央部部分測光です。
通常、一眼レフの受光素子は接眼レンズ周辺に置くことが多いのですが
こちらのほうが厳密な測光ができるそうです。
この構造は後のF-1やFTbにも引き継がれていきます。
お預かりしているFTは
シャッターを切ったときに「ギャン」というちょっと嫌な音がします。
Aシリーズのシャッター鳴きとはまた違ったものです。
原因はシャッター幕軸の油切れですが
この時代のキヤノン機でよく見受けられる症状です。
そんな状態のなので当然シャッタースピードも出ておらず
1/1000の設定で1/250程度しか出ていません。
加えて露出計は全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
どのカメラでも現状チェックの時に
1秒や1/1000でもASA感度ダイヤルが
端から端まできちんと回るかどうかを確かめるのですが
この個体の場合はSSが両端だと感度ダイヤルが回りきりません。
FTbでもよくあるのですが
SSダイヤルと露出計の連動を行っている
ノコギリ状の歯がズレてしまっているようです。
このまま露出計を調整しても正しい値にはなりません。
分解歴がある個体だと思われますが
分解時にノコ歯がズレたのに気づかず組みつけてしまっているようです。
FTの場合の露出計不動は
大抵SW部の接触不良なのですが
テスターでSW部周辺をあたってみても
問題はないようです。
上の写真の状態で露出計に直接電圧をかけても
全く針は動きません。
「あぁこれは露出計そのものがダメか。。。」と思いつつ
先に部品取用のボディから動作している露出計を取り出し
「よし準備OK」、露出計は後回しにして
先にシャッター周りからやらなくては。。。と
ボディから露出計を外して
念のため露出計単体で電圧をかけてみると。。。。
「あれ?動くじゃん。。。(汗)」
どうやら以前の分解でファインダー清掃等を行ったときに
針を少し曲げてしまっているようで
針がファインダー枠に接触していて動かなかったようです。。。
外すまでこれに気づかなかったとは。。。不覚です。。。
露出計の件は解決したようなので
これからさらに分解を進めてミラー駆動部、
シャッター周りの整備を行っていきます。
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