月別アーカイブ: 2019年4月

コニカC35のカメラ修理

今日は「オープンカーの日」だそうですよ。
花粉症でなければこの時期のオープンカーは
気持ちよいですねぇ。。。
実は昔、オープンカーに
4、5年ほど乗っていたことがあるのですが
ヘルメットやウエアに気を使わなくて良い分
バイクよりオープンカーのほうが開放感はあります。
シーテヒーティングのついているクルマで
サイドウインドウだけ上げてしまえば
オープンで真冬でもたいして寒くはないです。
つらいのは冬より真夏でしたね。。。
日差しの強い日中は
さすがに幌を降ろすことはあまりありませんでした。。。
でも気候の良い季節に
海岸や高原をオープンカーで走るのは
何事にも変えがたく気持ちよいものですよ。
私もまた。。。いや。。。もうクルマ買うこと自体がないかな(笑)

さてさて

本日は「じゃーに~コニカ」のキャッチフレーズでお馴染みの
コニカC35のカメラ修理を行っています。
当ブログでの登場回数も多く
ここをご覧になっていただいている方の中にも
所有されている方が多いと思います。
現行品で売られている頃も
テレビCM等の効果もあって
大ヒットしたカメラです。
コンパクトで使いやすく
カメラにさほど詳しくない方でも買ったその日から
撮影が気軽に楽しめる。。。という点がヒットの要因でした。
大ヒットしたカメラなので
現存している個体数も非常に多いのですが
元々お求め易いカメラだったため
酷い扱いをされている個体も多く
これから手に入れる場合はそれなりに注意が必要です。

お預かりしているC35は
無印のC35にフラッシュマック機構が追加された
「C35フラッシュマチック」です。
フラッシュを使わなければ無印のC35とほぼ変わらないモデルです。
C35といえばシャッター羽根の粘りや動作不良が多いのですが
今回も羽根がゆっくりとしか動きません。
毎回、書きますが
C35の羽根粘りは他のレンズシャッター機でありがちな
羽根に付着した油が原因のことは少なく
シャッターを駆動している円盤部品の回転が悪いため
起こることがほとんどです。
今回も同様です。
加えてこの症状の出ている固体は
かなり高い確率で「B(バルブ)」が効かず
シャッターが開きっぱなしになりません。
これも今回も同様です。
他、元々が1.3V仕様のため、LR44で使うと
露出計、オートともに2段近くアンダーになってしまっています。
これももちろん調整します。
モルトは以前、交換されているようなのですが
あまり上手い交換とは言えず
あちこち隙間だらけです。
これではさすがに光線漏れが出てしまうと思われます。
もちろんこれも全て交換します。

これからまずはシャッターユニットの
整備に取りかかります。
ところで、C35は同じ時期に出た同クラスのカメラと比べると
露出の過不足によるシャッターロックが全くないカメラです。
だから電池がなくなっていても
露出計が光不足で振れていなくてもシャッターは切れますが
逆にいうと意外にユーザー側に
ある程度のスキルを求めているカメラだとも言えると思います。
ただ、少々写真が暗くなっても
とりあえずシャッターを切りたいといったときには
重宝しますし、また現在のフィルムであれば
少々の露光不足は何とか救えちゃうことも多いですから
現在であれば余計なシャッターロック機構は
ついていないほうが良いかもしれませんね。

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オリンパスペンEEDのカメラ修理

今日は4月4日。。。
「あんぱんの日」、「どら焼きの日」、「しあわせの日」だそうです。
あんぱんやどら焼きを食べて
しあわせになる日。。。
ということですね(笑)
餡子好きな私にとっては考えただけで
幸せな気分に浸れそうです。
でも、餡子を日常的に食べ過ぎると
あまり幸せでない状況にもなりそうなので
節制しながら美味しくいただきます(汗)

さてさて

本日は「オリンパスペンEED」のカメラ修理を行っています。
「EED」はペンシリーズの中でも
ちょっと異端児的なモデルです。
まずはその直線基調のデザインからしてそうですね。
そしてコンパクトさが売りのペンの中では
それほどコンパクトではありません。
32mmF1.7の大口径レンズを搭載し
基本的にはプログラムシャッターで
露出はカメラ任せのオートです。
ペンDシリーズともペンEEシリーズとも全く雰囲気の異なる
佇まいは他のモデルと見間違うことがありません。
でもこの独特の直線基調のデザインが
何とも言えずかっこよく見えるのですよねぇ。。。

お預かりしているEEDは
一見、普通に巻上もできてシャッターも動作しているのですが
実際にフィルムを装填してみると
巻上ダイヤルは回せてチャージもできるのですが
フィルムが送られていきません。
フィルムを装填してない状態では
スプロケットもスプールもちゃんと回っています。
古いカメラをいろいろ見ている方なら
この時点でお気づきかもしれませんが
スプロケットがフリーになったままなのですね。
(要は巻戻しボタンが押された状態)
もちろん、底部の巻戻しボタンは
見た目上はきちんと戻っています。
スプロケットロックが何らかの理由で
フリーのまま固着してしまっているようです。
加えてオート露出がやたらと不安定です。
赤ベロの動作も不安定で
真っ暗な状態でも切れてしまうことが頻繁にあります。
やはり全体的に動きが悪いようです。

スロケットロック切替部の修理はもちろん
シャッターユニット整備、レンズ清掃
ピント調整、オート調整、ファインダー清掃等々
一通りの整備を終えた状態です。
スプロケットロックの件は現在は通常に動作していますが
時間が経過すると元に戻ってしまう可能性もないとはいえないので
数日間様子を見ることにしました。

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キヤノンデミCのカメラ修理

今日は「趣味の日」だそうですよ。
趣味。。。
まぁ、ここをご覧になっていただいている方の多くは
きっと写真やカメラが趣味ということになりますよね。
私の場合はカメラは仕事で写真は趣味。。。になるかな。。。
趣味。。。というと
何だか「気分転換程度のお遊び」みたいな感じがしてしまい
(あくまで個人的主観です)
あまり好きではないのですが。。。
そうですね。。。趣味も真剣に苦しくてもやるものと
本当にストレス発散に特化したもの、
2つあったほうがいいような気がします。。。
そうなるとなかなか時間とお金が大変ですが。。。(苦笑)

さてさて

今日は「キヤノンデミC」のカメラ修理を行っています。
キヤノンのハーフカメラシリーズといえば
「デミシリーズ」ですが今回の「デミC」はちょっと変り種で
初代のデミをベースにレンズ交換を可能としたモデルです。
専用レンズマウントで28mmF2.8と
50mmF2.8の2種類のレンズを使うことができます。

お預かりのデミCは
シャッター・絞りリングと連動する露出計指針の
位置関係がちょっとおかしいようで
適正な露出を得ることができません。
位置関係を正したところ、今度は露出計指示が
相当にオーバー気味なことも判明しました。

デミといえば外側カバーがモナカ構造で
裏蓋部分は大量のモルトで遮光が行われています。
未整備のデミはほぼ間違いなくそうですが
やはりモルトが劣化してボディ側の塗装まで侵食してしまっています。
モルト交換の上、できる限り修復していきます。

他、シャッター羽根・絞り羽根・レンズ清掃
シャッターユニット整備、ファインダー清掃等々
一通りの整備を行いました。
ふんだんにプリズムを利用した贅沢なファインダーは
ハーフ判とはいえやはり見え心地は良いですね。
50mmF2.8が装着された状態でお預かりしていますが
ハーフ判なのでフルサイズだと80mm前後といったところでしょうか。。。
ファインダーは視野全体が28mm用で
内側にあるフレームが50mm使用時に使用するものです。
F2.8のレンズですがF1.8クラスの大口径がついているようです。
なかなかカッコ良いですね。
デミシリーズといえばハーフ判としてはめずらしく
巻上がレバー式です。
またデミのそれは巻上感覚が非常に気持ちよく
これだけでもデミを選ぶ意味があると思います。
余談ですが一通りの整備が終わった後の
フィルムローディングテストで36枚撮りのフィルムで
最後まで巻上げ、巻戻して問題がないかというテストを必ず行うのですが
(ハーフ判だと72枚、現実には74~78枚前後)
ダイヤル式の巻上だと
指がしんどくなってしまって閉口することが多いのですが
デミのレバー式巻上だと70枚を超えても
最後まで快適に巻き上げられます。
2、3セット同じテストをしても何ともなさそうです。
この違いは意外と大きいと思います。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は4月1日!
新年度のスタートでもあり
後ほど5月からの新元号も発表されますね。
もちろん、エイプリルフールでもあるのですが
あまり実際にウソをついたこともつかれたこともないかなぁ。。。
冗談くらいですぐわかるものなら
若い頃はたくさんあった気がしますが。。。
それから最近は「4月バカ」ってあまり言わないのですよね?(苦笑)
どちらにしても
ウソをついてよいのは午前中のみだそうなので
お考えの方は急いでくださいね(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
世界初のハーフ判一眼レフである「ペンF」の登場から
3年後、1966年に発売されたモデルです。
ペンFをベースにTTL式露出計が内蔵され
セルフタイマーも追加となりました。
巻上はペンFの2回巻上から1回巻上に変更となりました。
2回巻比べると巻上角度がやはり大きくなってしまったのですが
やはり1回巻のほうがわかりやすいのですかね。。。
追加された露出計はペンFだと反射鏡を置いていた部分を
ハーフミラーとし、露出計に光を誘導する形になっています。
ファインダー内にはTTLナンバーといわれる数字を表示し
指針の指すTTLナンバーをレンズ側にもセットすることで
絞りを決定します。
この方法のおかげでレンズとボディの連動はこれまでのままで
開放測光を実現しました。

お預かりしているペンFTは
最大のセールスポイントでもある内蔵露出計の精度が
あまりよろしくなく
1.5V仕様で既に調整済みとのことで
ご依頼者様は購入されたのだそうですが
測定してみると2.5段ほどオーバーになってしまっています。
ちょっと面白いのが
通常ペンFTの露出計はSWがなく
基本的に常にonなのですが
このペンFTはフラッシュ用の接点切替部(X・M)が
露出計のon/offスイッチに改造されています。
他、シャッター等の動きには大きな問題はなさそうですが
一通りの分解整備を行っていきます。
装着されているズイコーオートS38mmF1.8は
絞りが粘り気味で当店に到着して
最初にチェックを行ったときには
完全に固着していました。
加えて絞りの大きさに問題があり
最小絞りで1段以上アンダーになってしまう状態です。
こちらも一通りの整備を行います。

写真は一通りの整備を行い組み上げた状態のものです。
露出計は指針の初期設定位置がズレていて
それを正しい位置に設定することで
値はかなり改善されました。加えて微調整を行い
現在は問題ないレベルで精度は出ています。
操作系も全体的に軽やかになりました。
レンズ側も絞り羽根の清掃、大きさの調整を行い
問題のない状態になりました。

いつみてもペンF系のこの独特のフォルムは
とても魅力的ですね。
これをぶら下げて歩いているだけで
ちょっとオシャレに見えそうです。

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