日別アーカイブ: 2019年5月25日

キャノネットQL17のカメラ修理

今日は「食堂車」の日だそうですよ。
今でも一部の豪華列車では存在するようですが
私がまだ幼い頃には新幹線や特急列車で
「予約ナシで利用できる」食堂車がまだ残っていました。
残念ながら利用したことはないのですが
幼心に密かに憧れていました。
車窓から外を眺めながらカレーライスとか
ビーフシチューとかハンバーグが食べられるなんて。。。
まぁ最近こういう幼い頃の記憶がかすかに残っているものに
妙に執着してしまいますね(汗)
究極のないものねだりだとはわかっているのですが。。。
これも年齢のせいでしょうねぇ(苦笑)

さてさて

今日は「キャノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
社会現象になるほどの大ヒット作となった
初代キャノネットから4年後、1965年発売のカメラです。
キャノネットもこのモデルから当時キャノンが得意としていた
「クイックローディング」が搭載されました。
(モデル名のQLはその頭文字を取ったものです)
シャッター速度優先AE機で
マニュアル露出も可(マニュアル時は露出計は使用不可)というのは
キャノネットシリーズ共通の使用です。
「キャノネットQL17」は基本的には初代の作りを受け継いでいますが
巻上レバー・巻戻しクランクは通常の上カバー部に移動され
比較的オーソドックスなスタイルとなりました。

お預かりしているキャノネットは
まずファインダーのクモリが酷く
二重像が見えにくくピント合わせがままならない状況です。
レンズやファインダーのクモリは清掃では取れないことも多いのですが
何とか通常の使用に問題ないレベルにはしていこうと思います。
シャッターは比較的普通に動作しているようなのですが
おそらく多少の粘りは発生していると思われます。
キャノネットはシリーズを通じて
オート時の絞り制御機構にトラブルのある場合も多いのですが
今回もオート時もマニュアル時も最小絞りになったままで
全く制御できないような状況です。
絞り制御部或いは絞り羽根の粘りが原因と思われます。
露出計はとりあえず作動してますが
かなり調整が必要です。
電池室にも腐食跡があるので
裏側の配線も要交換の可能性がございます。

写真は整備前でこれから取り掛かるところですが
さすがに長らく使われていなかったようで
汚れこそ目立ちますが
非常に大切にされていたカメラのようで
キズやスレもほとんどなくキレイなカメラです。
外装だけではなく中身もキレイにして
快適に使用できる状態に整備していきます。

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