月別アーカイブ: 2022年4月

ミノルタハイマチック7sのカメラ修理

今日は「エスプレッソの日」だそうですよ
香りが強くて苦みもコクも強くて
美味しいのですよねぇ…
以前勤めていた会社に来客用のエスプレッソマシンがあって
社員・スタッフは勝手に飲んじゃいけないのだけど
朝っぱらにそーっと給湯室に行って
いただいていたなぁ…あの苦みは朝一に気合入るのですよねぇ(笑
でもお茶請けにガツンと甘いものが欲しくなっちゃうのですよねぇ
一時、海底用のエスプレッソメーカー買おうかな…と
思ったこともあったのですが
「いやいや、逆に甘いモノの消費が増えてまう…(汗)」と思って
断念したのですよねぇ…
まぁ、手っ取り早く濃い緑茶でも淹れておきます(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7s」のカメラ修理を行っています。
昨日、紹介したSR-7と同じく
初代ハイマチックのOEM「アンスコオートセット」が
「フレンドシップ7号」に乗って宇宙に行ったことから
モデル名が「7」となったカメラです。
ハイマチックとしては2代目にあたります。
今回の「7s」は「7」とは少々異なるモデルで
「7」の次期モデル「ハイマチック9」から
フラッシュマチックを省略したモデルです。
発売時期は「7」が1963年12月、「9」が1966年3月
「7s」が1966年8月となっています。
レンズはロッコールPF45mmF1.8
シャッタユニットは「7」と同じくセイコーLAです。
基本的な構造は「7」から「11」までは共通となっています。
それだけ「7」の基本設計は優れていたということかと思います。

お預かりしている「7s」は外装もレンズもなかなかキレイなのですが
まず露出計は電池を入れても全く動きません。
加えて絞り羽根が固着しているようで
マニュアルだろうとオートだろうと全く出てきません。
絞りリングをどこに設定しようと常に絞り開放です。
さすがにこれでは普通に使うことはできません。

絞り羽根固着は単純に羽根汚れによるものでした。
シャッター羽根と併せてしっかり洗浄清掃いたします。
分解してわかったのですが
この個体、以前に整備されているようですね。
素人かプロかはわかりませんがキチンと
内部モルトも交換されていて
ハイマチックではトラブル原因になりやすい
指針抑え部の滑り止めも交換済みです。
その割には電池室裏ハンダ部の腐食は酷く
私が開けたときには完全に断線してしまっている状態でした。
ここまで開けているのであれば
配線交換してくれればいいのに…(苦笑)
まぁその時はまだ大丈夫だったのかもしれません。
今回は腐食が進んで上部の基板にさえも及びかけているので
配線はもちろん交換して基板側の接点やハンダ部も
磨いて処置いたします。
小型化・軽量化の進む前のレンズ固定式カメラ
(当時としてはコンパクトカメラ)は
内部の寸法・設計に余裕があるので
整備性は良好で調整幅も大きく取られています。
分解整備を行って長く使うことを前提に考えられているカメラです。
今回もしっかり整備を行って
まだまだ長く活躍してほしいと思います。

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ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は「いちご大福の日」だそうですよ!
餡子大好きで苺大好きな私としては無敵の組み合わせです!
しかしいつも思うけど最初に思い付いた方は天才ですね!
ドラッグストアやコンビニやスーパー
いたるところでお目にかかるいちご大福ですが
見かけるとついつい1個買ってしまいますものねぇ
でも気をつけないとまた血糖値が…(苦笑)
日付は「よ(4)いいち(1)ご(5)」と読む語呂合わせと
いちご大福の旬の時期との思いから。
いちご大福の魅力をより多くの人に知ってもらい
味わってもらうことが目的だそうです。
制定したのはいちご大福の専門家集団として
いちご大福に関する情報を世界に向けて発信する
「早稲田大学いちご大福研究会」だそうです。
2018年(平成30年)に
一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
比較的最近認定された記念日なのですね!
そういえばいちご大福や苺のショートケーキあたりが
あんなに最高に美味しいのだから
最近多いフルーツサンドもきっと美味しいのでしょうねぇ…と思いつつ
コンビニで見かけるために立ち止まるけど
まだ買ったことも食べたこともないのです。。。(笑
でも元々大福好きで餡子大好きだから
フルーツサンドよりやっぱりいちご大福だな!

さてさて

本日は「ミノルタSR-7」のカメラ修理を行っています。
世界で初めてCdS素子使用の外光式露出計を内蔵した一眼レフカメラですね!
1962年発売のカメラです。
前モデルは「SR-3」で「3」からいきなり「7」になったのですが
これは例のハイマチック(正確にはアンスコオートセットの改造モデル)が
フレンドシップ7号に乗って宇宙に行ったことに由来しています。
ミノルタからの発表ではそれと併せて
「マイナーチェンジを含めれば通算7代目のミノルタ一眼レフカメラ」だからとも
発表していますが…ちょっと強引かな…(笑)
ミノルタ機の中では初めてミラーアップ機構が搭載されたカメラでもありますね。
ミラーアップしないと装着ができない超広角レンズに対応するためです。
最大の売りである外光式の露出計は明るさによって
感度を二段階に切り替えて使用します。
シャッタースピードダイヤルに連動して絞り表示版が動き
指針が指す値の絞りを手動でレンズ側でセットして露出を合わせます。
オンオフSWは底部にあり使用電池はこの時代の定番MR9水銀電池です。

お預かりしているSR-7は巻上がロックされている状態で
レリーズボタンは押せるのですがシャッターも動かない状態です。
シャッター幕の位置から判断すると
シャッターはチャージ状態のようです。
こういう場合でありがちなのがミラーチャージが何らかの理由で
正常に完了しておらずレリーズしてもミラーが動かないから
シャッターも動かない…というパターンですが…
ある程度分解して調べてみると…やはりミラーチャージがされていないようです。
試しに強制的にミラーチャージしてみるとチャージロックはかかり
その状態でシャッターを切るとシャッターは切れるようです。
それでは…と巻上げてみると…
ミラーチャージしようと巻上機構は動作するのですが
ストロークが足らずチャージロックまで届かないで
チャージできずに巻上が完了してしまうようです。
ミラーチャージと巻上機構のリンク部品が変形して
十分に届いていないようです。
手動でとりあえず補助してミラーチャージが完了し
シャッターが切れたとして…さらに今度は巻上時にかなり高い確率で
ミラーが巻上動作に連動して上がってしまいます。
当然、ファインダーは真っ暗です。
ミラーダウンロックの動きも悪くてロックが上手くかからないようですね…
おそらく過去に動きの悪い状態で使い続けてきたために
チャージ部品の変形や動きのさらに悪い部分が出てきてしまっているようです。
変形部分は何とか修正して動きの悪い部分を
徹底的に清掃することで対処していきたいと思います。

SR-7ではちょっとめずらしいブラックボディです。
シルバーと比べると印象が随分変わって精悍なイメージです。

大体、現在の状況と対処方法の道筋がついたところで
本格的に分解整備に取り掛かります。
心配される露出計の方はSW部で少々接触不良が見られましたが
重大な腐食等もなく比較的問題のない状態です。
シャッター周り、巻上・ミラー周りの修理・整備完了後に
微調整である程度の精度も出していきたいと思います。

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ペンタックスKXのカメラ修理

今日は「椅子の日」だそうですよ。
「よい(4)いす(14)」(良い椅子)と読む語呂合わせからだそうです。
私はお店の作業机に1日軽く12時間以上は座っているので
椅子とその椅子に敷く座布団やクッションは
めちゃくちゃ大事です。
違和感あるまま座っていると確実に身体のどこかに不調が出ます。
今の椅子も使い始めて2年ほど経ちますが
最初はちょっと違和感あって
長時間座っているとお尻が痛くなってきていたのですが
敷物にジェルクッション使い始めてからなかなか快適です。
でも背中のあたりに微妙に違和感があるのですよねぇ
気分転換も兼ねてそろそろ次の椅子も検討しようかな…
家具の椅子も車やバイクのシートもそうですが
椅子やシートってコストがかかっているかどうかが
割とわかりやすく出る部分ですよねぇ
短時間しか座らないものであれば
少々なんだって構わないような気もしますが
長時間身をゆだねるものであれば
少しの違和感も妥協しない方が良いと思います。
腰や背中やお尻、場合によっては全身に影響出ますものね
そういえば座ったり寝たり服着た時とかに
妙に違和感が合ったり体に合わなくて不快な状態を
私の育った広島・呉では「いたしい」という言葉で表現します。
標準語に直訳すると「難しい」とかに置き換えられますが
「難しい」とは微妙に違うのですよねぇ…なんといったらよいやら…
椅子に座ったりして何となく違和感がある状態って言うのは
まさに「いたしい」なのですよねぇ
そういえば幼いときに寝かされたり服着せられたり
おんぶされたときとかに、じいさんもばあさんも
必ず「いたしゅうないか?」って口癖のように聞いてきたなぁ…

さてさて

本日は「ペンタックスKX」のカメラ修理を行っています。
「Kシリーズ」はレンズマウントをそれまでのねじ込みM42マウントから
独自バヨネットマウントのKマウントに変更した最初のシリーズです。
1975年6月に「K2」、「KX」、「KM」の3機種でスタートしましたが
翌年の冬には一気に小型軽量化を進めた「Mシリーズ」に
バトンタッチすることとなりシリーズとしても
非常に短命に終わりました。
しかしながらそれまでのM42機で培った技術を
さらに熟成させて展開しているKシリーズはボディサイズに余裕があることもあり
非常によくできたカメラだと思います。
ただトップグレードの「K2」は70年代半ばの
古い電子制御機ということもあり
前身となるESやES2もそうですが何かトラブルが起こると
修理が困難な場合がほとんどです。
中核を担うのが今回の「KX」で機械構造的には
M42マウントの大ヒット作であるSP系の造りを継承しており
実績と信頼のある構造と言えると思います。
その基本構造に加えて受光体はSPDを搭載し、
ファインダー内表示も2針式の直感的にわかりやすいものを採用し
ペンタプリズムもそれまでのアルミ蒸着ではなく
銀蒸着となっています。
絞り値もレンズ刻印を直読できる構造で
メータードマニュアル機として使いやすいファインダーとなっています。

お預かりしている「KX」は一応一通り動作してはいるのですが
まずファインダー内のSS設定指針(緑色の指針)が
シャッタースピードを変更しても追従してくれません。
指針動作部の固着と思われます。
露出計指針もたまにうんともすんとも動かなくなることがあり
何かの拍子でまた動き出すような状態です。
どこかで接触不良が起きていると思われます。
高速シャッターの精度も出ていない上に不安定です。
やはり全体的に整備清掃調整が必要な状態であると思います。

SPと同様にプリズム周りに遮光材を巻く悪しき習慣は
まだ引き継がれています(苦笑)
今回はプリズム腐食はまだありませんが
巻かれている遮光材は慎重にいったん取り除いて
接着面がプリズム側にならないように
腐食しにくい素材に交換します。
KシリーズもSP系やMシリーズ同様に内部モルトが多く
またその多くが劣化して腐食や緑青を引き起こしています。
もちろん今回の分解で全て交換していきます。
指針の動作不良は結構しつこい固着になっていて
元の動きを取り戻すのに少々苦労しましたが
問題なく修理でできそうです。
機械的部分、露出計を中心とする電気的な部分それぞれに
一通りの整備を行っていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「喫茶店の日」だそうですよ。
都内ではまだ上野あたりに行けば
昔ながらの喫茶店がそれなりにありますが
それ以外の地域では喫茶店も見なくなりましたね。
今ではスタバに代表されるコーヒーショップに
取って代わられましたし…あ、でもコメダとかは喫茶店か…
それでも昔とは様変わりしていますよね
だいたい普通にタバコ吸えないですし…
(まぁ私も止めてから随分経つので現状はよくわからないのですが)
喫茶店といえばインベーダーゲームが組み込まれたテーブルとか
やたらと銀色を多用した食器とかを思い出しますね
(世代がばれますよねぇ)
ゲーム機のテーブルはさておき
テーブルの隅にはガラス瓶に銀入りの蓋の砂糖入れがあり
コーヒーが出てくれば小さな銀色のミルク入れが付いてきて
もちろんスプーンも銀色で…
なんならカレーや焼き飯やチキンライス頼んだら
銀色の皿に銀色のスプーンで出てきます。
懐かしいなぁ…今からでも全部そろえたくなりますね!

さてさて

今日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
つい先日も同じ「AE-1」や「AE-1P」の修理もやりましたね。
重なるときには重なるのですよねぇ
おそらく先述した昔なからの喫茶店全盛期だったであろう
1976年発売のカメラです。
ちなみにスペースインベーダーゲームが発売されたのは
その2年後の1978年です。
ゲーム機にしても家電にしてもカメラにしても
電子化が一気に進んだ時代でもあります。
その最先端の電子制御カメラとしてキヤノンが社運を賭けて
開発し、キヤノンAシリーズの1号機となったのが
この「AE-1」です。
いつも書きますが以降のAシリーズは付随する制御回路はモデルごとに
進化していきますが機械的な基本構造は全てこのAE-1がベースになっています。

お預かりしている「AE-1」はまず巻上時に「ギャッ」という
少々不快に感じる異音が鳴っています。
シャッター動作時ではないので例の「シャッター鳴き」とは異なるのですが
同じような音質の異音です。
スプロケット部の油切れが原因でおこるものですが
これもAシリーズ共通で起こる不具合です。
そしてそれよりもご依頼者様からも困っていると指摘されているのが
露出計表示で正しい値よりも4段前後オーバーに指示されるようです。
例えばASA100でLV15の光を当てた時に
正しい露出計であれば1/125・F16を指すのが正解ですが
このAE-1はSSを1/125に設定すると露出計の絞りはF4を指してしまいます。
当然それに連動してオート制御も動作するので
露出は大オーバーです。さすがに写真も白っぽくなるでしょう…
それに加えてこれもAシリーズ定番ですが
オート時の絞り制御レバーの動きも悪く絞り制御も不安定です。
つまり露出計・オートはほぼ使い物にならない状態です。


絞り制御の動作不良は単純に油切れですが
表示値がやたらとオーバーなのは抵抗やらSPDの状態やら
色んな原因が考えられます。
考えられる部分の整備清掃を一通り行った結果、
最終的には可変抵抗の微調整で何とか実用できる状態まで
持っていくことができそうです。
もちろん定番のシャッター鳴き等のトラブル予防の処置も行っておきます。
マニュアル時のSSも高速で少々不安定だったので
機械的な幕軸の清掃整備も行っておきます。
そうして再組立てしたAE-1はかなり気持ちよく動作する状態になりました。
これであれば当分安心して使うことができるかと思います。
歯切れの良いシャッター音はFシリーズとも共通する
キヤノンらしい部分ですね。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「教科書の日」なのだそうです。
そっか…季節的にも新学期だし
新しい教科書をもらって使い始める頃なのですね。
中学・高校の頃にはもうどうでもよかったですが(苦笑)
小学校に入学したときの
真新しい紙の匂いのする教科書を何冊ももらったときは
ちょっとした感動でしたねぇ…いまだに覚えてるな…
さらに授業で使う小道具類のセット
(おはじきやら時計の模型やらそろばんやらが入ったもの)を
もらってさらに舞い上がっていたのを思い出しますねぇ
あ、忘れちゃいけないもちろんランドセルも!
あんな新鮮な感動をすることはもうないのかもしれませんねぇ(笑
いけんいけん、最近子供の頃のこととかを
やたらと思い出すことが多いのですよ
余程、未来に希望がないのか…それとも死期が近いのか…(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
つい先日も同じカメラの修理を行いましたが
実はこのブログ、
これで5回連続電子制御シャッターの一眼レフなのです。
当店も修理不可な電子制御カメラはたくさんあり
お断りすることも多いのですが
それでもこれだけ集中するのですよねぇ
修理できるところが少なって来たのもあるかもしれません…
ME系は電子制御機と言っても比較的構造はシンプルで
基板もプリズムとミラーボックスを囲む部分で完結するので
整備性は良いほうです。
それに素人分解品でもない限り
その電子基板内で何かトラブルが起こることも少なく
電気的トラブルの大半は電子基板から繋がる部分のハンダやら
基板以外での接点の不良だったりする場合がほとんどです。

今回のMEスーパーはたまにミラーアップしたままになってしまう
トラブルを抱えています。
ME系のミラーアップといえば例のミラー駆動部のブッシュ劣化が
原因のものが非常に多いのですが
今回はそれとはちょっと違ってシャッター羽根の動作不良が原因で
ミラーダウン動作にうまくリンクできていないような感じです。
シャッター羽根の動きが悪いので
高速シャッターの精度も出ていない状態です。

当然、いつものミラーアップの原因となる
ミラー駆動部のブッシュもチェックしてみましたが
やはりボロボロに劣化しており
現在は動きにまだ問題はでていないのですが
このまま放置して置くと近いうちにトラブルの原因になりそうな状態でした。
もちろんしっかり処置を行いトラブルを予防します。
MEスーパーのみに装備されている
底部のエアダンパーの清掃整備もしっかり行います。
加えてこれも毎回書きますが
この時代のペンンタックス機はありとあらゆるところに
内部モルトが貼ってあり
それが劣化して脱落し場合によってはトラブルの原因になります。
これも全て交換していきます。
トラブルが出ている部分はもちろんなのですが
分解すると結構処置しなくてはいけない部分の多いカメラでもありますね。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「左官の日」だそうですよ。
「し(4)っく(9)い」(漆喰)と読む語呂合わせからだそうです。
いわゆる「左官壁」ですよねぇ
生まれ育った長屋の壁はほとんどがそうだったかと…
室内は特に隅とかが傷んでぽろぽろ剥がれ落ち始めると大変なんですよねぇ
今となってはそれも懐かしいですねぇ
土壁だけじゃなくて障子とかふすまとか
模様入りの曇りガラスとか木枠の窓や引き戸とか敷居とか土間とか…
みんな子供の頃には普通に周りにありふれていたものですが
最近はとんと見なくなってしまいました…
そう考えると実家の長屋は引き払わずに
借りたままにしておけばよかったかな…
いやさすがにそれは無駄使いか…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
ミノルタXシリーズとしては
前年に発売されたフラッグシップのX-1に続いて第二弾となる
中級機に位置づけられるカメラです。
中級機とは言えフラッグシップのX-1とは明らかに性格も異なり
非常に力の入ったモデルかと思います。
何といってもライツ、コパル、ミノルタの3社で共同開発された
「コパルライツシャッター」を搭載し
その上品なシャッター音と非常に滑らかな巻上で
抜群の使い心地を実現したカメラです。
時代的に初期の電子制御シャッター機でもあり
正直なところトラブルも多いですし
その大柄で重いボディも時代を感じますが
現在でも根強い人気のあるカメラです。
電子制御トラブルも厄介なのですが
XEで一番問題になるのは何と言っても「プリズム腐食」です。
プリズムの前面と接する部分にモルトが貼ってあり
このモルトが加水分解を起こすことにより
プリズムの塗装や蒸着を剥がしていってしまいます。
腐食が進むとファインダー視野の下半分が真っ黒で見えない状態になります。
現存しているXEの多くはプリズム腐食を抱えていると見られ
XEのプリズムは特殊な形状の為
同時期の他モデル等からの移植もできません。
当店にもプリズム腐食のないXEのプリズムの在庫はございません。

お預かりしているXEは一見、ファインダー内はキレイなのですが
よーく見るとうっすら腐食が始まっているのがわかります。
今回、整備清掃のためにプリズムは降ろさざるを得ないのですが
降ろす際に傷んだモルトと一緒に
かろうじてくっついている蒸着を剥がしてしまうことも考えられるので
これ以上、腐食を進めないためにも
慎重に作業を行う必要があります。
余談ですが腐食の確認できない個体でも
プリズムを降ろす際にごっそり剥がれる場合もあります。
見た目には腐食してなくても剥がれる寸前だった…という状態ですね。
さらに今回のXEは他にもいろいろトラブルがあり
まず電子制御シャッターでミラーアップしたままになってしまいます。
これもXEの定番トラブルですが
原因はミラー周りの接点だったりそもそも電源が上手く供給されてなかったり
あるいはハンダ劣化だったり基板内トラブルであったりと
何通りかの原因が考えられます。
ちなみにこの症状が出ているときはシャッターが動作して
ミラーアップしたままになってしまいますが
この時にシャッターは動作しても開いてはいません。
さらに今回は動作確認のために
機械制御のB・Xで動作確認をしていると3回目のシャッターで
シャッターが開いたままで固着してしまいました…(苦笑)
まだまだそれに加えて定番の露出計大アンダーも抱えており
フルコースで整備・修理を行うことになりそうです。

まだ取り掛かったばかりでとりあえず先に
プリズムを降ろしてみたのですが
画像でも少しわかりますが
腐食がやはり始まっていますね…
これ以上進まないようにできる限りの処置を行い
プリズム前面の劣化したモルトは除去し
劣化しない材質のものに変更しておきます。
ここからは各接点等を確認しながら
慎重に作業を進めて
抱えているトラブルを直すことから取り掛かっていきます。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は「灌仏会」、「花祭り」
お釈迦さまの生誕を祝う日ですね!
本当は日本ではクリスマスで盛り上がるよりも
春の到来と共にこの日で盛り上がる方が
正しい姿のような気がしますが…(苦笑)
個人的には宗教に全く興味がありませんし
特に信仰しているものもございませんが
仏教の国なのにお釈迦さまの生誕日があまりにも
認知度が低いのはちょっと寂しいような気がします…
お盆やお彼岸は年中行事として根付いているのに…(苦笑)
うちのじいさんばあさんは信心深かったし
浄土真宗だったためお釈迦さまや親鸞さまの
絵本とかは幼いときに良く見せられたなぁ
幼稚園も浄土真宗西本願寺派のお寺だったし…
この時期にいろいろ教えられていると
やはり影響は受けますよねぇ…
とりあえず後で甘茶買ってこようかな…(笑

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズの基本形である
エントリー機「ME」にマニュアル露出モードと
1/2000シャッター、
そして非常に明るいクリアブライトマットスクリーンを
装備しファインダーの見えやすさやピントのキレを向上させ
中級機に仕立て上げられたカメラです。
元々ベースとなるMEは巻上の感触の良さや上品なシャッター音等
使い心地に優れたカメラだったので
MEスーパーにブラッシュアップされたことで
さらに素性の良さが際立つような気がします。
1979年発売のカメラです。

お預かりしているMEスーパーはファインダー内露出計の値が
とにかく安定しません。
正しい値を示したかと思えば4段くらいアンダーに指示することもあります。
オート制御も連動して不安定なので
オートで撮影すると極端に暗い写真が混じってしまうような状態です。
さらに使っていると何かのタイミングで
LED表示が上に行ったり下に行ったり
はたまたいろんなところが点灯したりと
しっちゃかめっちゃかになることもあります。
電池室周りで接触不良が起きているのかと思ったのですが
腐食痕もなく分解しても電池室裏のハンダや配線には問題ありません。
これまでおそらく開けられたことがなく
内部モルトの劣化等はありますが基板や接点も一見非常にキレイです。
…となると基板内不良の可能性も出てくるのですが
まずは各接点やハンダ等のチェックと怪しそうなところは
重点的に清掃し、ハンダはやり直していきます。

基板の差し込み部とかも入念に清掃していきます。
で、ME系定番トラブルの原因となる
ミラー駆動部やエアダンパー等の整備も行っていきます。
今回はミラーアップやチャージ不良の症状は出ていないのですが
ミラー駆動部やエアダンパーのゴムブッシュはやはり
劣化してボロボロでした。このまま放置していると
そのうちトラブルの原因になってしまうと思われます。
で、一通りできることは全てやって
仮組して動きを確認したところ
見違えるように露出計やファインダー表示のLEDは安定しました。
さらにシャッタスピードの制御もマニュアル時も含めて
上手くいってなかったのですが(たまにスローでも最速で切れる)
その症状も出なくなりました。
ピンポイントで「ここが悪い!」というのは発見できませんでしたが
やはりどこかで接触不良が起きていたと思われます。
基板内不良でなくて安心しました。
何とか修理の目処が立ったので
これから細かい調節を行いながら仕上げていきます。
快適安心で使える1台になりそうです。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

少し前からHPトップでお知らせしていますが
明日4月7日(木)は所用の為
臨時休業といたします。
ご迷惑をおかけいたしますが
ご容赦くださいませ。

今日は4月6日…語呂合わせでいろんな記念日が
制定されています。
「白の日」、「城の日」、「シールの日」
「新聞をヨム日」、「事務の日」…等々
そんな中に「春巻きの日」なんてのがありますねぇ
「春巻き」の春で4月、巻きをロール(6日)と読ませる語呂合わせで
新年度を迎えるこの季節に春巻きを食べて
幸せを巻きとってほしいという思いが込められているのだそうです。
春巻き美味しいですよねぇ
英語圏でも、直訳した「スプリングロール(spring roll)」の名で
流通しているのだそうです。
ちなみにベトナム料理の生春巻きは
「スプリングロールより後に伝わった」との理由で
「サマーロール(summer roll)」の名で呼ばれているのださおうです。
あぁ、生春巻きも惜しいですよねぇ
お腹すいてきました…お昼ご飯の前に
このブログをまずは書き上げなくては…

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
一昨日のブログにも登場した「AE-1」の後継機ですが
単純にプログラムオートが追加されただけではなく
細部に渡って大幅にマイナーチェンジが行われています。
露出計はLED式となりファインダー表示も大幅に進化しました。
スクリーンも大幅に明るくピントの山のわかりやすいものに変更され
非常に快適なピント合わせが行えるようになっています。
全体的にかなり使い勝手が良くなった印象です。
ただ基本的なスペックはAE-1と変わりはなく
最高速1/1000の横走り布幕シャッター機です。
機械的な基本構造はAE-1とほぼ共通です。

お預かりしているAE-1プログラムは
キヤノンAシリーズ共通の定番トラブルでもある
「シャッター鳴き」が出ています。
シャッターを切ったときに「ギャイン」といった感じの
異音が出る症状です。
シャッター鳴きとはいいますが
原因はシャッター部ではなくミラー駆動部です。
ミラーアップする際に駆動部のギアから
異音が起きるわけで原因は単純に油切れです。
ただ、異音がするだけならまだ良いのですが
これが出始めると確実にミラー駆動に影響があり
ミラー動作がゆっくりとしか動かなくなってきます。
酷いものになるとミラーが上がらなくなり
シャッターが切れなくなってしまいます。
ここの構造はAシリーズ前モデルでほぼ共通であり
どの機種でも同様のトラブルが起こります。
対策としては定期的に清掃・注油を行うほかありません。
今回はそれに加えてオート時に絞りを制御する
絞込レバーの動きも悪くオート時の絞り制御が不安定で
安定したオート露出を行うことができません。
これも実はAシリーズ定番のトラブルで
今度はシャッター鳴きの原因のギアとは
ミラーを挟んで反対側の絞込レバー駆動ギアの油切れが原因です。
かなり繊細なメカ駆動部を持つAシリーズならではのトラブルと言えますね

また分解時に写真を撮るのを忘れてしまいました。
画像は整備が終わって上カバーを閉める段階で
「いけん!写真撮っちょらんけぇ!!!」と気づいて
とりあえず撮ったものです(汗)
先程、基本的な機械構造はAE-1と共通と書きましたが
電子制御部分は全くの別モノで
5年の間に電子部品技術が進歩したのがよくわかります。
AE-1の上カバー部とは見た目から全く異なります。
糸連動はもちろんなくなり接点で制御するようになります。
リード線の数も随分減っています。
ということでフレキはより外しにくくなるわけですね…
整備性としては難易度がかなり上がりました。
この辺りのカメラが当店で分解整備できる
最も新しい部類のカメラかと思われます。
これ以上、電子制御が進んで液晶とかも含まれてくると
メーカーからアッセンブリで部品が出なければもう手が出せません。

これから最終チェックを行い問題なければ完成となります。
シャッター鳴きはもちろん各部の動きも非常にスムーズになっています。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「趣味の日」だそうですよ。
「し(4)ゅみ(3)」(趣味)と読む語呂合わせからだそうです。
私が仕事として扱っているカメラもそうですし
それを使って撮る写真もそうですし
他にもクルマ・バイク、模型、旅行、料理、グルメ
スポーツ、音楽、楽器…趣味なんて
数えきれないジャンルの中からよりどりみどりですし
お金のかかるもの、手間のかかるもの、いろいろありますが
誰にでも何かしら合うものがあると思います。
どんな趣味にしても趣味を楽しめる環境が持てるってことは
それだけ人生に少しでも余裕がある…ということだとも
思えるので趣味の持てる毎日には感謝ですね!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
「キヤノンAシリーズ」の最初の1台であり
全てのAシリーズの基本形になるカメラです。
「AE」というといわゆる自動露出の
”Automatic Exposure Control”の略を連想してしまいますが
「AE-1」の「AE」は
”Total Automatic System by Electronic SLR Camera”の意味を持ち
「1」は 電子式カメラの頂点を表すものだそうです。
キヤノンAシリーズ開発は
電子、精密機械、光学、コンピュータの技術を統合した
100名ほどの大きなプロジェクトとしてスタートしたそうです。
社内では「新機種X開発計画」と呼ばれていたそうです。
そうしてプロジェクトスタートから2年3ヶ月後の
1976年に「AE-1」がデビューしました。
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラとしても話題となり
その高性能と低コストを両立させた優れた性能で
当然のごとく大ヒット商品となりました。
そのため現存する個体数は当然多く
電子制御機ということで
メンテナンス的に敬遠されることも多いと思われますが
電子回路は意外と丈夫で電池による腐食や
妙な分解品、水没品・ショック品でない限り
致命的なトラブルを抱えているものは少ないと思われます。
それよりも機械的トラブルである
Aシリーズ定番の「シャッター鳴き」や
機械的動作不良が原因のオート不良やSS不良のほうが
トラブルとして圧倒的に多いと思われます。
ただし、抵抗等の劣化が原因かと思われる
露出計やオートの精度不良を抱えている個体は多く
調整で何とかなる範囲のものが多いですが
あまり酷いものだと調整不可能なものもたまに確認できます。

お預かりしているAE-1も定番の「シャッター鳴き」はないのですが
やはり機械的動作不良が原因のSS不良やオート不良を抱えており
加えて先述した電子部品劣化が原因かと思われる
露出計の精度不良も見られます。
ただ今回は調整で十分対応できる範囲に留まっています。

当時の最新技術を結集したカメラということもあり
上カバーを外すとプリズムはフレキで覆われ
数多くの接点や電子部品が配置されています。
それでもまだシャッタスピードダイヤルからの連動は
糸連動だったりとアナログ的部分も意外と残っています。
ファインダー清掃するだけでもフレキをある程度外す必要があり
手軽に分解できるカメラではありませんが
ある程度フレキを外してしまえば
ミラーボックスの分離等は比較的簡単にでき
やはり整備性もよく考えられていると思います。
ただしIC等が搭載されているカメラなので
静電気は大敵です。
場合によっては1発で何もかも修復不能になってしまいます。
やはり分解整備にはかなり気を遣うカメラです。
これから集中して本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は4月1日!新年度のスタートですね!
…とはいっても…もはやいい歳で
さらに個人事業主の私にとっては
あまり特別な日でも何でもなく(苦笑)
単に月初か~今月もがんばるか―!くらいだったりします…
記念日はさすがにたくさん制定されていますね。
見ていると何だか…お酒に関するものが多い気が…
「サントリー赤玉の日」、「黒ラベルの日」
「居酒屋で乾杯の日」、「ジャパニーズウイスキーの日」…
そんな中に…「携帯ストラップの日」なんてのが…
ガラケー全盛のころは携帯にストラップはセットでしたよねぇ(笑
これももはや懐かしいですねぇ
意味もなくでっかい尻尾のストラップ付けてたこともあったなぁ
(かなり若い頃の話です…)
ストラップに加えてアンテナの先にもいろいろ付けてた気が…
いつのまにかアンテナ自体がなくなりましたものねぇ…
ケータイ使うときには
まずさっとアンテナ出して…という動作自体が
もはや懐かしい…(笑

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
レンズ交換式のレンジファインダー機の分野で
その地位を確立してたキヤノンの集大成ともいえるモデルです。
この「7」とマイナーチェンジ版の「7S」で
キヤノンもこのジャンルからは手を引くこととなります。
「7」は1961年、「7S」は1965年の発売ですが
世の中は既に一眼レフへの移行が進んでいて
「7S」の出た1965年にはいわゆる高級レンジファインダー機を
手がけていたのはキヤノンのみとなっていました。
しかしながら「7」は発売時に
まだまだこの分野のレンジファインダー機には
根強い人気があり国産メーカーとしては第一人者のキヤノンとしては
かなり力の入ったカメラです。
レンズ交換の制約が少ない一眼レフに対抗して
35/50/85+100/135mmのパララックス補正機能付き
等倍採光ブライトフレームを搭載し
セレン光電池を使用する露出計も装備しています。
キヤノンらしい使用感の良さは健在です。
このモデルからモデル名もローマ数字ではなく
アラビア数字になりました。
非常に良くできた完成度の高いカメラであることに
間違いはありませんが
このあたりに注力しなくてはならなかったため
キヤノンは一眼レフへの移行へはかなり出遅れることとなります。

お預かりしている「7」はかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
心配されるセレンは何とか生きていて
それなりの値を示すことができそうです。
しかしながらファインダーはかなり曇っていて
各部の動きも悪い状態です。
シャッターは高速1/1000は全く開かず
1/500は何とか開きますが精度的にはかなり問題のある状態です。
巻上も油切れで感触が悪く
スローガバナも粘っています。
フィルム感度設定も固着していて設定ができません。
やはり全体的に整備が必要な状態です。


整備性は非常に良いカメラです。
ただ知識がないと上カバーを開ける際にちょっと苦労するかもしれません。
露出計が加わったこともあり上カバー内側部は
かなりぎっしりと詰め込まれている印象です。
横走りシャッター部はバルナックコピー時代から
煮詰められてきた部分なので非常に完成度の高い造りになっています。
しかしながら…眠っていた年数が長いこともありますが
各部のカビと錆、そして固着がなかなか酷い状態です。
ひとつひとつ動きを確認しながら
慎重に整備を進めていきます。

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