日別アーカイブ: 2022年9月23日

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「秋分の日」で祝日ですが
「海王星の日」でもあるのですね。
1846年のこの日に
ドイツ・ベルリン天文台のヨハン・ガレが
望遠鏡を用いて「海王星」を発見したことに由来しています。
「冥王星」が準惑星に分類された現在では
最も太陽から遠い位置を公転している惑星です。
直径は49,528kmで地球の3.88倍に相当します。
太陽から遠いため表面の温度は約50K(約-223℃)だそうです。
それでも、中心部の温度は、約5,400K(約5,127℃)と熱を持ちます。
約165年かけて公転していて太陽からは平均30.1au(約45億 km)離れています。
全ての数字のスケールが大きすぎてピンときませんね(苦笑)
1auが地球と太陽との平均距離なので
相当離れている…というのだけはわかります…
公転に165年ということはもし海王星にいるとしたなら
海王星でいうところの半年程度しか人は生きられないのですねぇ
ちなみに海王星から見る太陽の大きさは地球から見る場合に比べて
1/30ほどの見かけの大きさになるそうです。
明るさは地球から見た場合の1/900ほどなのですが
それでも地球から見る満月の450倍の明るさがあるそうです。
(地球から見た太陽の明るさは満月の約40万倍)
海王星は残念ながら肉眼で見ることはできませんが
そんなことを思いながら夜空で惑星を探してみるのも
秋の夜長には合いそうですね

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
1966年に発売されたミノルタ初のTTL測光方式採用のカメラです。
加えて初の開放測光機でもあり
開放測光に対応するため絞り連動機構を備えた
「MCロッコールレンズ」も同時に登場しています。
前モデルでもあるNewSR-7で採用した新ダイキャストボディを
ベースに開発されており
信頼性の面からも非常に優れた基本設計のカメラです。
その使いやすさやコストパフォーマンスの高さから
ヒット商品ともなりロングセラー機となりました。
SR-T101としても7年間生産が続けられ
後継機でもあり基本設計を共通とする
「SR-Tスーパー」、「SR505」や「SR101」まで含めると
70年代半ばまで最前線で活躍したカメラです。
ミノルタの機械制御シャッター機を代表するカメラかと思います。
基本的に非常に丈夫なカメラで
押し入れの中から何十年も放置された状態で出てきても
シャッターだけは何とか動く…という状態のものも多いかと思います。
しかしながら普通に使うにはやはり一通りの整備が必要です。

お預かりしている「SR-T101」はシルバーに比べると数の少ない
ブラックボディの「SR-T101」です。
外観のコンディションはなかなか良い状態でキレイです。
シャッターも露出計も一応は動作していますが
やはり高速シャッターの精度は全く出ておらず
巻上にも油切れの兆候が見られます。
露出計は指針の動きが不安定でハンダ不良が疑われます。
一通りの整備一式で問題なく使用できる状態になると思われます。

「SR-T」系のカメラは露出計関連の「連動糸」が
少々厄介な問題で慣れていないとその扱いに苦労するかもしれません。
SR-T系のカメラは毎月1台は必ず依頼のあるカメラなので
さすがに手慣れたものですが
そういう慣れた部分こそ油断ならないので
もちろん慎重に取り扱っていきます。
糸を切ってしまうようなケアレスミスはさすがにないですが
再組立て時に糸の処理をいい加減にすると
絞り連動部の動きが悪くなったりとかの不具合も出てきます。
それからSR-Tは意外と内部モルトの多いカメラなので
その辺りの処置や交換もしっかり行います。
糸の処理は確かに少し手間ですが基本的には整備性の良いカメラです。

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