日別アーカイブ: 2024年6月1日

ニコンFEのカメラ修理

今日は6月1日月初ということもあって
様々な記念日が制定されています。
「世界親の日」「世界こどもの日」「牛乳の日」
「防災の日」「気象記念日」「電波の日」
「麦茶の日」「氷の日」「ねじの日」「真珠の日」
「チューインガムの日」まだまだたくさんありますねぇ
牛乳さえ毎日飲んでいれば常に元気!と思っている
牛乳信者な私としては「牛乳の日」を取り上げたいところなのですが
当店としてはやはり今日は「写真の日」ですよね!
1841(天保12)年のこの日、日本初の写真が
撮影されたということが由来ですが
この後の調査でそれ以前にも
写真撮影が行われていたことがわかっています。
いずれにしてもこの由来となった日から180年少々
写真を取り巻く環境はいろいろと変化しましたね。
いまや写真は誰でも簡単に撮れて記録媒体としても
非常にお手軽なものとなりました。
私の生きている間だけでもほんの数十年前からは
想像できないほどの便利さに進化しています。
それでも少し昔の不便さを楽しみながら写真を
撮るのも楽しいのですよねぇ…
…というわけで個人的にはデジタル写真はほぼスマホに任せて
量は少しだけではありますが
細々とフィルム写真を引き続き楽しんでいきたいと思います。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
一時期は毎週のように修理依頼のあった「FE」ですが
少しばかり久しぶりですね。
それでも「FE」は当店としては
相変わらず修理整備依頼の多いカメラです。
1978年発売の中級機です。
60年代後半から70年代にかけてヒットした
「ニコマートELシリーズ」の後継機となります。
電子制御シャッターを搭載し絞り優先オートが使えることが
一番のセールスポイントです。
このこと自体はニコマートからFEに変わっても共通のコンセプトですが
大きさも適度にコンパクトになりデザインも操作性も
劇的に洗練されて非常にスマートなカメラとなりました。
ファインダーの明るさやキレも随分と進化し
視認性の良い非常に使いやすい露出計ファインダー表示や
絞り値表示等もあり撮影時の使い勝手も非常に進歩しています。
機能的な部分だけではなく電子回路の安定性も
随分と進化しています。
「電子制御機」ということで発売から40年以上経つ現在としては
動作の不安定さやメンテナンス性に不安を持たれる場合も多いかと思われますが
「FE」は電子回路上の問題は皆無とまでは言いませんが
非常に少ないかと思います。
トラブルの大半は経年劣化による機械的動作不良です。
もちろん電子制御機は接点の接触不良やマグネットの吸着問題等も
よくあるトラブルですがそのあたりは整備すれば改善できるので
いずれにしても整備が必要なこの年代のカメラとしては
大きな問題ではないかと思います。

お預かりしている「FE」は巻上ロック機構の動作不良を抱えていて
受付時には巻上が全くできずどうにも動かせない状態でした。
電気的な接触不良もあるようで露出計も少しばかり不安定です。
巻上関連のトラブルはFEのみならず機械的な部分で
共通点の多い「FM」でもよく見受けられるトラブルです。
大体パターンは限られているので
分解整備の過程で修理可能かと思われます。

画像は取り掛かり始めの段階のもので
上カバーを外しただけの状態です。
電子制御機としては整備性はかなり良好なカメラですが
やはりそれなりに神経を使うカメラではあるので
これ以降はより集中して慎重に作業に取り掛かります。
この後でわかったことですが
巻上ロックのトラブルが解消してシャッターをテストしてみたところ
やはりシャッター羽根の見えない部分に
汚れ等が溜まっているらしく
1/1000はほぼ開かず高速シャッターの精度はかなり崩れてしまっていました。
金属羽根シャッターは動作安定性は非常に高いですが
汚れや油脂にデリケートな部分もあるので
そのあたりも含めてしっかり整備を行っていきます。

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