日別アーカイブ: 2024年6月19日

ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「朗読の日」だそうですよ。
「朗読」は、声を出しながら文章を読むことを意味します。
「音読」ともいいますが、「朗読」には文章や詩歌の内容をくみ取り
感情を込めて読み上げるという意味合いも含まれるのだそうです。
大人になって…いや声に出して文章を読むなんて
小学校の授業以来、ないのではないかと思います…(苦笑)
なかなかそんな機会はありませんねぇ
朗読どころか年々声を出す機会自体が減ってきて
ちょっとまずいのではないかと思うほどです。
(仕事中の対応以外に声を出す機会がほとんどない…)
ひとりカラオケも行かなくなったし…
でも感情をちゃんと込めて文章を読むのは
いろいろと良い効果もあるような気がします。
でも今ここで「良いような気がします」なんて言っても
絶対にやらないでしょうねぇ(苦笑)
まぁ実生活に困らない程度に声出して話すようには心がけます…

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
ペンタックスMシリーズの基本ともなるカメラです。
Mシリーズの一号機はこのブログでもよく登場する
機械制御横橋りシャッター機の「MX」ですが
「MX」は電子制御機を主とする「Mシリーズ」の中では
どちらかといえば本流ではない存在で
「MX」の1ヶ月後に発売された今回の「ME」のほうが
ペンタックスの考える「Mシリーズ」のコンセプト
「小型軽量化」、「電子化によるAE化」、「システムの充実」を
具現化したカメラかと思います。
実際にもこれ以降に発売される「Mシリーズ」のカメラは
全てこの「ME」がベースとなっています。
「ME」自体は絞り優先オート専用の
いわゆる「エントリークラス」のカメラですが
軽量コンパクトで使い心地も良いカメラだと思います。

「ME系」の持病と言えばやはり定番ともいえる
「ミラーアップしたまま固着」という症状です。
今回お預かりしている「ME」もその状態で当店にやってきました。
「ミラーアップしたまま固着」は
もはや一眼レフ全体によくあるトラブルですが
他のカメラの場合はミラー駆動部に原因があることは少なく
大抵の場合シャッター走行不良から関連して起こるトラブルです。
ただ「ME系」の場合はその大半…というかほとんどが
ミラー駆動部自体に問題があり動作不良が起こるパターンです。
同じ箇所が原因で起こるトラブルにシャッターチャージ不良で
「何回でも巻上ができるがシャッターが切れない」
「巻き上げた瞬間にシャッターが切れてしまう」なんていうパターンもあります。
ミラーアップしたまま固着している場合だと
少々厄介なのはその状態で電気系が正常かどうかの判断ができないことです。
ただ、例え電源が入らない状態だったとしても
「ME系」は電子回路上の修理不可能なほどのトラブルは非常に少ないので
大抵の場合が何とかなるのですが…

何はともあれミラー駆動部がまともに動くように
整備を行っていきます。
電気系は細かい精度や動作の確認はともかく
とりあえずは重篤なトラブルは抱えてないものと思われます。
ミラー駆動部動作不良の原因は大半は
駆動部に使われているゴムブッシュの溶解が原因です。
それ以外にも「ME」には内部モルトが多かったり
シャッター内部にゴム部品が使われていたりと
何十年もの間に変質して動きを妨げるよう要因が多くあるので
分解しながらそのあたりの対処改善を進めていきます。
電子制御機ではありますが
整備性自体は非常に良いカメラです。

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