今日は「広島平和記念日」いわゆる「原爆の日」ですね。
広島にいた頃は8時15分にはサイレンが鳴り
町中が黙とうするのが当たり前でしたが
首都圏に来てからはそういうこともなくなり
原爆の日も少し遠いものになってしまった気がします。
私は祖父母に育てられたので小さな頃から
戦時中の話は本当に山ほど聞かされました。
広島・呉という土地柄、当時のことを教えてくれる
資料館等もたくさんありました。
私自身は戦争を知らない世代ですが
どれほどの悲惨な状況だったこということを
確実に次世代に伝えていかなければ。。。と
この日には再確認する気持ちにさせられます。
さてさて
本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
ペンタックスMシリーズの中でも
最も売れたカメラと言っていいと思います。
絞り優先AE専用機で軽量コンパクトな
非常に良くできたカメラです。
発売は1976年です。
それまでのペンタックスカメラのシンボルでもあった
AOCOマークが刻印された最後のモデルでもあります。
ペンタックスMEというと
ミラー駆動部のゴムブッシュ溶解による
「ミラーアップしたまま固着」というトラブルが
非常に有名で、実際にその症状が多いのですが
今回、お預かりしているMEはその症状はございません。
とはいえ、もし当時のゴムブッシュが
そのまま使われている状態でしたら
時間の問題で必ずミラーアップのトラブルは発生します。
今回のMEはそのミラーの動きや音の感じから
おそらくゴムブッシュに関しては対策済みかな。。。とは思いましたが
今回はそういう部分も含めての各部点検整備一式のご依頼なので
もちろん一通りチェックして清掃・注油を行っていきます。
この時期のペンタックス機なので
内部にモルトが多く使われています。
特にスクリーン枠と露出計の接続部にある
モルトからファインダー内にたくさんモルト屑が入ってしまっています。
ミラー駆動部のゴムブッシュは予想通り対策済みでしたが
ミラーボックス底部のエアダンパー等も
要チェックな部分です。
機構的なウィークポイントはわかっているので
それらを中心にひとつひとつ清掃・注油を行っていきます。
その上で今回、結構狂ってしまっている
露出計・オートの精度を調整していきます。
それからこれもME系で多いトラブルですが
巻上レバーを格納したときのクリック感がなく
完全に仕舞った状態から実際に巻き上げる遊びの部分で
巻上レバーがフラフラと遊んでしまっている状態です。
クリック感を出す板バネが折れてしまっているせいで
ここは強度不足なのか折れてしまっている個体が多いです。
今回は中古部品を使って交換で対処します。
今回、お預かりしたMEにはM42マウントアダプターが装着されていて
付属するレンズもM42のスーパータクマーでした。
実絞り測光になるのでファインダーは暗くなりがちですが
M42レンズを使って絞り優先オートが使える
この組み合わせはなかなか楽しそうです。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。