リコーオートハーフE2のカメラ修理

今日は「パンダ発見の日」だそうです。
1869年のこの日に
中国・四川省の民家で
伝道中のフランス人神父アルマン・ダヴィドが
白と黒の奇妙な熊の毛皮を見せられたのだそうです。
これが西洋でパンダが知られるきっかけになったのだそうです。
パンダって不思議な動物ですよね。
何故、中国の限られた地域にしかいないのか。。。
何故、白黒なのか。。。とか。。。
主食は竹や笹の葉ですが
本来、雑食性で腸や盲腸は草食としては
短いことがデメリットとなり
本来、竹や笹を食べる場合、栄養効率が非常に悪いそうです。
そのため効率の悪い部分を量で補うことになり
1日の大半を竹を食べることに費やしているそうです。
竹や笹しか食べないわけではなく
飼育されているものは肉や野菜を主食として食べるそうです。
うーん、やっぱり不思議な動物ですね。

さてさて

本日は「リコーオートハーフE2」のカメラ修理を行っています。
オートハーフも月に1、2台は必ず修理依頼のあるカメラです。
コンパクトで真四角なデザインは
レトロさも感じられ持ち歩きたくなるカメラです。
巻上はゼンマイ仕掛けで自動巻上
ピントは固定焦点、露出はオート、ということで
構えてシャッターボタンを押すだけで撮れてしまう
楽ちんなカメラです。
設計者の方が「自分の50歳の母親でも簡単に撮れるカメラ」ということで
開発され、女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに
入るほどの小型化を目指して作られたのだそうです。
オートハーフシリーズの初代モデルは
1962年の発売ですが
細かい仕様変更等を重ねながらも
基本的な構造は変わらぬままに
80年代まで生産されたロングセラーカメラでもあります。

お預かりしているオートハーフは「E2」で
オートハーフEにホットシューが追加されたものです。
オートハーフで定番のトラブルといえば
やはり「露出計が動かない」、「オート露出が効かない」ということですが
今回も露出計が動作しておらず
オートは全く効いていない状況です。
つまり明るさに関係なく常に絞り開放で撮れてしまうということです。
セレン光電池を使った露出計なので
やはりセレンの劣化が心配なところですが
ここ数年、修理に入ってくるオートハーフを見ていると
露出計不動の固体の中で
セレンが劣化して起電しないものが半分くらい
残りのもう半分は露出計そのものが壊れているものが多いようです。
もちろん、両方がダメなパターンも結構見かけます。
今回は残念ながらセレンが完全に死んでしまっているようです。
部品取り用の個体からセレンを移植することで対応します。

露出計だけではなく、やはりシャッターや絞り機能も
随分と動きの悪い状態でした。
オートハーフのシャッターユニットや
そのサイズ的な制約も合って
バネの非常に小さな力で駆動しています。
ちょっとした汚れ等ですぐに撮影に影響が出る、あるいは
撮影できないほどに動作不良になってしまいます。
もちろん、一度しっかり整備してしまえば
快調に動くようになります。
オートハーフと言えばその多彩な前板部のデザインに
興味がそそられますが
特にめずらしいモデルでなくて通常に販売されていたものだけでも
かなりバリエーションがあり
そのどれもがこの時代ならではのものが多く非常に魅力的です。
今回のサンレッドも非常に良い感じです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。