ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小雪」です。
「こゆき」ではなくて「しょうせつ」ですね。
わずかながら雪が降り始める頃、ということですが
確かに一昨日あたりから急に冷え込んできたような気がします。
そうこうしているうちに12月になり
バタバタしているとあっという間に今年も終わるのでしょうねぇ。。。
あぁ、まだやり残していることが山ほどあるのですが。。。(汗)
そういえば昨日からお店の暖房をオンにしています。
今日は雨で乾燥こそないですが
風邪など召さぬように皆さまお気をつけくださいませ。

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年に発売されたコンパクトカメラです。
コニカC35が発売され大ヒットした影響を受け
各メーカー、軽量コンパクトなカメラをラインナップしていくわけですが
ミノルタは従来のハイマチックシリーズの一員として
ハイマチックFを登場させました。
写りに定評のあるロッコールレンズ38mmF2.8を搭載し
シャッターユニットは電子制御シャッターであるセイコーESLを搭載した
プログラムオート露出専用機です。
もちろんレンジファインダーを搭載します。
少々深めなレリーズボタンは独特のフィーリングで
好みの分かれる部分はあるかとは思いますが
個人的にも非常に好きなカメラで一時期、私も使っていました。
気軽に持ち歩け非常に良い写りをするカメラです。
使用電池がNR52と呼ばれる水銀電池で
もちろん現在では入手不可能です。
LR44やSR44を2個使い電池アダプタ等で使用するのが無難です。

このカメラも電池室の腐食によるトラブルが多いのですが
お預かりしている個体は電池室は一見、非常にキレイです。
でも電池を入れても全く電源が入りません。
もちろんバッテリーチェックも点灯しません。
早速、電池室周りをチェックしてみると
マイナス側の電池端子に繋がっているリード線が
腐食して断線しています。
電池室がキレイでもやはり水銀電池から出るガスの影響なのか
配線は傷んでいるもが多いですね。
とりあえず応急処置で電源を入るようにして動作チェックを行ってみたところ
オートの精度が全く出ておらず
明るい場面では大幅に(2.5段以上)アンダーになってしまいます。
マグネットあるいは接点の汚れ等が原因かと思われます。
兄貴分のハイマチックEは基板や配線の手の付けられないトラブルが
非常に多く当店では既に修理は行っていないのですが
たった1年後なのにハイマチックFは基板関連のトラブルは非常に少ないと思います。
今回も電子基板そのものは問題なく
通常の整備で快適に使える状態になりそうです。

シャッターユニットの整備、各接点やマグネットの清掃
レンズ、ファインダーの清掃・調整等
一通りの整備を行います。
このハイマチックFご依頼者さまのお母さまが使っていたものだそうです。
残念ながらご本人さまは既に他界されているそうですが
お正月にご依頼者さまがこのカメラを使ってお父さまの写真を
撮りに行く予定なのだそうです。
おそらく数十年ぶりに撮影に使われるのだと思われますが
きっとステキな写真になることに間違いなさそうです。
気持ちよく使っていただけるようしっかり整備していきたいと思います。

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