ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は11月3日、「文化の日」ですねぇ
「文化」というとこれがまた範囲が膨大過ぎる上に
考え方と捉え方でいろいろあると思うのですが
「文化の日」に関連して
「レコードの日」、「文具の日」、「まんがの日」
「クラシックカーの日」等々が設定されています。
この中だと「レコードの日」が興味深いかな
私の中学生くらいまでの頃はレコード全盛でしたし
その頃に手に入れたレコードはもちろん今でも持っていますし
再生環境も機材を入れ替えながら維持しています。
おまけに再生環境があると
大人になってからもちょくちょく中古レコード買ってしまうのですよねぇ
でもレコードにクリーナーかけながら
針も掃除してレコードに針を落として音楽を聴く行為は
CDやストリーミング再生には代えられない良さがあると思います。
アナログ盤ならではの音質…まではよくわかりませんし
そんなたいそうな再生環境もありませんが…(苦笑)
ここにそのうち「フィルム文化」も入れてほしいですねぇ
レコードは近年再び見直されてそれなりの市場があるようですが
フィルムを取り巻く環境は年々厳しくなっていきます。
フィルムの場合は現像工程があるからまた難しいのですよねぇ
現在、やってくれているラボがもしなくなって
現像環境が自己現像しか選択できなくなったら…と思うと
怖くって夜も眠れないですねぇ(汗)
そうなったら大手のフィルムメーカも撤退するでしょうし…
あ、逆か…大手のフィルムメーカーが撤退すると
自然に現像環境もなくなるんだな…8mmフィルムがまさにそうでしたし…
私もできる限り使っていくので
何とかメーカーさんにはがんばってもらいたいものです。

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年に前年発売されたミノルタ初の一眼レフカメラ「SR-2」の
普及版として発売されたカメラです。
普及版とはいってもシャッタスピードから1/1000が省略されただけで
他に劣る部分はございません。
そして「SR-1」のブログの際には何度も書きますが
ベースとなるフラッグシップは
SR-2→SR-3→SR-7とモデルチェンジと同時にモデル名も変わっていくのに
SR-1はずっとSR-1というモデル名のままでモデルチェンジは行われていきます。
そのため単にSR-1といってもボディ形状だけで4種類のモデルが存在します。
なかなかややこしいことになっていますよね
この時代にはこういうモデル名に関するわかりにくい事例は
非常に多いのですが…(苦笑)
どのモデルにしても基本的には非常に頑丈な使いやすい良いカメラです。
ただ状態によっては
シャッター幕が劣化・硬化しているものも多く
幕交換まで行うと結構なコストもかかるので注意が必要です。

お預かりしている「SR-1」は
まず露出計のソケットが付いていて「SR-1」の刻印は巻き戻し側
刻印の文字色は緑色でフィルムカウンターは巻き戻し側。。。
このあたりの特徴から1961年前期型と思われます。
ベースとなる上級機は「SR-3」です。
シャッター幕軸の汚れ・油切れと思われますが
シャッター速度の精度が全く出ていません。
1/500が1/125くらいに開いていしまっています。
巻上、ミラー駆動部、スローガバナ等
駆動部は全体的に油切れで動きが悪く
やはり全体的に整備の必要な状態です。
装着されているレンズはオートロッコールPF55mmF1.8ですが
こちらもレンズにカビが盛大に生えています。
加えて絞りに粘りもある状態です。
こちらも清掃を含めた整備一式が必要です。

SR-1,2,3はプリズムが腐食しているものも多いのですが
今回はそれは何とか大丈夫でした。
これから分解を進めて
動く部分を全て念入りに清掃して調整を行っていきます。

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